艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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秋雲、着任!提督よろしくねっ!(超スーパー修羅場mode)


新規艦がドロップしたと思ったら、既に大破してました。
こんなん笑いますわ。




第91話

タッフィー君のメンテを終え、ツインテールの深海棲艦と協定(戦闘前に警告してほしい)を結ぶこともできた。

 

そして今はというと……

随分とお待たせしてしまったのだが、筋肉モリモリマッチョマンである双頭艤装のアンドレ君のメンテをしている最中である。

 

本当は時短のために、夕張と明石にもフルで活躍してもらいたかったのだが……

流石に年頃の女性にマッチョな肉体をいじくりまわさせるのは気が引ける。

ということで、ふたりには彼の機械部分のメンテをお願いすることにした。

 

 

「師匠師匠」

 

「どしたの? 夕張」

 

「ぜんっぜんこの髪の毛、ほどけないんですけど……」

 

「あー……そうだよねぇ……

すっごい頑丈だから、ケガしないようにだけ気を付けてのんびりやってて」

 

「わかりました」

 

 

夕張には、無残にも引きちぎられた髪の毛をほどいてもらっている。

アンドレ君も絡まったままでは動きづらいようだし、地味だけど重要な仕事だ。

 

 

「ねぇねぇ鯉住くん。

この子の主砲って、大和型と同じ扱いでいいかな?

ちょっと違う気がするんだけど」

 

「そうだなぁ……

なんとなくだけど、米国艦規格っぽいんだよなぁ。

あまり日本海軍には米国艦の艤装ノウハウはないけど、お前なら問題ないだろ」

 

「まーね。米国規格ってわかってれば、なんとかなるし」

 

「だよな。任せるぞ」

 

「オッケー」

 

 

明石には、肉体部分から取り外した機械部分……主砲の数々を任せている。

正直ひとりでどうにかできる量ではないが、明石に関してはその限りではないだろう。

コイツの実力は信頼しているのだ。実力については。他は察してほしい。

 

 

……そして自分は何をしているのかというと……

 

 

「それじゃ診察始めるからねー。

どこか体で不調あるところってあるかな?」

 

 

クイクイ

 

 

「あー、喉からお腹にかけてか。

キミもタッフィー君と同じで、体内に何か収まっているのかも。

他に違和感を感じる部分はあるかい?」

 

 

ペタペタ

 

 

「なるほど。腕とひざの関節部分ね。

それじゃそのあたりも重点的にメンテしようか」

 

 

……なんか医者の診療じみたことをしている。

 

メンテ技師っぽくないが、これはもう仕方ない。

せっかく意思があるのだから、不調を感じる部分を聞き出すのが上策だろう。

 

さっきも明石に小児科医みたいってからかわれたが、艤装も人体も不調を回復するという点において同じなのだから、実はメンテ技師も医者も同じようなものなのかもしれない。

 

 

 

・・・

 

 

数時間後

 

 

・・・

 

 

 

「……はい。これでいいかな。メンテ完了だ」

 

 

自分が担当した部分は、ほぼほぼ肉体部分だったが……

なんとか無事にメンテを終えることができた。

 

明石と夕張も無事に割り当て分を消化できたことだし、これにて完了と言って差し支えないだろう。

 

それにしても……

アンドレ君の口の中から、1mを超える巨大な魚の骨が出てきたのには驚いた。

彼の口内は炎が飛び出るくらい高熱なのだが、まったく焦げていない。

しかもマンガでよく見る形の魚の骨だ。

 

十中八九アークロイヤルの魚キャノンを飲み込んでしまったのだろう。

どこから魚を召喚してるのかも不明だし、魚とは思えない強度だし……

彼女の攻撃は、相変わらず謎がいっぱいである。

 

 

メンテの出来はどうかと思ってアンドレ君の様子を見ると、実にキラキラしている。

随分とカラダが軽くなったのが嬉しいのだろう。腕をグルグルしている。

 

 

「満足してくれたようで何よりだよ。

さて……それじゃアンドレ君にも、もう一度伝えとくね。

これから艦娘や人類と戦いになりそうだったら、一回威嚇なり警告なりしてやってほしい。

出来たら本当は争いなんてしてほしくないんだけどね」

 

「彼ニハソンナ話、必要ナイヨ」

 

「え?そうなんですか?」

 

 

ツインテールの彼女は、アメちゃんを口の中でコロコロしながらメンテを見学していたのだが、釘をさす鯉住君に対して口を挟んできた。

ちなみにタッフィー君はメンテを受けて疲れたのか、横ですやすやと寝ている。

 

 

「あいつハ全然気ニシテナカッタケド……

彼サ、ココニ来ルマデズットぷれっしゃー出シテタモン」

 

「えっ……? そ、そうなんですか?」

 

「ソウダヨ。アマリ戦闘ガ好キジャナイミタイ。

弱イ奴イジメ、シタクナカッタンジャナイ?」

 

「そ、そうなの?」

 

 

コクコク

 

 

アンドレ君はうなづいている。

キミ……まさかの穏健派だったのか……

なんていうか……直情型のご主人とはえらい違いですね……

 

 

 

 

 

 

 

「チョットォ!!

みーノコト すとぅーぴっど(お馬鹿さん)ダトカ思ッテルデショ!?」

 

「ファッッ!?」

 

 

噂をすれば影である。

まさかの本人登場に、喉から心臓が飛び出そうになる鯉住君。

 

 

「彼女がそろそろ戻りたいっていうから、帰ってきたわよ」

 

「あ、足柄さん……そうだったんですか……

急に後ろから声かけられたんで、エライびっくりしましたよ……」

 

「ソンナコトヨリィ!!

絶対アンタ今、みーノコト馬鹿ニシテタデショ!」

 

「そ、そんなことないですよ……

ええと……す、素直なのはいいことだと思います!

貴女みたいに真っすぐ生きてる人は魅力的ですよ!憧れちゃうなぁ!」

 

「ア、ナニ、ソウ? ……ソウヨネ!

ヤッパリしんぷる(素直)ガ一番!ワカッテルジャナイ!」

 

「あ、あはは……」

 

 

えぇ……? この人大丈夫……?

いくら直情型と言っても、ちょろ過ぎない……?

おせっかいかもしれないけど、お兄さん心配です……

 

 

「アナタニ心配サレナクテモ大丈夫ダヨ。

こいつ、コウ見エテモ強イカラ、チョットクライ頭弱クテモ平気」

 

「なんで私の考えがわかるんですか……」

 

「顔ニ出テルモノ」

 

「はぁ……」

 

 

相変わらず顔に出やすい提督と、深海棲艦のくせに人の心の機微に敏感なツインテール。

相性がいいのか悪いのか。

 

 

 

 

 

……それからアンドレ君とロングヘアーの彼女にもアメちゃんを進呈し、ご主人である彼女にも例の約束を取り付けた。

 

いや、取り付けようとしたのだが、彼女はうまく理解できていなかったようで……

「取リアエズ一体沈メレバ、怖クテ全員逃ゲルッテコトネ!!」

とかなんとか言ってたので、やんわり訂正しつつアンドレ君に丸投げすることにした。

当のアンドレ君はドンと胸を叩いて自信満々に引き受けてくれたので、まあ大丈夫だろう。

主従が逆のような気がするが、今さらである。

 

 

 

・・・

 

 

 

「……ソレジャ世話ニナッタネ」

 

「はい。急なことで驚きましたが、満足してもらえたようで何よりです。

こちらとしても人類側にメリットのある約束ができたので、良かったですよ」

 

「ソノクライナラネ。たっふぃー君ヲ満足サセテクレタカラ。

アナタハ人間ダケド特別ダヨ」

 

「ありがとうございます」

 

「よかったね鯉住くん。

それにしてもキミ……深海棲艦から好かれること多くない?」

 

「明石お前……結構気にしてんだから、ほっといてくれ……」

 

「大丈夫ですよ師匠!

師匠は私達、艦娘からも好かれてますから!」

 

「フォローありがとう、夕張……

なんかちょっと違う気もするけど……」

 

「そうねぇ。提督は人類以外から好かれることが多いのよねぇ」

 

「足柄さん……人類以外って……」

 

 

部下の歯に衣着せぬ意見にモヤモヤしていると、お客さん側から声がかかる。

 

 

「えにうぇいっ(とにかく)!

あんどれ君モ満足シタノダシ、みーモ鎮守府トカイウトコロヲ探検デキタシ!

ゆーノ事ハ特別扱イシテアゲルワ!感謝ナサイ!」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「ソウダネ。ソレジャ、私達モウ帰ルカラ」

 

「あ、はい。くれぐれも気を付けてお帰り下さい」

 

「のーぷろぶれむ(問題無いわ)!

みー達ヲ襲ッテクル奴ラガイタラ、ケチョンケチョンニシチャウ!」

 

「いや、そちらの心配でなく……

艦娘に見つかっても、手を出さないであげてくださいね……?」

 

「奇襲ヲ心配シテルノ?

ソノ程度デヤラレルヨウナ軟弱ナばでぃー(肉体)ハシテナイワ!」

 

「……アンドレ君、お願いね」

 

 

コクコク

 

 

「ソレジャ、ばいばい。マタネー」

 

「しー ゆー あげいんっ(また会いましょう)!」

 

 

バウバウッ!

 

ブンブンッ!

 

 

「「「 お気をつけてー 」」」

 

 

元気よく頭や手を振っている艤装たちと共に、お客さんたちは帰って行った。

 

 

 

・・・

 

 

 

「……ふう。

せっかくの非番だったんだけど、とんだ一日になったな……」

 

「ですね……せっかく師匠とふたりだったのに……」

 

「私は珍しい経験ができたから良かったけどね。

あ、用事が無くても呼んでくれてもいいのよ?

キミの部屋とか行ってみたいな~」

 

「何言ってんだ明石お前……もっと慎みをだな……

……はぁ……まぁいいさ……とにかく疲れた……」

 

 

ここにきてドッと疲れが出た鯉住君は、肩を落としながら椅子に腰かける。

初めての作業に気を張っていたメンテ組ふたりも、提督同様に椅子に腰かける。

 

 

ふぅーっ……

 

 

そして3人仲良く深いため息をつく。

今まではランナーズハイのような高揚感により疲れを感じていなかったのだが、一区切りついたせいか緊張感が途切れたようだ。

 

……そんな3人の様子を見た足柄から、ひとつの指摘が。

 

 

「……そんなことより……よかったの?提督」

 

「……? どうしたんですか?足柄さん。

何か気になることでもあったんですか?」

 

「その様子だと気づいてないわね?」

 

「え?え?」

 

「彼女たち、去り際に『またね』って言ってたわよ?」

 

「「「 ……あ…… 」」」

 

 

さらっと再訪の約束を取り付けられていた。

それに気づき、さらにぐったりする3名なのであった。

 

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

  後日談 出来事の報告

 

 

 

 

 

プルルルル……

 

ピッ

 

 

(はい。こちらラバウル第1基地、秘書艦の高雄です)

 

「もしもし。お久しぶりです。

こちらラバウル第10基地提督、鯉住です」

 

(いかがなさいましたか?)

 

「あのですね……なんと言ったらいいのか……」

 

(……また何かやらかされたのですか……?)

 

「そうだけどそうじゃなくてですね……不可抗力と言いますか……」

 

(中佐……貴方が言い淀むほどなのですから、覚悟はしておきます……

どうぞこちらにお気遣いなく、すべてお話しください……)

 

「なんかスイマセン……あのですね……」

 

 

・・・

 

 

説明中

 

 

・・・

 

 

( …… )

 

「……というわけで……

またウチにあの人たちが来る可能性がある以上、ラバウル基地エリア全域に通達しておいてもらった方がいいかなって……」

 

( …… )

 

「た、高雄さん……?」

 

(……あうあう……)

 

「高雄さん……情報過多になって……」

 

(えと……

お腰につけた飴玉で、犬(カタパルト)と猿(マッチョ)と雉(艦載機)を仲間にして……

鬼(姫含む)を支配することで鬼ヶ島の頭領になったと……そういうことですか……?)

 

「そういうことじゃないです……落ち着いてください……」

 

(相変わらず意味不明すぎて、理解しかねますわ……時間をください……)

 

「本当に申し訳ございません……」

 

 

・・・

 

 

クールダウン

 

 

・・・

 

 

(お騒がせしました……

冷静になりましたので、話を進めさせていただきます……)

 

「はい、よろしくお願いします……」

 

(実はお話に出たふたりとの遭遇報告は上がっていました)

 

「そ、そうなんですか?」

 

(はい。第9基地の鈴木大佐の艦隊が、哨戒任務中に発見したとのことです。

あまりにも実力が違い過ぎると判断したため、接敵前に撤退したと報告を受けています)

 

「それはよかった……

アンドレ君がこっち来るなオーラを出してたおかげだな……」

 

(アンドレ君……戦艦水鬼改の艤装ですね。

艤装に意思があるなど、にわかには信じがたいですが……)

 

「あちらさんからしたら、なんかそういうものみたいです」

 

(はぁ……と、とにかくですね……

そのおふたり、私達が惨敗した天城さんクラスなのですから、接敵イコール艦隊壊滅と見て間違いないでしょう。

その最上位の姫級と停戦協定ともいえる約束を取り付けたのは、歴史的快挙と言ってよいです)

 

「なんだか実感わかないですね……」

 

(中佐は表沙汰にできない功績しか積めないんですか?)

 

「そんなこと言われましても……」

 

(とにかく……

今回の話で開示できる情報は、ラバウル基地エリアの全鎮守府に通達します。

『ラバウル基地エリア全域で非常に強力な姫級が出現する可能性があり、気配でわかるから絶対に近づかないこと』

……このような内容でいいでしょう)

 

「すいません。よろしくお願いします」

 

(はい。また何かありましたら、連絡お願いします。

とはいえ……こちらへの連絡が必要ない内容でしたら、直接大和さんに連絡してくだされば結構です)

 

「そう言われていますが、やっぱりそれは失礼だと思いますので、一応高雄さんにも連絡した方が……」

 

(やめてください)

 

「アッハイ」

 

(では、報告ありがとうございました。それでは失礼します)

 

「はい。失礼します」

 

 

……プツッ

 

 

「……さぁ、次は大和さんだ……」

 

 

 

・・・

 

 

大和に連絡中

 

 

・・・

 

 

 

(中佐は表沙汰にできない功績しか積めないんですか?)

 

「大和さんまで……」

 

(いやだって……おかしいじゃないですか、色々と……)

 

「自覚はしてます……」

 

(大本営としては現在米海軍と繋がりがないので、その2名のデータは無いのですが……欧州の二つ名個体と同レベル、もしくはそれ以上の実力を持つと推定されます。

ハワイ遠征時にその2名と接触する可能性があったことも考えると、今回の龍太さんの行いは非常に重要なものだったといえます)

 

「あー……確かにその可能性はありますね」

 

(当然今回の件は公開できないので、昇進の一手とすることは出来ないですが……)

 

「いえいえ、それはお気になさらず。

というよりむしろ、反逆罪的なものに問われなくてホッとしてます」

 

(そうですね。

大本営は一枚岩ではありませんので、そういった懸念もあります。

どの道、今回の件は公表しないほうがよかったですね)

 

「気を遣っていただいてすいません。

……あ、そうだ。今回の戦利品、送った方がいいですか?」

 

(戦利品……?)

 

「あれです。髪の毛。

今回の証拠品になるかと思いまして」

 

(あー……先ほどお話しいただいた……)

 

「はい。ハサミの刃が欠けるほどの髪の毛です」

 

(にわかには信じられないんですが……)

 

「オーパーツじみてますよね」

 

(うーん……正直持て余す気もしますが……

一応送ってもらえますか?少量でいいので)

 

「わかりました。よろしくお願いします」

 

(はい。こちらこそよろしくお願いします)

 

 

……ピッ

 

 

「ハァ……ホントに疲れた……」

 

 

 




先輩の過去をちょいだし

だいぶぼやかしますが物騒な描写もあるので、気になる人だけ読んでみてください。
知らなくても一切問題ありませんので。


一ノ瀬聡美(29)

非凡な頭脳と端正な顔立ち、そして整ったスタイルを持っていたため、小学校高学年の頃いじめに遭う。

それ自体はあまり気にすることではなかったが、
「教科書を一度見ればわかることを、何度も繰り返し教えられるのが苦痛」
という理由から、不登校に。
周りはいじめが原因で不登校になったと思っており、後ろめたさから彼女とどんどん疎遠になっていった。

その後両親の理解もあり、優秀な家庭教師をつけ、自宅で勉強をすることに。
15歳の頃には、高等教育で習う範囲全般を網羅していた。
この時点で大学入試模試で全国一位程度なら、すんなりとれるようになっていたため、『10年にひとりの天才』と呼ばれたりしていた。

そんな引きこもりっぽい生活のなかで、じいちゃんの趣味だった将棋に没頭し、オンライン大会で何度も優勝するほどの実力を身につける。
認定試験など受けていないため、肩書き的にはあくまでもアマチュアだが、実力はプロに四割くらいで勝てるレベル。

引きこもりなのにアクティブな性格なので、ネットで知り合ったアマチュア棋士たちを集めて、近所の公民館などで非公式大会を開いたりしていた。
彼女のファンはこの頃から、ひっそりと、そしてかなりの勢いで増えていった。

いつからか彼女には妖精さんが見えるようになり、言葉は通じないものの、自由な性格にシンパシーを感じたのか意気投合。仲良くなることになった。

ある時、妖精さんたちに大会の会場作りを手伝ってもらっていたところ、偶然大会に参加していた鼎大将の目に留まり、スカウトを受ける。

話自体も鼎大将の人柄もなんか面白そうだったので、申し出を快諾。
半年間の研修の後、提督として赴任することになった。



加二倉剛志(35)

箱根にある山合の里に生を受け、同年代の者と共に、一般教育とは別に特殊訓練を受けながら育つ。
中でも情報統括能力と総合身体能力については他の追随を許さず、『100年にひとりの逸材』と呼ばれるほどであった。

その教育を終えた後は、シークレットサービス的な組織に加入。
強者曲者揃いの組織の中でも頭みっつほど上の実力を発揮し、いつしか組織内で三本の指に入るほどになっていた。

そんな中、深海棲艦出現に合わせて、筆頭支援者である鰐淵鯨太郎の総理就任を、組織一丸となってサポートすることに決定。陣頭指揮をとり、これを見事にこなす。

その後は組織名を『憲兵隊』と変え、防諜部隊(通称・風魔衆)のトップとして活躍。
部署内で開催した「第一回・首都圏他国諜報員狩猟大会」では、ダントツのトップである23名を討ち取り、その実力を内外ともに知らしめた。

国内サーバーへの不正アクセスなどのサイバー攻撃へのカウンターアタックを主に担当していたのだが、待つのは性分に合わず、日々の仕事に不満が溜まっていった。
そんな折、鰐淵首相からの紹介で知り合いとなっていた鼎大将に本心を打ち明け、提督となることを決意。
半年間の研修の後、提督として赴任することになった。



三鷹優佑(33)

同一の祖先をもつ秘密のコミュニティが日本にはあり、そこの一員として育てられる。
その影響で一般的現代人とはかなり違う価値観をもつことになる。

中学生の夏休みの自由研究で、日本人全員を敵にまわすようなものを提出しようとし、両親に止められる。
そのような作品を作ることになった理由は、人類の裏の歴史を学ぶなかで、
「人類は強い集団が弱い集団を皆殺しにするか、無能にして支配するかしかしない」
という結論に達し、人類を生物として特別視しなくなったため。

その作品は中二病全開といった内容だったのだが、見る者が見れば実現可能な恐ろしいプランだとわかるものであり、彼の非凡さと独自の世界観が周囲に知れ渡ることとなった。
その事から『鷹が鵺を生んだ』『1000年にひとりの怪物』など、好き勝手言われる。

そんな周りの懸念とは裏腹に、大学卒業まで一般的な学生生活を送り、妖精さんが見えるという理由から海軍の提督養成学校へ入学。
しかし学校の方針が肌に合わず、1年と経たずに退学。
その際食堂に偶然居合わせた鼎大将にスカウトされ、抜粋メンバーとして提督の道を志すことに。
半年間の研修の後、提督として赴任することになった。

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