何故かはなの友達のさあやって子とセリューがこの家にやってきた。はなは二人を家に上げるけど、ハリーに家に上げるなとか言われないか心配だけど、ハリーは特に問題がないということで、何も言わず物陰に隠れていた。
さあやははなと一緒にはぐたんの面倒を見ている中、俺はセリューにあることを聞いた。
「お前、何でここに?」
「さあやと家に帰る途中に、急にさあやがここに入ろうとしたから付いてきたのよ。でも、ミナトがここに住んでるなんて吃驚したわ」
「あれ?ミナトくんってここに住むの?」
俺らの話にはなが入ってきた。住むのって、別にはなの許可は……
「昨日お父さんとお母さんにミナトくんが私の家に住むこといいって言ってたよ」
「お前、相談くらいしてからにしろよ」
というかどんだけいい人なんだよ。お前の両親は……
「あのミナトさん……でしたっけ」
「何だ?」
「ミナトさんはもしかしてセリューさんと同じように異世界から来たんですか?」
おい、セリュー、何をあっさりバラしてるんだよ。俺はセリューの方を睨むとセリューは困った顔をしていた。
「事情を話したまでです。でもさあやは私の話を疑いもせず受け入れてくれたし……」
「さあや、一応疑うっていうこと覚えろ」
「は、はい」
「薬師寺さん、はぐたんのこと見ても驚いたりしないのってセリューさんのことがあるから?」
「それもあるけど……あのね前に…不思議な事があってね。空から赤ちゃんの声が聞こえたの」
赤ちゃんの声?
さあやの言うことには、ある日、突然赤ん坊の声が聞こえ、おまけに世界が止まったみたいだったらしい。
それってクライアスって奴らがやろうとしている『未来を無くす』っていう予兆だったのか?
「良く分からないけど、赤ちゃんの泣き声の方へと向かうと、いつも野乃さんに会うの」
「そっか。あの時も」
だからなのかはぐたんの声が聞こえて、ここに来たのか?だとしたら納得できる。
もう少し話を聞こうとすると、ミルクが出来上がり、さあやははぐたんにミルクを上げ始めた。
「絵になる…さすが天使」
はなはミルクを上げるさあやを見てそう呟いた。確かに天使に見えるな。
「……ここは本当に平和だね。ミナト」
「あぁ、こんな風にみんなが明るく、未来へ希望を持てているくらいだからな」
「もしかしたら私はミナトとあっていなかったら、こんな風に話したり、ただ悪を憎むだけの人になっていたかもしれない」
「それは……」
俺はセリューに約束を守ってくれたからだろって言おうとしたけどやめた。今更言うことじゃないしな
「薬師寺さんは凄いよ。色々丁寧だし、賢いし…私には出来ないや」
ミルクを上げるさあやをみて、はなはそう呟くがさあやはこう返した。
「私に出来ない事が、貴女には出来ます。貴女に出来ない事が、私には出来ます。力を合わせれば、素晴らしい事がきっと出来るでしょう」
「誰の言葉?」
「マザー・テレサの言葉だよ。私ね、マザー・テレサを尊敬しているの。そしてね…私、この言葉がとても好き。野乃さんは自由な発想があって、なりたい自分の未来があって…私よりずっと凄いよ。私には…なにもないから」
「みんなに優しく出来るじゃない」
「それくらいしか出来ないの…野乃さんみたいに勇気がない」
それくらいしか出来ないか……俺とセリューはさあやの言葉を聞いて、ため息を付いていた。それしか出来ないっていうのは良いことだと思う。
「薬師寺さん…いや、うーん…」
「委員長でいいよ」
「委員長と話してるんじゃないもん!さあやちゃんと話してるの」
「さあやちゃん、勇気あるよ!」
「えっ?」
「だって、誰かに優しくするって、すっごく勇気がいる事だもん!」
「でも…私…」
「褒められたらありがとうだよ?」
「なぁさあや、それしかないとか言ったけど、かなり十分だと思うぞ」
「そうですね。勇気があるということはくじけない心を持っているということ。十分誇っていいと思う」
「野乃さん、ミナトさん、セリューさん」
「未来は無限大!!なんでもできる!なんでもなれる!フレフレさあやちゃん!」
はなはさあやのことを応援をし始めた。何というかはなは本当にすごいな……
「あのね、さあやちゃん、お願いしたいことが……」
はなは何かを言いかけていた。もしかしてさあやをプリキュアにスカウトするのか?引き受けてくれるかどうかわからないけど……
そんな事思った瞬間、突然建物が揺れ始め、俺とセリューは直ぐ様飛び出した。
外に出て何だか騒ぎが起きていた。俺たちは騒ぎの中心に行くとそこにはこの間の化物……オシマイダーが暴れていた。それを見てはぐたんも泣きじゃくっていた。
「あかん!アスパワワがどんどん無くなっとる!!」
「えっ!?喋って…」
さあやはハリー(ネズミ)が喋っていることに驚いていた。まぁ普通は驚くことだろうけど……
「はな!」
「うん!はぐたんは私が守る!」
「ダメ!危ないよ!」
「さあやちゃん!私…プリキュアなんだ!!」
はなは光りに包まれ、キュアエールに変身した。俺もレガオンを取り出し、左腕に装着させると左腕が斧に変わった。
「セリュー、さあやのこと……」
「何言ってるんですか。私も戦えます!!」
セリューは地面に手をつくと地面から巨大な刀を取り出した。
「十王の裁き!!正義宋帝刀!!」
「それ、コロにしまってあった武器だよな」
「よく分からないけど、どこからでも取り出せるようになったの」
帝具の力って言うことなのか?まぁ今は気にすることじゃないな。
「来たな!!プリキュア!!あと変な武器使い!!ミライクリスタルを奪え!!オシマイダー!!」
あの男……クライアス社の幹部って言うことだよな。アイツを倒したほうが今後楽になるかもしれないな
「セリュー、あの男を狙え」
「分かった」
セリューと一緒に男に襲いかかろうとすると、オシマイダーが立ちふさがり、巨大な腕に吹き飛ばされてしまった。
「面倒だな」
「危ない!?」
気がつくと上からオシマイダーが落下してきた。潰される瞬間、キュアエールが救けに入り、俺とセリューは潰されずにすんだけど……
「女の子一人に守られるなんて……私も鈍りましたね」
「戦うことがない世界だから仕方ないだろ。はな、無理はするな」
「大丈夫……みんなの未来を……守る…ッ!!」
キュアエールがオシマイダーの身体を押し上げていき、吹き飛ばした。そんなキュアエールを見ていたさあやは何かを呟いていた。
「なんでもできる…なんでもなれる…」
彼女がそう呟いた瞬間、青白い光があたりを照らした。これははなと同じ……
「心が、あふれる!!」
光が消え宝石のような石がさあやの手に乗った。そうかさあやもプリキュアになったんだな。
「ミライクリスタルが生まれたんや!!プリキュアになるんや!!」
「私がプリキュアに…!?私に…そんなことできるのかな…。ううん、できるよね。私の中にも、きっと勇気が…!!」
さあやはプリハートにミライクリスタルをはめ込み、まばゆい光に包まれるとプリキュアに変身した。
「輝く未来を抱きしめて!!みんなを癒す!知恵のプリキュア!キュアアンジュ!」
「プリキュアが増えただと、ふっざけんな!!いけ!オシマイダー!!」
オシマイダーがキュアアンジュに向かって何本も鉄骨を投げつけてきた。俺とセリューは投げつけてきた鉄骨を切り裂くが、残った鉄骨がキュアアンジュに向かっていく、まずい、間に合わない
「フレフレ!ハート・フェザー!」
キュアアンジュが青白い障壁を展開させると、襲いかかる鉄骨を弾き返した。
「攻撃を弾いた」
「守りの力か……それじゃこっちも」
「うん」
「任せて」
俺とセリューはオシマイダーの後ろに回り込み、巨大な腕を切り裂くと同時にキュアエールがオシマイダーの足を蹴ると、オシマイダーは地面に倒れ込んだ。
「トドメ、頼んだぞ!」
「フレフレ!ハート・フォー・ユー!!」
ピンクの閃光がオシマイダーに命中し、オシマイダーは恍惚の顔で消えていった。おまけにあの男の姿もなかった。
戦いを終えるとセリューに敵のこと、プリキュアのことを改めて説明した。
「平和だと思っていたけど、それを脅かす悪がいるんですね」
「あぁ、俺ははなたちの手伝いをすることにしたんだけど……お前は?」
「もちろん、協力します。それに伴って、ミナト、私と一緒に学園の警備をしない?」
「警備?」
「彼女たちの手伝いをするって言うなら、彼女たちの側にいたほうが良いと思う。私の口利きならすぐに働けると思うよ」
確かにそうした方がいいかもしれないな。それにこっちではお金とか必要になるし……
「それだったらミナトくん、余計私の家に住んだほうが良いよ」
「それは……」
「さあやちゃんから聞いたけど、セリューさんも一緒に住んでるんだよね。それだったら同じように……」
何だか言い訳しようとか思ったけど、面倒になり、俺ははなの家に居候をすることになった。