艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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艦娘の練度について
注・長いので飛ばしたい方は飛ばして下さい。

このお話では、艦娘の練度はゲームほど高くありません。
演習も出撃も1日にそこまで多くできないからです。

各練度での艦娘の扱いは、大体下記のようになってます。
当然例外はありますが。


Lv1~10  新兵。要鍛錬。実戦も演習も極力出さない。座学や基礎訓練が基本。

Lv10~30 艦隊編成に組み込める。近隣哨戒程度の遠征なら可能。

Lv30~50 護衛任務以外の一通りの遠征、開放済み海域の治安維持が可能。

Lv50~60 護衛任務可能。第一艦隊に編成、新規海域解放を任せられる練度。

Lv60~70 大規模作戦で活躍できる練度。

Lv70~80 各第1鎮守府でエースとされる練度。

Lv80~90 規格外。決戦兵器扱い。

Lv90~99 別の生き物。信仰を集める。

Lv99~   都市伝説。


鼎大将組を見てると感覚が狂ってきますが、こんな感じになっています。
練度は数字として把握できないので、大体このくらいの実力ならこの程度の練度、という目安ですね。
艦種にもよりますが、改二というだけで鎮守府のエース確定です。

一番数が多いのが、
艦種としては圧倒的に駆逐艦で、全艦娘のおよそ半数。
練度としては20~50で、こちらは全艦娘の70%ほどです。

だから今のラバウル第10基地は、小規模鎮守府にして、超特級戦力と尋常でないバックアップ能力を備えた、人外魔境鎮守府扱いされるレベルとなっています。

でもこれは一般から見て、という扱いなので、このお話の中では特別視されることはあんまりない予定です。




第48話

「足柄さん、宴会の方ですが、料理の手伝いに誰か必要ですか?

簡単な作業なら俺も協力します」

 

「あら。ありがと。

でも大丈夫よ。下ごしらえは出発前に全部してきたし、もう仕上げしか残ってないもの。

研修を頑張ったみんなをもてなすっていうのに、手伝ってもらうわけにはいかないわよ。

もちろん提督であるあなたにもね」

 

「いやしかし……

想定外にひとり増えたんですから、やることもあるのでは……」

 

「その程度でどうにかなる仕事はしないわ。

2、3人増えても大丈夫な量は用意してあるもの。

いざという時は保存が効くようなメニューにしてあるから、残り物も無駄にはならないはずよ」

 

「はー……流石です。頼りになる」

 

「ま、その程度ならね」

 

「それじゃ俺は会場(お茶の間)の用意を……」

 

「それはもうやっておいたから大丈夫よ」

 

「……恐れ入りました」

 

 

鎮守府へ戻るバスの中、宴会の算段をするふたり。

気を回して手伝いを申し出た鯉住君だったが、作業量の増加まで想定して準備していた足柄には、無用の心配のようだった。

給糧艦クラスと豪語するだけはある手並み。非常に優秀である。

 

 

「そう言えば提督、これからの方針ってどうするのよ?

パッと見だけど、みんな一線級にまで育ったみたいだし、海域開放進めるの?」

 

「そうですね……

細かいことは叢雲と相談して決めようかと思いますが、そのつもりです。

天龍を約束通り、実戦に出してやらないと……」

 

「約束?どんな約束してたの?」

 

「出撃の時には呼ぶように、という約束です。

どうしても燃費の良さの方に目が行くので、資源回収要因として動いてもらってたんですよ。

どうにも運用に余裕がなかったので……」

 

「あぁ。天龍型は遠征向けだものね。

燃費は良く、駆逐艦よりも戦闘力があるから安心。

それに、天龍は統率力のある性格の子が多く、龍田は抜け目ない性格の子が多い。

どれをとっても資源回収に向いてる要素ばかりなのよね」

 

「はい。ふたりが来てくれたおかげで、資材管理はすごく楽になりました。

ただ問題は、肝心の天龍が、遠征よりも出撃が好きなことなんですよ……」

 

「ウチの天龍は特にその傾向が強いのよね。

それでそんな約束してたの?」

 

「ここの方針は、やりたいことをやりながら程よく頑張る、なので……」

 

「そうねぇ、いつもアナタ言ってるものね。やりたいこと我慢するなって。

私達としては、そういったことまで気にかけてくれるのは嬉しいものよ」

 

「それならいいんですが。

まぁ、そういうわけで、天龍を第一艦隊で運用してやらないといけません。

あの地獄から生きて戻った以上、実力的にも問題ないでしょうし」

 

「地獄って……あそこってやっぱり、そういったところなのね……

加二倉中佐の艦隊とは何度か演習したことあるから、よくわかるわ……」

 

 

いつもマイペースで冷静な足柄にしては珍しく、目から光が消えている。

 

 

「アナタ達だって相当強いじゃないですか。あの一ノ瀬さんが指揮してるんだし。

……と言っても相手が相手か……」

 

「そうなのよ……

分かりやすく言うと、相手の駒が全部、竜王と竜馬の状態で対局してる感じよ……

いくら私達が全力でやっても、戦術的勝利が関の山だったわ……」

 

「逆によくそれで、そこまで持っていけますよね……

やっぱり一ノ瀬さんも大概ですよ」

 

「まぁね。否定はしないわ」

 

 

足柄と色々雑談していると、いつの間にかそこそこの時間が過ぎたようだ。

鎮守府が遠目に見えてきた。

 

……のだが。

 

 

「……ん? なんだあれ……おかしいだろ……」

 

「おかしいって、なにが…… アレのことね……何アレ……」

 

「足柄さんにも見えるんですね……幻覚じゃないんだ……」

 

「言いたいことはわかるわ……」

 

 

ふたりの目に映る自分たちの鎮守府は、出発時から様子が変わっていた。

いや、様子が変わったとかいうレベルではない。

 

 

「なんだあの旅館……」

 

 

生活拠点にして軍事拠点でもある、鎮守府棟(豪農屋敷)。

その隣には、明らかに旅館と思われる建物。しかも温泉宿にありそうな、ごっつい造りの建物が建っていた。

100年以上は手入れせずに済みそうなほど、しっかりした造りだ。

見ただけでそれがわかるあたり、相当豪華である。

 

 

それを目にした一行は、おのおの声をあげる。

 

 

「な、何なのよアレ!? アンタ、いつの間にあんなもの建てたのよ!」

 

「えええっ!? どうして旅館が建ってるんですか!?」

 

「提督もまた変わったもの造ったねぇ……」

 

「そうですね、北上さん……何なんでしょう、アレ……」

 

「おお。立派な旅館じゃねぇか。

なんだ?観光業でも始めんのか?ラバウルで旅館なんて珍しいから、うまくいくかもな」

 

「そうね~。目の付け所がいいわぁ。さすが天龍ちゃんね~」

 

「アレはわらわと鯉住殿の愛の巣じゃな!間違いない!」

 

「姉さん、それはちょっと違うんじゃないかなぁ……」

 

「ね、ねぇ秋津洲。私達が出発した時、あんな建物なかったわよね!?

……あ、まさか……」

 

「夕張の言う通りかも……ちょっと意味が分からないかも……

でも何となく、誰のせいかは予想がつくかも……」

 

 

どうやらみんなにも、例の建物は見えているようだ。

悲しいことに幻覚ではないらしい。

一緒に出発した夕張と秋津洲含め、全員驚いているのを見るに、何か事前に聞いていたメンバーはいない様子。

バスの運転手さんが、我が目を疑ってゴシゴシやっているのが、なんだか申し訳ない。

 

 

「何なのよこれ……提督は何か心当たりあるの?」

 

「あー……無いといえば無いですが、あるといえばあります……

この短時間でこれだけのものが用意できる存在なんて、決まってますから……」

 

「???」

 

 

足柄は比較的最近に異動してきたので、彼が着任して2週間で起こった出来事を知らない。

知っていれば、夕張と秋津洲のように、見当がついたことだろう。

 

 

「……まぁ、すぐわかりますよ……」

 

 

 

ブロロロ……

 

 

 

・・・

 

 

 

ほどなくして鎮守府に到着した一行。

バスから降り、運転手さんに礼を言い、問題の旅館の前まで移動する。

 

 

「うわぁ……本当に温泉旅館だね、こりゃ。

新築なのに歴史を感じるわ~。超立派じゃん」

 

「そうですね。非常に立派です。

こういったものを見ていると、一緒に温泉旅行にでも行きたくなりますね。北上さん」

 

「いいね~。提督も一緒に行きたいね~。

ていうかさ、せっかくこんないい旅館があるんだから、ここでもいいんじゃない?」

 

「ここでは温泉が出ないでしょうし、ダメです。

しかもなぜ提督が一緒なんですか。ありえません」

 

「ふ~ん?そ~ぉ?」

 

 

修学旅行生のように、物珍し気に旅館を観察する北上と、それに付き合う大井。

彼女たちは殊の外楽しんでいるようである。

 

 

「ねぇアンタ……私に黙ってこんなもの造った理由、聞かせなさいよ」

 

「私も知りたいです。どのような意図があってこのような建物を?」

 

 

鯉住君と足柄が旅館の前まで来ると、第二次性徴……でなく、第二次改装を終えた叢雲と古鷹が話しかけてきた。

 

 

「ああ、久しぶりだな、ふたりとも。

実は俺たちがバスで出発した時、この建物は無かったんだ……」

 

「「 ええ? 」」

 

「彼の言ってることはホントよ。

私もこんな立派な建物、初めて見たもの」

 

「足柄が言うなら間違いないわね。

……ということは……まさかまたアンタ……」

 

「いや、俺のせいじゃないって……」

 

「どうせまた妖精さんたちに、余計なこと言ったんでしょ?」

 

「濡れ衣だよ……」

 

「提督が原因かはわかりませんが、そんな短期間でこんな大きなもの造れるのなんて、ウチの妖精さん以外いないじゃないですか」

 

「だよねぇ……古鷹もそう思うよねぇ」

 

 

叢雲の疑いを晴らすためにも、早急に英国妖精シスターズを探さねばならない。

十中八九彼女たちの仕業だろうし、理由を確認しなければ……

 

そう思って旅館内部に足を運ぼうと玄関に近づいたところ、中から英国妖精シスターズと、ひとりの人影が現れた。

 

 

(はーい!てーとくー!おかえりなさいでーす!)

 

(いいしごとしました! ひええー)

 

(たいしんほきょうも、たてつけも、だいじょうぶです!)

 

(げんせんそざいをしようしました!

さいこうきゅうひのき!けいさんいじょうです!)

 

 

「お、おう……やっぱりキミたちか、これ造ったの……

というか、それよりもだな……!」

 

 

英国妖精シスターズと一緒に出てきた人物が誰なのかわかり、鯉住君の表情が一気に険しくなる。

 

 

「なんでお前がここにいるんだ? ……明石!!」

 

「来ちゃった(はぁと)」

 

「やかましぃーーーッ!!」

 

 

 

・・・

 

 

 

自身の提督の、普段絶対に口に出さないようなセリフを聞きつけ、鎮守府メンバーが全員集まってきた。

しかしそれにも気づかず、鯉住君は明石に突っかかっている。

 

 

「ホントにお前、どこをどうしたらこうなるんだ!?

イチから説明しろぉ!」

 

「よく私が元同僚の明石だってわかったね。鯉住くん。

やっぱりずっと会いたかったから?」

 

「違うわ!!

何年も一緒に働いてた同僚なんだから、一目見りゃ分かるだろ!

というかなんだその格好!なんの趣味に目覚めたんだ、お前は!?」

 

 

明石は薄いライム色と白色のグラデーションがかかったビキニを着ている。

それだけならまだいいが、その上から工業用エプロンを身につけているのは、何とも言えないミスマッチ具合である。

 

 

「一目見てわかるだって!照れちゃうなっ!

この格好はサプライズだよ!私のナイスバディ、癒されるでしょ?

くるくる~」

 

 

そう言うと明石は、その場でくるくると回りだした。

んちゃ、と言う方のあられちゃんのように両手を上げて回転するその姿は、非常にサマになっている。

モデル顔負けのスタイルと、満面の笑顔が非常にマッチしている。

これで工業用エプロンさえ身につけていなければ、完璧なのだが。

 

それを見た鯉住君は、チクショウ、かわいいなこいつ!明石のクセに!

と、変な悔しがり方をしている。

 

そして、同様に彼女を見ている持たざる者組は、グヌヌと歯噛みしている。

 

 

「そ、そんなこと聞いてるんじゃないッ!

俺が聞きたいのは、なんでお前がここにいるのかって事と、なんでこんな旅館みたいな建物を建てさせたのかってことだ!」

 

「え~。もっと私のカラダに興味持ってくれてもいいじゃん。

お堅いのもほどほどにしないと、女の子に興味ないって思われるよ?」

 

「くそ!話が進まねぇ!」

 

 

相変わらず明石は彼の天敵のようだ。全く話の主導権を取ることができない。

 

ちなみに呉で働いていたころから、ふたりはこんな感じだった。

この有様なので、同僚の間では「おもしろバカップル」なんて呼ばれていた。

当然鯉住君はそのことを知らないし、明石は知ったうえで好き勝手やっていた。

 

 

「えーとね。

私はもともと異動予定なかったんだけど、鼎大将に頼んでみたら許可くれたの。

こんな感じで」

 

 

・・・

 

 

「提督提督!私も初春さん、子日さんと一緒に、鯉住くんのところに行きたいです!」

 

「ええよ」

 

「そうだ!普通に行ってもつまらないから、サプライズします!

私だけ隠れて連絡船に乗って、近くまで来たらこっそり艤装つけて、鎮守府まで海上から直行します!」

 

「お、それ面白そうじゃの!やってきなさい」

 

「あとですね!どうせ鯉住くん、むっつりスケベは直ってないでしょうから、水着着ていきます!絶対驚いて変な顔しますよ!」

 

「やるのう!採用じゃ!

彼がどういう反応したか、落ち着いたら連絡するように!」

 

「了解!」

 

 

・・・

 

 

「あんのクソ提督ーーーッ!!

というか誰がむっつりスケベだ!風評被害だから、ウソ言うのはやめろ!」

 

「なにいってるの?みんな知ってるよ?」

 

「くそ、俺の名誉が傷つけられていく……!」

 

「あはは!そんなの気にしてるの?面白~い!」

 

 

悔しがって地団駄踏む鯉住君を、明石はゲラゲラ笑って茶化している。

 

 

「やかましいわ!

というかお前、呉第1鎮守府の仕事はどうした!?

まさか先輩たちに全部丸投げしてきたわけじゃないだろうな!?」

 

「そんな無責任なことしないよ。

最近呉第1鎮守府に、艤装メンテ技師の大量応募があったから、相当数採用して、教育までしてきたの。

だから私がいなくても問題ないよ」

 

「大量応募……? 艤装メンテ技師なんて、そんな一か所にたくさん応募がある職じゃないだろ……?」

 

「何言ってるの?

あなたが出した本読んで、応募してきた子ばかりだったんだよ?」

 

「あっ……」

 

「『あの鯉住少佐が働いてた鎮守府で仕事したい!』っていう動機の子ばっかり。

女の子もいっぱいいたよ~?モテモテじゃん?この人気者!」

 

「うっくぅ~……なんも言えねぇ……」

 

 

明石に肘でグリグリされながら、遠い目をする鯉住君。

彼女がここに着任してきたのは、元をただせば自分が原因だった。

風が吹けば桶屋が儲かるとは、よく言ったものである。

 

 

「というわけで、これからよろしくねっ!キラキラ!」

 

「くっそう……キラキラしやがって……

というか、お前がここに来た理由はハッキリしたけど、この建物についてはまだ何も聞いてないぞ。しっかり説明しろよ」

 

「ああ、それなら本人たちに聞けばいいんじゃない?

あなた妖精さんと、話できるんでしょ?」

 

 

明石の視線の先には、一仕事終えてティータイムを楽しむ英国妖精シスターズの姿。

視線を送る鯉住君に気づくと、ティーカップを置いてふよふよとこちらに飛んできた。

 

 

(へーい。どうしましたかー?てーとくー?)

 

「あ、ああ……何でキミたちが、こんな立派な建物を建てたのか気になってな……」

 

(おーう!そんなのきまってるでーす!

てーとくのきたいにこたえるためでーす!)

 

「お、俺の期待……?」

 

 

全く心当たりがない鯉住君。

 

 

(いっえーす!)

 

(ひええー がんばりましたっ!)

 

(ていとくが「あとはたのむ」と、おっしゃったので、たのまれました! だいじょうぶです!)

 

(たくさんひとがふえるとのことなので、たくさんひとがすめるたてものをたてました。

けいさんどおりです!)

 

「あぁ……そゆこと……そっかぁ……

頑張ったんだね……ありがとね……」

 

(うふふー!このくらい、あさめしまえでーす!

ごほうびはあしがらさんの「すこーん」がいいでーす!)

 

「わかったよ……伝えとくからね……」

 

(ひええー そんなにいいもの、いいんでしょうか!?)

 

(すてきです! だいじょうぶです!)

 

(これはけいさんいじょうですね!)

 

 

どうやら出発前に「あとは頼む」と声をかけたのがいけなかったらしい。

確かに異動がある話はしていたし、部屋割りをどうしようか考えてもいた。

その心の内を察知してくれていたようだ。

 

しかし、いくらなんでも、旅館を建てる解決法を選ぶとは……

相変わらず予想の斜め遥か上を行く妖精さんクオリティである。

 

 

「まぁ、しょうがないか……

人数がこれだけ増えて、部屋も足りないところだったし……

結果オーライということで……」

 

「私も手伝ったんだよっ!

妖精さんたちが意匠に困ってたところを、私が鎮守府棟(豪農屋敷)に合うようにデザインしたんだから!褒めてもいいよ?」

 

「明石テメェーーー!

やっぱり一枚噛んでんじゃねぇか!こういう時に暴走を止めるのが大人の役割だろ!?

一緒になって楽しんでるんじゃねえよ!」

 

「いいじゃん別に。結局助かったんでしょ?

それに私、妖精さんたちが勝手にやったことなんて知らなかったし~」

 

「ウソつけぇ!

その態度、絶対わかってやってただろ!?」

 

「さぁて、どうでしょう?」

 

「ニヤニヤしてんじゃねぇよ!」

 

 

明石に苦手意識を持つ鯉住君だが、息はぴったりの模様。

伊達に何年も一緒に、苦楽を共にしてきたわけではない。

 

そんなふたりの夫婦漫才を見ていた鎮守府メンバーは、みな一様に複雑な表情をしている。

 

 

「……なんで呉の明石さんが、ここに居るのよ……

ていうか明石さんって、こんなキャラじゃないじゃない……何なのよ、これ……」

 

「そうですね、叢雲さん……

私達が知ってる明石さんは、もっとしっかりした大人の女性のはずなんですけど……」

 

「あのね、明石さんは鯉住さんと一緒だと、こんな感じだよ。

普段はしっかりしてるけど、鯉住さんと一緒だと落ち着くから、素が出ちゃうのかな?」

 

「そうなの……? 初めて知ったわ……」

 

 

「グヌヌ……なぜ桃色がここに居るのじゃ……!

あの淫乱に鯉住殿がたぶらかされてしまうではないか……!!」

 

「彼に限っては大丈夫だと思うけど……

あれが噂に聞く『呉の明石』なのね。随分噂と違う性格で、お姉さん驚いちゃうわ」

 

 

「ぐぐ……なんてこと……

またライバルがひとり……しかも工作艦……!なんなのよあの胸……!」

 

「私も改装が進んだら、あんな風になるのかなぁ……

なんでこんなに差があるのか、理解できないかも……」

 

 

「まぁたラブコメだよ。勘弁してほしいね~」

 

「ホントにその通りですね。非常に不愉快です」

 

 

「なぁ龍田、聞いたか?

あの旅館、俺たちの新しい艦娘寮になるみたいだぜ!?テンション上がるなぁ!」

 

「そうね~。いいお部屋が割り当てられるといいな~」

 

 

これにて、本当の新たなメンバーでの新生活がスタートすることになった。

 

色々考えなければいけないことばかりだが、もはやめんどくさくなって、思考放棄した鯉住君。

宴会の料理は何なのかなぁ……なんて、どうでもいいことを考えるのであった。

 

 

 

 

 




異動メンバーはふたりだとも言ってないんだよなぁ……
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