えみるSIDE
「はぁ~」
ハリーハウスにて私はため息を付いていた。するとはな先輩たちが心配そうにしていた。
「どうしたの?えみる。ため息なんてついて……」
「珍しいじゃん。何か悩みごと?」
「いえ、ただ……その……」
「えみるちゃん。悩みがあるなら相談して」
「そうですよ。えみる。一人で悩んでいたらいつまでも解決しません」
「みなさん……あの実は……ミナトさんとのことなのですが……」
「なんや?あいつ浮気でもしたのか?あいたっ!?」
ハリーがほまれさんに叩かれた。
「あんた、ちょっとは気を使うってことを考えないの?」
「叩くこと無いやら!?」
「それでミナトさんがどうかしたの?」
「実は……キス以上のことをしてくれなくって……」
私がそう言った瞬間、何故かはな先輩たちが凍りついた。
「えっと……キス以上って……」
「何というか……そういうことだよね」
「えみるちゃん………」
「最近のことは考えることが大人やな」
「えみる。キス以上というのは?」
「恋人同士になったらその……自分で調べてみてください」
ルールーになんて説明をすれば良いのかわからない。というよりどうしてそういう知識がないのでしょうか?
「もしかしてミナトさんからしたら魅力がないのでしょうか?」
「そ、そんな事無いって、それだったら好きになったりしないよ」
「そ、そうだよ」
「そ、それにミナトって奥手そうだから……」
「まぁミナトも年頃だからな……えみるみたいな子には欲情しないんじゃないのか?」
「「「ハリー!!!」」」
やっぱり魅力がないのでしょうか?マシェリになれば今よりお姉さんになりますけど……
「検索完了しました。えみる、それでしたら調べてみれば良いのでは?」
「調べるですか?」
「ミナトの好みを知るのです。手始めに……」
ルールーは仕事中のタツミさんとマインさんに近寄り、
「ミナトが好きそうなものを教えてください」
「「はい?」」
何というか直球的すぎるのです
はな先輩たちが説明をし終えると……
「何というかその年でそういう事を考えるのは……」
「まぁこっちの人間は覚えるのが早いのよ。というかあっちでもそういった性癖な奴がいたでしょ」
「そりゃそうだけど……それにしてもあいつのそういったもんか……」
「たまにそういった本をラバから借りてたりしてるけど……というか本人に直接聞いてみたら?」
「そ、それは……何というか恥ずかしいのです」
(そういう事を俺達に聞くことの方が恥ずかしくないのか?)
「それではラバックに聞きに行きましょう。彼なら好みがわかるはずです」
私はルールーに引きずられながら本屋へと向かうのであった。
「はぁ?あいつの好きなエロ本?」
本屋に着き、ルールーが店主であるラバックさんにそんな事を聞いていた。
「はい、ミナトの好んで読んでいるものです」
「そうは言ってもな……あいつ、読み物がその日によって違ってな……」
「あ、あのルールー、もうやめましょう。きっと魅力がない私のせいです。これから先ミナトさんを魅了できるような大人になれば……」
「駄目です。今逃げたら駄目です。えみる」
「ルールー………」
ルールーは優しいのです。こんなことに付き合ってもらって……それも一生懸命に……
「たくっ、あいつは………そうだな。参考になるかわからないけど、最近があいつが読んだものは……」
ラバックさんが見せてくれたものを見て、私は顔を真赤になった。
「こ、これは……」
「なるほど……えみる、早速試してみましょう」
ミナトSIDE
何故か気がつくとベッドに横になっていた。いや、少し違和感を感じた。何で腕を縛られてるんだ?
「ミナトさん………」
眼の前には顔を真赤にさせながら、俺に乗っかかるえみる。これ、どういう状況だ?
それに俺に何があった?仕事が終わって、ハリーハウスに入った瞬間、何か痺れる感覚があって………
「ルールーの仕業か?」
「ミナトさん…………」
えみるが俺にキスをしてきた。引き剥がすこともできずにいる俺。何があったっていうんだ?
「ミナトさんは……襲うよりも襲われる方が好きですよね……だからその……」
…………最近読んだエロ本だよな。これ……
「あの……えみる……」
えみるが服を脱ごうとしてきた。俺は必死にやめさせようとするが腕が縛られて無理そうだった。
えみるは脱ごうとしているけど、中々できずにいた。ましてや泣き出してしまった。
「こ、こんな事無理です……」
「えみる……無理するなよ」
「ミナトさんが悪いんです。ミナトさんがキス以上のことをしてくれないのが……」
「えみる……」
「私、魅力ないですか?」
涙を流しながらそう聞いてきた。全く……そんなことを悩んでいたのか……
「えみる、お前は魅力的だよ。というかそういった行為をするためにお前と付き合ってるんじゃないからな」
「ミナトさん……」
「キス以上のことをしないのは……ちゃんとお互いに責任取れるようになれるまで……というよりクライアス社を倒して、世界が平和になるまではそれ以上のことをしたくないだけだ」
「……ミナト……さん」
「とりあえず外してもらっていいか?」
えみるに縄を外してもらい、そっと抱き寄せた。
「悪かったな。不安にさせて……」
「いいえ、私が悪いんです。勝手に焦って……しまい……」
「ゆっくりでいいからな。お前が俺を幸せにしてくれるのは……」
「はい」
えみるは笑顔で返事をするのであった。
「何というかミナトくんらしいね」
「そうだね」
「まぁちゃんと大事にしてるってことだよね」
「えみるも悩みが解決してよかったです」
「いや、よくねぇよ。お前ら……」
部屋の外に出て、のぞき見ていたはなたち。興味があるのは仕方ないとはいえ……
「ルールー、お前か?気絶させたのは?」
「はい、そうです」
「あのな……」
「ミナトが悪いんですよ。えみるを不安にさせて……」
ルールーは真剣な表情でそう告げるのであった。不安にさせるのが悪いか……
「とりあえずこういう事は実行に移さないで、ちゃんと話合いたい。えみるもわかったか?」
「は、はい」
うん、書いて後悔はないです。