はなの案内でたどり着いた場所は『たんぽぽ堂』と看板に書かれたお店だった。
「はなが連れてきたいところってここ?」
「うん!」
俺達は中に入ると和菓子のお店みたいだった。それにしても何だかいい雰囲気の場所だな。
「はな、本当に食べたりしても良いんだな?」
「うん、でもちゃんと手伝ってからだよ。クロメさんも」
いつものメンバーにアカメとクロメも一緒に来ていた。どうにも二人は和菓子につられてきたみたいだけど……
そんな中、えみるが何かを発見した。
「ぬああああああ……」
えみるが指を指したほうを見ると何かふわふわしたものがうごめいていた。
「何!?あのふわふわした物体?」
「地球を侵略しに来た宇宙人なのです!地球が侵略されてしまうのです!?」
「「宇宙人?」」
「アカメとクロメにはわからないか。要するに……危険種みたいなもんだよ」
「いや、その説明はどうかと思うけど……」
ほまれにツッコまれた。いや、だって宇宙人とかちゃんと説明しても二人はピンッと来ないだろうし……
「あっ、はな~」
「おばあちゃん!」
どうやらふわふわ物体ははなのおばあちゃんみたいだった。それにしても変わった髪型だな……
はなのおばあちゃん、たんぽぽさんに和菓子を作っているところを見せてもらうことになった俺達。
「はなのおばあちゃんは和菓子職人だったのですね」
「うん、そうだよ」
「それにしてもすごい髪型……」
「はなが友達を連れてくるって言うから、頑張っておしゃれしてみたんだけど、どうかね?」
まぁ、オシャレなんだろうな。というかやっぱりはなのおばあちゃんって感じがするな……
「おや、あんたは……はなから聞いてるよ。色々と大変みたいなんだね」
「……はな、なんて説明した?」
「えっと、ほら、お母さんたちに説明したときの……」
あぁ、物凄く苦労して一人旅していて、はなを助けたとかどうとかか……何というか適当な理由だけど、よく信じてもらえたな……
せっかくなのでお店の手伝いをする中、俺はたんぽぽさんの様子がおかしいのに気がついた。何だか無理をしている?
はなと一緒にお店の前で声掛けをしていると見覚えのある人物が声をかけてきた。
「こんな所で奇遇だな。野乃はな、ミナト」
「エスデス!?」
「エスデスさん、いらっしゃい。どうしてここに?」
「どうしても何も私はここの常連だ。お前たちは?」
「ここ、私のおばあちゃんの家なので、今日はそのお手伝いで」
「そうか……店主は本当に美味しいものを作ってくれるよ。どらやきをいくつか。あとひとつはここで食べていく」
「はい」
はなは笑顔でエスデスの注文を伝えに行くのであった。それとすれ違いにさあやが出てきた。
「エスデスさん、こんにちわ。アカメさんとクロメさんもいますよ」
「そうか、何をやってるんだ?」
「えっと……」
「アカメとクロメは食べているだけですね。まぁ今日の目的はそれでしたし……」
「ふふ、平和でいいな………」
「えぇ」
まぁ確かにこういうのんびりした時間は珍しいな。つい最近はいろいろとあったし、こういうのはいいかもな
はながエスデスに頼まれたものを持ってきた瞬間、隣の椅子に座っていた常連らしきおばあちゃんが何かを呟いていた。
「うん?美味しくないね……」
「「「えっ?」」」
「御婦人、今なんと?」
エスデスが険しい表情をしながら常連らしきおばあちゃんの方を見た。
「どうしたんだい?はな」
「たんぽぽさん、味が落ちたんじゃないのかい?」
「えっ?」
「あんこがかたすぎるよ。こんなの店に出すのかい?たんぽぽ堂のあんこはこんなんじゃなかっただろ」
「文句があるなら帰ってくれ!」
何だか揉め始めたな。エスデスも黙って話を聞く感じだし
「こんな和菓子じゃたんぽぽ堂もお終いだね」
そう言って帰っていく常連さん。怒ってる割にはどらやきを捨てたりしないんだな
すると店の中からみんなも出てきた。
「おばあちゃん、今のは……」
「家の常連さんのヨネさんだよ」
たんぽぽさんはそう言って店の中に入っていった。はなは試食用のどらやきをひとくち食べ……
「こんなに美味しいのに……」
「昔から知っている人からしてみれば味が変わったのかもしれないな」
エスデスもまたそんな事を呟き、一緒に店の中に入っていった。
それから目玉商品を作るということで巨大どら焼きを作ろうとするたんぽぽさんだったが、どうにも腰を痛めてしまったらしく、病院に運ばれるのであった。
はなたちは心配するが、たんぽぽさんは情けないところを見せたくないと良い、俺達を病室から追い出すのであった。
俺達はその帰り道、
「あんな元気のないおばあちゃん見るの初めて……」
「どうにかしてやりたいけどな……」
「さっきは悪かったわね」
どうすればいいのか考えているとさっきの常連さんのヨネさんが俺達に手を振っていた。
ヨネさんは昔のたんぽぽ堂のことを話し始めた。話を聞く限り本当にたんぽぽ堂のお菓子は好きらしいが、老いていくにつれて味が落ちていくのが許せなく、ついきついことを言ってしまったらしい。
そんな中、希望饅頭というものがあるらしく、はなはそれを作って元気づけようと言い出すのだが……
「レシピは?」
「えっと……わからない」
「それに素人の集まりだぞ……この中でお菓子作りが得意なのは……」
俺は全員を見るが誰も首を振っていた。俺もアカメも料理はできるがお菓子作りは……こういう時マインあたりがいたらいいんだけど……
フッと俺は見覚えのある二人組を見つけた。
「アカメ、クロメ、あの二人を捕獲してくれ」
「任せろ」
「行くよ。お姉ちゃん」
二人がすぐさま駆け出し、すぐにその二人を連れてきた。
「えっ?えっ?」
「アカメ、クロメ、どうしたんだい?それにミナト達も……」
俺が見かけたのはナタラといちかの二人だった。この二人だったら……