ビューティーハリーの庭先で俺とアカメの二人は木刀で何度もぶつかり合っていた
「ハアッ!!」
「ハッ!」
互いの攻撃を防ぐと二人して笑みを浮かべていた
「互角か……」
「昔に比べて本当に成長したな。ミナト」
「それでもアカメの通常時までたどり着いた感じだよ。本気のアカメに勝つのはまだまだな感じだし……」
お互い付き合いが長いからこういった鍛錬は良くしていた。ただ……
「なぁお前ら……頼むから店の前でやるな。営業妨害だぞ」
ハリーが呆れた顔をしながらツッコミを入れていた。いや営業妨害って言われても……
「今日は休業日だろ」
「私もそう聞いてる」
「だからってな……まぁいいか。ミナト、あんまり無茶すんなよ。えみるが心配してるからな」
ハリーがそう言って店の中に戻っていった。確かに窓からえみるが心配そうにこっちを見ていた。
「やめておくか?」
「そうだな、一旦休憩だな」
「ふふ」
アカメは突然笑いだした。一体どうしたんだ?
「何笑ってるんだよ」
「いや、昔のことを思い出してな。私がやめるかって聞いてもやめようとしなかった時のことを」
「あ~懐かしいな」
あれって確か俺がナイトレイドに入ったときのことだっけ
あの頃は入団試験ということでアカメと一騎打ちをして、狂龍騎が暴走し、アカメが暴走を止めてからしばらく経ってからのことだったな。
「やめておくか?」
「いや、まだ続ける……」
「そこまでして続ける理由はあるのか?お前にはまだ奥の手の制御は難しい。時間をかければ……」
「確かに時間をかければ何とかできるけど……俺はそんなのんびりしてる暇はないんだ」
警備隊副隊長が死んだ時に、あの貴族の屋敷で帝国の闇を知った時から、俺は帝国を変えるために、頑張り続けようと思っていた。
「できる限り頑張って……頑張り続けて……帝国を変えたいんだ。それに……」
「それに?」
アカメに言うべきかどうか……まぁ元同僚のセリューに会いに行くためにアカメに信用してもらったりしたからな。言っても問題はないか……
「笑うなよ」
「笑わない」
「夢物語かもしれないけど、全てが終わった後、これまでのことを全部なくして、みんなが幸せになれるような……手を取り合えるような未来を作りたいって思ってる」
「それは……命のやり取りをした仲でもか」
「あぁ……」
「………」
アカメは急に黙り込んだ。なんだろう?変なことを言ったか?
「みんなが幸せになれるような……手を取り合えるような……か。それはいいかもしれないな」
「な、何だよ。馬鹿にしてるのか?」
「馬鹿にしてない。ただそうなってほしいと私もどこかで思っている」
アカメは誰かのことを思い出していた。アカメにもそういう人がいるのか?アカメ自身もその人と手を取り合えるような未来が出来るといいな……
「そういえばアカメの帝具を見せてくれないか?」
「村雨をか?見せびらかすものじゃないんだが……」
アカメは村雨を抜いて見せてくれた。一斬必殺村雨……どんなに小さな傷でも切られれば傷口から呪毒が入り、即座に死亡する。話には聞いてたけど能力的に恐ろしいものだけど……
「やっぱり格好いいな……」
「……今なんて言った?」
「えっ?いや、格好いいって……」
初めて見せてくれたときからずっと思っていたけど、村雨はこう何というか格好良さを感じる。普通の人だったら悍ましいだの何だの思うだろうけど……俺からしてみれば格好いいと思う
「そうか……格好いいか」
「何だよ?格好いいって思ったら悪いか?」
「いや、もしかしたら………これはまだ言うべきではないな」
アカメは何だか嬉しそうな顔をしていたけど、一体どうしたんだろうか?
「それはそうと、今夜、お前の初陣だ。場所は……」
アカメから俺の初陣の場所は例の貴族の屋敷だった。これが俺にとってナイトレイドのメンバーになってからの物語の始まりなのかもしれないな
「本当に懐かしいな……」
昔話に盛り上がってしまったけど、本当に懐かしかった。
「ミナト……お前はあの世界で戦い続けてきたな」
「あぁ、ザンクとの戦い、イェーガーズとの戦い、安寧道でのクロトの戦い、ワイルドハントとの戦い、そして……」
その後俺はシュラを殺して、シャンバラの暴走に巻き込まれたんだっけ……そこからはな達と出会い、嫌な再会や嬉しい再会とかあったな……
「それに……」
「愛する人が出来たな。ミナト」
アカメ、わざわざ言うなよ……
「ミナト……これから先の戦い激しいものになる。気を引き締めていこう」
「あぁ、分かってるって……」
俺はアカメと拳を合わせるのであった。するとアカメは思い出したかのようにあることを聞いてきた。
「ミナト、村雨のことをどう思っている?」
アカメは村雨を抜き、俺に見せた。全く当たり前のことを……
「すっごく格好いいと思ってるよ」
「そうか…」
アカメは満足そうな顔をしていた。一体どうしたんだろうか?