さあやがプリキュアになり、セリューの紹介で明日からはなたちが通う学校の警備員になった俺は、はなの両親の好意で野乃家に居候することになった。
「ミナト・ユウです。これからお世話になります」
「この街に来て苦労してたって聞いたからね。自分の家みたいにいてもいいんだよ」
「はなをいろいろと助けてくれているみたいだし、そのお礼も兼ねてね」
はな曰く俺は物凄く苦労していて、一人旅をしている時にはなを助けたとか何とか……よくそんな理由が通じると思ったな……
「ミナトくん、実は昨日の内に部屋用意したんだよ。行こう」
「お姉ちゃん、慣れない掃除してもしかしたら散らかっていたらごめんね」
「もう、ことりは……」
何というかはな、妹のほうが大人な気がするぞ。それにしてもこの人達は本当に善意で俺のことを住まわせてくれるなんて……
あっちにいた時には考えられなかったな。
はなに案内されて、俺は用意された部屋に入った。
「頑張って掃除したんだ~」
「お前の妹が言っていたみたいに散らかってないな」
「めちょっく!?ミナトくんまでそんな事言うなんて……」
めちょっくってなんだよ。いや、いちいち気にしない方が良いか?
俺はベッドの上に座り、はなが借りてきた本を読もうとすると、何故かはなが隣りに座った。
「どうしたんだ?」
「う~ん、せっかく一緒に暮らすことになったからいっぱいお話しようかなって」
「話すことって……これからしばらく一緒にいることになるんだからいつでも話せるだろ」
「そうだけど……」
俯くはな。俺ははなの頭を撫でた。全くそんな顔をされるとこっちが困るよ
「仕方ない。少しずつ話してやるよ。まずは俺のことでいいか?」
「ミナトくんの事?」
「あぁ」
俺は自分の過去を語った。
地方の村で生まれたこと、正義の味方に憧れて街を守る帝国警備隊に入ったこと、そこでセリューに会ったことや、悪人が持っていた帝具を手に入れて、帝具使いになったことを……
「警備隊って、おまわりさん?」
「そんな感じ。とはいえ中が腐っていたから……」
「腐っていたって……」
「世の中にはいろいろとあるんだよ。俺も仕事をしていてずっと違和感を覚えていたけど、正しい行いをしているって思い続けていた。だけど……」
俺はとある貴族の噂を聞き、勝手に調査をしていた時に……
「……はな?」
「すぅ~」
いつの間にか寝ているし、続きは明日でいいか。
俺ははなを背負い、はなの母親に部屋の場所を聞き、寝かせるのであった。
「そういえば……あのとき助けたあいつ……どうしてるんだろう?」
貴族の家で助けたあの子、イェーガーズに入って幾度となく戦った少女。サヨはあっちで生き残ってるのかな?
クライアス社
黒と紫が基調の奇怪な衣装の少女と金髪に褐色の男がある話をしていた。
「上層部から報告書の催促が来ています。迅速かつ速やかな提出をお願いします」
「そういわれてもな~ルールーちゃんには教えてあげようかな。実は見たことのないプリキュアが現れちゃって、しかも二人。おまけに変な武器を使う奴らも出てきたしね」
「捜索中のプリキュアではないと、速やかに報告書の提出を」
「ダメダメ、そんな事したら上司に叱られちゃうじゃん。おまけに出すとしてもあのおかしな奴らの事も調べて書かなきゃいけないじゃん」
「おかしな奴ら……そいつらが使っている武器、帝具と呼んでいなかったか?」
突然二人の前に白髪の男が現れた。金髪の男……チャラリートは白髪の男を睨みつけた。
「誰?あんた」
「こちらはクライアス社研究部門所長です」
「研究部門?あぁそんなのあったね~何しているかわからないけど、話に割り込まないでくれない」
「いやいや、済まないが私自身興味があってね。チャラリートくん、次出る時、教えてくれないか?できれば私と6人の精鋭たちが挨拶したくってね。君が望むなら帝具使いの足止めをしてやろう」
「へぇ、面白いこと言うじゃん。いいよ乗った」
「所長。上層部から苦情が来ています。実験を行うのはいいが誤作動が多いと」
「誤作動。違うな。あれも実験の一つだ。そして実験は完遂した結果が6人の精鋭だ」
白髪の男は笑みを浮かべるのであった。
数日後、俺は警備員の仕事をそつなくこなしつつ、初めての休日のこと。はなたちと一緒にハリーの家に行くと何故かハリーは目の下に隈を作り、疲れた顔をしていた。
その理由はどうやらはぐたんの夜泣きが原因だった。どうにもここ最近落ち着かなくって大変みたいだ。
「何だか悪いな。手伝えなくって」
「ええって、ミナトも仕事が大変やろ」
ハリーがそう言うけど、本当に申し訳ない。さあやはパソコンというやつで調べていると
「赤ちゃんは新しい環境がなれなく、不安で愚図ることがあるって」
「便利なものがあるんだな……」
「使い方教えますか?」
「こっちで仕事する以上、ミナトは覚えたほうが良いですよ」
「機会があったらな。それにしても不安か……」
はなはそれを聞いて、変顔をしてご機嫌を取ろうとするがはぐたんにそっぽ向かれていた。
「こういうときいいもんがあった気が~そやあれがあった」
ハリーは鞄の中を漁ると中から変な板を取り出した。
「わぁ~!何?それ!タブレット?」
また機械的なものか。色々と勉強することが増えたな。この間なんか自動車を鉄の箱とか言い出しちゃったからな……
「プリキュアだけが使えるパッドや。色んな事が出来てなぁ。はぐたんが困った時にでも調べられる、超イケてるしろもんや」
「すごーい!!…って、そんな便利な物があるなら早く出してよ!!」
ハリー曰くミライパットを使えば、はぐたんが望むものが映し出されるみたいだ。早速反応が現れ、俺らはそこへと向かうのであった。