アンリの前に現れたクライアス社のリストル。というかまだ俺のことを諦めてなかったのかよ。あの社長は……
「クライアス社?」
「明日を消し去り、時を止め、皆を安らぎに導く会社です」
「俺は前にも断ったはずだぞ」
「社長は貴方のことを諦めていない。ミナト・ユウ。君はこちら側にいるべき人間だ」
リストルはそう言うが、俺はえみるが作ってくれる明日を信じている。
「それに何で僕を?」
「君の心の奥に隠している気持ち、時間を止めたい思いがあるからですよ」
「アンリ、くだらない話を真面目に聞く必要はないぞ」
「………」
リストルはアンリの心の奥に隠している気持ちを知っているのか?人の心を利用するだけはあるな……
「いつでもご連絡を」
リストルはそう言い残して姿を消すのであった。残された俺達は……
「誘われるならプリキュアだと思ってたな」
「まだ諦めてなかったのかよ」
「アンリさんがプリキュアに!?」
気がつくとえみるが木の陰に隠れながら俺達の様子を見ていた。いつから……いや多分だけど最初からだろうな……
「アンリさん!ミナトさん!クライアス社の言葉に耳を傾けては駄目なのです!悩みがあるのであればこの愛崎えみるに相談するのです!」
「じゃあ相談。僕って何者?」
「えっ?」
アンリは俺達に語り始めた。自分が抱えるものを……
「いつまでも美しくありたいと思っていた。だけど時が経つにつれて、背は伸び、声だって低くなる。いろいろな噂、カテコライズ……そこに真実があればいいのに……生きづらい時代だね。みんな他人のことを気にしている。一人になれば何も気にしないですむのかな?」
アンリは変わっていくことを恐れていっているから、真実の自分がなんなのか分からないでいるのか……
「ミナト、君はどうなんだい?」
「俺はアンリとは違うよ。ただ……」
えみるは俺に幸せな明日を作ってくれるって約束してくれた。だけど俺はもう一つ気にしていることがある。
それは平和になったあっちの世界のことだ。今は平和だけどいつかまた大臣みたいな奴が現れて、平和から絶望しかない世界に変わってしまったら……
「俺は俺だけのことを心配してるんじゃなく、その先のことを気にしてるみたいだな」
「……わたしはお兄様を抱きしめてくれたアンリさんに感謝しています。みんなに期待されると心がギューとなる時があります。けど私は……誰かと一緒にいたいんです。誰かのために歌を……」
えみるもえみるなりに答えを見つけているみたいだな。
「アンリさんにも教わったことがあるのです。それは自分を愛することです。そして……」
えみるは俺に近寄り、ぎゅっと抱きついてきた。
「ミナトさん、未来を信じてください。きっと信じれば……」
「えみる……」
えみるは俺が抱えているものを聞かないでいてくれる。そうだよな未来を信じていけば……変わったとしてもきっと……
次の日になり、アンリの演目が始まった。アンリは昨日のことを特に気にしないで続けていったが、一瞬だけど動きが変だった。
「今のは?」
「ミナト、気がついたか」
ブラートの兄貴も動きが変だっていうことに気がついている。だけどアンリは特に問題なく滑り続けている。
すると突然音楽が止まった。
「何だ?トラブルか?」
「機械とかのトラブルだっていうのか?」
「どうするの?このままじゃ……」
「………」
タツミたちが動揺する中、俺はえみるの方を見た。えみるも自分が何をするべきか分かっているみたいで、頷き、演奏を始めた。
「すごい!アンリ選手とツインラブのコラボ!」
アナウンサーのはなたちもそういい、ショーは無事に終わりを告げ……そうになかった。
突然会場に猛オシマイダーが現れ、アンリを捕まえてどこかへ向かっていく。
「はな!みんな!」
「うん!みんな行くよ!」
はなたちはプリキュアに変わり、俺達も帝具を取り出し、猛オシマイダーを追いかけていく。
キュアエトワールが追いつき、猛オシマイダーを吹き飛ばし、アンリを救出するが、猛オシマイダーの猛攻にキュアエールたちが吹き飛ばされていってしまった。
「みんな!?」
「よそ見をしてていいのか?」
突然背後から声が聞こえた瞬間、俺は何かの衝撃を受け、近くの木まで吹き飛ばされた。
そしてさっき攻撃をしてきた人物をみると巨大な大剣を手にしたハイトだった。
「お前が出てくるとはな……」
「試運転のためにな」
「油断してんじゃねぇぞ!!」
タツミがそう叫び、ブラートの兄貴と挟む形で攻撃を繰り出すが、大剣から発生したバリアに防がれた。
「こいつ!?」
「それも皇具なのか!?」
「ふむ、インクルシオに対しては有効だな」
「……ごめんなさい」
いつの間にか接近していたシェーレがバリアを切り裂き、俺は狂龍騎になり、ハイトに殴りかかる。だがハイトは大剣を手にし、俺とシェーレを吹き飛ばしていく
「バリアを破ることは予想済みだ。威力もまた絶大!!」
「くそ……」
俺が吹き飛ばされた場所にはアンリがいた。そして俺達二人の所にリストルが現れた。
「あいつは!?」
ハリーはリストルを見て驚きを隠せないでいた。
「スカウトの件、考えていただきましたか?我々には時間がない。君たちと同じように……答えは?」
「僕は……断る!確かに生きることがつらいときがある。僕は捻くれてるし誰かのために頑張るなんてできない。でも…フレフレプリキュア! 輝く未来を僕たちに!」
アンリの叫びを聞き、俺は笑みを浮かべ、タツミ達に問いかけた
「タツミ、兄貴、シェーレ……俺達がいた世界は今は平和だけど……もしもまたその平和を壊そうとするような奴らがいたらどうする?」
「……お前、何を当たり前のことを……」
「決まってるだろう!俺達がまた戦って取り戻すだけだ」
「アカメたちだってきっとそうする」
「そうだよな!!マシェリ!」
「ミナトさん……はい!」
マシェリは俺の所に近寄り、俺にキスをした。その瞬間、まばゆい光とともに愛龍騎に姿を変えた。
「愛を知り、愛を育む!愛龍騎!!」
俺は拳の連打をハイトに向かって繰り出していく。ハイトは大剣で防いでいく。
「残念だが、この皇具の前ではお前の攻撃が私に届くことはない」
「それはどうかな?桐一文字!!」
桐一文字を抜き、連打を与え続けた箇所に突き刺した瞬間、皇具にヒビが入った。
「いくらお前に届かなくっても、殴り続ければ耐久力もなくなるはずだ!そこに一点集中の一撃を与えれば壊せる!!」
「ほう……なるほど……愛龍騎になったことでその臣具の威力を上げたか……」
ハイトは笑みを浮かべ、姿を消す。そしてキュアエールたちもまた猛オシマイダーを浄化し、戦いが終わった。
戦いも終わり、アンリのショーも無事に終わった。その帰り道、えみるは俺にあることを告げた。
「ミナトさん、まだキスするのはなれないですけど……」
「あぁ」
「私は私の未来を信じ、愛するものになります。そしてミナトさんの未来を手伝うためなら……もう恥ずかしいとか言ってないで頑張りたいと思います」
「……そっか。一緒に頑張ろうな」
「はい」
えみるは前に進めることが出来たみたいだな。ただ気になるのはアンリのことだな。あいつ、まだなにか隠してるのか?