ルールーが着てから一週間が過ぎた。特にこれと言った悪意というものを感じたりはせず、本当にはなのことを調べていた。
「この一週間野乃はなを観察し続けた結果、学業・運動ともに特に優れた点は確認できませんでした」
ルールーは映し出されたホログラムに調査書を書いていた。
「なぁ、ルールー」
「何でしょうか?」
「俺はお前の行動やら何やらをみんなに伝える気はないけど、多少は隠れて調査書とか書かないか?」
「どうしてです?貴方は私の正体を知っている。ならば隠れて行うことは非効率です」
「そういうものか?」
まぁいちいち口を挟む必要はないな。
「所で先程から野乃はなの動きが奇妙です」
「それだったら確かめに行ったらどうだ?」
きっとはなたちがルールーのためにサプライズを開くために動いてるからな。俺とルールーは一緒に部屋を出るとまさに怪しい動きをしていたはなを見つめた。
「一体何を企んでいるんですか?」
「わぁ!?ミナトくん、止めてくれなかったの?」
「ルールーでも気がつくくらいだから、少しは気配を消して動くくらいしてみたらどうだ?」
「そ、それはミナトくん達くらいしかできないと思うけど……でも、こうなったら、結果オーライ。連れてっちゃえ」
はなとことりの二人がルールーを連れて、リビングに入るとクラッカーが鳴り響いた。
リビングにははなたちの同級生に、ハリー、はぐたん、セリュー、サヨも着ていた。
「ルールーのサプライズ歓迎会だよ」
「歓迎会?それにそれは……」
「手巻き寿司よ」
すみれさんはルールーに手巻き寿司を作ってみせた。更にハリーとはぐたんがちょっとした宴会芸を見せるのだが、ルールーはそれを見つめ、
「どうして食べるのに未熟な赤ん坊の手を借りる必要があるのですか?効率が悪すぎます。理解不能です」
「めちょく!?」
「それにこの料理、調理を食べる側にさせるなど非効率きわまりないです」
う~ん、これはちょっと止めたほうがいいな。
「ルールー、ちょっといいか?」
「……そもそもなぜ歓迎会を?あいさつなら初日に済ませたはずです」
止めようとするがルールーは俺の言葉を無視し、更に話を続けていった。
「そんな言い方ないんじゃないの?こういうのは気持ちの話で……」
「………理解不能です」
ルールーはリビングから出ていくのであった。何というかアンドロイドだから気持ちとかそういうのが分からないというのは仕方ないことなんだろうけど……
その日、とりあえずみんなは家に帰るのであった。
次の日
俺ははなたちと屋上でルールーについて話していた。
「そりゃ、勝手に歓迎会をしたのこっちだけど……」
「みんなでわいわいしたくない人もいるよね。でも私達のことを嫌いってわけじゃないみたい」
「はな、ミナト、一緒にいてつかれない?」
「えっ?全然なんとかなるよ」
「その根拠は?」
「えっと……なんとかなるよ」
「まぁ、ルールーは人の気持ちとかそういうのが乏しいんだよ。そのせいで俺も苦労したからな」
前にほまれとさあやに思いっきり説教されたことを思い出しながら、二人を笑顔で見つめた。
二人は目線を外していた。
「まぁそのうち、なんとかなると思うけどな」
俺はそう言って、屋上から出ていくのであった。
警備室に戻るとチェルシーが俺にあることを聞いてきた。
「聞いてるよ。何だか新しく来た子に苦労してるみたいなんだね」
「まぁな。今の所問題はないけどな」
「………彼女、何者かしらね」
「………気がついてるのか?」
「さぁね~まぁセリューやサヨたちは気がついてないみたいだけど、そこら辺長けてる人からしてみれば、彼女は人間とは思えないということかしら」
暗殺者ならではということだな。チェルシー自身気がついてるなら、話しておくべきか。
俺はルールーについて、目的について、敵意は今の所ないと言うことを話した。
「調査ね………まぁナイトイェーガーズのリーダーが決めたことだから従うけど、もし彼女と戦うことになったら……戦えるの?」
「戦えるよ。あの世界でも俺はセリューやサヨ、ウェイブ、クロメたちと戦ってきたんだからな」
「……それは昔の話でしょ。今はどうかしらね」
「今は………そんときになったらだな」
「そう……まぁゆっくり考えるべきね」
チェルシーはそう言って、警備室から出ていくのであった。今のことか……俺は戦えるのであろうか……
「本当にそうなったらだな」
仕事も終わり、繁華街を歩いていると突然なにかの騒ぎが起きていた。俺は騒ぎの中心地に行くとそこにはオシマイダーが暴れていた。
「パップルとかいうやつの姿はないな。もしかして……」
俺はオシマイダーの周囲を見ると近くに円盤型の飛行物体があった。もしかしてアレって……
「全く理解できずに暴れることにしたのかよ!!」
俺ははなたちが来るまでの間、オシマイダーの動きを止めに入ろうとした瞬間、横から何かが襲いかかってきた。
「おっと、騒ぎに合わせてワイルドハントの誰かが着たか?」
俺はレガオンを右腕に装着させ、襲いかかってきたやつを見つめた。フード姿で顔を確認できない。何者だこいつ?
「………抹消対象確認。ハイト様の命令通り、攻撃を開始する」
フードの男は右腕から刀を抜き、斬りかかってきた。俺はレガオンで男の斬撃を受ける。
「こいつ、ワイルドハントの連中じゃないのか?」
「違う。僕はハイト様の忠実なる下僕!!」
鋭い斬撃を繰り出していく男。全く面倒なやつだな
「ミナトくん!?」
「はな、さあや、ほまれ……オシマイダーを頼む」
「うん、」
駆けつけてきたはなたちはプリキュアに変身し、オシマイダーへと向かっていった。俺は男の腹を思いっきり蹴り飛ばし、レガオンを構えた。
「悪いけど、一気に決めさせてもらう!!奥の手発動『竜騎』」
真っ赤な鎧に身を包み、俺は男を殴り続けた。
「奥の手……強大だが……使用者から恐怖を感じる」
男の言葉を聞き、俺は拳を止めた。男は何事もなかったように刀を構えた。
「現状、殺すのに手間はかからない。いつでも殺せる」
男はそう言って、姿を消すのであった。あいつは一体……
「恐怖を感じるか……」
何というか感じ取られたか。だけど今はそんな事を考える暇はないな。急いでルールーを止めないとな
俺はキュアエール達が向かった場所へと走ろうとした瞬間、目の前にルールーが現れた。
「プリキュアたちによって、オシマイダーは浄化されました」
「何を暴れてたんだ?」
「……野乃はなに悪印象を持たれたため、調査が不可能だと思い……」
「それでもうアジトに帰るのか?」
「いえ、まだ調査はします。この胸の痛みが何なのかわかりませんので……」
ルールーのやつ、もしかして何かしらが生まれ始めようとしてるのか?それならいいけど……
「そっか、まぁはなたちにばれないようにな。バレた時、辛いのははな達だからな」
「それは……」
「あっ、ルールー、ミナトくん」
「ほら、行くぞ」
「……はい」
戦いも無事に終わり、俺達は家に帰るのであった。それにしてもあの男は一体……
「ハイト様。抹消対象はいつでも消せます」
「ほう、だがまだ生かせておけ。面白いものを発見した」
「それは?」
「レガオンの詳細だ。これから先見ものだな」