HuGっと!プリキュア 竜騎の暗殺者   作:水甲

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第83話 はなの過去と思い

夏休みも終わり、はなたちも学校が始まった。そんなある日のこと、はなたちと帰る途中……

 

「見て、見て、ここ私も写ってる~」

 

はなはキュアスタに写されたある記事の写真を俺達に見せた。これってこの間の温泉での……

 

「もしかして誰かがはなちゃんの魅力に気づいて、スカウトが来ちゃうかも~」

 

はなは嬉しそうに話していると、そこに一人の女の子が声をかけてきた。

 

「野乃……のの……」

 

「えっ?」

 

はなはその子を見て驚きを隠せないでいた。その子は直ぐ様どこかへ逃げ出してしまい、はなも暗い顔をしていた。

 

「知り合い?」

 

「あ、うん、前の学校のね……」

 

前の学校……ということはあの事に関係している子なのか?はなは誤魔化すが、ハリーハウスに行く道を間違えたり、様子がおかしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてハリーハウスでも料理を焦がしたりしていた。さあやもほまれもルールーもえみるも気にしていた。

 

「はなの様子がおかしいです……」

 

「えりちゃん……あの人は……」

 

みんながはなの事を気にする中、俺はチェルシーにはなの事を話した。

 

「なるほどね……ミナトはずっと前から知ってたんだ」

 

「まぁ聞かされていたからな」

 

「それでどうしたいの?」

 

「それがわからないんだ……今回の件ははなが乗り越えるべきことだしな……」

 

「力を貸さないっていうことかな?」

 

今回ばかりはどう力を貸せば良いのかわからない。というかこういうのは本当に慣れてない

 

「はぁ、仕方ないよね。人の心を傷つけるような奴らがいたら、私達は暗殺してきたしね」

 

「だよな……」

 

「とりあえず様子を見るしかないんじゃない?」

 

「そうだな」

 

俺ができることは……あるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クライアス社

 

ジェロスが失敗続きの部下、タクミとジンジンをジョージにクビにしてほしいと頼み込む中、研究室では……

 

「改修完了だ。フォルシュ」

 

「ありがとうございます。ハイト様」

 

「今のお前なら暴龍騎を完全に使いこなせるはずだ」

 

「はい、そしてミナトを抹殺すれば良いのですね」

 

「頼むぞ。フォルシュ」

 

「分かりました」

 

フォルシュが姿を消すと同時にドロテアが研究室に入ってきた。

 

「ついに完成したのだな。ヤツの皇具が」

 

「あぁ…」

 

「そして残すところはお前の皇具だけじゃな。ハイト」

 

「リュウト、カノンが残したものは?」

 

「既に発見しておる。闇の力を2つ」

 

「ならば作り始めようか。デウスマストの力とノワールの力……そして」

 

ハイトは試験管を一つ取り出し、ドロテアに見せた。

 

「トゲパワワか……」

 

「3つの闇を合わせ、至高の帝具を超えうる究極の皇具がついに……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

散歩がてら歩いているとさあやとほまれの二人とばったり会った。そういえば二人共、ダンススクールに行くとか言ってたな

 

「ミナトさん、どうしたんですか?」

 

「珍しいじゃん。あんたがこんな所にいるなんて」

 

「ちょっとした散歩だよ」

 

「……あのミナトさん、お聞きしたいことがあるんです」

 

「何だ?さあや」

 

「はなのこと、なにか聞いてますか?」

 

やっぱりその話か。二人なら話してもいいかもしれないな

 

「俺もすみれさんに聞いた話だけど、実は……」

 

「ん?あれって……」

 

俺が話しだそうとした時、ほまれがなにかに気がついた。僕とさあやが振り向くとそこには、はなの昔の……

 

その子は俺達を見て、直ぐ様逃げ出そうとするがさあやが手を掴んだ。

 

「待って、話聞かせてほしいの」

 

「話聞いてくれるの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近くのカフェで俺達ははなの友達……えりと話をすることになった。

 

「私……ひどいことしちゃったから……」

 

えりは語った。チアダンス部でセンターで踊ることになったえりを、他の人たちは認めず、いじめていた。

だけどそんな時、はなが止めに入った。

 

『やめて、こんなのかっこ悪いよ』

 

「ののたんは私を助けてくれた。でも……そうしたら……」

 

止めに入ったはなをいじめ始めたって言うことか。何というか改めて話を聞くと胸糞悪いな。

 

「そのままののたんは転校して……いつも助けてくれたのに……私は、自分のことが大切でののたんを守れなかった」

 

えりは涙を流していた。さあやもほまれもどうしたら良いのか分からないでいる中、俺は……

 

「お前は何しに来たんだ?」

 

「えっ?えっと……謝りに……」

 

「そっか……それだったらしっかり謝ってやるんだ」

 

「で、でも許してもらえるか……」

 

「許すも何もあいつは……いや俺が言うべきじゃないな。でもえり、お前ははながいじめられた時やるべきことがあったはずだ」

 

「ちょと、ミナトさん」

 

「あのさ、あんたはそういう経験がないけど……」

 

「二人共、悪いけど黙ってろ。いじめられたはなを助けることは他にだってあるはずだった」

 

「他に……」

 

「誰かに相談してやるんだよ。はなを助けてって……」

 

「……相談する……」

 

「断られても、断られても……きっと誰かが手を差し伸べてくれたはずだ。まず俺がそうしていた」

 

「……はい」

 

えりは泣きながら頷いた。にしても程度は低いけど人を平気で傷つけるやつはどんな世界にもいるんだな

 

「俺がいたらぶん殴ってたのに……」

 

「ミナトさん、それは……」

 

「殴るのは駄目だと思うよ」

 

「いやいや、俺だけじゃないぞ。セリューだって殴ってたかもしれないし……」

 

それからえりは今度チアダンス部でやるステージを見に来てほしいとはなに頼んでほしいと頼んできた。

これがきっかけにはなも一歩進めれば良いのだけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハリーハウスに戻り、俺達ははなにえりとの話をし、ステージを見に来てほしいの話もした。

 

「えりちゃんが……」

 

「はなに謝りたいんだって……でも無理して会わなくてもいいと思う」

 

「その前にちょっとまってもらっていいかな?」

 

「えっ?」

 

「昨日誤魔化してごめん。やっぱかっこ悪いなって思ってたから…」

 

はなは過去のことを明かさなかったことに対して、引け目を感じていた。

 

「かっこ悪くなんてない!はながやった事、絶対間違ってない。すごくイケてる事だよ!」

 

「かっこ悪いのは誰かの心を傷つける人達!」

 

「……ありがとう。わたし、ずっとエリちゃんに嫌われちゃったんじゃないかと思ってたんだ。わたしがした事、お節介だったんじゃないかって…だから顔合わせると言葉が出なくなっちゃって…」

 

「そんな事ないと思うぞ。それだったら謝りたいって気持ちは出てこないだろ」

 

「ミナトくん……」

 

「勇気を出してもう一度エリちゃんの心に触れたとしても、うまくいくかどうかはわからない。けど、はなにはわたし達がいる!」

 

「だってわたし達、はなの事大好きだからさ」

 

そしてえみるとルールーも駆けつけて、はなを応援するために歌を送り始めた。

はなは涙を流しながらも、笑顔で……

 

「ありがとう、みんな……わたし、みんなに会えてよかった!」


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