ある日のこと、はな、ルール―と一緒にHAG-MANに行くとはなのお父さんとあれは……
「あれ?先生」
「こんにちわ」
「こんな所で奇遇ですね」
「野乃さん……それに警備員の……」
「ミナトです」
「いつも娘がお世話になっております」
「いえ、こちらこそ」
軽い挨拶を交わすとはなのお父さんは内富士先生が何を買いに来たのか聞くとどうやら紙おむつを買いに来たみたいだけど、躓いて肥料袋をあやしたり、赤ん坊の泣き声に反応したり何だか様子がおかしかった。
俺達は話を聞くと今度生まれてくる赤ちゃんに対して、自分は良い父親になれるかどうか悩んでいたみたいだった。
「妻はしっかりと母親になる心構えが感じられるんです。しかし私は……父親として何をしたらいいのか……どうしたらあなたのような父親になれるのでしょうか?」
「いえ、別に……」
「立派に野乃さんの父親をされてるんじゃないですか!」
「いや~てれますな~」
「はなを立派と言ってるわけではないです」
「めちょっく」
「立派な父親ね……」
そんなふうに悩むものなのか……
「父親になる覚悟を教えてください。修行させてください!なんでもしますから」
「わかりました。明日開店前にここに来てください。ミナトくん、きみの友だちも確か同じように父親になる子がいるんだよね」
「あぁ、タツミのことか?」
「彼も誘ってもらっていいかな?」
「わかった」
こうして内富士先生と本人が知らない間にタツミもパパ修行が始まるのであった。
次の日、ハリーハウスで昨日のことを話していた。
「というかタツミも急な話でびっくりしたでしょうね」
「まぁいい機会なんじゃないのか?」
マインが呆れながらそう言うけど、そういえばこいつ、普通に戦ってるけどお腹の中の赤ん坊に影響ないのか?
「マイン、大丈夫なのか?無理に戦うことは……」
「そこは安心しなさい。スタイリッシュに見てもらったら、転移の影響でどうにも体に大きな負担がかからないようになってるみたいなの。まぁ私が死なない限りこの子も死ぬことはないわね」
マインはお腹をさすりながらそういうのであった。何というか色々と影響を与えてるな……
はなたちは先生がいない間、奥さんが大変だということで、手伝いに行くことになった。俺、えみる、ルール―、マイン、ハリーでビューティーハリーを手伝うことになった。
「タツミのやつ大丈夫かな?」
「まぁ様子は見に行かせたから大丈夫よ」
見に行かせたって誰にだよ?
タツミSIDE
ミナトに言われるままにHAG-MANにてパパ修行をすることになったのだけど、何で荷物運びなんだよ
「では、荷物運びからいきましょうか!」
「えっ!?」
「いや、荷物運びって……」
「生まれてくる赤ちゃんのために、ね!」
これがどうつながっていくんだ?でもこう言う荷物運びだったら、良い修行になるな。
「内富士先生、頑張りましょう」
「は、はい」
「ちっ~す」
早速荷物運びを始めようとすると以前クライアス社の社員だった男がやってきた。
「今日入荷のチャラリンクスのキャップがほしんだけDO」
「申し訳ありません、開店前なのでまだ……」
「え~?困るYO!急ぐYO!午前中にチャラリンクス被って準備OK!」
何だかラップを始めるけど、何というか陽気なやつだな……
「ではその商品、これから運びますのでご一緒に」
「えっ?トゥギャザー?」
何故かチャラリートまで手伝うことになったのだった。
三人で荷物運びを始める中、いちいち余計な動きをしてるけど、サボったりしていないチャラリートがある意味すごいな……
「タツミ、修行の方はどうだ?」
「頑張ってる?」
するとウェイブとクロメの二人が声をかけてきた。何で二人がここにいるんだ?
「お前の嫁さんに様子を見に行ってこいって言われてな」
「荷物運びがパパ修行?」
「これがどうつながっていくかわからないけど……」
内富士先生は接客をしたり、赤ん坊の泣き声に苦戦をしたりしていた。
「………うるせえなあ。これだから赤ん坊ってキライだ」
チャラリートがそうこぼす。
「まぁ文句言っても仕方ないだろ」
「へいへい」
「大変そうだな……俺も手伝うぞ。クロメ、お前は……」
「私も手伝うよ。ウェイブが頑張ってるのに私だけのんびりできないから」
「クロメ……」
「ウェイブ」
何だか二人だけの空間ができているんだけど……
「ちょっち空気読んでほしいよな~」
「まぁな……」
チャラリートと二人で溜息をつくのであった。
ミナトSIDE
ハリーと一緒にHAG-MANにお弁当を買いに行くと何でウェイブ、クロメ、チャラリートまで仕事してるんだよ。
「もうかりまっか~」
「まっか~」
「何だか修行している人増えてないか?」
「はははは、何だか流れでね」
「パパさん、今日のおすすめ弁当何でっか?」
ハリーがはなのお父さんと話していると近くにいた女性客がハリーのことをイケメンとかどうとか言っていた。するとチャラリートがハリーをジロジロ見て……
「プッ、お前より俺のほうがモテるんだからな」
「なっ!フッ、あらへん、あらへん、俺の圧勝や」
二人が火花を散らす中、俺ははぐたんを抱きかかえ、
「はぐたん、こういうのが不毛な争いっていうんだぞ。覚えておけ」
「ふもう、ふもう」
そして何故かハリーまでHAG-MANで働くことになるのであった。早くえみる達にお弁当を届けたいのだけど、遅れるって連絡は………無理だな。携帯持ってないし……