台車に乗ったまま坂道を下っていくはぐたん。俺とはなは急いで追いかけていくが、さっきの戦いと坂道を登ったせいなのか、体力的に限界が近い……
「このままじゃ……誰か……助けて……」
はなが助けを求めた瞬間、一人の女の子が飛び出してきた。
「私が台車を止めるから、あなた達はあの子を」
少女は急いで台車まで行き、何とか止めた。その止めた勢いではぐたんが宙を舞うがはながなんとかキャッチをした。
「よか……」
安心した瞬間、はなは勢いのままはぐたんを抱いたまま坂を下っていく。一難去ってまた一難かよ……
しかもこのまま行けば車に轢かれる……
「くそ!!」
「待って!!」
俺と少女は急いではなを追っていくのであった。
坂を下り終えた先にある海岸には少女と似たような格好をした5人の女の子がはなとはぐたんを助けてくれたみたいだった。
「ひまりん、あおちゃん、シエル、ゆかりさん、あきらさん、助かりました」
「悪い、連れが迷惑をかけた」
「いえ、大丈夫です」
「いきなり来たからびっくりしたよ」
「それにしても色々と災難ね」
「まぁ怪我もなくって良かったよ」
「そうね」
茶髪の少女、青い髪の少女、金髪の少女、赤髪のしょう………じょ?紫色の髪の少女のおかげで助かったみたいだな。
「大丈夫か?はな」
「な、何とか……」
これ以上災難は起きないよな。そう思っていると海岸の奥の方にある店から誰かが出てきた。
「騒がしいけど、何かあったのかい?」
出てきたのは調理服を着た一人の男だった。何だかどこかで見覚えがあるんだけど……
男はこっちにやってくると俺を見て驚いていた。
「き、君は……」
「誰だ。お前?どっかで会ったか?」
「あれ?ナタラさんの知り合い?」
ナタラ?どこかで聞き覚えがあるような……
必死に思い出してみるとクロメを必死に守る一人の男を思い出した。
「おまっ、クロメの躯人形の!?」
「「「「「躯人形?」」」」」
「あら、何だか聞き慣れない言葉ね。ナタラ、何かまだ隠しているでしょう」
紫色の髪の少女に問い詰められるナタラ。何だか余計なことを言ったな。いや、待てよ。ナタラはアカメが帝国にいた時の知り合いのはずだよな。何で俺のことを知ってるんだ?
キラキラパティスリーに案内された俺たちはお互いに自己紹介を始めた。
「野乃はなっていいます。助けてくれありがとうございます」
「俺はミナト・ユウだ」
「宇佐美いちかです」
「有栖川ひまりっていいます」
「立神あおい。よろしく」
「琴爪ゆかりよ」
「剣城あきらです」
「キラ星シエルよ」
「はなちゃんとは前にあったことあるよね」
「はい」
「あれから赤ちゃん用のスイーツを調べてて……じゃなかった。ミナトくん、ナタラさんのこと知ってるんですか?」
「ん……えっと……詳しいことは知らないと言うか……」
俺とナタラの関係を話すにしても、この子達はどこまで知ってるんだ?俺はナタラの方を見た。
「いちかちゃん、みんなには話したよね。俺がどんな世界にいて、どんなことをしてきたのか……そして最後どんな風になったか」
ナタラがそう告げた瞬間、いちか達は少しうつむいていた。
「うん、死んでても戦わされたんだよね。でも、操っていた人は……」
「いちかちゃん、分かってるよ。彼とは死んだ状態……躯人形の状態で一度戦ったことがあるんだ」
「ナタラ、その時の記憶があるのか?」
「あぁ、この世界に来たせいなのか……」
ナタラの話を聞く限りじゃ、俺が来るずっと前にこの世界に来ていて、いちかたちと一緒に戦ったらしい。つまりハイトはずっと前から動いていたって言うことか……
「最初は色々戸惑ったけど……いちかちゃんたちに色んなことを教えてもらったおかげで救われた気がする」
「そんな~」
「おまけにいちかちゃんとナタラさん、お付き合いしてるんですよね」
「いちかの一世一代の告白はすごかったな~」
「確かに、私達がいるのにも関わらずに告白してたもんね」
「そうそう、今でも二人っきりでお菓子作りしちゃってるし。私達は邪魔にならないようにしてるしね」
「まぁナタラさんのことを考えたら、いいことだからね」
「でも未だにキスはしてないみたいね」
「「っ………」」
いちかとナタラの二人はひまり達に誂われて、顔を真っ赤にさせていた。何というか幸せならアカメとクロメに話したら喜ぶだろうな……
とはいえ、こうまで誂われるとちょっとな……もし俺にそういう事があったら気をつけないとな。
「それにしてもその子、あなた達二人で面倒を見てるの?」
ゆかりがそういった瞬間、俺はここに来た目的を思い出した。そうだ。俺たちは……
「いいえ、私の友達のさあやとほまれって言う子、あとはミナトくんの仲間の人たちも……そうだった!?」
はなもようやく目的を思い出してくれたか。
「私達、その友達を助けるためにプリキュアを探しに来たんです」
「この街にいるらしいけど、何か知って………るわけないよな」
プリキュアを探しに来たことを伝えると何故かいちかたちが苦笑いを浮かべていた。どうしたんだ?まさかと思うけど……いやいやプリキュア同士惹かれ合うとかそういうことじゃないよな。
まさかと思い、いちか達がプリキュアじゃないかって聞こうとした瞬間、店の外が騒がしくなり、全員で外に出るとそこには緑の扉が現れ、ウソバーッカが現れた
『ウソバーッカ!!』
「あいつは!?」
「何あれ?」
「いちかちゃん、アレが私の友達を……」
「おまけに俺の帝具も盗られてるんだよ」
ウソバーッカはオレたちの方を向くとビームを放ってきた。俺は咄嗟に駆け出そうとした瞬間、いちかたちがまばゆい光に包まれ、動物の耳をつけた姿に変わった。
「いちかちゃんたちがプリキュアだったの!?」
「あぁ、彼女たちは伝説のパティシエと呼ばれた存在」
「プリキュアだペコ」
どこからともなく現れたぬいぐるみ。こいつ、ハリーみたいなやつか?
「プリキュアのことを知っているということは、はなちゃん、君もだね」
「は、はい。でも……」
「今はアスパワワ……変身できるエネルギーみたいなもんが奪われてるんや!」
ハリーの説明を聞き、ナタラは薙刀を構えた。
「それじゃ俺も行くとするか」
「だったら俺も……」
「ミナト、君は帝具を奪われたんじゃ……いや君の持っている刀は……」
ナタラは桐一文字を見て、驚いた顔をしていた。何だ?知ってるのか?
「アカメが使っていた臣具を君が持っているとはね」
「これ、アカメが……」
あいつは昔、桐一文字を……何というか刀に縁があるというか……
「行くよ。ミナト」
「あぁ、ナタラ」
俺とナタラもウソバーッカに闘いを挑むのであった。