「ふふ、素敵なトゲパワワ発見」
ナイトプールの建物上にジェロスとスーツ姿の二人組、そしてコート姿の二人組が立っていた。
「さぁ、素敵なナイトパーティーの始まりね。よろしく後輩くん達」
「始末書上等!」
「残業歓迎!」
「「かしこまり!!」」
「で、メラルドはどこに行ったのかしら?」
「メラルド様はナンパしに行きました」
「可愛い女性を見かけたらしく………」
コート姿の二人の話を聞き、ジェロスは溜息をつくのであった。
「本当に自由ね。そのうち戻ってくるだろうし、その間遊んであげなさい」
みんながプールを楽しむ中、俺はえみるとルールーの二人と一緒に舞台の裏に来ていた。
「さぁ始めるのです」
「えぇ」
「本当にやるのか?」
「当たり前なのです。こういった機会じゃないと出来ないのです」
「町内会長さんにはすでにOKをもらっているので大丈夫です」
「そっか、それだったら楽しめよ」
「「はい」」
二人がミライパットでアイドルの姿に変身し、ライブを始めるのであった。俺は二人のライブを見つめていると、突然殺気を感じ、レガオンを抜くと……
「この間ぶりですね。ミナト・ユウさん」
コート姿の奴が一人、オレの前に現れた。こいつは前に戦った……
「メラルドの部下か……悪いけどライブの邪魔をするなら容赦しないぞ」
「邪魔ですか?私はそんなつもりは………」
そいつが言い終わる前にレガオンを左腕に装着し、斧で斬りかかろうとするが、そいつはレガオンの上に乗って回避していた。
「早いですね。でも私には効かないですよ」
鋭い蹴りが襲いかかり、ギリギリのところで防御する。そいつはコートを脱ぎ、姿を見せた。
白髪に、褐色の肌、両腕に篭手に鋭い針がついていた。
「私は巨針蟻。メラルド様の部下の一人です」
「巨針蟻?」
「この世界に存在する最凶の蟻の名前です」
巨針蟻は笑顔でパンチの連打を繰り出していった。俺は防いでいくが威力が強くそのまま吹き飛ばされた。
吹き飛ばされた先にはスイカの猛オシマイダーが現れていて、奴から発せられるトゲパワワがプール内に満ち溢れ、ナイトプールに来ていた人々が倒れていた。
「ミナトくん!?」
「何があったの!?」
「敵の襲撃だ。しかもかなり厄介な……」
「敵ってあれ?」
ほまれが指を指した方向を見るとそこには巨針蟻とは別のコート姿の奴がいた。奴はコートを脱ぐとウェーブかかった短いの少女。その手には二又の槍が握られていた。
「巨針蟻に手痛くやられてるみたいね。それじゃ今度は私、兜虫が相手よ」
兜虫がこっちに迫り来る中、タツミとウェイブの二人が前に飛び出て、兜虫の突進を止めた。
「大丈夫か?ミナト」
「何だこいつ……見かけによらずすごい力だ……」
「見かけで判断しちゃ駄目だよ。君たち」
タツミとウェイブの首を掴み、片手で持ち上げる兜虫。どんだけすごい力なんだよ
「ぐっ……こいつ……」
「ヤバすぎだろ!?」
「あんた達を押さえつけておけば、世界はトゲパワワに満ち溢れる」
このままじゃまずいと思った瞬間、えみるとルールーの歌声が響いてきた。二人の歌声から溢れてくるアスパワワ。
この場所に溢れていたトゲパワワを全て吹き飛ばしていく。そしてさっきまでトゲパワワに苦しんでいた人々からアスパワワと笑顔が溢れてきた。
「みんなから笑顔が……アスパワワが……」
はなはこの光景を見て、嬉しそうにしていた。
「笑顔は守るだけじゃない。笑顔が力をくれる……」
「何よ。この歌!?巨針蟻!!」
「邪魔させてもらうよ!!」
巨針蟻が二人を目掛けて、上から襲ってくる。俺は咄嗟に駆け出そうとした。
「………スサノオ!!無粋なことをするやつを吹きとばせ」
「わかった!!」
襲いかかる巨針蟻を誰かが殴り飛ばした。今のって……まさか……
「どうやら間に合ったみたいだな」
この声、あんたたちまで来てたんだな
「ボス!?スーさん!?」
眼帯に義手の女性、俺達ナイトレイドのボス、ナジェンダとその帝具スサノオことスーさん。もしかしてドクターの装置で来たのか?
「積もる話があるだろうが、今はこいつらを何とかするぞ。ミナト、タツミ、ウェイブ」
「了解、ボス」
「ウェイブ、まだ戦えるな」
「当たり前だ」
俺たちは立ち上がると、兜虫とさっき殴り飛ばされた巨針蟻が無傷で立ちはだかった。
「今のは効いたよ。でも戦いはこれから」
「あんたらを潰させてもらうよ」
「ミナトくん……」
「オシマイダーは任せたぞ」
「うん」
はなたちがプリキュアに変身し、猛オシマイダーに立ち向かっていく。俺、タツミ、ウェイブ、スーさんで兜虫と巨針蟻と戦おうとした瞬間、俺達の周りに無数の虫が現れ、囲んできた。
「下手に動かないほうが良いわよ。この子達は猛毒を持ってるからね」
「この声は……メラルドか!!」
どこからともなく聞こえてくるメラルドの声。俺たちの動きを止めるために……どうすれば……
「この無数の虫を全て倒すのは無理よ。兜虫、巨針蟻、その間にプリキュアを捕まえなさい。たっぷり可愛がって…………!?」
メラルドの言葉を遮るように俺たちの周りにいた無数の虫が全て燃えていった。この炎は……
「遅くなってごめん。ウェイブくん、ミナトくん」
虫たちが全て燃やし尽くされ、俺達の前には見覚えのある人物が立っていた。あんたまでここに来てたのか……
「あの人……さっきの……」
「君は……そっかさっきの子なんだね」
「「ボルスさん!!」」
ボルスさんまでこの世界に来てるなんて……というかキュアエールと面識あったのか
「虫は僕がどうにかするから、ミナトくん、君は彼女たちと一緒に」
「わかった!!」
俺はプリキュアたちの所に向かおうとすると、メラルドが立ちはだかる
「邪魔はさせない!!」
「それはこっちのセリフだ!!メラルド・オールベルグ!!」
メラルドの眼の前に氷塊が落ちてきた。この氷はエスデスの……
「エスデス……あの時以来ね」
「お前に襲われた以来だな。今度は逃さないぞ」
「それはこっちのセリフ!!皇具『蠱毒針・ベスティヨル』」
メラルドは鋭く尖った針を取り出し、エスデスの剣を防いでいた。メラルドは任せても大丈夫だな。
俺は猛オシマイダーに向かって、レガオンを叩きつけるがやっぱりダメージが与えられない
「ミナトさん!?」
「くそ、倒す力がなくっても……」
それでも何かしら出来ると思った瞬間、突然桐一文字が光りだした。この緑色の光はクローバーの……そうか、力を貸してくれるんだな
「桐一文字!!」
桐一文字で猛オシマイダーを切りつけた瞬間、猛オシマイダーが苦しみだした。やっぱり思った通り、クローバーのおかげで浄化の力が宿ってる。
猛オシマイダーが俺に向かって、攻撃を仕掛けてきそうになった瞬間、
「マシェリポップン!」
「アムールロックンロール!」
マシェリとアムールの二人の攻撃で、猛オシマイダーの動きを止め、俺は追撃の斬撃を与えた。
「マシェリ!!アムール!!」
「心のトゲトゲ」
「ズッキュン打ち抜く!」
「「ツインラブ・ロックビート!!」」
二人が浄化技を放ち、オシマイダーが浄化されていった。そして戦いが終わるとメラルド達の姿もなかった。
改めてボスとスーさん、ボルスさんの三人に話を聞くことになった俺、タツミ、ウェイブ。
「それじゃボスたちはつい最近来たばっかりなんだ……」
「あぁ、突然この世界に来て困っていたところをあいつらに助けられてな」
ボスの視線の先にはチャラリート、パップル、それとあのおっさんは……誰だっけ?どうにも見覚えがあるけど……
「あいつらから大体の話は聞いてる。ミナト、ナイトイェーガーズはお前に任せたぞ」
「俺で良いのか?俺よりボスのほうが……」
「お前をきっかけに集まったんだろ。ナイトイェーガーズはお前がリーダーだ。何かあったらすぐに駆けつける」
「ボス……スーさん……」
「ミナトくん、妻から聞いたよ。危ないところを助けてくれたんだね。僕もこの世界に呼び出され、妻たちと再会できたよ」
「そっか……でもせっかく再会できたんですから戦わなくっても……」
俺としてはボルスさんには戦いに巻き込まれず、家族と一緒に平和に過ごしてほしいけど……
「確かにそういう道もあったけど、みんなが戦ってる中、僕だけ平和に過ごすことは出来ない。みんな一緒に平和に過ごすために戦うよ」
「ボルスさん……」
ウェイブもボルスさんの言葉を聞いて、感動していた。それにしてもこれで全員集合か……これから先の戦い、頑張らないとな
「ミナトく~ん、一緒に写真撮ろう」
「あぁ、みんな行くか」