「あなた方を始末する前に、人々の記憶から作った大地へ連れていきましょうかね」
オネストがそう言い残して、姿を消した瞬間、地響きが更に激しくなり、ミデンも姿を消そうとしたが、エールが落としたカメラを破壊して消えた。
「何で?」
地響きが続き、治まると俺たちは水晶で出来た大地にいた。まさか……世界中の人々から記憶を奪ってこの大地を?
「ミナト、ミデンはプリキュアに任せて、我々は……」
「ボス……」
ボスの言う通り、先ずはオネストを始末しないと……
「あの、ミナトさん。あのオネストと言う人は……」
マシェリが……と言うよりみんな知りたがってるな……
「簡単に言えば……俺たちの世界の……元凶みたいなものだ」
「元凶……」
「大臣がいたからこそ、帝国は腐りに腐ってたからな」
「メラルド、お前が来たのは奴なのだな」
「えぇ、面倒な事だけど……ハイト自身、奴をかなり危険視してるわ」
「だとしたら、ミナトよ。どうするんだ?全員で討つか?」
エスデス……わざわざ聞くなよ……決まってる……
俺はこの大地の中心にそびえる城を見て……答えた
「大臣は俺が討つ……」
「待て、何故お前一人で……」
「奴はヌルの力を奪っている。だとしたら迂闊に全員で戦えば……全滅するかもしれない。それならヌルの力が通じないレガオンを持つ俺が……」
「アホか!なら俺も行く!」
するとクロトも名乗り出た。確かにクロトの持っている皇具なら……
「僕も行くよ……ミラクルはフェリーチェやマジカルを助けに……」
「陽斗くん……そっか、エメラルドの力なら……」
確か……陽斗はリゼルファにエメラルドの力を使えるようになれば……オネストの操る力は……無効化できるはずだったよな
「分かった。頼むぞ」
「うん」
すると無数の危険種とその中心にザンクの姿があった。なるほど、足止めか……
「タツミ、チェルシー、お前ら二人はミナト達と行け」
「ウェイブ、セリュー、お前らもだ。ヌルの力が通じないのと、プリキュアの力になれ」
「「私たちはこの集団を相手する」」
ボスにエスデスの二人は本気みたいだな……するとメラルドは……
「私も付いていくわ。何かしら手を貸してあげる」
これでみんなの役割が決まったな。ボスたちは襲いかかる危険種とザンクを向かい撃ち、俺たちはミデンとオネストがいる城へと向かうのであった
陽斗side
僕、ミラクル、ブラック、ホワイト、マシェリ、アムールで同じ通路を走っていた。まさかみんなとはぐれるとは思ってなかったけど……
「ミラクル……早くどうにかしてくれ!」
「無理だよ!モフルンだけどモフルンみたいな感じだし」
「あれはどうやらキュアミラクルたちの記憶から作られたものですね」
「それじゃ……声が届くのでは?」
「それなら……って止まってくれそうにないんだけど!?」
ずっと追いかけて来てるから、立ち止まって制止をかけていたら、捕まりそうだし……記憶で作られたものとはいえ、攻撃することも出来ない。
とりあえず物陰に隠れてやり過ごすことにした。
「何処か行った?」
「みたいだな」
それにしても……みんな、どこに行ったんだ?城に入った瞬間にはぐれるなんて……これもミデンの力なのか?
クロトside
俺、エール、アンジュ、エトワール、カスタード、セリュー、チェルシーはお菓子で出来た不思議な空間にいた。
「ここって、もしかして私たちの?」
「かもな。にしても……ミナト達は何処に行った?」
まさかはぐれるとはな……
「てか、ミデンの奴、何考えてるんだろう?」
「えっ?」
「あの大臣って奴に利用されてるから、てっきりプリキュアの力を集めて悪いことをしようとしてると思ったけど、こんなお城に引きこもっちゃうし……」
「確かに……何のために記憶を集めてるのかな?」
いちいち考える必要はないだろう。あのテルテル坊主は敵なんだから、目的なんて知ったことはない。
普通ならそう思っているはずだが、どうにも妙だ。あの大臣が利用しているんだ。何かしらあるはずだが……
「あのね、実は気になってる事があって……ミデンがこれを壊したときに……」
エールは壊れたカメラを見せた。そう言えばここに来る前に壊してきたな。
「私も気になることが……ミデンに記憶を奪われていたときに、何だか寂しくって……真っ暗な感じだったの」
今一、ミデンの目的が分からないな。
大臣が何かしら利用しているとしても、何をどうたぶらかしたんだ?
そんなことを考えていると、はぐたんが何かに気をとられて、穴に落ちた。
「はぐたん!?」
「俺が行く!」
「私も行くわ」
ハリーと猫に変身したチェルシーがはぐたんを追っていく。とりあえず何処か合流できる場所を探しに向かうのであった。
ミナトside
城に入り、みんなとはぐれてしまったが……俺は気にせず先へと進んでいた。
「ミナト、そんなに急いでどうしたんだ?」
「他のみんなを探した方が……」
「いや、みんななら……」
「ふふ、焦っているのね。理由は…………大臣ね」
メラルドはクスクス笑いながら、人の核心を突いて来るなよ
「俺は……最後までいられなかった。でも信じていたんだ。タツミたちが何とかしてくれるって……でも」
今回、あの大臣が関わっている。アイツがいることでこの世界を……あんな世界にしたくない。だから……
「あのくそ野郎をぶっ殺す!」
俺の覚悟を聞いて、タツミ達は黙り込む……納得してくれたのか?
だけどこの時、タツミはあることを思っていた
(大臣を殺すのは分かるけど、だけどミナト、お前……愛龍騎にならなくてもいいのか?もしかして………焦っているからか?)
先へと進んでいくと、変わった部屋にたどり着いた。殺風景な部屋だけど……これは……
「なるほど、なるほど、ヌルの奪う力に対抗できる人間を当ててきましたか。だが……知らなすぎるのでは?」
大臣は不敵な笑みを浮かべながら、両手を広げ……
「先ずは……帝国最強の二人の帝具の能力を固定。更に鎧型の帝具二つを混ぜ合わせる」
大臣は真っ黒な鎧を身に纏う。本気でやるしかない!