HuGっと!プリキュア 竜騎の暗殺者   作:水甲

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第122話 最終決戦ーエスデスの決戦ー

ミアSIDE

 

はぐたんを助けるためにクライアス社に乗り込もうとする私達。海の彼方にあるクライアス社までは遅れて駆けつけてきたジェロスさんたちにのおかげで乗り込むことができた。

 

クライアス社の中に入るとそこには空に浮かぶ椅子に座るジョージ・クライとはぐたんの姿があった。

 

「はぐたんを返して」

 

「それはできない。この子はマザーの力を秘めている」

 

ジョージ・クライは指を鳴らし、エールさんを檻の中に閉じ込めた。

 

「僕は君を救いたい」

 

ジョージ・クライは本を開き、私達を吹き飛ばしていく。すると私を見て悲しそうな目をしていた。

 

「君は未来から来たのなら分かるはずだ」

 

「何がですか……」

 

「希望を持つことは残酷。望まぬ未来を前に人は歩みを止めることを」

 

「それは……」

 

「ハイトと同じ世界から来た君もそうだろう。君たちの世界はまさにそういう世界だった」

 

ジョージ・クライはチェルシーさんに向かってそう言うが、チェルシーさんは笑みを浮かべていた。

 

「そうかもしれないね。私なんて任務から帰ってきたら仲間がみんな死んでたからね……」

 

「チェルシー……」

 

「でもさ……希望を持つことは残酷じゃない!私達はそれを信じているから戦い続けられた!!」

 

「そのとおりだよ!」

 

アンジュさん、エトワールさんがジョージ・クライに向かっていく。私も桐一文字を使い、向かっていくが、ジョージ・クライのバリアに防がれ吹き飛ばされてしまった。

 

更に吹き飛ばされた私達は黒い枝に縛られてしまい、更に雷撃を食らった。

 

「やめてー、お願い……やめて……」

 

「君が未来を諦めるまでやめないよ。これは君にとって大切なことなのだから……」

 

こんな時……こんな時あの人だったらどうするんだろう……

 

「僕は全ての苦しみからみんなを救おうとしているんだよ」

 

「時を止めれば……」

 

「そうだ。君の悲しみは止まる」

 

「これ以上みんなを苦しめたくない。だから時を……」

 

エールさんが時を止めることを認めようとしていた。そうだよね。きっとあの人だったら……

 

「駄目だよ……こんな所で諦めたら……あの人に……ミナトさんに怒られちゃうよ」

 

「ミア……ちゃん」

 

「そのとおりだよ。いつだってミナトさんは私達が諦めないようにしてくれた」

 

「アンジュ……」

 

私達は触手から抜け出した。

 

「私達は一人じゃない」

 

「周囲の雑草が大輪の花を枯らす」

 

「雑草と言う名の植物はない!」

 

アムールさん、マシェリさんの二人はジョージ・クライのバリアを打ち破ろうとしていた。

 

アンジュさん、エトワールさん、チェルシーさん、私はエールさんの檻を破ろうとしていた。

 

「私にできないことは貴方にはできます。貴方にできないことは私にはできます。力を合わせれば素晴らしいことがきっと……」

 

「はなの目指してきた野乃はなから逃げちゃ駄目!」

 

「あいつの代わりに言ってあげる!最後まで諦めない!」

 

「私は……諦めてきたけど……だけどここに来てわかったんだ!見せてよ!未来を明るく照らすことを!」

 

「「「「プリキュアは諦めない!」」」」

 

「ナイトイェーガーズは……」

 

「諦めたりしない!」

 

アムールさんとマシェリさんはバリアを打ち破り、ジョージ・クライの椅子を破壊し、私達はエールさんの檻を破った。

 

「これで同じ舞台に……諦めないではな……」

 

プリキュアのみんなは穴に落ちていき、私も落ちそうになったけど、チェルシーさんが突き飛ばし、今この場には私、エールさん、ジョージ・クライ、はぐたんがいた。

 

「最後の戦いを始めよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エスデスSIDE

 

何度も氷を生み出していくが、メラルドは打ち砕いていく

 

「皇具の力で打ち破るか……」

 

「とはいえ貴方の帝具と互角みたいね」

 

互いに笑みを浮かべた。互角の戦いでは長期戦になる。だが……

 

「一瞬で終わらせよう!摩訶鉢特摩!」

 

時を凍らせ、止まったメラルドを私はレイピアで胸を突き刺した。

 

「一瞬はお前にとってのものだがな」

 

時を動き始め、メラルドの胸から血が吹き出し、その場に倒れ込んだ。

 

「さて他のみんなのところに戻るとするか」

 

「あら、逃げるのかしら?」

 

突然声が聞こえ、振り向くと倒れ込んだメラルドの元に部下の二人が駆け寄っていた。

 

「皇具『蠱毒針・ベスティヨル』奥の手発動!!」

 

二人の部下がメラルドの皇具に取り込まれていくと、メラルドの体に無数の虫が集まり、その中から蝶の翅を生やし、昆虫人間のような姿に変わった。

 

「それがお前の奥の手か」

 

「元々似たような事はできたのよ。アカメあたりに見せたことあるしね」

 

「だが……復活した所でお前が私に勝つことはできない」

 

「さぁそれは貴方のほうじゃないの?」

 

互いに駆け出し、すれ違いざまにメラルドは私の頬を、私はメラルドの首を切りさく

 

「これで終わりか?」

 

「まさか……」

 

倒れた死体を突き破り、メラルドは復活した。なるほど……

 

「醜い虫が孵化するように……自分の醜い姿から再び蘇るか」

 

「えぇ、とはいえ結構な体力を使うことになるけど……私が取り込んだ部下たちのおかげで……そこら辺はカバーしてい……うぐっ!」

 

再度胸を突き刺すが、メラルドは再度孵化する

 

「ひどいわね。人が喋っている途中なのに……」

 

「隙があれば殺すさ」

 

「まぁいいわ。私が孵化できるのはあと……何百回くらいですもの……さぁ貴方が尽きるか私が尽きるか……楽しみましょう」

 

「殺し続ける……もしくは」

 

互いの全力で攻撃を繰り出していく。メラルドは孵化と爆発する虫など多彩の攻撃を繰り出していく。氷漬けにしてもバラバラにしても何度も復活する……

 

「メラルド……」

 

「エスデス……」

 

「こういう事はあまり言いたくないものだな」

 

「私も言いたくないことがあるわ」

 

「「ここまで楽しいものなんだな!!この戦いは!!」」

 

楽しいと思え始めてきた。ここまでの戦いはアカメとの戦い以来だ。ならば……

 

「メラルド、お前も限界に近いんじゃないのか?」

 

「貴方の言うとおりよ。だけど貴方も時を凍らせることも……もうできそうにないじゃない。だったら……」

 

「「次で一撃で決着をつけようか!!」」

 

二人同時に動き出し、互いの武器が互いの胸に突き刺さろうとした瞬間、戦いの舞台が崩れ始めた。

 

「……どうやら決着はつけられないみたいだな」

 

「そうね。この空間を作ったあの三人が倒されたみたい……もう少し粘ってほしいわね」

 

「どうする?元の場所に戻って仕切り直すか?」

 

「いいえ、出来れば……また今度ってところね。貴方との決着はそうそうつけたくないもの」

 

「そうか……ならばまだ戦いが続いていれば……お前も手を貸してもらうぞ。それがお前と次に決着を付けるための条件だ」

 

「あら、貴方からそんな事を言うなんてね。まぁいいわ。貸してあげるわ」

 

互いに笑みを浮かべ、元の世界に戻っていくのであった。

 


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