ほまれがプリキュアになってから一週間が過ぎ、俺達はハリーのお店に集まっていた。
タツミ、ウェイブ、クロメの三人は住み込みでハリーのお店に働くのを俺、セリューの二人で見ていた。
「どうなんだ?三人は?」
「おう、しっかり働いてくれてるで、まぁウェイブは磯臭いからちょっと心配だったけどな」
「おい、店長!!磯臭いとか言うなよ!!」
「でも私はウェイブの匂い好きだよ」
「あ、ありがとう。クロメ」
「なぁタツミ。あの二人どうにかしてくれへんか?いちゃつかれると独り身としてはこっちは辛いんや」
「いや、ハリー店長。しょうがないと思うぞ。というか俺も元の世界に奥さん残してるし……」
タツミの発言を聞いて、ハリーが俺たちの方を見た。いや、こっちを見ても……というかタツミ、マインと結婚したのか。前までは恋人同士になったって聞いたのに……
「ウェイブとクロメの二人が付き合うのは意外……でもなかったですね。意外と仲良かったですし」
「そうだよな。休暇中に帝都に行くと二人が一緒に行動してることあったし……」
「その度にカフェでサボろうぜとか言ってきたからな。ミナトは……」
「懐かしいな……」
みんなで懐かしがっていると、はぐたんと遊んでいたほまれがあることを聞いてきた。
「ねぇ、ちょっと聞きたいことあるんだけどいい?」
「何だ?」
「サヨやチェルシーからも聞いてたけど、あんた達、敵同士だったんだよね。なのにすぐに仲良くなってて……」
「確かに敵同士だったら、争ったりするのに……どうして?」
さあやもどうやら気になっていたみたいだな。するとはなが何かを思い出したかのように言うのであった。
「あれ?ミナトくんとセリューさんは友達同士だったからその繋がりじゃないの?」
「その繋がりもありますが……」
「いい機会だから話しておくか。あれは確か……タツミが拉致されたくらいのときか」
「「「拉致!?」」」
アジトで待機していた俺はラバとレオ姐さんからタツミがドs将軍エスデスに拉致されたことを聞いた。
「ナイトレイドだってことがバレたって言うわけじゃないんだな」
「そうみたいなんだよ。こう流れるように拉致ってったからな……」
「助け出すのに助けられなかったしな」
何か目的でもあるのか?アカメやマイン、みんなもどうにか無事を確認したいだろうけど……仕方ない
「アカメ、悪いけど休暇もらうぞ」
「……分かった。ただ」
「分かってる。お前に見張られながら得た信用だから……」
「あの女に情報を聞くってこと?あっちも素直に話してくれるかどうかわからないわよ」
シェーレが殺されたことでかなり恨んでいて、情報を信用していないみたいだな。まぁ本来の約束を守るのが第一だし、聞けるかどうかは怪しいところだけど……
帝都のあるカフェベースで俺はある人物待ち合わせをしていた。少し早めに来たかと思っていると待ち合わせの人物はすでに来ていた。
「待たせたな。セリュー」
「そんなに待ってないよ。ミナト」
昔の同僚で、今は敵同士だけどこうして一緒にお茶をするくらいの付き合いであるセリュー。ちゃんと約束を守っているということだな
「二週間ぶりくらいだっけ?」
「だな。お前の方も忙しいみたいだったし……イェーガーズだっけ?」
「うん、そこの配属関係で忙しかったし……そっちでも情報は手に入れてるでしょ」
「一応はな。ただメンバーがお前とあの子……サヨだっけ」
「そう、彼女もイェーガーズよ」
差し障りのない話をする中、俺はあることに気がついた。帝国側としては俺とセリューの約束に関して、セリューが裏切っているんじゃないかって思っているやつがいるから、影で見張ってるやつが一人くらいいると思っていたけど……
「今日は数が多くないか?」
「ごめん。みんなに信用してもらうために……」
仕方ないことだけど、こう見られてはな。しょうがない。
俺は立ち上がり、見張っているやつが隠れている所に向かった。
「そんな所にいないで、こっちにきて一緒にお茶でもしないか?」
「おい、バレたぞ」
「ウェイブが気配を隠すのが下手だから……」
「仕方ないですね。素直に出ていきましょう」
建物の影から金髪のイケメンが出てきた。こいつもイェーガーズの一員って言うことか?
「初めまして、ランといいます。貴方はナイトレイドのミナトですね」
「知ってるか。それでどうする?捕まえるか?」
殺気を出しながらそう言うと、ランは笑顔を向けた。まさかこいつ、笑顔で人を殺すようなやつか?
「いいえ、今日はセリューさんの約束に則って、戦うのはやめましょう」
何というか仲間思いのやつだな。こいつ……
すると他の二人も影から出てきた。どうやらランの言うとおりにするみたいだな。
「おい、ラン、いいのか?」
「エスデス隊長から命じられたのはセリューさんの見張り……それだけです。それにここで戦えば被害が出ますから」
「優しいんだな。あんた……でも」
「えぇ、戦場で会った時は容赦はしません」
笑顔で言うことじゃないけど、面白いやつだな。こいつ……
「仕方ない。俺はウェイブ。俺もセリューの約束に則ってお茶くらいしてやる」
「クロメ。ナイトレイドだったら……」
「あぁ、アカメの妹だろ。元気にしてるぞ」
「そう……」
ウェイブはちょっと警戒してるみたいだけど、クロメは全く気を抜いてないな。これはこれであたり前のことだけど……
「何だか騒がしくなったね」
「まぁいいんじゃないのか?こういうのも……そうだ。ちょっと聞きたいんだけど……」
「うっかり情報を話すことはしませんよ」
「ランだっけ?情報を聞き出すつもりはない。セリューとの約束だしな。俺が聞きたいのはこの間、エスデス将軍が一般人を拉致ってなかったか?」
俺がそう聞いた瞬間、セリュー達が固まっていた。もしかして奴隷扱いされてるんじゃないだろうな。
「えっと、タツミくんでしたっけ。彼、エスデス隊長の……恋の相手になりました」
「ぶほっ!?」
口に含んだコーヒーを思いっきり吹いてしまった。恋の相手って好きになったって言うことか。だからって拉致するのはまずいだろ
「どうにもエスデス隊長の相手の条件に当てはまったみたいで……」
とりあえず無事っていうことだな。だったらいいけど……とりあえず無事を確認できたということで、帰ろうと思った瞬間、突き刺すような冷たい気配を感じ取り、振り向くとそこにはエスデス将軍と覆面をかぶった男がいた。
「ほう、見張りにしては近いみたいだが……」
「た、隊長……」
「まぁいい。ナイトレイドのミナト・ユウだな」
「あぁ、そうだ」
「ふっ」
エスデス将軍は近くの席に座り、飲み物を注文していた。何だ?捕まえに来たとかじゃないのか?
「セリューが約束をするほどの男を見ておきたくてな。なかなか面白い男だ」
「セリューさん、隊長も見張りに来たんじゃなくって、お二人が恋人同士じゃないかって……」
「「恋人?」」
俺とセリューの二人がハモりながら首を傾げた。特に俺たちにはそういう感情はないしな……
「何だ。違うのか。まぁいい、ミナト・ユウ。お前はナイトレイドだがイェーガーズに入る気はないか?」
「悪いな。そんな気はない」
「ほう、貴様のレガオンの奥の手をナイトレイドが止められると思っているのか。私だったら止められる」
やっぱり知ってるよな。奥の手について……だけど裏切るつもりはない
「だったらあんたに止められないくらいの力を見せてやる」
「面白い」
ミナト達の昔話は次回に続きます。