HuGっと!プリキュア 竜騎の暗殺者   作:水甲

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第121話 最終決戦ーナイトレイドの戦いー

ミアSIDE

 

私とチェルシーさんがプリキュアの元へと駆けつけるとリストルとビシンの一撃をハリーさんが受け止めていた。

 

「きかんで、こんな気合の入ってない拳きかんで!」

 

ハリーさんはそう言って、首の鎖を外すと巨大な怪物に変わった。

 

「ビシン、リストル。もうやめようや。俺の体はもう戻らへん。俺は自分を受け入れて未来へ行く!」

 

自分を受け入れて……この人達と出会ってからそんな月日が経ってないけど、強い人達だって言うことはすごく分かる

 

「リストル。もう自分を責めるのはやめよう」

 

ハリーさんの言葉を聞いて、リストルは胸を抑えながら苦しんでいた。

 

「俺は……俺は……もう心など……」

 

「あんたは俺らの兄貴やろ!」

 

ハリーさんの言葉を聞いて、リストルから何かが抜け落ちたのか、そっとハリーさんに抱きついた。

 

「仲間が、家族が心なくして苦しんでる時に何もしてやれんことはあかんことや。だから一緒ならやり直せる。俺達は未来を作ろう」

 

リストルは思いっきり泣いていた。ハリーさんも力尽きたのか元のネズミの姿に戻った。

 

「全くハリーまでここまで強くなるなんてね。これもエールたちのおかげかしら」

 

「チェルシーさんたちも強くなったんじゃないんですか?」

 

「さぁ?」

 

「納得出来ないんだよーーーーーー!」

 

ビシンが叫び声を上げ、トゲパワワを取り込むと巨大な猛オシマイダーに姿を変えた。

 

「リストルの嘘つき!ずっと一緒にいてくれるって約束してくれたじゃないか!」

 

ビシンはリストルを捕まえ、握りつぶそうとするがリストルは諭すような目をしていた。

 

「何だよその目は!裏切り者!命乞いでもしてみろ!」

 

「そんなことしない!」

 

「なんでだよ!」

 

「俺はお前たちを愛しているからだ。不甲斐ない兄貴ですまなかった」

 

ビシンもまたリストルの言葉を聞いて、心が浄化されていっている。リストルはビシンを救うためにプリキュアたちにお願いし、無事にビシンは救うことが出来た。

 

これでクライアス社の幹部たちは救われたのだけど……

 

『よく覚えておいたほうが良い。全てが終わったあと……プリキュアと共に戦った龍騎は……』

 

何でだろう。何で昔聞かされた話が今になって思い出してしまったのだろうか……

 

「大丈夫だよね……」

 

私は一人そうつぶやくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タツミSIDE

 

「「うおおおおおおおお!!」」

 

「天よりの雷槌を受けよ!」

 

ブリッツの放つ雷撃を俺と兄貴の二人で受けきっていた。インクルシオならある程度の耐性があるとしても……

 

「ぐううう、威力がおかしいだろ!ブドーの攻撃よりも……」

 

「タツミ!諦めかけてんじゃねぇぞ!熱い魂で立ち上がるぞ!」

 

「分かってる!」

 

「動きを封じれば!」

 

ラバが糸でブリッツを縛り上げようとするが……

 

「暴風よ!弾け!」

 

ブリッツの周囲に風の障壁が現れ、糸が弾かれてしまった。攻撃も防御も完璧で、ダメージを与えることが出来ない

 

「フェザードライの前では何人たりとも打ち勝つことは出来ない!!」

 

「ほう、ならば最初に打ち勝つのは私達ナイトレイドというわけだな!スサノオ!禍魂顕現!!」

 

「わかった!!」

 

スーさんが奥の手を発動し、ブリッツに向かっていく。スーさんの攻撃のラッシュにブリッツは押されていっているけど……

 

「突破口を開くにはまだみたいだな。どうにかして奴を押さえつけられれば……」

 

「私の出番ね」

 

マインがパンプキンを構え始めた。そうか。奴の皇具を破壊すれば……だとしてもスーさんだけじゃブリッツの動きを止めるのは無理だ。アカメはトドメ役として役割がある

 

こういう時にミナトがいれば……

 

「なんて考えてる場合じゃないよな!!姐さん!シェーレ!奴の注意をスーさんと一緒に引いてくれ!!」

 

「タツミが何をするつもりかは知らないけど」

 

「任せて」

 

姐さんとシェーレの二人でスーさんと一緒にブリッツの注意を引いていき、

 

「奥の手!!」

 

俺は龍の姿へとなり、ブリッツを抑え込んだ。だがブリッツは両腕の篭手から黒い雷と風の刃で俺を痛めつけていく

 

「ぐうううううううううう!?」

 

「タツミ!?」

 

「マイン、何してるんだよ!昔言ったじゃんか」

 

「えっ?」

 

「射撃の天才なんだろ。それだったら……」

 

「ふふ、よく覚えてるわね!!パンプキン!!」

 

マインがパンプキンを発射し、ブリッツの篭手を破壊し、俺は手を離した

 

「皇具が!!」

 

「これで終わりだ!ほう……」

 

アカメが切り裂こうとした瞬間、何かに気が付き後ろへと下がった。

 

「どうした?アカメ?」

 

「この男……村雨では倒せそうにない」

 

アカメの言葉を聞いた瞬間、ブリッツは不敵な笑みを浮かべていた。

 

「よく気がついたな。俺はお前の帝具では殺せない。そこの人形と同じ……皇具人間であり、皇具を扱う事ができる!!」

 

ブリッツが指を鳴らした瞬間、スーさん、シェーレ、姐さんが地面に押さえつけられているかのように倒れてしまった。

 

「これは!?」

 

「体が……重い……」

 

「重量か!?」

 

「そのとおりだ。俺は重量を操れる。そして俺に攻撃を加えた奴は絶対に動けなくなる」

 

「ぐう!?俺もか……」

 

俺まで動けなくなってしまった。このままじゃ……だけど倒れてもマインだけは笑みを浮かべていた。

 

「なるほどね。でも遅いかったみたいね」

 

「何がだ?」

 

「私は貴方の篭手を破壊するために放ったのは一発。その一発は篭手を破壊し、貴方の体に小さな傷をつけた」

 

確かに小さなキズがブリッツにつけられている。でもそれが……

 

「それがどうかしたのか?」

 

「ほんの小さなキズでも、動きを止めることはできるって話よ」

 

マインがそう言った瞬間、ブリッツの動きが止まった。

 

「体が……」

 

「狙い通りってことだな。糸をこいつの体に侵入させ中からお前を止めてるのさ。おまけに……皇具人間なら核はあるはずだと思ったら……そのとおりだったな」

 

ラバがゆっくりと糸を引こうとしていた。ブリッツは慌てて引き抜こうとするが……

 

「お前は強いけど……チームワークの勝利ってことだな」

 

「や、やめ……」

 

ラバが糸を引いた瞬間、ブリッツの体は崩壊し始めた。

 

「あっけないように倒したけど、俺達はこの世界で戦い続けてきたんだ。ミナトと一緒にな」

 

ブリッツは塵に変わり、俺達は何とか勝利することが出来たのであった。

 


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