朝になり、はなが風邪を引いてしまい、ルールーと一緒に学校へと向かう途中、ルールーはある話を俺にしてきた。
「私はえみるに譲るべきなのでしょうか?」
「プリキュアになることをか?」
「はい、私もえみると同じようにプリキュアになりたいと思っています。ですがそれ以上にえみるの傷ついた顔を見たくないという気持ちが強いのです」
「だからえみるに譲るのか……」
ルールーはただ頷いた。何というか友達思いの優しい子だよな。お前は……だけど俺は昨日のみんなのやり取りを思い出した。
「なぁ、ルールー、昨日みんなは誰一人して考えてなかったぞ」
「何をですか?」
「お前かえみる、どっちがプリキュアになるべきかなんて話を……」
「それって……」
「みんな、お前ら二人にプリキュアになってほしいって思ってくれてるんだよ。俺もその一人だし」
ルールーは泣きそうになっていた。ルールーは何故か戸惑っている。
「どうしてでしょう?悲しくないのに……涙が溢れてきそうです」
「ルールー、それは嬉し涙っていうんだよ。すごく嬉しいと思えたときだって涙は出てくるものだ」
「嬉し涙……」
「みんなが何かしらの解決策を見つけるか。もしくはハリーが言うように奇跡が起きるのを待つか……俺はお前らがプリキュアになれることを願ってるからな」
「ミナト……」
また次の日、俺はルールーと一緒にえみるに大きな木がある場所に呼び出された。しばらく待っているとえみるが嬉しそうにこっちに向かって駆け寄ってきた。
「ルールー、ミナトお兄さん」
「えみる」
えみるはルールーに思いっきり抱きつき、二人一緒に倒れ込んでしまった。
「これ、ライブのチケットなのです」
「ライブ?」
「お兄様がくれたのです」
もしかしてえみるとあの眼鏡兄……仲直りできたのか?まさかと思うけどこの間オシマイダーになって、浄化されたことがきっかけとか?
「これからはおうちでギターをひいてもいいって……私、あきらめなくってよかった」
泣きそうになるえみるとルールーはそっと抱きしめた。
「えみる、よかったですね」
「はい……ミナトお兄さん、私達と一緒にライブに行きませんか?」
「俺もか?」
「はい、それで……できればその後に言いたいことがあるのです」
「言いたいこと?」
「えみる、もしかして……」
「はい、ルールーも一緒に言いましょう」
「……えぇ」
なんだろう?二人が言いたいことって……二人の表情を見る限りものすごく大事そうなことだろうけど……
そしてライブの日、結局二人が何を言いたいのか予想ができずにライブ会場に来ていた。
「いよいよなのです」
「はい」
「ん?」
ライブが始まろうとした瞬間、会場からオシマイダーが現れた。人々が逃げ惑う中、俺はレガオンを抜いた。
「二人は下がってろ!!こいつは……」
「てめぇの相手は俺だぁぁぁぁぁ!!」
背後から声が聞こえた瞬間、鋭い蹴りが俺に襲いかかってきた。俺は咄嗟に防ぎ、襲ってきたやつを見るとエンシンだった
「何だ。しばらく見なかったけど、見限られなかったのか?」
「あぁん、その口、叩けなくしてやるよ。そしてそこにいる裏切り者、てめぇは俺様のペッ………うぎゃ」
とりあえず喋ってる途中で思いっきり殴った。汚らしい言葉を二人には聞かせられないな
「ミナトくん、お待たせ」
「エール、他の二人は?」
「二人は夢に向かって頑張ってるから……」
「そっか、だったらオシマイダーを任せたぞ」
「うん」
俺はエンシンへと向かっていき、キュアエールはオシマイダーへと向かっていった。
「今から皇具の力をみせ……うごっ!?」
「見せる前に潰す!!奥の手発動」
全身に鎧をまとい、エンシンを殴り続けた。厄介な皇具を使われる前に倒してしまえば、こっちのもんだ。
すると騒ぎを聞きつけてタツミとウェイブの二人も駆けつけてきた。
「ミナト、大丈夫か?」
「こっちは大丈夫だ。キュアエールを頼む」
「行くぞ。タツミ。グランシャリオ!!」
「あぁ、インクルシオ!!」
二人が帝具を纏い、オシマイダーに向かって攻撃を与えていくが、どうにも手が足らないみたいだな。
「プリキュアもミナトお兄さんたちも諦めてない。がんばれ!がんばれ!プリキュア!ナイトイェーガーズ!」
「フレフレ!エール!ミナト!」
えみるとルールーが応援する中、まばゆい光が二人から溢れてきた。はぐたんは二人にまばゆい光を当てるとミライクリスタルが現れ、ハリーが持っていたプリハートが二人の元へ……
「えみる、早くプリキュアに……」
ルールーはえみるに譲ろうとするが、えみるはルールーにプリハートを差し出した。
「さぁ、ルールー、プリキュアになるのです」
「何を言ってるのですか?えみるの夢は……」
「今、はな先輩達を助けられるのはルールーなのです」
「えみる……」
ルールーはそっとえみるを抱きしめた。
「プリキュアは諦めない。わたしはえみると一緒にプリキュアになりたい」
「わたしもルールーと一緒にプリキュアになりたい」
「「お願い」」
「アンドロイドが神頼み?馬鹿じゃないの?」
パップルの言葉を聞いて、タツミとウェイブとキュアエールの三人がパップルに向かってオシマイダーを投げ飛ばした。
「馬鹿じゃない」
「これは二人の純粋な願いだ」
「それすら分からない奴はどっか行ってろ!!」
「くっ、やっちゃいなさい!オシマイダー」
オシマイダー二人に襲いかかろうとした瞬間、二人が持っていたプリハートからまばゆい光が照らされ、プリハートが2つに別れた。
「奇跡が起こった!?」
「「あなたを愛し、わたしを愛する」」
二人がプリハートにミライクリスタルをはめ込み、まばゆい光とともに二人はプリキュアに変身した。
「「輝く未来を抱きしめて!!みんな大好き!愛のプリキュア!」
「キュアマシェリ!」
「キュアアムール!」
新たなプリキュア、キュアマシェリとキュアアムール。二人のコンビネーションでオシマイダーを追い詰めていく。
「アユーレディ!」
「行きます」
「フレフレ・ハートソング!」
「フレフレ・ハートダンス!」
二人の放つ必殺技を喰らい、オシマイダーを浄化するのであった。何というか本当になれちまうなんてな
「キュアマシェリ!」
「キュアアムール!」
「「ふたりはプリキュア」」
「やったな。二人共。かっこいいぞ」
俺がそう言って、二人のところに近付こうとした瞬間、背後から誰かに押さえつけられた。
「ふふ、ふはははははは、油断したな!」
思いっきりボコボコにして動けないと思っていたのに、まだ動けるのかエンシン。
エンシンは右手を鋭い刃に変え、俺の体に突き刺した。
「皇具『速時・アクセレラ』こいつはお前の体の動きを止め、俺の動きを……」
「あら、ハイト様ってば悪い人ね」
突然リアンが俺達の前に姿を見せた、笑みを浮かべていた。
「どういうことだ?あいつからこの皇具のことを……」
「それは間違いよ。それはただ刺した相手の時間を進めるもの。突き刺し老化させて、殺すためのものだけど、今回はちょっと違うわ」
リアンの話を聞いて、俺はすぐに理解した。まずいこのままじゃ……
「みんな……逃げろ……」
「ミナトくん?」
リアンの目的は……奥の手を使用している俺だった。段々意識が無くなっていく
「タツミ、ウェイブ………頼む……お……れを…………殺してくれ」
その言葉を告げた瞬間、俺の意識がなくなるのであった。
タツミSIDE
ミナトの言葉を聞き、戸惑っている俺たち。ミナトは動かなくなっていた。殺してくれって、どういうことだよ
「な、何だよ。動かなく……」
エンシンが何かを言おうとした瞬間、一瞬の内に首から上が無くなっていた。そしてミナトの手にはエンシンの頭を掴んでいる。
「ミナト?」
「始まった!!レガオンの隠された力!!それは狂龍騎!!すべてのものを破壊し尽くすまで止めることはできない!!さぁどうする?ナイトイェーガーズ、プリキュア」
リアンがそう言い残し、姿を消した。そしてミナトは獣のように鎧を変えていた。
「くそ、キュアエール達は下がってろ!ウェイブ」
「あぁ、止めるぞ」