艦これ がんばれ鯉住くん   作:tamino

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今回は若干不穏なので、人によってはひええとなる可能性があります。

そのことに注意して読むなり、読み飛ばすなりしていただければと思います。


第96話

「……あらぁ? 古鷹ちゃん、何してるの~?」

 

「あ、龍田さん」

 

 

旅館内を歩いていた龍田は、古鷹とバッタリ出くわした。

それだけなら普通のことだが……古鷹の挙動がどうにもおかしい。

 

 

「なんで洗濯機のコンセントを抜いているのかしら~?」

 

 

何故か古鷹は家電のコンセントを抜いて回っているようだった。

乾燥機のコンセントが抜けているし、たった今も洗濯機のコンセントを抜いているところだ。

 

 

「ああ、確かに不思議ですよね。これは提督の指示なんです。

今叢雲さんが告知文書作ってるところなので、龍田さんはまだ知らないですよね」

 

「提督の?一体何なのかしらぁ?」

 

「ええとですね……

本日は提督の先輩である、三鷹少佐がいらっしゃるんです」

 

「……あの三鷹少佐が?」

 

「はい……あの三鷹少佐です……」

 

 

提督である鯉住君の先輩が全員ヤバいというのは共通認識だ。

その中でも人鬼と言って差し支えない加二倉中佐と、優しさと冷徹さの振れ幅がとんでもない三鷹少佐は、超人である艦娘でも恐れるほどである。

 

鯉住君は「あの人はすごく優しい」という評価を下しているが、大本営での大和とのやり取りは秘書艦を通して鎮守府メンバーにも広がっており、当然優しい人という印象を抱いた者はいなかった。

 

 

 

・・・

 

 

 

この認識の差には実は理由があり……

彼が山城と一緒に大和に説明した内容は、彼の取り扱い方を誤ってはいけないという理由から、結構盛ったものだったりするのだ。

 

 

実は三鷹少佐は従業員に普段から

「仕事以外の場所でも、自活できるようなスキルを身につけること」を推奨しており、事実そういった試み……農地開拓や資格獲得、果てには生涯学習的なものから起業の相談、実行にまで推奨金を出しているのだ。

 

そして同時に従業員全体に対して「会社に頼らない生活を住民だけで送れるようにすること」も奨励している。

あくまで会社は自分の趣味でやっているだけなので、頼り過ぎてどうなっても知らないよ。ということである。

 

だからこそ三鷹少佐の中には……

「働き口がなくなったら生活できないということは、今まで自給自足できるように頑張ってこなかった自分たちの責任」という前提がある。

 

彼が例の工場乗っ取り未遂事件でグループ完全撤退を公表したことに、特に悪意などはなかったのだ。

そういった事がある場所に関わるのはメリット無しと判断しただけで、工場長をひどい目に合わせようとか、従業員を見捨ててやろうとか、政府を攻撃したいとか、そういった意思はなかった。

 

まぁ、言ってしまえば『無関心になった』というだけのことだが……

三鷹少佐は自分がそうなる可能性は十分把握しており、そのために住人に「もしもの時のために対策しといてね」というメッセージを送っていたのだ。

地震や火山噴火の可能性があるから、備えといてね。という感覚に近い。

 

 

だから鯉住君は、三鷹少佐のことを『優しい人』だと評価している。

相手の人生を考えて選択の余地と猶予を与えているのだから。

彼自身の性質や世界観は、そことはまた別の話だ。

 

 

 

・・・

 

 

 

「それで……例の三鷹少佐が、わざわざ何をしに現れるのかしら~?」

 

「龍田さんも当然知ってますよね?

ウチで海水塩とか生糸とか農産物とか生産してるの」

 

「ええ。もちろん」

 

 

現在この鎮守府では、結構な量の農作物が生産されている。

 

 

畑からは、タロイモ、サトウキビ、蕎麦、大豆、ワサビ、有機たい肥(ミミズコンポスト産)、茶葉、桑の葉。

 

旅館での内職では、味噌、醤油(増えました)、生糸、緑茶、烏龍茶、紅茶、ゆでカイコ(魚の餌)。

 

製塩所では海水塩。

 

 

こんな感じである。

 

 

「ウチで消費できない生産物を、副業として販売しようということらしいです。

それで今日はその販路確保のために、提督の伝手であり、世界でも類を見ない多角経営をしている三鷹グループに相談しようということで」

 

「なるほどね~。たしかにビジネスの要は集客だわぁ。

だけど……それと古鷹ちゃんがやってることって、何の関係があるのかな~?」

 

 

本日三鷹少佐が来るのは、ビジネスの話をするからということらしい。

まぁそれは納得。余った海水塩を海中投棄するのはもったいないと龍田も思っていたので、副業で販売するというのは賛成だ。

 

しかしそれがどうやったら、家電のコンセントを引っこ抜くという行動につながるのだろうか?

まったく意味が分からない。

 

 

「あぁ、これはですね、秘書艦の陸奥さんが来るかららしいです」

 

「???」

 

「ええとですね……私もにわかには信じがたいと思っていることなんですが……

三鷹少佐の秘書艦である陸奥さんは、一日に一度のぺースで、何かを爆発させてしまう性質があるらしいんです」

 

「……ん?」

 

「陸奥さんが関わると、一日に一度何かが爆発するらしいんです」

 

「……えーとぉ……」

 

 

ちょっと何言ってるかわからない。

鬼ヶ島帰りでメンタルを何度もスクラップ&ビルドされた龍田でも、戸惑ってしまう内容だ。

 

 

「提督がおっしゃるには、三鷹少佐のところの皆さんは、何らかの特殊性を持っているらしく……

陸奥さんは爆発、大鳳さんは艦載機不調、翔鶴さんは謎のデコイ性能、山城さんは不幸……

などなどらしいです」

 

「えぇ……?」

 

 

なんだかすごくよくわからない話が飛び出してきた。

随分とオカルトじみた話であり、こんなもの信じろという方が無茶だろう。

というか、その話が本当だとして……そんなんで海域維持ができるのだろうか……?

 

 

「そういうことですので、ウチで爆発が起こらないよう、家電の電源を落としているところなんです。

あとこの話を知らずにコンセントを入れなおしちゃう方が出るかもしれませんので、掲示板に事情を書いたお知らせを張り出して、館内放送で一読するよう周知する予定です」

 

「そうなのぉ……」

 

 

まったく実感がわかない話に、生返事することしかできない龍田である。

秘書艦のふたりも当初はそんな感じだったので、これは正常な反応だといえる。

 

 

……その後古鷹の言ったとおり、掲示板に張り出したお知らせを一読するよう館内放送が入った。

どうやら三鷹少佐はあと2,3時間で到着するようだ。

 

 

 

・・・

 

 

 

「……どうしようかなぁ」

 

「ん? どうしたんだよ、龍田」

 

「今日って三鷹少佐が来るじゃない?」

 

「ああ。言ってたな。提督の先輩だっけ?」

 

「そうよ~。

その少佐なんだけど、一回会ってみたいな~って思ってぇ」

 

「マジで言ってんのか?

加二倉中佐とは違う感じで、相当キレてるって話じゃねぇか」

 

「だからこそよぉ。

叢雲ちゃんと古鷹ちゃんじゃ、ちょっと性格的に荷が重くなぁい?」

 

「あー、提督同士の顔合わせには、普通は秘書艦が同席するもんな。

あのふたりじゃ確かに真面目過ぎてキャパ越えちまいそうだな」

 

「そうなの~。だから私が代わりに同席しようかなって。

私としても加二倉中佐と同じくらい恐れられている人なんて、見てみたいしぃ」

 

「龍田はそういうとこ肝が据わってるよなぁ。

俺は絶対関わりたくないぜ」

 

「提督のためにもなるでしょうからね~」

 

 

そんな会話を天龍とした後で、龍田は提督を交え、秘書艦ズと直談判。

ふたりとも喜んで「どうぞどうぞ」と役目を譲ったらしい。

一応秘書艦の務めではあるので、後に報告をして欲しい、という条件は付いたが。

 

 

 

・・・

 

 

2時間後……三鷹少佐到着

 

 

・・・

 

 

 

現在提督と龍田は、到着した三鷹少佐と秘書の陸奥を客間に通したところだ。

「わざわざありがとねー」なんて気さくに笑っている姿からは、うわさに聞くヤバい一面はまったく感じ取れない。

 

お客さんのふたりは同席するのが秘書艦でないことを不思議に思ったが、龍田の「提督の知り合いを知ってる部下が多いのは大事だと思う」という発言に、うんうんと納得していた。

「ちょっと秘書艦のふたりでは、刺激が強すぎるかも」という鯉住君の補足に対しては、アハハと笑っていたようだ。

どうやら自分たちが特殊な存在に分類されているということは、自覚している模様。

 

 

「いやー、こうして龍太君と顔を合わせるのって、いつぶりだろうね!

久しぶりに会えて嬉しいよ!」

 

「こちらこそお久しぶりです。

研修ではよくしてもらって……随分とお世話になりました」

 

「それはこっちのセリフだよ。

キミが居てくれた間は、部下たち……あ、艦娘の方だけど、みんな活気があったからさ。

もちろん出版部門の社員たちもキミの事を慕ってたから。

正直言うと、また戻ってきてほしいくらいなんだよね」

 

「ハハハ……それは買いかぶり過ぎですよ」

 

「そんなことないわ。龍太君。

アナタがどれだけみんなの精神安定に一役買ってたか……

研修が終わった時に山風に大泣きされたの、覚えてるでしょう?」

 

「あ、あはは……」

 

「ふ~ん。提督はぁ、研修してた時から粉かけ放題だったのねぇ」

 

「そういうつもりはないんだけどなぁ……」

 

 

怖いほほえみを向ける龍田と、あらあらとほほ笑む陸奥にタジタジする鯉住君。

そしてそれを見てニコニコする三鷹少佐。

 

どうやら彼は、よその鎮守府の研修中も色々とやらかしてきたらしい。

 

 

「まあまあ。キミが一生懸命やってるのは知ってるからさ。

いいじゃないか。お嫁さんをいっぱい貰うくらいのご褒美あっても。

一夫多妻制なんて生き物として普通だしね。人間だってやってるし」

 

「いえいえ……倫理的にちょっと……」

 

「ま、その話はキミも困っちゃうだろうから、お仕事の話しようか。

今回出荷したいのは、海水塩、生糸、それにワサビだったかな?」

 

「あ、はい。その通りです。

その3種類はウチで消費できない量が取れるので。特に海水塩は」

 

「うん。実際見てみないとわかんないけど、ウチで取り扱うことは出来ると思う。

話に聞く限り、随分高品質らしいしね」

 

「ええ。特に海水塩は非常に上品な味だと感じます。

それは後で案内した時に、実際に体験してほしいと思っています。

……それとですね、生産品販売とはまた別件もありまして」

 

「ん?それは聞いてないな。……なんだい?言ってみてよ」

 

「こちらは販売ではないのですが、ニワトリと渓流魚……イワナとヤマメを購入することは出来ないでしょうか?」

 

「あぁ、なるほど。

生け簀があるって言ってたもんね。そのくらいならいいよ」

 

「ありがとうございます」

 

 

突拍子もない話を、何の躊躇もなく承諾してしまう三鷹少佐。

流石は「ひとり財閥」と言われているだけはある。

 

 

「それでは実際どんな感じになってるか、製品の品質チェックも兼ねて、鎮守府を案内しますね」

 

「あぁ、ありがとう」

 

 

席を立つふたりに合わせて、龍田も席を立とうとしたのだが、陸奥からそれに対してストップが入る。

 

 

「あ、ちょっといいかしら、提督」

 

「ん?どうしたんだい?むっちゃん」

 

「龍田さんのことなんだけど……

私達のことを知っておきたいっていうことなら、話をしといた方がいいわよね?」

 

「あぁ、それはそうだけど……大丈夫かな?」

 

「龍太さんの部下なんですもの。大丈夫でしょ」

 

「それもそうか。龍太君の部下だもんね。大丈夫だよね?」

 

「あー……まぁ、龍田なら大丈夫かなぁ……

加二倉さんのところで1か月も耐えることができたし……」

 

「え、ちょ、ちょっと提督?

ただの鎮守府紹介で、そんなに身構えなきゃいけないのかしらぁ……?」

 

「なんて言うか……龍田って普通よりも動揺しない方だよね?」

 

「え、えぇ、まぁ……そうだとは思うけど……」

 

「だったらまぁ何とかなるんじゃないかなぁ……多分……」

 

「そ、そうなのぉ……?」

 

 

すっごく不安な龍田。

それを見て、陸奥がフォローを入れる。

 

 

「そんなに身構えなくても大丈夫よ。

それにね、言うほど私達はおかしくないって、知っておいてもらいたいの。

これから長いお付き合いになるでしょうし、分かってくれている相手が増えるのは、私達としても嬉しいことだわ」

 

「そ、そういうことでしたらぁ……」

 

「僕としても、龍太君の部下から距離を取られたくはないからね。

それじゃ頼んだよ、むっちゃん」

 

「ええ。任せてちょうだい」

 

「龍田も頑張ってね」

 

「話聞くだけなのに、頑張らなきゃいけないのねぇ……」

 

 

 

・・・

 

 

 

提督ふたりはそのまま鎮守府散策に行ってしまい、客間には龍田と陸奥が残された。

落ち着かない龍田の様子を見かねて、陸奥は話を始める。

 

 

「……それで、龍田さん」

 

「は、はい」

 

「私達の事知ってくれようとして、ありがとう」

 

「い、いえいえ~」

 

「それでどこまで聞いているのかしら?

貴女の私達に対する認識を知っておきたいんだけど」

 

「ええとですね……かくかくしかじかで……」

 

 

秘書艦ズから聞いた話を伝える。

工場長のやらかしからの島を見捨てかけた事件だ。

 

 

「……」

 

「ど、どうしたんですかぁ?」

 

「山城と龍太君が、そんなこと言ってたのかしら?」

 

「え、ええ」

 

「……ハァ。そんな部分だけ出したら、怖いに決まってるじゃない……」

 

 

ため息をつきながら、眉間にしわを寄せつつ手で押さえ、うつむきながら首を横に振る陸奥。

どうやら提督がしてきた話は誤解を招くものだったようだ。

 

 

「山城も居たわけだし、龍太君が提督を悪く言うような真似するはずがないから、何か理由があったんだと思うけど……

……一応言っておくわね。それ提督の一番怖い話のひとつだから。普段はそんなことないのよ」

 

「そ、そうなんですかぁ……ホッ……」

 

 

どうやら自身が抱く印象よりも、三鷹少佐の性質は穏やかであったようだ。

ホッとしてため息を漏らす龍田。

 

 

「そうなのよ。あの人は優しいの。

そうじゃなきゃ私達なんて引き取ったりしないわ」

 

「え……それってどういうことなんですかぁ?」

 

「私達の鎮守府にはね、問題がある艦しかいないのよ。

もちろん問題と言っても、性格が悪いとか、悪さをしてきたからといった理由じゃないわ」

 

「それじゃ……どういった問題が……?」

 

「一言で言い表すのは難しいから、ひとりひとりどういう問題があるか話すわね」

 

「は、はい……」

 

 

 

・・・

 

 

陸奥によるトラック第5泊地メンバー紹介

 

 

・・・

 

 

 

「……本当なんですか……?」

 

「まぁ、そうなるわよね」

 

 

陸奥のメンバー紹介を聞いた龍田は、とっても複雑な表情をしている。

 

それもそのはず。

陸奥が話した内容では「そんなことがあるのだろうか?」という経歴を持つ艦娘ばかり。

世の中には知らない事ばかりだなぁ……なんて感想を抱く程度には、現実味がない話だ。

 

 

「信じられないと思うけど、全部本当の話よ。

私達はみんな、生まれてからずっと、どうしようもない運命に苦しめられてきたの。

そんな私達のことを提督は『全然大したことじゃないから、ウチで好きなようにしなよ』なんて言って受け入れてくれたの。

良くも悪くも色眼鏡がない人なの。私達はみんな救われてるのよ。

……あの人は興味のある無しで、対応がものすごく変わるから……

ある程度知ってる人からすると、怪物だとか恐ろしい人間だとか、そんな評価になっちゃうけどね……」

 

 

そう話す陸奥の目には、何とも言えない寂しさが感じ取れる。

 

 

「でもね、怖いとか何考えてるかわからないなんていうのは……

結局それはその人が、心にやましいものを抱えているからなの。

あの人は決して……頑張ってる人や、人のためを想って行動する人、真面目に生きてる人に対しては、酷いことはしない。

間接的に酷いことをする可能性があるなら、そのことと、そうならないための対処法を、必ず相手に伝える。

だからちゃんと向き合えば、そんなにひどい人じゃないのよ」

 

「……そうだったんですねぇ」

 

 

三鷹少佐は、随分部下からは慕われているようだ。

思っているような無慈悲な人じゃないと聞いて、少し安心する龍田。

不穏な話がちょいちょい出ているので、完全に安心することは出来そうにないが。

 

 

「ま、そうは言っても、確かにあの人は見えているものが違うから……

相手してて怖くなっちゃう気持ちはわかるのだけれどもね」

 

「は、はぁ」

 

「提督をまるで恐れていないのは、私が知る限り……

伊郷元帥に鼎大将、そして大将のお弟子さんくらいかしら。

もちろん龍太君含めてね。アナタの提督、ホントに大物なんだから」

 

「ええと……ありがとうございます」

 

「提督が人をあそこまでベタ褒めするとか、実際見るまで信じられなかったから。

関係ない人間なら居ても居なくてもいい扱いする提督が、あそこまで高い評価するなんてねぇ……」

 

「え、ちょっと……」

 

 

やっぱり不穏な話が出てきた。

居ても居なくてもいい扱いとか……まったく安心できないじゃない。

 

そんな龍田に構わず陸奥は話を続ける。

 

 

「そうそう、もうちょっと言うとね。

私達鎮守府メンバーの一番の仕事は、頑張ってる姿を見せて提督を満足とか感動させることなのよ。

あの人は理性で物事を判断すると、ちょっと人類に都合が悪いことになっちゃうから、いつでも心を動かしていてもらわないとね。

なんて言うか……感情で理性をコントロールしてる感じかしらね」

 

「……」

 

 

提督……早く帰ってきてぇ……

 

やっぱり駄目なやつだった。

あまりタッチしてはいけなそうな話がバンバン出てくる気配を感じ、心の中で提督にSOSを送る龍田なのであった。

 

 

 




トラック第5泊地 全メンバー紹介



本編で陸奥が話した内容です。



戦艦・陸奥改

一日一回関与する何かが爆発する。大体山城が犠牲になる。
以前の鎮守府では、その特性から疎まれ、厄介払いのような形で三鷹少佐に引き取られた。
今はその爆発をある程度コントロールできるようになったらしく、問題なく戦闘で活躍している。
というか、戦闘に爆発を活かすレベルにまで達している。
艦娘のまとめ役。筆頭秘書艦。



航空戦艦・扶桑改二

戦闘中に低確率で主砲が機能不全に陥る。
戦闘が終われば元の調子に戻るが、戦闘中は戻らない模様。
彼女も以前いた鎮守府で役立たず扱いされていたところを三鷹少佐に引き取られる。
今は主砲機能不全の兆候がわかるようになったのと、副砲をうまく活用することにしたおかげで、問題なく戦闘できている。
最近は茶道と書道に夢中。三鷹少佐もその活動を応援している。



航空戦艦・山城改二

物凄く不幸。ある意味天に愛されているレベルでアクシデントに遭遇する。
そんな逆境に負けずに毎度芸人っぽい反応をする、面白お姉さんでもある。
以前いた鎮守府では周囲に影響する特性のせいで軟禁状態であり、それを問題視した鼎大将経由で三鷹少佐が引き取る。
戦闘中に関してではあるが、姉同様トラブルの兆候がわかるようになったので、問題なく出撃できるようになっている。
ビジネス活動も盛んに行っている。



装甲空母・大鳳改

非常に明晰な頭脳を持ちながら、艦載機が謎の不調を起こしてしまう性質を持つ。
その不調は多岐に渡り……
レバノン料理を食べた日には艦載機が墜落する、熟練搭乗員が乗った艦載機を飛ばすと墜落する、北国で艦載機を飛ばすとアンチアイス機能が発動せず墜落する、レベル3特務海域に出撃するとL域方面に羅針盤が必ずブレる、海鳥と艦載機が激突して墜落する……などなど。
以前に居た鎮守府では、今や教本に載っている伝説の作戦、『セントエルモの火』作戦や、『隻眼の一本道』作戦などを打ち立てたのだが……
出撃できない空母を置いておきたくないという不憫な理由で、島流しにあった。
現在は出撃もするが作戦立案もする、艦隊の頭脳として活躍中。
艦載機の謎の墜落はコントロールできないようだが。



正規空母・翔鶴改

敵に狙われやすすぎるという特性を持つ。
別に目立った動きをしているわけではないのに、何故かよく狙われる。
前に居た鎮守府はブラックな場所であり、その性質から役立たずの烙印を押され、かなりひどい扱いを受けていた。
加二倉中佐率いる部隊により提督が処され、行き場をなくしていたところ、鼎大将経由で三鷹少佐に引き取られる。
最近は心の傷もある程度癒え、出撃も普通にできるようになってきた。
内向的になってしまい、今は内職が趣味となっている。



航空巡洋艦・最上改

相手とすれ違う時、どうやってもぶつかってしまう。
戦闘中でもそれが起こってしまうのが厄介。相当練度の高い艦隊でなければ、それが原因で敗北してしまう。
そういうことで以前いた鎮守府では出撃禁止、そして毎度提督にぶつかることから、怒りを買って島流しに。
各鎮守府を転々とするも受け入れてもらえる場所はなく、最終的にたどり着いた三鷹少佐の鎮守府に落ち着くことになる。
アウトドア派なので、農場で野菜を育てるのを楽しみとしている。



航空巡洋艦・三隈改

姉の最上のとばっちりを毎回受けてきた不憫な妹。上述の最上と同じ異動経歴を持つ。
とはいえ、最上が悪いわけではないのはちゃんとわかっているため、律儀に付き合ってきた。とばっちりを受けるのが彼女の特性なのだろう。
今は姉が受け入れられたことから普通の生活を送ることができており、普通に出撃することもできている。
姉と一緒に企業管理農場で畑仕事をするのが楽しみ。



軽巡洋艦・阿賀野改

元軽巡棲鬼の転化体。キリバス周辺のフルーツ畑を荒らしまわっていた。
三鷹少佐の「ウチに来ればフルーツ食べ放題だよ」という誘い文句にホイホイつられ、帰順した。
現在は公約通り、フルーツを食べまくる日々を送っている。
戦闘に出ることもあるが、どっちかと言えばフルーツを食べ続けていたいため、基本は食堂に入り浸っている。実力は高い。あと体重増加を恐れている。



駆逐艦・電改

特に変わった特性はない普通の艦娘。三鷹少佐の初期艦。
けなげだが芯の強い優しさを持ち、深海棲艦を敵と考えず、なんとか共存できないかと日々頭をひねっている。
通常の鎮守府ではその姿勢は疎まれることを考えると、彼と一緒に着任できたことは幸運だったのかもしれない。
彼女の最大の功績は、三鷹少佐に人間(?)の素晴らしさを体験させたこと。
これにより彼は彼女の言うことなら、ポロっとこぼした発言まで全部拾って、10倍以上にして要望を叶えるようになった。甘やかしまくりである。



駆逐艦・狭霧

原因不明の体調不良のせいで、まともに戦えない。
具体的には急な動悸、持病のシャク、喘息のような症状、めまい立ち眩みなどなど。
そのせいで元居た鎮守府では不良品扱いされ、かなりひどい扱いを受けていた。
その事実を知った鼎大将により、三鷹少佐の鎮守府へと異動。
現在彼女は戦闘行動はとらず、体に負担のかからない事務仕事に精を出している。
鯉住君が基本艤装をメンテしたのがきっかけで、メンテの調子によって体調がよくなることが判明。
彼になんとか残ってもらえないか直談判したりしたが、彼もそれは出来ないということで、適切なメンテ法を所属技師に伝授するということで手を打った。



駆逐艦・山風

見えてはいけないものが見えてしまう。
元々消極的な性格の艦であり、その性質により消極的な性格に拍車がかかっている。
そのせいで前に居た鎮守府では提督から疎んじられ、冷遇されていた。
何度かの異動の末、三鷹少佐の鎮守府に着任。
現在は常に誰かと行動することで恐怖を抑えている。夜には絶対単独行動しない。夜戦とか無理。
鯉住君の研修中は、彼と一緒に居ると全く怖いものが見えないという理由から、ずっと彼にべったりくっついていた。
狭霧と一緒に大泣きしながら彼が去るのを止めようとしたが、流石にそれは無理ということで、後ろ髪ひかれまくりながら諦めた。



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