ドラマの休憩中、さあやは母親であるれいらに声をかけた。
「あのお母さん」
「何?」
「私、まだ女優になりたいか迷ってるの。それに迷惑かかってない?」
「迷惑って?」
「その……お母さんの仕事の邪魔になってたりしてないかなって」
そう問うさあや。するとれいらはため息をつき、さあやにこう答えた。
「あなたはどうなの?」
「えっ?」
「例え実力でつかんだ仕事でも『薬師寺れいらの娘だから』『親の七光りだから』、そう言う人は必ずいるわ。その覚悟はあるの?」
「………わからない」
「決して女優だけがあなたの道じゃないわ」
れいらはそういって立ち去っていくのであった。さあやは一人悩んでいた。こういうときはやっぱり声をかけるべきだろうか……
そんな事を悩んでいるとドラマの監督がさあやに抱きついていた。さあやは悲鳴をあげるとスタッフの女性に叩かれるのであった。
「大丈夫か?さあや」
「ミナトさん……」
「あら?さあやちゃんの彼氏?」
「ち、違います。彼はその……」
「友達ですよ。それにしてもここにいるスタッフさんはさあやの事を知ってるんですか?」
「えぇ、知ってるわよ」
「もしかしてオレのこと覚えてない?」
叩かれた監督が起き上がるとある話を語りだした。
れいらは赤ん坊のさあやの面倒を見ながらドラマの撮影にのぞんでいたらしい。最初は監督に反対されていたけど、れいらは『育児も撮影も手を抜きたくない』と言うのであった。監督もそれを聞いて、力を合わせたいと気持ちになった。
「それからあいつはすごく頑張ったよ。女優の仕事もお母さんも……もちろん修司も、そして俺達も……だからあいつは最大限輝けたし、君もこんなに大きくなった」
「子供はそうやって大きくなっていく」
「俺達は君たち親子を応援したいだけ……」
「そっか……」
それかられいらが一人で包丁でネギを切っている姿を外から覗いていた。
「役作りのために休憩中はいつもああやって練習しているんだ」
「キッチンの女王が……」
「意外です。そんな一面があったなんて……」
「そうだった……お母さんは昔からちょっと不器用で、でもすっごく頑張り屋で、一緒にいられる時間は少なかったかもしれないけど……その分いっぱい遊んで、わらって、抱きしめてくれた。だからわたし……いつもテレビに出ているお母さんを見ながら、応援してたんだ。すごい!頑張れって、お母さんがすごく素敵だったから……」
さあやは自分の原点を思い出した。自分が向かうべき道に迷ったら原点に戻るのが一番いいみたいだな
「そっか、私、お母さんのいる向こう側に行ってみたくて……それで……」
さあやも答えを出たみたいだな。そう思った瞬間、突然桐一文字が反応した。
「それが前に言ってたトゲパワワを感知する桐一文字か……」
ラバが興味深そうに見ていた。
「クローバーの力があってこそだけどな」
俺達は反応が強いところへと行くとそこにはカメラ型猛オシマイダーが暴れていた。はなたちはプリキュアに変身し、俺とラバも一緒に戦おうとした瞬間、俺達の前にコスミナが現れた。
「久しぶりだね~ナイトイェーガーズ!!」
「ずいぶんと久しぶりじゃないか。修理に時間がかかったのか?」
「修理と改修かな?早速見せてあげるよ!私の新しい力を!!」
コスミナが一瞬で巨大なカマキリみたいな姿に変わった。この姿は……
「何だか前にタツミに聞いた姿と同じだな」
「新しい力っていうよりかは……いや、ほら、案外あの姿のときの記憶がないからじゃないのか?だから……」
「あぁそうか……」
『君たち、失礼だね。この姿が新しい力だとは言ってないよ!!』
コスミナが口から液体を吐き出し、俺とラバは避けると地面が溶けていた。そういえばかなり隠し武器とか持ってるんだっけか?
「ラバ!!」
「分かってる!!千変万化クローステール!!」
ラバがコスミナの体を糸で縛り上げ、動きを止めた。動きを止めればどんなに隠し武器を持っていようとも関係ない
「奥の手!第一段階!龍騎!」
真っ赤な鎧を身にまとい、縛り上げられたコスミナを思いっきりぶん殴ったが、何故か手応えを感じられなかった。
「これは……」
「ミナト!?上だ!」
ラバの声を聞き、上を見上げるとそこにはさっきまでのカマキリみたいな姿ではなく、鉢のような姿に変わったコスミナがいた。
『脱皮したんだよ。喰らえ!!』
コスミナは口から無数の針を飛ばしてきた。蜂の姿をしている以上、猛毒が塗られているに違いない。
俺達は避け続けた。
「どうする?ミナト!」
「糸で全部受け止められるか?」
「多すぎてきついな………」
「そっか。なら何重にも束ねたら?」
「奴の針がどこまで貫くかわからないけど、やって見る価値はあるな」
ラバは糸を何十にも束ねて、防護壁を作り出した。コスミナは防護壁に向かって針を打ち続ける。
『あはははは、そんなもの貫いちゃうよ!!』
「やれるものならやってみろ!その前に!」
コスミナの腹部に突然槍が突き刺さった。それはラバが糸を重ね合わせた槍だった。ラバは針で空けられた穴から槍を放っていた。
「今だ!!」
「あぁ、任せろ!」
俺は防護壁から抜け出し、狂龍騎に姿を変え、コスミナに一撃を食らわした。
『ぎゃああ!?』
「まだ倒れないか……だったら」
俺は拳を構え、とどめを刺そうとするがコスミナの前にドロテアが現れた。
「悪いが、まだコスミナを死なせる訳にはいかないな」
ドロテアは黒い穴を出現させ、コスミナと共に撤退するのであった。俺達はキュアエールたちの方を見るとすでに戦いが終わっていた。
それからドラマも無事に終わり、作られたネギ料理をみんなで食べていた。そんな中、さあやはれいらにある事を告げるのであった。
「いつかお母さんと共演したい。それが今の私の夢。どうかな?」
「私のいるこの高みまで登ってこられるかしら?」
「登って見せるよ!絶対に」
次回はオリストになります