艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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※今回は前回までの台本形式から、台詞に名前を入れない通常形式に変えてみました。
色々模索中ということで、ご迷惑おかけいたしますm(__)m
もし何かそのことについてご意見くださるようでしたら、お手数ですが『活動報告』の方にコメントを頂けると嬉しいです!

・・・

鯉住くんの艤装メンテは実際すごいです。
効果は以下のほど。

通常メンテ       プラマイゼロ
明石メンテ       ☆+1
鯉住メンテ(妖精無し) ☆+4
鯉住メンテ(妖精有り) ☆+9

こんな感じ。
ただしメンテ1回に対して出撃1回の短期バフです。

別に彼は選ばれしものとかそういうことじゃないです。
鯉住くんは感謝の気持ちを込めてメンテしているので、
艦娘という存在とうまくシナジーが掛かって、このような結果となっています。

細かい理由は世界観の大本にもかかわるし、ややこしいので、割愛します。
いつか明かすことになるかもしれません。


第8話

「あぁ、思った以上に遅くなっちゃったな……」

 

久しぶりに大勢で過ごしたこともあって、結構楽しんでしまい、

思っていた以上に帰ってくるのが遅くなってしまった。

明日は朝6時から仕事だっていうのに、

もうすでに22時を回ってるじゃないか……

それでもまあ睡眠時間は6時間以上確保できそうだし、

仮眠室に泊まるつもりでいて正解ってとこかな。

 

・・・

 

例の初春さんの爆弾発言以降も、色々と質問された。

好きな食べ物とか、出身はどことか、趣味はなんだとか。

 

好きな女性のタイプを聞かれたときに、綺麗な大人のお姉さんって言ったら、

初春さんに結構強めにわき腹を殴られた。

他の皆さんはそれを見て、やれやれ、みたいな反応をしていた。

なんでや。エロい人だと思われたのか?

俺ももう26なんだし、大人のお姉さんが好きでもいいじゃないか。

 

質問タイムが終わった時点でまだまだ時間が余っていたので、

その後はDVDで映画を見た。

やっぱりあのCD棚とDVDプレイヤーは若葉さんの私物だったようで、

おススメの映画を選んでもらった。

 

なかなか渋い映画ばかりで、流石は若葉さんといった感じ。

その中でも一押しということで、『ニューシネマパラダイス』を観た。

いやあ、初めて観たけどあの映画すごいわ。

最初のうちは果物をもしゃもしゃしながら見てたんだけど、

最後のシーンでは年甲斐もなくボロ泣きしてしまった。アルフレッドォ……!

 

結構長い映画だったし、小さい子には難しい内容だったので、

気がついたら、若葉さん以外は寝落ちしていた。

子日さんと初霜さんはテーブルに突っ伏してよだれ垂らしてたし、

初春さんはいつの間にか俺の膝に頭のっけて寝てた。

 

これには正直助かった。

大の大人が泣いている姿なんてあまり見せたくない。恥ずかしいし。

まあ若葉さんにはがっつりと見られてしまったけど…… 

その時若葉さんがクスクス笑っていたのはちょっとした衝撃だった。

あの子あんな表情するんだね。これがギャップってやつ?

 

というか、あんな大人向けの人間ドラマがおすすめだなんて、

若葉さんの趣味渋すぎない?

彼女だけは小学生として接してはいけないのかもしれない。

 

映画を観終わった後は、そのまま自然とお開きになったんだけど、

寝ちゃった3人をテーブルに残していくわけにはいかないし、

若葉さん一人で他の3人をベットまで運ぶのは厳しいってことで、

俺がベットまで運ぶことにした。

 

いわゆるお姫様抱っこというやつで運んだんだけど、

3人ともすっごい軽かった。

あの軽さで、あんなに重い艤装を振り回すなんて、何とも不思議な話だ。

物理法則というものは全く仕事をしていない模様。

まあ艦娘の存在自体が色々と科学の外なんだけどね。

 

そんなこんなで若葉さんに別れを告げ、艦娘寮を後にし、

工廠の仮眠室にまで戻ってきたというわけだ。

 

・・・

 

「さて、シャワーでも浴びて、寝るとしますかね」

 

今日は本当に色々あったけど、

艦娘の皆さんの事がよく知れたのは大きな収穫だったな。

 

まさか駆逐艦の皆さんが、軽く扱われているなんて思わなかったし、

みんなそれを普通の事として受け入れているのはちょっとショックだった。

 

技術屋の俺にできることなんてそんなにないけど、

なんとか活躍できるところを探してあげたいってのは本心だ。

幸いこの鎮守府では、遠征要員として十分活躍しているようだから、

俺の出る幕なんてないんだけどね。

これに関してはうちの大将グッジョブと言わざるを得ない。

ちょっとだけ見直したぞ。クソ提督。

 

まあ疲れた頭で考えても仕方ない。

今日はおとなしくさっさと寝て、明日に備えるとするか……

 

・・・

 

……次の日の朝

 

「……ねみぃ」

 

最近は8時間睡眠に慣れてたからな……

昨日は色々と忙しかった上に6時間睡眠だ。どうしても疲れは残ってしまう。

とはいえメンテに粗が出て、迷惑をかけてしまってもいけない。

 

今日は朝イチで神風型の皆さんの艤装をメンテして、

それが終わったら暫く休憩。

初春型の皆さんが遠征から戻り次第、彼女たちの艤装メンテとなる。

 

装備開発アシストだったり、建造アシストだったり、

特別な仕事が業務内容に組まれる場合もあるにはある。

しかし装備も艦娘も充実しているこの鎮守府では、開発も建造も必要ない。

そんな仕事が組まれるのは、滅多にないことだ。

ということで、今日はいつも通りの仕事ばかり。少し眠くても問題はないだろう。

 

鯉住「うしっ!それでは誠心誠意取り組ませていただきましょうか!

いくぜ、妖精さん!」

 

(((おー)))

 

気合、入れて、行きます!

 

 

……艤装メンテ中

 

 

「……」

 

ヴィィィ……

 

「おっはよー!お邪魔するわよ!ちょっといいかしら!?」

 

「……」

 

カチャカチャ……

 

「……ねぇ、ちょっと!」

 

「……」

 

グリグリ……

 

「……ええと、そのぉ……」

 

(よばれてる)

 

クイクイ

 

「……ん?」

 

「!! ちょっと、何で無視するのよ!」

 

「……ああ、朝風さん。おはようございます」

 

朝から元気な彼女は神風型2番艦駆逐艦「朝風」。

ちょうど今メンテしている艤装の持ち主だ。

 

彼女も神風型の他の姉妹の例に漏れず、袴にブーツといういでたち。

髪型は、おでこを見せる真ん中分けで、活発な印象だ。

頭の左右につけたブルーリボンも、袴と同色でよく似合っている。

どう見てもアオスジアゲハだよなあ、と思ったが、

機嫌を損ねて怒らせてしまうのも面倒なので、口には出さないでおこう。

 

「ねぇ、ちょっとあなた。私の頭に何かついてるの?」

 

「え?ああ、いや。なんでもないです。ハイ」

 

最近考えがよく読まれる。もしかして顔に出てる?

 

(でてます)

 

(めせんがろこつ)

 

(あいかわらずでりかしーがない)

 

マジかよ。ちょっと気を付けないとなぁ。

 

「それより!私を無視するなんていい度胸じゃない!どういうつもり!?」

 

どうやらメンテに集中していたせいで、気づかなかったようだ。

頬を膨らませ、少しブスッとしている。かわいい。

 

「ああ、すいません。ちょっと手が離せなかったもので。

何かご用ですか?」

 

「むぅ……まあいいわ。司令官から預かりものよ」

 

「うえっ……」

 

「……何よその露骨に嫌そうな反応……司令官と仲悪いの?」

 

「いやぁ……そういうわけではないんですが……」

 

「じゃあ何でそんな反応なのよ?」

 

「だって……ねえ?

毎日勧誘しかけてくるんですよ?提督にならないか?って」

 

「なんだ、そんなことで苦手意識持ってたの?」

 

「毎日ですよ?朝風さんだって毎日勧誘されたら気が滅入りません?」

 

「どうせあなた提督になるんでしょ?

さっさと受けちゃえば問題解決じゃない!!」

 

(((うんうん)))

 

「ええ……」

 

この人もわけわかんないこと言ってる……

お前らも乗っかるんじゃないよ。うんうんじゃないよ。

 

なんなの?

最近よく「お前もうほとんど提督じゃん」みたいな認識されてるけど、

俺の知らないところで何か起こってるの?

それはちょっといただけないですよ。

確かめてみないと……

 

「ええと……俺は提督やる気はありませんよ?

なんでもう提督やる前提になってるんですか?」

 

「……え?そうなの?

なんか司令官があなたのことで色々準備してたから、

てっきり提督になる予定があると思ってたんだけど……」

 

「オイィ!?何してんの!?あのクソ提督!

昨日ちょっとだけ見直したけどやっぱダメだわ!大将株はストップ安です!」

 

一気に眠気が飛んだ。

提督しないゆうとろうが!なにコソコソ動いとんねんな!

 

「な、なによ、いきなり大声出して……

ビックリしたじゃない……」

 

「あ、ああ……すいません。取り乱しました……

ちょっとぼんやりしてる場合じゃない話題だったので……」

 

「まあその辺は本人と話し合ってみてよ。

それより司令官からの預かりものを渡すわね」

 

「あ、ああ、はい」

 

ずるっ

 

そういうと朝風さんは、懐からブックカバーのついた書籍を取り出した。

……ていうか、どこから取り出してんの。朝風さん。

もしあなたが大人の女性で大人な体型なら、峰不二子みたいになってたよ。

小学生体型だから大丈夫だけど、

そこを収納場所に選ぶのは、お兄さんちょっとどうかと思います。

 

(またせくはら)

 

(しんせいのろりこんですか?)

 

(これはけんぺいあんけんまちがいなし)

 

目の前の無自覚ガールが、

セクシーな動きしたんだから仕方ないんです!

男だったらそういう考えになるもんなの!

そういうこと考えちゃうの前提で、口に出さないのが紳士の証なの!

 

(へんたいしんし)

 

(ろりこんしんし)

 

(むっつりしんし)

 

紳士の前につけていいワードは英国だけです!

そういったワードは不正解!赤ペン入れて突き返すぞ!

 

「……? どうしたの?早く受け取ってよ」

 

「あ、ああ、すいません。ではいただきますね」

 

朝風さんから書籍を受け取る。

ほんのりと温か……いや、この話はもうやめよう。

それよりも何の本なんだろう?ブックカバーを外して確かめようか。

 

ガサガサ

 

タイトルは……

 

『しょうがくせいでもわかる!

かんむす・しんかいせいかん とらのまき』

 

「……」

 

「何の本だったの?

一応人様のものだから中身は見なかったけど、気になるのよ」

 

スッ

 

「な、何よ、無言で見せてきて……何よコレ」

 

「私が聞きたいです……」

 

「ハァ……最近司令官が暇を見つけて何かを書いてると思ったら……」

 

「え?なに?これ大将の手作りなんですか……?」

 

「たぶん、ね」

 

「あのクソ提督……仕事中に何しとんのや……

百歩譲って仕事の合間に書いたとして、

なんで俺に渡すつもりなのに小学生対象にしたんや……」

 

「まあよくわからないけど、あなた読書好きなんでしょ?

ちょうどよかったじゃない」

 

「まあ、それはそうなんですが……いいんですか?朝風さん?」

 

「? なにが?」

 

「いやだって……多分この本朝風さんの事も載ってますよ?

そういうの見ちゃっていいのかなって……」

 

「あー……司令官の事だから大丈夫だと思うけど……

ちょっと見せてみて」

 

「え、ええ」

 

さっ

 

朝風さんに本を渡すと、ぺらぺらとめくりだした。

自分のページを探しているのだろう。

 

「……ふーん。どれどれ」

 

自分のことが描かれたページを見つけたようで、読み込んでいる。

大丈夫だろうか?

 

「はい。ありがと」

 

すっ

 

「……内容は大丈夫そうでした?」

 

「まあ、これくらいなら大丈夫ね。

私達のスリーサイズとか書いてあったら、

どうしてくれようかと思ってたわよ」

 

「……ははは……それならよかったです」

 

別に気にするほど……いや、やめておこう。

 

「ま、暇なときにでも読んでみるといいわ。

司令官は普段はそう見えないけど、歴戦の強者よ。

その司令官が知ってる情報が詰まってるから、かなり勉強になると思うわ」

 

「……はい」

 

その勉強って提督になるための勉強だよね?とか、

司令官の知識って完全に軍事機密だよね?とか、

色々と突っ込みたい衝動にかられたが、

得るものがないのは目に見えているので、現実から目を逸らすことにした。

 

「さてと、おつかいも済んだところで……」

 

「ん?どうしたんです?」

 

「ねえあなた、今時間あるかしら?」

 

「あー、今はちょっと無理です。でもあと1時間もしたら手が空きますよ?

初春型の皆さんが遠征から戻ってくるまで中休みですからね」

 

「オッケー!!1時間後なら私達も余裕あるわ!

それじゃその辺りでもう一度来るから!!」

 

「わかりました……というか朝風さん、わざわざ何しに……」

 

「それじゃまた後でねー!!」

 

タタタッ

 

「……行っちゃったよ。結局何しに来るんだ?」

 

よくわからないけどまあいいか。

それよりも仕事仕事……

 

・・・

 

「ふー。前半戦終了っと」

 

神風型の皆さんの艤装メンテを終え、一息つく。

いつもより睡眠時間が短いとはいえ、大規模作戦の時と比べたら余裕綽々だ。

 

大規模作戦の時は毎日4~5時間睡眠もザラで、

メンテのペースも今よりもずっと早めないと間に合わない。

艦娘の皆さんは高速修復材(バケツと呼ばれる)で一瞬で体力回復するが、

艤装はそうはいかないのだ。

 

大破した艤装はそんなに簡単には直せない。

艤装に住み着いている妖精さんたちのおかげで、

人間が使う兵器よりも圧倒的に修繕時間はかからないものの、

大破状態なら、1人につき少なくとも1時間は見てもらう必要がある。

まあとにかく、大規模作戦中は裏方も相応に大変だということだ。

 

「そういえば朝風さんが来るって言ってたけど、

何しに来るんだろうな」

 

ひとりごとを言いつつ、さっきもらった虎の巻を読む。

 

元々本を読むのは好きで、寮には本棚が5つほどあり、

もちろんすべて本で埋まっている。

休日はどこに出かけるでもなく、自宅で本を読んで過ごすのが、

いつもの過ごし方だ。

本はいい。それを書いた人、内容にアドバイスをした人、編集した人、

色々な人の思いが込められている。

自分以外の人から見た人生の一部、世界の一部がそこにある。

 

……最近は自宅にまでついてくるようになった妖精さんに、

読書を邪魔されることが多いのが悩みの種だけど。

 

「……なんだこれ。マジかよ」

 

あのクソ提督が作者だと思うと手放しで褒められないけど、

いやこれすごいわ。

 

艦娘の砲火力、雷撃力、対空力、装甲の4項目が、10段階に分けて書かれている。

あと装備できる艤装の種類とか、燃料弾薬の消費量とか、とにかくすごい情報量だ。

さらにその艦娘が得意な艤装についても書いてある。

こんなんもらっていいの?これヤバいやつでしょ。

軍事機密とかいうレベルじゃないんですけど。

 

もっと言うと艦娘の挿絵まで描かれている。

デフォルメされたちびキャラというやつだろうか。とにかくファンシーだ。

……あれ?これ書いたの大将だよね?あのおっさんこんなかわいい絵描くの?

ヤバくない?

 

……ウィーン

 

「こんにちは!来たわよ!」

 

おっと、朝風さんのご到着だ。

まだ虎の巻を読んでたいけど、そうもいかない。

 

「はいこんにちは。

さっきは聞きそびれちゃったけど、何の用事ですか?」

 

「ふっふっふ……!松風から聞いたわよ!」

 

あっ……(察し

 

「昨日初春型のみんなの部屋に遊びに行ったらしいじゃない!!

ねえねえ!誰に呼ばれたの!?何したの!?何があったの!?」

 

すっごいキラッキラした目とおでこでこちらに質問してくる。

これはあれだ。小学生女子が、他の子の恋愛事情にやたら首突っ込みたがるあれだ。

松風さんが面白くなるとか言ってたけど、もしや朝風さんの事だったのだろうか……

 

「さあ!さっさと教えなさい!隠したってためにならないわよ!!」

 

やたら早口でまくし立ててくる。うるさい。

どんだけ楽しみにしてたんだこの子は。

たまに松風さんが「朝風姉さんは黙ってれば美人なのに」って言ってるけど、

今ならその気持ち、100%理解できます。

 

あぁ……ちょっと、近いです……暑苦しいから離れてください……

身を乗り出すほど楽しみにしてたんですかそうですか。

 

「えと、朝風さん、ちゃんと答えますから。まずは落ち着いて。

そこに椅子があるので、とりあえず座って下さい」

 

「わかったわ!」

 

ポスン

 

ふう、ようやくこれで落ち着いて話が出来る……

 

「さあ!早く教えなさい!どうだったの!?どんなロマンスがあったの!?」

 

いやこれ落ち着けるか……?

 

「ま、まあまあ。そう焦らないで。

たぶんですけど朝風さんの期待しているようなことはありませんでしたよ?」

 

(ほんとにぃ?)

 

(うそはよくない)

 

(めくるめくろまんすがあそこにはあった)

 

あぁん?ねえよそんなもん!

ロマンスなんてありませんでした!

キミたち一緒にいたよね!?なんで覚えてないの!?

みんなして遊んだだけでしょうが!

 

「えー?ホントに?

松風の話だと、かなりワクワクしちゃう展開だったんだけど」

 

「ええ……? なんて言ってたんですか……?」

 

「艦娘と技術工、禁断の愛!愛しあう二人には年齢なんて関係ないのさ!

……みたいなことをいつもの口調で話してたわ」

 

「……Oh」

 

あのちびっ子は……んもう!

一番話しやすいと思ってたらこれだよ!裏切られた気分やでほんま!

 

「い、いいですか、朝風さん……

そういった事実は一切なかったんで、そこのところお願いしますよ……

初春型の皆さんにも迷惑が掛かってしまいますからね……」

 

「えー。つまらないわ」

 

「つまるつまらないはとりあえず置いておいてください……

実際なにしたか話しますので」

 

「まあそういう関係じゃなかったとしても、駆逐艦仲間としては気になるのよね。

何しに行ったの?」

 

「えーとですね。

そもそもは初春さんが艤装メンテを見学したい、と言ってきたところからなんですけど」

 

「ふんふん」

 

いきさつ説明中……

 

「……ということなんです。

ボードゲームしたり、みんなで話したり、映画見たりしただけですよ。

俺としても親戚の子たちと遊んでたのを思い出せたので、楽しかったです」

 

「……へえぇ」

 

「……朝風さん?」

 

なんだろう。さっきよりキラキラしている……

 

「松風が言ってたこともあながち間違いじゃなかったわね!」

 

「え゛っ」

 

「うん!いい話が聞けたわ!ごちそうさま~♪」

 

「あ、ちょ、待って!」

 

タタタッ

 

こちらの制止も聞かず走り去ってしまった……

神風型の艦娘には、人の会話をぶった切る性質でもあるんだろうか……

虎の巻に追記しといてやる。

 

(へやによばれて)

 

(いっしょについていくといわせて)

 

(ひざまくらにおひめさまだっこ)

 

(((ごちそうさまでした)))

 

うるさいよ!息ピッタリじゃねえか!お遊戯会での発表か!

第一そういうんじゃないから!

あちらは小学生で艦娘!こちらはいい大人で人間!

ほら見ろ、仲よく遊ぶ、以外の答えなんか出てこないでしょうが!

俺にロリコンの気はないから!

 

(((へー ふーん)))

 

ニヤニヤするんじゃありません!そのジト目をやめなさい!

「何を言っても事実は変わらないのに……」みたいな反応をするんじゃありません!

 

 

 

どんどん自分の認識とは違った噂が広まることに、戦慄を覚える鯉住くん!

少なくとも神風型の中では、彼の評価は定まった模様!

 

読書家に本をプレゼントという、

彼の趣味を利用した、大将の巧妙な罠も、鯉住くんの提督化に拍車をかける!

 

果たして彼は、この先生きのこることができるのか!?




裏で暗躍する鼎大将は側近とも呼べる3人の部下を呼び寄せた!
規格外の実力を持つ彼らに、鯉住くんは抗いきることができるのか!?

次回「俺が提督になるわけないだろ?安心しろよ!」!

お楽しみに!

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