何だかんだで花畑までたどり着いた俺たち、するとことりとえみるの友達二人がある花を見ていた。
「この花、可愛いね」
そう言いながら、女の子二人が花に触れようとした瞬間、えみるがそれを止めに入った。
「お花に触っちゃ駄目なのです」
「可愛いのに何で?」
「そ、それは……」
「行こう」
注意をして、何だか落ち込むえみる。何で触っちゃ駄目なのか気になっていると、はぐたんが同じ花に触れようとしていたが、さあやがそれを止めた。
「この花、アザミね。アザミの花は棘があるから危ないの」
「そっか、えみるが友達のことよく見てるのって」
「危険な目に合わせたくないからか……」
何だかんだで優しい子だよな。えみるって……
しばらく歩いていくとはなたちはある男の子に話しかけた。
「あ、ひなせくん」
「うん?野乃さん、来てたんだ」
「ひなせくんもハイキングに来てたんだ」
「うん、こういう開けた所で演奏するの気持ちいいからね。さっきも男の子と一緒にディエットしたし」
「男の子と?」
「うん、笛を持った子とね。何だか人を探してるって言って」
笛を持った子って……いやいや、まさかな。戦いの日々が続いたせいですぐに連想してしまうのは悪い癖だよな。
とりあえず自由行動ということで、俺は散歩しに行くのであった。
しばらく散歩をしていると、どこからか赤ん坊の声が聞こえてきた。
「ん?この声、はぐたん?」
声が聞こえた所まで行くと、大きな穴の中から聞こえてきた。俺はとりあえず降りてみるとそこにははなとえみるとはぐたんがいた。
「ミナトくん!?」
「こんな所で何やってるんだ?遊び場にしてはロープとかハシゴとかないし」
「どうして、普通に降りてくるんですか!?普通は覗き込むとか……」
えみるの言葉を聞いて、何となく理解した。どうやら二人して穴に落ちてしまい、出れなくなっていたのか。
「しょうがない。ちょっとロープか何か探してくるよ。もしかしたらさあやとほまれ、セリューあたりが探してるだろうし」
「そんなの無理です。探してくるってここから出れないんですよ」
「いやいや、これくらい、よっと!!」
俺はジャンプし、壁に足をかけた瞬間、さらにジャンプをした。それを繰り返し、穴から脱出した。
「すごい~ミナトくん」
「に、人間離れしてます……お兄さんは何者なんですか?」
「ん~影で人々を守るヒーローかな?」
「ヒーロー……」
「それじゃ、何か探してくるな。大人しく待ってろ」
「うん」
ロープかなにかを探しに行くが、そう都合よく見つからないし、ここはさあやたちと合流したほうがいいかな。
そう思いながら、探していると直ぐ様さあやたちと合流した。
「ミナトさん、はなたちどこに行ったか知りませんか?」
「そこの穴に落ちてたぞ」
「あんた、それだったら……」
「悪いけど、ロープ的なもの持ってなかったからな。誰か持ってないか?」
「ミナトお兄ちゃん、ロープはさっき……」
「石橋の所で使っちゃったでしょ」
あぁ、そういえば……だとすればどうすれば……とりあえずさあや達にはな達がいる場所まで連れて行くのであった。
はなたちの所まで連れて行くと、何故かはなとえみるの二人は穴から出てきていた。
「二人とも、どうやって出たんだ?」
「天使だよ」
「「天使?」」
俺とほまれの二人はさあやの方を見るが、さあやは顔を真赤にさせながら、首を横に振った。
「ミナトくんと別れてすぐに男の人が来てね。目閉じてって言われて気がついたら穴から出てたの」
「それにこれ……」
えみるはその男がおとした白い羽を見せた。なるほどな。それで天使か……
「………ミナト、この羽根」
「まさかな……」
あいつがいるわけ無いと思うけど、きっと俺たちの思い過ごしだろうな
「とりあえず無事で良かったな。さてみんなも心配してるだろうし……」
ことりたちの所に戻ろうとした瞬間、地響きが聞こえ、振り向くと巨大な化け物の姿があった。
「あれって、」
「オシマイダーや」
「はなたちは、急いで向かってくれ。俺はえみるを安全な所に連れて行く」
「わかった。行こう、二人とも」
「え?え?」
「えみる、行くぞ」
俺はえみるをどこか安全な所に連れて行こうとした瞬間、森の中から何かが現れた。それはピエロの姿をした……
「ババアの付き合いで来てみたら、めっちゃかわいいんですけ………ぶへぇ!?」
俺は思いっきりそれを蹴り飛ばした。えみるはものすごく動揺していたけど……
「え?え?今のって……」
「………新種の熊だ」
「言葉を……」
「ぶへぇって鳴いてただろう。新種の超キモピエロ熊だ。人間の幼い子を見ると直ぐ様襲いかかりに来るんだ。退治しておくからどこか隠れてろ」
「は、はい」
えみるを物陰に身を潜めさせると、蹴り飛ばした男の方を向いた。
「てめぇ、俺の楽しい時間を……」
「うるせぇよ。ロリショタコン野郎。お前みたいなゲス野郎は外出するなって文句言ってやる」
「この野郎がぁぁぁ!!!快投乱麻ダイリーガー!!嵐の玉!!」
ものすごいスピードで玉が投げつけてきた。俺はレガオンで防ごうとするが、玉に触れた瞬間、竜巻が起き、思いっきり上に巻き上げられた。
「くっ!?」
「上じゃ避けきれないよな!!爆の玉!!」
また玉を投げつけてきた。まずい、空中じゃ避けきれない。目を閉じ、ものすごい爆発音が響いた。
「はははははははは、弱っちいな。さて、可愛い天使はどこに……」
「やらせるか!!」
「なっ!?」
俺は大剣でチャンプを思いっきり叩き、更に足に装着させオシマイダーがいる方まで蹴り飛ばした。
「ふぅ」
「お兄さん!!」
えみるが心配そうにこっちに駆け寄ってきた。何だ、まだ隠れていてほしかったんだけどな
「だってすごい音がして……あちこち焼け焦げてますよ」
「いや、別に怪我は……」
あの時爆発に巻き込まれそうだったのに、気がついたら地面に落ちていた。何で無事なのか考えていると白い羽が落ちているのが見えた。
「助けられたっていうのかな?」
「誰にですか?」
「さぁな。えみるは怪我は?」
「大丈夫です。はぐたんも必死に守りました」
「そっか、えみるはヒーローだな。隠れてみんなから色んなことから守ったんだろう。前にことりから聞いたぞ。何だか必死になっている子がいるって」
「そ、それははな先輩にも言われました」
先輩か……はなのことを認めたって言うことでいいんだよな。
「俺ははなたちのところに行くから、えみるはまだ隠れてろ」
「は、はい」
はなたちのところへ行く途中、チャンプが倒れていたので、思いっきり蹴り飛ばしながら向かうと、オシマイダーが攻撃を仕掛けようとしていた。俺はチャンプを思いっきり蹴り飛ばすとオシマイダーの頭にあった皿に当たった
「ミナトくん!?」
「ナイスです」
「どういうことだ?」
「ミナト、あのオシマイダー、頭のお皿が弱点みたい」
ということはナイスタイミングだったということか
「というか蹴り飛ばしながらきたの?」
「キュアエトワール、それの何が悪いんだ?」
「いや、あんたにはもう突っ込まないほうが良いわね。エール、とどめ」
「うん」
キュアエールが必殺技でオシマイダーを倒し、俺は気絶して動けないチャンプを掴み、
「おい、おばさん」
「だから誰がおばさんよ!?」
「ハイトとかに伝えておけ、危険物はしまっておけってな!!」
思いっきり蹴ると、パップルはチャンプに押しつぶされるのであった。
「うぐっ、お、覚えておきなさい!?」
逃げたということはこれで終わりだよな。
「ふぅ」
「こんな所にいた」
「おや、貴方は?」
「僕は三獣士ミャウ。ドクタースタイリッシュの情報通り、ここに飛ばされてきたみたいだね」
「どうやら事情を知っているみたいですね。それで連れて行くんですか?ですが私はあいつらと一緒に戦うことはできません」
「知ってるよ。隊長から聞いてる。だけど安心して、私達も一緒に戦うって言うよりかは邪魔しているようなもんだし」
「ほう、それは興味深いですね」
「どう?来る気になった?」
「えぇ」
ハイキングから数日後、自分の部屋で本を読んでいると扉からノックが聞こえた。
「どうぞ」
きっとはなだろうと思うと部屋に入ってきたのはことりだった。
「どうかしたのか?」
「えっと、ミナトお兄ちゃん。ちょっとお願いがあるんだけど……」
「お願い?」
「実は……えみるちゃんとデートして」
次回、オリバナになります。