ハリーのお店で俺はあることに悩んでいた。それをどうにか回避するためにはやっぱり……
「ほまれ、さあや、頼み事があるんだ」
「どうかしたの?」
「ミナトさんが頼み事って珍しいですね」
「実は言うと……」
「ミナトくん、もしかしてえみるちゃんと出かける話?」
はながそう告げた瞬間、ほまれが冷たい目をしていた。
「あんた、言ったよね。手を出したら犯罪だって」
「ほまれ、俺は別に小さい子に欲情するつもりはないからな」
「はな、何があったの?」
「えっとね、ことりの話だと、えみるが何だかミナトにヒーローの何たるかを教えてほしいからって、一緒にどこか出かけようって」
まさかこんなことになるなんて思ってみなかった。どうすればいいんだ
「別に気にしなくていいんじゃないの?ミナトの場合独り身なんだからこれをきっかけにね」
遊びに来ていたチェルシーがニヤニヤしながらそう言ってきた。こいつ、俺をどうにもロリコンにしたいのか?
「あのな……」
「タツミやウェイブなんて奥さんや恋人いるんだから、ミナトもそろそろ作ったら良いんじゃないの?」
「俺は別に……そういうのは……」
恋愛やら何やら全くわからない。いや、誰かと付き合いたいって言う気持ちはあるけど、いざ付き合ってどうすれば良いのかがわからない。
「まぁまぁ、えみるにヒーローについて教えるくらいだから別に気にしなくていいんじゃないの?」
「それは……そうだな。気にしない方が良いな」
まぁ問題はそのヒーローということについてどう教えれば良いのやら……
何だかんだで問題の日、近くの公園で待っているとえみるがやってきた。
「すみません。遅くなりました」
「いや、大丈夫だよ。それでことりから聞いたんだけどヒーローについてだっけ?何で俺なんだ?」
「そ、それは……ミナトお兄さんがプリキュアと同じヒーローに見えて……どうすればあんなふうになれるのか気になって……」
プリキュアと一緒か……えみるは何か勘違いしてるな。
「えみる、俺はヒーローだと思われてるようだけど、お前が思っているヒーローとはぜんぜん違うぞ」
「えっ?」
俺は近くのベンチに座り、えみるを見つめた。
「お前がいうヒーローは助ける人々を助けるようなヤツのことを言うんだろ」
「は、はい」
「そのヒーローは誰も助けたいっていう気持ちが強いんだ。それがどんな相手でも……でも俺は違う」
「で、でも、ミナトお兄さんは私を助けてくれました」
「俺の場合は影で人々を守る。どんな手を使っても、手段を選ばず……汚いことに手を染めたヒーローなんだ」
帝国に巣食う悪を俺は殺してきた。どんなに周りに善人面をしていようが関係なくだ。
「お前がヒーローに憧れるのはいいけど、対象を間違えるな。お前が憧れるべき対象は……」
「あ、あの、ミナトお兄さん。何を言ってるかよくわからないんですが、お兄さんはヒーローじゃないですか」
「お前がそう思うならそうだろうけど……」
「それってつまりダークヒーロー的なものですよね。それだったらヒーローに変わりません」
ダークヒーローって何だよ?こいつはどんだけ俺にヒーローとしてのあこがれを感じてるんだよ。
何だかこれ以上は何言っても無駄みたいだな。
「えみる、俺みたいなヒーローじゃなくって、プリキュアみたいなヒーローを目指せ。お前はそっちのほうが似合ってるぞ」
「は、はい」
えみるは笑顔で頷くのであった。それにしてもヒーローか……タツミが最初にナイトレイドに入った時に似たようなことを言ってたな。
「……終わったの?」
気がつくとはな、さあや、ほまれが来ていた。こいつら気になって来ていたのか?
「あぁ、一応はな」
「えみるちゃん、何だか嬉しそうだったけど、ちゃんと教えられたの?ヒーローについて」
「まぁそれなりにな。というか影で聞いてたんじゃないのか?」
「私らはさっき来たばっかりだから……」
「そっか……」
俺は立ち上がり、三人に向かってあることを告げた。
「三人はプリキュアってヒーローだよな。だから……俺たちナイトレイド組みたいなヒーローにはなるな」
「えっと……どういうこと?ミナトくん」
「お前たちはちゃんとみんなを守ってやれってことだよ」
俺はそう言って、立ち去るのであった。
「聞いてたよ~ヒーローについて語ってたんだよね」
帰り道、チェルシーが電柱の影から姿を表し、そんな事を言っていた。
「聞いてたのか」
「……ほまれたち、プリキュアと私達ナイトイェーガーズは違うからね」
「あぁ、三人には俺達と同じ道は進んでほしくないな」
この世界の住人には辛い役目になってしまうからな。それに……
「俺も昔はどんな人でも助けたいって思っていたことがあるんだ」
「ふ~ん、でも今は……」
「この道に進んだ以上はそれを貫き通すつもりだよ。今もこれからもな」
次回はプリキュア10話の話になります。