艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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エラい長くなってしまいました……
切りどころを見つけられずこんなことに。暇を見て読んでいただけると嬉しいです。


主人公・鯉住龍太(こいずみりゅうた)の呼び方

いろんな登場人物が出てきて、書いてる方としてもこんがらがってきたので、まとめてみます。

呉第1鎮守府……だいたい「鯉住さん」「鯉住君」呼び。彼の先輩は「鯉住」と呼び捨て。初春は初期は「鯉住殿」最近は「お前様」。

横須賀第3鎮守府……一ノ瀬中佐含め、重巡洋艦あたりからは「鯉住君」呼び。精神年齢がそれより幼い面々は「鯉住さん」。

佐世保第4鎮守府……加二倉中佐は「鯉住」呼び。他の面々は「鯉住殿」「鯉住さん」など。川内型は「龍ちゃん」「龍太さん」。

トラック第5泊地……三鷹少佐は「龍太君」。それにつられて他の面々も「龍太さん」「龍太君」。三鷹グループの現地従業員の皆さんからは「リュータ」。

その他……白蓮大将からは「鯉住」と呼び捨て。大和と高雄からは「鯉住少佐」。


ふわふわした設定なうえ、だいたいが彼が提督に着任する前の話なので、間違ってたり変わったりするかもです。
その辺は大目に見てくださると助かります。





第38話

 

 

随分とガッカリしていたが、ハーブティーを飲んだおかげで落ち着きを取り戻した山城。

しかしまだ納得はしていないのだろう。不服そうな顔をしている。

 

 

「それで、わざわざ大本営にまで来たのは、何のためなんですか?

俺に用事って言ってましたし、トラックにいたころの何かについてだと思いますが……」

 

「あぁ……やっぱり平常運転なのね……

何で私の登場に驚かないの……?アナタそんなに堂々としてなかったじゃない……」

 

「あのですね……山城さんが登場する前にですね……」

 

 

・・・

 

 

説明中

 

 

・・・

 

 

「そうなの……それでアナタ達、そんなに死にそうな顔してるのね……

……つまりこういうこと?

私も窓を突き破って登場したり、床を突き破って登場したりすればよかったってこと……?」

 

「やめて下さいよ……山城さんにまでそんなことされてたら、俺たち精神的に轟沈してましたよ……

ていうか山城さんは真面目なんだから、そんなことできないでしょう?」

 

「ほっといてちょうだい……

私は今、渾身の作戦がスカされた悲しみを噛み締めているんだから、ツッコミひとつでも大ダメージを負うのよ……」

 

「相変わらず豆腐メンタルなんですね……」

 

「そういうのをやめてと言ったのよ……」

 

 

辛気臭い雰囲気のふたりを見かねて、マイペースでポジティブな足柄が口を出す。

 

 

「はいはい。もう済んじゃったことなんだし、受け入れなさいな。

それで、貴女はうちの提督に何の用事があってきたのかしら?」

 

「はぁ……私のサプライズが失敗した一因は、アナタだっていうのに、随分な言い草じゃないの……」

 

「さっきも言ったけど、もう終わったことじゃない。

そんな細かいこと気にしていると、勝利を掴めないわよ?」

 

「あぁ……なんて眩しい意見……

どうしよう、龍太さん……私浄化されちゃう……」

 

「浄化されるほど汚れた存在じゃないですから、心配しないでいいですって。

それで、ホントにどうしたんですか?

電報でなく直接対面で連絡なんて、よっぽどのことだと思いますが……」

 

 

この鯉住君の一言を受けて、気持ちを持ち直したのか、不敵に微笑む山城。

 

 

「フフフ……電報でもよかったと言えばよかったんだけど、せっかくの慶事なんですもの、直接伝えたいじゃない。

それに2か月間とはいえ、苦楽を共にしたパートナーが頑張っているっていうんですもの、一言応援の言葉くらいは掛けたいと思うじゃない?」

 

「ああ、それはありがとうございます。

そのためにわざわざ来てくれただなんて、とても嬉しいです。

しかし山城さん、慶事って何のことですか?俺が去った後に、部署に何か変化があったんですか?」

 

「ええ。聞いて驚くなかれ、よ!……つい先日、売上1万部を突破したわ!!」

 

「……マジで?

あんなニッチなジャンルの本が?1000部の間違いじゃなくて?」

 

「間違いじゃないわ。出版してから1か月でこの売り上げよ?それにまだまだじわじわと売れ続けているの。

龍太さんのこれまでの人生が正しいものだったっていう、何よりの証拠ね。

提督も「龍太君すごいじゃないか」って褒めてたわよ?」

 

「そっかぁ……それは、嬉しいですね……!!」

 

 

ふたりして本人たちにしかわからない話題で盛り上がる、鯉住君と山城。

当然他の面々は、わけがわからず眉間にしわを寄せている。

 

そんな状況を打破すべく、これまたハーブティーで気持ちを持ち直した大和は、会話に参加することにした。

 

 

「あ、あの、すいません、おふたりとも。ちょっといいでしょうか?」

 

「あ、はい。すいません大和さん。何のことやらわからないですよね」

 

「まぁ、そうですね……もしかして、鯉住少佐がトラック泊地で研修をされていた頃に関係するお話ですか?」

 

「はい、そうです。

……それじゃ、今の話の説明も含めて、三鷹さんのところでの研修の話でもしましょうか。

山城さんもそれでいいですか?」

 

「ええ、構わないわ。私としては伝えたいことは伝えたし、好きにしてちょうだい」

 

「ありがとうございます。それではお話ししますね……」

 

 

今度はどんな異世界の話が飛び出すのだろうか? 緊張して生つばを飲み込む秘書艦ズと大和。

 

そんな細かいこと気にしない秋津洲と足柄は、楽しみにしてた昔話が始まるとあって、ニコニコしている。

 

 

「……三鷹さんの研修は大きく分けて2種類でした。

まず、ひとつは座学。

ここでは今の世界の現状や、艦娘、深海棲艦についてわかっていることのおさらいをしました。

もちろん戦略的、戦術的な講義も多数受けさせてもらえたので、あそこでの知識は、提督業をするうえで、非常に役に立っています」

 

 

「「「 (……あれ?) 」」」

 

 

首をひねる大和と秘書艦ふたり。

 

 

「そしてもうひとつが実技ですね。

トラック第5泊地の皆さんに協力してもらい、演習で作戦指揮をひとりでこなしたり、時には比較的安全な海域まで出撃、現在主流な無線指揮をしたりもしました。

少し危険が伴うものとして、自らも現場に小型船舶で同行して、現場で指揮を行う、ということもやりました。

これは深海棲艦出現初期に採られた方法ですね。

現場での指揮は効果的で、メリットが大きいのですが、人間の提督に多大な危険があるという、見過ごせないデメリットがあります」

 

「……普通は現場で指揮を採ってもらうって言われれば、動揺するものなのにね。

龍太さんは「はい、わかりました」で済ませちゃうんだもの……驚いたわ……」

 

「まぁ、加二倉さんのところで、もっと強烈なことやってきてましたし……」

 

 

鯉住君がトラック第5泊地を後にしてから、まだ1か月も経っていない。

そんな少し前のことではあるが、環境が変化した今、それはすごく前のことのように感じるのだろう。

昔を懐かしみながら、穏やかな表情でやり取りする鯉住君と山城。

 

そんなふたりとは対照的に、少し焦った秘書艦のふたりが質問してきた。

 

 

「ちょ、ちょっと! その話、絶対おかしいわよね!?」

 

「え? なにが?」

 

「何って……気づいてないんですか、提督!? 研修内容が普通過ぎるんですよ!!」

 

「えぇ……?」

 

 

前ふたりの研修が異次元過ぎたせいか、わけのわからない質問をするふたり。

 

冷静に考えれば、研修中の身でありながら現場指揮までやっていたのは、どう考えても普通ではない。

一般的な「普通」の研修では、実技をやってもせいぜい演習どまり。一部優秀な候補生は無線指揮をするくらいだ。

 

それくらい知っている秘書艦ふたりであるが、今日のよくわからない異次元空間に順応してしまったせいで、普通の基準がぶれてしまっている模様。

 

 

「だから言ったじゃない。前ふたりよりは普通の研修だったって……」

 

「絶対そんなのフリじゃないですか……」

 

「俺芸人とかじゃないから、そういうのとは無縁だからね?」

 

「ウソつきなさいよ……半分芸人みたいなところあるじゃないの」

 

「なんなの? 俺って秘書艦から信用されてないの? 俺提督だよ?真面目にやってるよ?」

 

「そういうの今はいいから。さっさと続き話しなさい。どうせなんかオチがあるんでしょ?」

 

「ウチの秘書艦がひどすぎる件について……」

 

「はいはい。仲がいいのはわかったから。

叢雲ちゃんの言う通り、さっさと続きを話してちょうだい」

 

「足柄さんの言う通りかも! 秋津洲も早く続きが知りたいかも!」

 

 

色々と物申したいが、何を言っても無駄なんだろうなぁ……と、若干うなだれる鯉住君。

それを見かねて大和がフォローを入れる。

 

 

「皆さん、そのあたりでやめてあげてください……

鯉住少佐が何か悪いことをしたわけではないですし、あまり強く当たらないであげてください」

 

「や、大和さん……!!

フォローしていただいて、ありがとうございます!私の味方は貴女だけです……!!」

 

「そ、そんな、大袈裟な……」

 

 

なんて言いつつ、彼に頼られてまんざらでもない大和。

 

 

「むー、私だって提督の味方かも! 大和さんだけ特別扱いしないでよね!!」

 

 

ブンッ!ブンッ!

 

 

「わ、わかった、わかったから揺らさないでくれ、秋津洲。

すぐに続き話すから、手を放してくれ……」

 

「提督にはもっと、私達の気持ちを考えて欲しいかも!」

 

「すごく考えてるんだけど……

まぁいいや、えーと、三鷹さんの研修についてはホントにそんな感じだったよ?

前ふたりに比べれば、天国のような研修だった……

艤装メンテもしょっちゅうさせてもらえたし、趣味の釣りも結構できたし……」

 

「あら、なんだか温いわね。研修っていったらウチくらいが普通じゃないの?」

 

「将棋で鼻血が出るまで頭を酷使するような研修は、普通じゃありません……」

 

 

鯉住君の意見などどこ吹く風で、話を続ける足柄。

 

 

「でも鯉住君。アナタがやってきたのって、それだけじゃないんでしょう?

さっきの話に出てた内容は全くなかったし、三鷹少佐がそんな普通の研修で済ますはずないし」

 

「さすが足柄さん、察しがいいですね。その通りです。

研修はそんな感じだったんですが、それ以外の時間を使ってやるように言われた、「宿題」がありまして……」

 

 

鯉住君の今のセリフに、叢雲が激しく喰いつく。

 

 

「ホラみなさい!やっぱりオチがあるんじゃないのよ!

だから半分芸人だって言ったの!変に期待させないでよね!!」

 

「いやいや……研修は普通だって言ったけど、それ以外に何もしなかったとは言ってないし……

大体今からする話でも、キミたちがダメージ受けるようなことはないだろうし……」

 

「そういうことじゃないですよ提督!

私達が言いたかったのは、叢雲さんが言ったようなことです!

やっぱり心の準備が必要なやつじゃないですかぁ!!」

 

 

荒ぶる秘書艦たちを鎮めるのは、ちょっと骨が折れそうだ。

そう考えた鯉住君は、とりあえず話すことだけ話すことにした。

 

 

「まぁ大丈夫だって……被害が及ぶ類の話じゃないから……

えーと、その「宿題」っていうのがね、『俺の体験を本にして二か国語で出版する』っていうもので……」

 

「……鯉住少佐、今何とおっしゃいました?」

 

「えーですね……

私が今まで経験してきたことや、私の考えていることなどを一冊の本にまとめ、日本と英語圏向けに、電子書籍として販売する、という宿題でして……」

 

「……聞き間違いではなかったんですね」

 

 

確かに大和は、三鷹少佐から2か月ほど前に副業申請書を受け取った。

それには「インターネットを介した電子書籍の販売」という項目もあった気がする。

 

しかし大和は、提督が申請するにはどう考えてもおかしいその項目を、そんなに気にしていなかった。

何故って、副業申請書に記載されていた項目は100以上あったのだ。流石三鷹グループというしかない。そんな状況で一項目一項目調べていられるほど、大和は暇ではなかった。

 

……三鷹グループの副業申請は、専門の検閲官がおり、彼が基本的には項目の可・不可を判断している。というかそうでもしなければ大和が過労死する。

 

だからその件に関する大和の仕事は、最終チェックと各方面への伝達だけであり(だけ、というにはハードすぎる業務だが)、検閲官が全く問題なしと判断した項目は基本スルーである。

 

そんな体制なので、大和が違和感を感じることができなかったのは無理もない。

 

 

「そこで三鷹グループの一会社「三鷹電力」に1部門作ってもらい、そこで研修をしていない時間は働くことになったんです。

ちなみに私の役割は「プロジェクトリーダー」で、山城さんが「ジェネラルマネージャー」です」

 

「難しく言ってるけど、チームリーダーとサブリーダーみたいな関係ね。一所懸命頑張ったのよ?」

 

「他にも翻訳を手伝ったもらった方や、校正をしてもらった方、アドバイザー、プログラマーなど、色々な人に協力してもらいました。

皆さんを連れてきてくださった三鷹さんと、協力してくださった皆さんには、とても感謝しています」

 

「……鯉住少佐……やり手だったんですねぇ」

 

「いえ、そんなことありません。部署の皆さんが優秀だっただけですよ」

 

「フフフ……本人はこんなこと言ってるけどね、プロジェクトメンバーのみんなからは、龍太さん、とてもよく思われているのよ?

それを見た提督が「彼はすごい、これなら問題ない」って言ってたくらいにはね」

 

「そ、そんなこと言われてたんですか……」

 

「ま、当然よね。加二倉中佐と聡美ちゃんの研修を乗り越えた男ですもの。

いち部署の人間の心くらい、簡単に掴めるはずよ」

 

 

今の話を聞いて、自分のことではないのになぜかドヤ顔する足柄。

それを受けて、山城が困惑顔で受け答えする。

 

 

「貴女が言うほど簡単なことじゃないのよ? 人の心を掴むのは……

だから提督は「すごい」と言ったの。普通のことを普通にできるくらいじゃ、その言葉はもらえないわ」

 

「すっごーい! 提督って作家さんだったのね!!秋津洲、尊敬しちゃうかも!」

 

「いやそんな……大層なものじゃ……」

 

「何言ってるのよ、龍太さん。

さっきも言ったけど、1か月で売り上げ一万部よ?

あんなマニアックな内容でその売り上げって、すごいことなのよ?」

 

 

ここで気になることができた大和は、鯉住君に質問する。

 

 

「えと、ちなみに鯉住少佐。出版した本って、どのような内容なんですか?

人生観を書いたものとはおっしゃっていましたが、詳しいところが気になります」

 

「それなら実際に見た方が早いわ。

特別に1冊製本してきたのよ。世界に一冊だけの紙の本。プレミアものよ?」

 

 

そういうと山城は、胸元からスルッと一冊の本を取り出した。

艦娘はみんな胸を収納場所にしているのだろうか? それを見て、そんなことを考える鯉住君。

ちなみにやっぱりその視線は露骨であり、この場の結構な人数に考えがばれていたりする。

 

 

「……それが鯉住少佐の執筆した書籍なのですね?」

 

「そうよ。ぜひ読んでみてちょうだい。

艦娘としては、すごく嬉しいことが書いてあるわ」

 

「……そうなんでしょうか。そうだといいんですが」

 

「そうなのよ。

じゃなかったら世界で1万部、しかもうち3割は艦娘に購入されている、なんて状況になってたりはしないわ」

 

「……へ? 購入者って、大体が技術屋じゃなかったんですか!?」

 

「内訳はアンケートで把握できている限りではあるけど、半分が技術職、3割が艦娘、残りがその他一般ってところかしら……

書籍が購入できる環境にある艦娘は多くないっていうのに、この数字。すごいことよ?」

 

「……なんだか恥ずかしいですね」

 

「自分自身の評価は、自分でつけるものと、他人がつけるものがあるわ。

アナタは他人に高く評価されてるの。それは事実よ。パートナーだった私も鼻が高いわ」

 

「……しっくりこないですね」

 

 

山城が彼女にしてはめずらしく他人をほめていると、他のメンバーから声が上がった。

 

 

「ねぇ、私達もアンタが書いた書籍とやらに興味があるわ。

何とか今見せてもらうことはできないかしら?」

 

「アンタ……?」

 

 

叢雲の発言を耳にした山城が、眉間にしわを寄せながら、鯉住君に小声で話しかける。

 

 

「龍太さん、何なのこの子? ちょっと言葉遣いが悪いんじゃないの……?」

 

「ま、まぁまぁ……いい子なので、勘弁してやってください……そういうお年頃なんです……」

 

「アナタがそう言うならいいけれど……」

 

「? 何こそこそ話してるのよ?」

 

「……あぁ、何でもないよ、叢雲。どうしたものか相談してただけさ。

……自分の書いたものを見せるなんて少し恥ずかしいけど、俺のスマホにデータが入ってるから、それを見てもらおうかな」

 

 

不機嫌な山城をなだめつつ、それを叢雲にバレないようにしつつ、彼女たちに目的の画面を開いたスマホを渡す。

 

 

「ありがとうございます、提督」

 

 

スマホを受け取った二人は、自身の提督が書いた文章に目を通していく。

 

 

 

・・・

 

 

 

タイトルは『冷たい艤装に心を込めて』

 

その書籍は、編集に関わった者たちへの感謝を綴った前書きから始まり、

1章、2章、3章の3部構成となっていた。

 

 

1章は彼の仕事に対する姿勢と、その詳しいやり方について。

 

艤装メンテナンスに関して、彼は日本でも確実にトップ3に入るであろう実力を持つ。

そんな実力者が綴った、仕事に対する心構えと、各艦種ごとに分けられた、細かいメンテのコツが書かれている。

分かりやすいように、詳しいイラスト付きで、誰にでも理解できるような作りとなっているのが嬉しい配慮だ。

 

この章だけ見ても、彼が普通の艤装メンテ技師とは大きく違った発想で仕事をしていることが分かる。

 

 

2章は彼の今までの人生について。

 

元々はなんの変哲もない、無目的な生活を送っていたことから始まり、

彼が艤装メンテ技師になろうと思った原因である、本土大襲撃について、

そこから先の、残りの学生をフルに使った、猛勉強、猛特訓の日々、

呉第1鎮守府に艤装メンテ技師として就職し、そこのメンバーと過ごした厳しくも充実した日々、

そして現在進行中である先輩たちの研修を乗り越え、提督として着任する予定だということ。

 

そんなことが綴られていた。

よくいる普通の青年が目的を持ち、努力し、軌道修正しながらも、未来へ進んでいくといった内容だ。

当然意図してこうなった人生ではないが、読んだ人の共感を呼ぶことができるつくりとなっている。

 

 

3章は彼のこれからの目標について。

 

提督として着任した後は、そのエリアで行われる大規模作戦の際にバックアップとして活躍できるような、縁の下のチカラ持ちのような鎮守府を目指したいといった内容だ。

 

今彼が考えるバックアップの形として、

将来の自身の鎮守府に、駐屯所のような宿泊施設を構えたいとか、

製鉄所から艤装パーツを一通り取り寄せておいて、有事の際に放出できるようにしたいとか、

艤装メンテの腕に覚えのある人たちを集めて、技術向上を進めていきたいとか、

そんなことが書かれていた。

 

これは彼ひとりでなく、パートナーの山城と、ほかのチームメンバーみんなで考えた展望のようだ。

ちなみに製鉄所からのパーツ取り寄せの件については、英国妖精さんが彼の思考を120%読み取ってハッスルしてしまったせいで、想定以上に叶ってしまっていたりする。

 

 

そして最後にあとがき。

 

このあとがきでは、自分が今まで関わってきた全ての人、艦娘に対して、感謝の言葉が綴られていた。

 

ここには彼が佐世保の赤城に助けられて以来、艦娘に対して心に持ち続けている想いが、隠すことなく正直に書かれている。

内容は概ね、以前夕張に語ったものと同じだ。敬意を払う、という趣旨のものである。

 

実はここに書かれている内容が、艦娘の琴線に触れるらしく、アンケートで人気のある項目の一つは、あとがきだったりする。

 

 

 

・・・

 

 

「……へぇ、よく書けてるじゃない」

 

「提督、ご立派です」

 

「ありがとな、ふたりとも。

いやしかし、思った以上に恥ずかしいな……目の前で知り合い達に、自分の本を読まれるのって……」

 

 

時間をかけるわけにもいかないため、ペラペラと流し読みすることしかできなかった。

しかし、普段から彼と行動を共にしているふたりには、十分理解できたようだ。

 

そんな様子を見て、秋津洲が割り込んできた。

 

 

「ふたりだけずるいかも!秋津洲も読んでみたい!」

 

「悪いけど、ここまでよ。みんなして読んでたら、日が暮れて夜が明けちゃうわ。

龍太さんの話の続き、聞きたいんでしょう?」

 

「う……そうだけど~……」

 

「埋め合わせは、アナタの提督にして貰いなさいな。

大本営には間宮食堂もあるし、甘味なんかも揃ってるでしょう?

奢ってもらいなさいよ」

 

「山城さん……」

 

「何よ龍太さん。何か言いたいことでもあるの?

これはちょっとした仕返しよ?私のサプライズ大作戦を失敗させた罪は重いわ」

 

 

ドヤ顔で鯉住君に話しかける山城。

先ほど誰も驚かなかった件を、まだ根に持っているらしい。

 

 

「いや、まぁ……言いたいことがあるというのは正しいのですが……

秋津洲にはもう甘味を奢る約束をしてありまして……」

 

「提督の言う通りかも。

今日はちゃんと性能試験を終わらせたご褒美に、間宮に連れてってもらうことになってるかも」

 

「な、何よそれ……

それじゃ、ノリノリで龍太さんをからかおうとした私がバカみたいじゃないの……」

 

「なんていうか……スイマセン……ドヤ顔まで披露してもらったっていうのに……」

 

「そういうこと言うのやめなさいよ……私のメンタルは大破してるのよ……?

大破撤退は基本って習ったでしょう……?」

 

 

やっぱり山城の悪だくみは、うまくいかない運命にあるらしい。

 

 

「はいはい。茶番はその辺にして、続きを聞かせてよ。鯉住君。

時間は限りあるものだから、有効に使わないとね。

秋津洲ちゃんは、今度また提督に何か買ってもらいましょ?それでいいわよね?」

 

「むー。まぁ、それでいいかも」

 

「また前向きな意見……後光が見えるわ……

龍太さん、私、光の彼方に消し飛ばされちゃう……」

 

「足柄さんと山城さんはそんなにレベル差がないから大丈夫ですって……」

 

 

またもや足柄に仕切られ、わちゃわちゃしていた場は整えられることになった。

どうやら本日のメンバーの話し合いには、進行役が必須なようだ。

 

 

「……ええと、まぁ、そんなわけで、このような書籍を執筆、販売することになりまして、山城さんは今日その売上げ報告に来てくれた、というわけです」

 

「はー……なんというか、鯉住少佐、数々の試練を通して、随分と色々な能力を鍛えてこられたんですねぇ……

私、素直に感動しました。素晴らしいです」

 

「や、やめて下さい、大和さん。そんなんじゃありませんし、照れてしまいますから……

それに肝心の提督としての指揮能力は、まだまだ全然ですし……」

 

「それはこれからでも十分身につけられると思いますし、そこまで気にすることではないですよ。

着任して間もないのに、ここまでの功績をあげられたのは、そういう努力の積み重ねがあったからなんですね」

 

「何というか……ありがとうございます」

 

 

照れる鯉住君を見て、上機嫌な大和である。

 

 

 

・・・

 

 

 

「うふふ。鯉住少佐もそうですが、三鷹少佐も流石ですね。

事業経営を研修に、なんて普通はやりませんよ。彼だからこそできることですね」

 

「まあ、そうね。

普通の提督はウチの提督みたいに、何足もわらじ履いてないから」

 

「しかもそれは東南アジアやオセアニアの人々を思ってのことなんでしょう?

日頃苦労させられてはいますが、その性質の良さには私も日頃から感心しているんです」

 

 

 

「「 ……え? 」」

 

 

 

「……あ、あれ?

鯉住少佐に山城さん、何でそんな反応を……?」

 

 

三鷹少佐はその数多くの事業で、東南アジア諸国、オセアニア諸国の食料供給、経済活動に、多大な貢献をしている。

しかも売り上げの多くを、まだまだ生活が安定していない地域の立て直しに使っている。

労働力と生活基盤の寄付と言ってもよい。

 

だから大和は三鷹少佐のことを、善人だと思っている。

それはそうだろう。普通の人間だったら、自身に関係ない国の人間を、そこまでして助けようなどと思わない。

 

……しかし何故だろうか。

その三鷹少佐のことをよく知るふたりは、大和のその意見を耳にして、怪訝な顔をしている。

 

 

 

 

 

「あ……来るわよこれ。古鷹」

 

「来ますねこれは……できるだけ関わらないようにしましょう……」

 

 

何か良からぬものを察知した秘書艦のふたりは、先ほど同様空気に徹することにした。

 

 

 

 

 

「……ねぇ、大和さん……アナタ、ウチの提督のことどう思ってるの……?

悪いけどもう一度聞かせてくれないかしら……?」

 

「え、ええ。

身銭を切ってまで見知らぬ地域の人たちを助けるような、素晴らしい方だと思っていますが……」

 

「身銭を切って人々を助けている、までは合っているわ……

でも別に提督は善人じゃないわよ……?」

 

「いや、だって、普通の人はそんなことしませんよ……?

どう考えてもいい人じゃないですか……」

 

「いい?大和さん……

ここを勘違いしているのは致命的にマズいから、今から言うことをよく聞いてちょうだい……

ウチの提督はね……もの凄く危ない人間よ……?」

 

「ちょ、えぇ……? あ、危ない人間……?」

 

「そう。それはもう、これ以上はないくらいに……」

 

「そんなバカな……」

 

 

信じられない、といった表情を浮かべる大和を見て、鯉住君が補足説明を入れる。

 

 

「まあ三鷹さんは、パッと見好青年で人当りもよく、そういう印象を抱かれやすいですからね……

大和さん、なぜ三鷹さんがあれだけ多くの会社を設立したか、動機をご存知ですか?」

 

「い、いえ。そこまではさすがに……」

 

「ですよね。そうでなかったら、そんな思い違いはしないですもんね。

……動機は『秘書艦の電ちゃんが、なるべく多くの人を助けたいと言ったから』です」

 

「……んん?」

 

「もう一度言いますね。

三鷹さんが今の企業グループを運営している真の目的は『電ちゃんが、みんながかわいそうって言ったから』です」

 

「……」

 

 

ちょっとよくわからない話になってきて、言葉を失う大和。

あれだけの超規模な企業群である。運営目的は、大層なものであると思うのが普通だ。

お金が目的でないとしたら、残りは善意か人脈、名誉くらいしかないはず。

 

……それが真実はどうだろうか?

「電ちゃんのお願いを叶えるため」である。

テストでいい点とった娘のご褒美感覚ではないのか?それは。

 

 

「すいません……ちょっと話が飲み込めず……」

 

「まぁ、そういう反応になりますよね……

一応念のため言っておくと、三鷹さんは別にロリコンではありません。

そういった話ではありません」

 

「そうよ……ていうか、そっちの方がまだわかりやすい分、幾分マシよ……」

 

「そ、それではどういう……」

 

 

山城は、はぁーーーっ……と、深いため息をつき、自身の提督について語りだした。

 

 

「いい?大和さん。

ウチの提督はね、興味がある対象と、そうでない対象の、扱いの差が強烈なのよ」

 

「ええと……」

 

「分かりやすく言うと、提督の目にはこの世界が2種類に分かれて見えているわ。

身内と、それ以外、よ」

 

「身内とそれ以外……?」

 

「そう。それだけ。それ以外の分け方は無いわ。

そして身内にはダダ甘だけど、それ以外には徹底的に無関心よ……」

 

「……それはつまり、三鷹少佐から身内だと認識されていなければ……」

 

「その辺の石ころとか、部屋の隅のホコリとかと、同じ扱いをされるわ……」

 

「えぇ……」

 

「逆に身内だと認識されていれば、大概のお願いは叶えてくれるわ。

それも想像の斜め上を遥かに超えたレベルで叶えてくれるわ……

それこそ秘書艦の電が「島の人たちが苦しんでてかわいそう」ってポロっと言ったら、食品会社と電力会社を立ち上げて、日本と遜色ないレベルのインフラを整えたくらいにはね……」

 

「なにそれぇ……極端すぎるわ……」

 

「そういうわけだから、もし提督から見放されることがあったりしたら……!」

 

 

カタカタと震えだす山城。その顔面は蒼白になっている。

想像しただけでこの有様になってしまうほど、恐ろしいことらしい。

 

それを見て不憫に思った鯉住君がフォローを入れる。

 

 

「ま、まぁ、三鷹さんが山城さんを見捨てるなんて、ありえませんよ。

あの人は頑張ってる人とか、真面目な人には、とことん優しいですから……

日頃から真面目に活動している艦隊の皆さんのことは、よく思っているはずですって」

 

「それはそうだけど、あの事件を思い出すと、今でも震えが止まらないのよ……

分かるでしょ?龍太さん……」

 

「ええ……あれは、嫌な事件でしたね……」

 

 

思い出しただけで震え上がるほどの事件があったようだ……

この話題を流すことはできる。が、それをしてはいけない流れを感じ取った大和は、恐る恐るふたりに尋ねることにした。

 

 

「ええと、その……いったいどんな大惨事が……」

 

「調子に乗った工場長が、消えたわ……」

 

「……消えた?」

 

「そうよ……」

 

 

ガタガタと震える山城。

さっきよりも震えが大きくなり、色白の肌はさらにその白さを増している。

 

 

「ええと、山城さんに説明させるのは酷なので、私が説明します……

大和さんには、三鷹さんの認識を改めて貰いたいですから、ぜひ聞いてください。

あの人を裏切るとどうなるのか、これ以上分かりやすい例はありませんので……」

 

「鯉住少佐……もう怖いんですが……」

 

「ホラーというよりはスプラッタ系ですが、できるだけマイルドに話しますね……

山城さんは耳を塞いでいてくださってもかまいません」

 

「お、お願いします……」

 

 

目を固く閉じ、耳を両手で塞ぐ山城を確認した鯉住君は、ちょっと低めのテンションで話し出した。

 

 

 

・・・

 

 

 

「三鷹さんがいくつかの会社を経営していることはご存知ですよね?

その中の一社「三鷹青果」のとある工場でその事件は起こりました……

そこの工場長がですね、経理担当の職員と手を組んで、横領を行ったんです」

 

「そ、それはまた……」

 

「しかしこれだけならよかったんです。

さっきも言ったとおり、三鷹さんは身内にはダダ甘ですから、横領が発覚した時も「人間だし欲に目がくらむのは仕方ないよ。許してあげよう」なんて言って、無罪放免としたんです」

 

「随分と寛大な……」

 

「はい。だからこそ皆さん誤解するんですけどね……

この一件で経理担当の職員は反省して、真面目に働くようになりました。

 

こんな悪さをしたにも関わらず、手放しで許してくれるなんて、噂にたがわない寛大さ。そんな人物に対して、なんて自分は愚かなことをしてしまったんだ。

 

なんて趣旨のことを言ってたようです」

 

「それは……素晴らしいことですね」

 

「ええ。人ひとり改心させるのは大変なことですから。

ここまでなら素晴らしい話で済みました。そう、ここまでなら……」

 

「……(ゴクリ)」

 

「問題は工場長です。

三鷹さんの下した処遇を受け、彼は甘い人間だ、と判断したようで……

さらに問題ある行動をとっても許されると勘違いしてしまったんです……」

 

「うわぁ……」

 

「そしてあろうことか、工場の所有権利書を改ざん。私物化しようと試みたんです」

 

「え、ちょ、権利書なんて、そんなに簡単に改ざんできるものではないのでは!?」

 

「三鷹さんは、極端な話、会社が無くなっても別にどうってことないと思ってますからね……

むしろ困るのは会社に勤める社員や、島民です。

だからあの人は特に、そういった部分のセキュリティにチカラを入れてないんですよ……」

 

「そんなバカな……」

 

「まぁ、そういったわけで、身内に甘い三鷹さんでも流石に機嫌を悪くしました。

そして、ある一枚の書面を島民の目に触れる機関誌を、政府に送りました。

 

その内容は、

 

『真に不本意ながら、私たちの経営する工場が、工場長の○○・○○○○によって権利を奪われてしまいました。

このような現状では、我がグループ社員の安全を保障できかねます。

つきましては○○島でのこれ以上の私たちのグループの活動は困難と判断し、全ての工場、店舗、インフラを破棄。グループ関連の完全撤退をここに宣言します』

 

というものです……」

 

「ひえっ……」

 

 

食料とエネルギーのシェアが7割を超える三鷹グループの完全撤退。

それは島民にとっての死刑宣告を意味する。

 

もしそんなことになれば、深海棲艦出現当初のような、この世の地獄のような悪夢が繰り返されることだろう。それがわからない人ではないはずだ。

 

それに彼のチカラならば、工場長の暴挙を、ひっそりと鎮静化させることくらい朝飯前のはずだ。

それなのにあえて大々的に工場長を名指しで糾弾し、どう考えてもやりすぎであるグループ完全撤退を敢行……

 

……これはつまり……

 

 

「……つまり、自分がその工場長に対して怒っているということを伝えるためだけに、島民全員の命を犠牲にした、ということですか……?」

 

「はい……そういうことです……」

 

「あわわわ……」

 

「正確には犠牲にしようとした、ですね。

秘書艦の電ちゃんと山城さんの必死の懇願で、なんとかその無慈悲な決定を取り下げてくれたんです」

 

「よ、よかった……無駄な犠牲は出ずに済んだんですね……」

 

「はい。本当に……

一応工場の従業員や政府からも、取り下げの決定を懇願されていたんですが、そちらに関しては三鷹さんは全く耳を貸していませんでした……

あの人の中ではもう「関係のない」存在だったんでしょうね……」

 

「……」

 

「さらにですが、いくら部下の頼みといえど、工場長だけは許してもらえませんでした。

今は彼の存在は、家族を含め、無かったことにされています」

 

「……」

 

 

今の話を聞いて、大和の中での「ヤバい奴ランキング」の順位が入れ替わった。

三鷹少佐の順位がぐぐーんとアップしたのだ。堂々の1位である。

 

ちなみに現在ランキングの2位が加二倉中佐で、3位が鼎大将、4位が一ノ瀬中佐である。

 

 

「分かりましたか?大和さん。三鷹さんだけは怒らせてはいけないんです……

普段温厚な人間は怒ると怖い、と言いますが、あの人はその典型です。注意してください」

 

「はい……十二分に理解しました……ご忠告ありがとうございます……」

 

「分かってもらえて何よりです。

すでに三鷹さんからは、大本営は一度イエローカード貰ってますからね。多分次は無いです」

 

「ふぁっ!? そ、そんな!私何かやらかしてたんでしょうか!?」

 

 

ヤバい奴から目をつけられてると知って、動揺が隠せない大和。

藪をつついて蛇を出さないように、慎重に対応してきたつもりだったが、もしや気づかぬところで何か気に障ることをしてしまっていたんだろうか……?

 

そんな大和を見て、鯉住君は申し訳なさそうに口を開く。

 

 

「あの人、提督養成学校のこと、心底嫌いなんです……」

 

「……あぁ、そういうこと……そんなぁ……どうしようもないじゃないですか……」

 

 

自分ではどうしようもない案件だった。

それを知り、大和はぐったりとうなだれる。

 

 

「はい……完全に大和さんからしたら、とばっちりですが、そういうことです……

何と言いますか……心中お察しします……

気休めにもならないかもしれませんが、もし何かあったら、私からも三鷹さんに口添えするようにしますね。

だから困ったら、すぐに連絡をくださるようお願いします」

 

「ホ、ホントですか!? 助かります!ありがとうございます!!」

 

「正直大和さんを見てると、居た堪れないんです……一緒に自分の胃も痛くなるというか……

だから放ってはおけないんですよ。おこがましいとは思いますが……」

 

「そ、そんなこと、断じてありません! 今日少佐をお呼びして、本当に良かった……」

 

 

天から延びる蜘蛛の糸をつかめた大和は、心底ほっとした表情をしている。

 

しかし周りを見渡すと、涙目で震えながら鯉住君にしがみつく秋津洲、何とも言えない表情で固まっている足柄、能面のように無表情で窓の外を眺める秘書艦たちと、結構な大惨事であった。

 

 

「……ねぇ、龍太さん……怖い話終わった……?」

 

 

そろそろ頃合いと見たのか、情報シャットアウトから復帰した山城。

 

 

「はい。終わりました。無事に大和さんには危険性を伝えられましたよ。

……伝わりましたよね?」

 

「それはもう……これ以上ないくらいに……」

 

「それは何よりね。

私が書面取り下げを頼みに行った時の提督の一言は、今でも忘れられないのよ……

私と電が退出するときに、あの人はポツリとこう言ったわ……

 

「島民が居なくなったら、農地が増やせたのになぁ……」って……

 

私はそれを聞いて、この人に見捨てられるような真似だけはしてはいけない、と心に刻んだのよ……」

 

 

「「「「 …… 」」」」

 

 

予想以上にホラーでスプラッタな話が展開されてしまった。

一番まともだと思っていた人間が一番ヤバかったという、衝撃的な事実に、考えがまとまらない大和なのであった。

 

 

 

 

 




これにて鼎大将組についてはひと段落ですかね。
3人セットなのでどうしても話数がかかってしまうのが悩みどころ。これから登場させるときはどうしたものか。
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