俺はみんなにルールーが何者なのか説明した。
「そんな……」
「本当の目的はそんな感じだった。俺も特に危険視はせずに見張っていたけどな」
「つうことはあいつがスパイってことやな」
「違う。スパイなんかじゃない」
「あのな……お前らは騙されてたんや」
「騙されてなんかない」
「いいや、騙されてたんや」
「違う」
ハリーとはなが口論するが、驚いたはぐたんが泣いてしまい、二人の喧嘩が止まった。俺はあることを思い、三人にあることを聞いた
「はな、さあや、ほまれ」
「何?ミナトくん……」
「もし次にルールーが現れた時……その時は敵としてあいつはお前たちに向かってくる」
「そんなこと……」
「もしもだ。もしも戦うことになって、ルールーは今までの記憶は消され、お前たちプリキュアを倒すためだけの存在になって、正気に戻すことができなかった場合………」
俺はあの時、はなたちがチャラリートを救ったときのことを思い出した。きっとこいつらは救うことを考えて戦うのだろうけど……もしもの場合はどうするんだ
「ルールーを殺す覚悟はあるか?」
「「「!?」」」
三人は俺の言葉を聞いて、固まっていた。俺は三人の答えを聞かずハリーショップから出ていくのであった。
出ていくとそこにはサヨとセリューの二人がいた。
「面倒な問題を与えるなんてね」
「何か考えがあるの?」
「あいつらは正義のヒーローだ。全てを救いたいって思っているけど……いつか訪れるであろう難題を前にどう立ち向かうか確認したかった。それだけだ」
俺は二人にそう言うと、セリューはため息を付いていた。
「ミナト、だからって泥をかぶるのは自分だけでいいって思ってるの?」
「そんなの間違ってます。私達はチームだから背負う時は一緒だよ」
「……お前らは背負う必要はない。お前らはあいつらを正しい道に導いてくれ」
俺はそう告げ、駆け出すのであった。
クライアス社
「プログラムを戦闘用に書き換えましょうか。それに試作品のアンドロイド用のパワードスーツも……」
「えっ、いや、そこまでするつもりは……」
「機械人形は機械人形らしくすればいいのです」
リストルがパップルに冷たく告げると、そこにハイトとドロテアの二人がやってきた。
「それならいいものがあるぞ。リストル」
「ハイト。いいものとは?」
「参考として召喚した帝具を、貴様が言うパワードスーツに組み合わせた」
「勝手なことを……」
「大事な商品なら鍵をかけてしまっておくのだな」
「まぁいい。そのパワードスーツと組み合わせた帝具とは何だ?」
「雷を操る帝具、雷神憤怒アドラメレクだ」
「妾たちがいた世界の将軍が使っていたものでな。強さは保証するぞ」
「ほう……」
『RUR-9500出撃します』
警告音が鳴り響き、ハイトは笑みを浮かべた。
「ドロテア、フォルシュとリアンを連れ、様子を見に行け。私はもうひとりの傑作品に渡す例の皇具を完成させてる」
「わかった」
「パップルさん、あとはお願いします」
近くの公園にたどり着くとそこにはルールーが待っていた。
「よぉ、ルールー、こんなところで何をやってるんだ?」
「ミナト・ユウ。プリキュアはどこですか?」
「あいつらに何の用だ?」
「プリキュアは私が倒します」
恐れていたことが本当になるとはな。あいつらがいないなら俺は……ルールーを殺す
「……そうか。だったら……レガオン!!奥の手発動!!」
俺は奥の手を発動し、全身に鎧を身にまとうと、どこからともなく現れた鎧に似たものをルールーは装着した。
「ダアアアアアアアアアアアアアーーーーーー!!」
ルールーから放たれる拳のラッシュ。俺は受け切ろうとするが咄嗟にあることに気がつき、全てを避け距離をとった。
「その鎧の両腕……面白いものをつけてるな」
「これは貴方がいた世界の帝具です。能力は知っていますね」
「あぁ、嫌というほどにな」
なにせ、一度喰らったことがあるからな。俺は腕の部分を変形させ、剣に変えた。
「叩き潰す!!」
「帝具!!雷神憤怒アドラメレク!!」
ルールーから放たれる雷撃を避けていくが、それでも雷撃の数は多く避けきれずに雷撃を食らってしまう
「うぐっ!!こんなもの……」
俺は雷撃の嵐をダメージ覚悟で突っ込んでいき、左腕を斧に変えた。
「ルールー!!」
斧を振りかざすが、直前で俺は斧を止めてしまった。
「ソリッドシューター!!」
ルールーの両腕から雷の砲撃が放たれ、俺は直撃を喰らい、地面に倒れ込み、奥の手が解除されてしまった。
「何故、今のを止めたのですか?」
「……さぁな。今のお前ははなたちに会わせる前に殺しておくべきだったんだけど……どうにもあいつらの覚悟に毒されたのかもな」
「……トドメです」
ルールーは拳を振りかざした。だがそこにキュアエールたちとサヨ、セリューがやってきた。
「ミナトくん!?」
「現れましたね。プリキュア」
ルールーは振りかざした拳を下ろし、今度はキュアエールたちに襲いかかった。俺はなんとか立ち上がり、戦おうとするが
「あんた、殺すつもり?」
「あの子達がいる前でそんなことできるの?」
セリューとサヨの二人がそう言って、俺を止めようとした。殺すか……やろうとしたけど無理だった。だから……
「俺には殺せないよ。だから……あいつらのやろうとしていることを手伝う!!残り時間からしてみれば、十秒……」
俺はキュアエールたちと戦うルールーを見つめた。あいつはキュアエールたちの名前を呼びながら、苦しそうにしている。それだったら……
「解放してやる!!奥の手!!」
再度奥の手を発動させ、俺はルールーに思いっきり蹴りを喰らわした。蹴りの直撃を喰らったルールーは何とか倒れずに立っていたが、鎧は砕け散った。
「私は……うぅ」
「ミナトくん……」
「戦う力は奪ったけど、その帝具は破壊できなかったな」
ルールーの両腕にはまだアドラメレクが装備されていた。だけどあの鎧を破壊した今なら大丈夫だと思った瞬間、ルールーは苦しんでいた。
「うぅ、うああああああああ!!?」
「「「ルールー!?」」」
「あら、あんたら無茶なことをするから壊れたかしら?」
どこからともなく現れたパップルがそう告げた。どこまでルールーを道具扱いしやがっている!!
「パップル!!」
俺は再度奥の手を発動させようとしたが、体に痛みが走り膝をついてしまった。やっぱりダメージが大きすぎたか
「そのざまじゃ私を攻撃なんて……」
パップルが何かを言いかけた瞬間、パップルの顔を矢と銃弾がかすめた。
「次は当てますよ」
「邪魔はしないほうがいいですよ」
「うくっ……もういいわよ。ルールー、そのまま暴れて壊れてしまいなさい!!」
「う、うっ、うあああ、ああああああああ」
ルールーがなりふり構わず雷撃を放った。あいつが今苦しんでるのは……そういうことか
「キュアエール!?」
「ミナトくん?」
「お前なら救えるはずだ」
「……うん!!」
キュアエールはルールーを思いっきり抱きしめた。
「私はあなた達を……みんなを騙した」
「ううん、騙されたと思ってないよ」
「何で……どうして……」
「私がそう思ってないから……そうなの!」
「こんな痛みに苦しむくらいなら、記憶は消された方がよかった」
「苦しいのは私も一緒だよ。もう……ルールーと戦いたくない。さっきから体よりも胸の奥の方がずっと痛いんだよ。ルールーのことが好きだもん」
「はな……」
ルールーは思いっきり泣きじゃくった。ようやく心が芽生えたのかな?
「何をないてるのよ!さっさと……」
パップルが泣きじゃくるルールーに命令をしようとしたが、パップルの足元に雷撃が落ちた。
「もう私はあなたの命令を従順に聞く機械人形ではありません」
「うくっ……もういいわよ」
パップルはそう言って、姿を消すのであった。
「データ収集完了」
「やはりハイトが持っているレガオンの記述書とは違うな。あの小僧は制御しておるのかのう」
「ふふふ、一分間だけ制御可能なのね。ドロテアさん、確かワイルドハント一体、改修中だっけ?」
「あぁ、エンシンが回収しておったな」
「だったら丁度いいわね。追加機能をつけてもらおうかしら?」