はなたちがえみるを連れてハリーハウスに来ていた。というかお前らまだ学校があるというのに抜け出して……
教師陣に何とか誤魔化しといたからいいけど……
「どうしましょう?」
ルールーがえみるを抱きかかえながらそんなことを聞いてきた。何というかプリキュアの正体がバレているということは、俺達のことも……
「特に気にせず戦っていたからいいか」
「ミナト、少しは隠す努力くらいしたら?」
「何だか色々と工程をすっ飛ばして、ここに連れてこられたみたいだね」
セリューは呆れながら、ランはハリーハウスを見ながらそう言っていた。
「にしてもランまで来てるなんてな」
「それもエスデス隊長と一緒に行動してるなんて……」
「というかあの人達にアジトを提供した人はだれなんだよ」
ウェイブ、クロメはランとの再会を喜びあい、タツミはエスデスたちの協力者のことが気になっていた。まぁ俺も気になっていたけど……
「あのミナト……話に参加してください」
ルールーにそう言われ、俺はえみるの口に貼ってあるテープを剥がした。
「えみる、見たって、何をだ?」
「ミナトお兄さん。私見たんです!!この三人がプリキュアから戻る姿を、それにそこのネズミが人の言葉を話すのを」
「ワイはネズミじゃ……あっ!?きゅ~」
「いや、もう遅いから」
というかネズミってそんな風に鳴くのか?
「まぁバレた以上は事情を話すしかないし……」
「いや、そんな簡単な……」
「でも仕方ないことだし……」
「えみる、私達がプリキュアだって言うことは秘密に……」
「はい、分かってます。ヒーローというのは正体を明かさないのが当たり前のことです。まぁ、はな先輩がプリキュアだって言うのは少しがっかりですが……」
「めちょっく」
とりあえずはな達はえみるにこれまでのことを話すことになった。そしてえみるはというと、みんなの日常を見てみたいということに言い、俺、ルール―、ランの三人はそれに付き合うことになった。
「これがプリキュアに選ばれし者たちの華麗なる日常」
えみるはほまれのスケートの練習風景を見て、目をキラキラさせていた。
「もっと気持ちを込めろ。心だ。心」
「心……」
ルールーは何故か心という言葉になにか反応をしていた。
次にさあやの演技の練習を見ることに、そこでもルールーは心という言葉に反応を示していた。
「彼女はアンドロイドなんでしたっけ?」
「あぁ、とはいえ心が芽生えてるけどな」
「ドクターが言っていたとおり、不思議なものですね。心を宿さないものが心を宿し、心を宿すべきものたちが心がない……」
「この世界ではそういった奴らはいないからいいけどな」
あの世界で非人道的なことをやってきた奴らのことを俺たちは思い出すのであった。本当にランの言うとおりだよ。心を宿すべき奴らには心がないなんてな
「しかし驚いたのです。まさかルールーが先にプリキュア修行を始めていたとは」
「何のことです?」
「ルールーのことは何でもお見通しなのです。なにせ、その……親友なのですから」
「そうなのですか?」
ルールーは未だにえみるのことを友達と認識してないのか。それはそれで悲しいけど……
「みんな~」
突然はながやってくるが、はなは思いっきり転んでいた。
「うぅ、みんな手伝って~」
はなの頼み事は今度歌のテストがあるらしく、それの練習を手伝ってほしいものだった。
そんな中、ルールーも歌うことになった。どうにもルールーの歌には心がこもっていないらしく、えみるもそれに気が付き、心に響かないと言ってしまう。
「やっぱり私には無理なんです。心……わからない。わからない……」
ルールーはなにかの警告音を出しながら、倒れてしまうのであった。
俺、ラン、えみるは倒れたルールーのそばに付いていた。
「アンドロイドというのは本当なんですか?」
「あぁ、本当だ」
「信じられないことかもしれないけど……」
えみるははなたちからルールーのことを聞いていたみたいだ。するとルールーは目を覚ました。
「えみる、ミナト……ラン」
「ルール―、はな先輩たちから聞きました。アンドロイドだって……信じられません。証拠を見せてください」
「わかりました」
ルールーは証拠を見せるために両腕を上げると同時に両腕が一瞬の内に帝具を装備した状態に変わった。
「これでどうですか?」
「あ、あ、はい。信じます」
「驚かせてすみません」
「……ルール―、私達は親友なのです。隠し事はなしにしましょう」
「親友?」
「です」
あっさり受け入れるえみる。えみるって結構器が大きいな。普通だったら化物とか罵りそうだけど……
「ルールー、私と一緒にプリキュアを目指しましょう」
「私がプリキュア……」
「はい、一緒に頑張りましょう」
えみるがルールーの手を握りしめながらそう言うが、ルールーはその手を振りほどいた。
「無理です。私はアンドロイドです。きっとプリキュアになれるのは貴方のような『人』です」
「ルール―、お前な……」
「私はえみるみたいに一生懸命な可愛らしい心を持っている貴方が……とてもうらやましい」
俺はえみるを家まで送っていくことになった。心か……あいつはとっくに持っていると思うんだけどな
「ミナトお兄さん……私、余計なことを言ってしまったのでしょうか?」
「余計って?」
「一緒にプリキュアになろうとか……歌だって心に響かないって言ったことが原因で倒れてしまったのです。私は……」
落ち込むえみる。何というかクライアス社でもない俺でも今のえみるからトゲパワワが出ているのがわかる。
俺はため息をつき、えみるのおでこに軽くデコピンをした。
「痛いのです……」
「気にしすぎだ。お前はルールーの親友なんだろ。それだったらやることは落ち込むことじゃない。元気づけることだろ」
「元気づける……」
「それにルールーは心がないとか言ってるけど、あいつはまだ心というのを理解できてない。俺はあいつには心があると思ってる」
「……はい」
えみるも元気になったみたいだな。ルールーのことはエミルに任せても良さそうだな。
「ミナトお兄さんは本当にかっこいいなのです。あの……もし……」
「もし?」
「いいえ、なんでもないのです」