ある日の夜、お風呂から出るとリビングでことりが何かをしていた。
「何してるんだ?」
「あっ、ミナトお兄ちゃん……」
ことりは何だか物凄く狼狽えていた。一体どうしたんだ?
「お兄ちゃんって……プリキュアと知り合いなんだよね」
「いや、何で知り合いだって……」
「だってお兄ちゃん、プリキュアと一緒に何かと戦ってるところ見た時あるもん」
そういえば特に正体を隠すとかせずにこれまで戦ってきたな……それにしてはことりは何も聞かないんだな
「お兄ちゃんは何者なのか話したくないと思うから聞かないでおいたんだけどね。ちょっと気になることがあって」
「気になること?」
「実は……お姉ちゃんは……」
もしかしてはながキュアエールだって言うことがバレたか?というか別にバレてもいい気がするんだけどな……
「プリキュアに迷惑をおかけしてるんじゃ!?」
「………はい?」
ことりはとんでもない考えに行き着いたよ……
次の日、学校の警備室で仕事の手伝いをしに来たランとアカメの二人にその話をしていた。
「まぁ確かに特に変装とかしないで戦ってきたけど…」
「何かしらの理由があってそうしてきたのだと思っていたのだが、ミナト、違うのか?」
「いや、特に気にせずに戦ってきただけだし……」
今更正体を隠すっていうのも遅いし……
「それにしてもはなさんの妹さんはどうしてそういう考えに?」
「はなのおっちょこちょいが原因で怪物が生まれて、プリキュアが戦ってるんじゃないかって思ってるらしい」
「「………」」
アカメとランの二人はものすごく返答に困っていた。まぁ考えすぎな気がするしな……
ふっと外からなにか声が聞こえ、見てみると千瀬ふみとがことりをどこかへ連れ去っていくのが見えた。その後を追うひなせ……
「何事だ?」
俺は窓から飛び降り、ことりと一緒にいたえみるに声をかけた。
「えみる、何かあったのか?」
「あ、ミナトさん……って今どこから現れたんですか!?」
「窓から飛び降りて……」
「あ、危ないですよ!?」
「あれくらいの高さなら平気だよ。それで何かあったのか?」
「なんでしょう?ミナトさんのやることに関しては突っ込まないほうがいいのでしょうか?」
とりあえずえみるから事情を聞く、どうにもふみとはキュアエールファンクラブのリーダーで、キュアエールに会いたいらしい。そのせいかプリキュアを調査していることりを連れて、プリキュアの匂いをたどって走り去ったらしい
「なんというかわけがわからないのです」
「まぁ仕方ない……」
とりあえずことりたちを追いかけるのであった。
クライアス社
「さてと久しぶりに遊んであげましょうかしらね?」
「メラルド様。新たな下僕のテストですか?」
「えぇ、そうよ。兜虫……あなたも行くわよ」
「はい……」
「それじゃ出撃と行きましょうかしらね。兜虫、それに……」
メラルドの前には一人の少女が立っていた。真っ黒な髪に両手にはクワガタの鋏のような武器を携えていた。
「それがあなたの新たな下僕かしら?」
「あらジェロス。イメチェン?」
メラルドたちの前に現れたのは、パンクファッションのジェロスだった。ジェロスは笑みを浮かべ、
「私にはもう後がない。それだったら本気でやるために……」
「ふふふ、前も可愛かったけど、今も可愛いわよ」
「メラルド……あんたの趣味に付き合う暇はないわ」
「あら残念ね」
ミナトSIDE
ことりたちの後を追っていくとたこ焼き屋の所にことりたちと、はな、ウェイブ、クロメが話しているのを見つけた。
ふみとは何かウェイブとクロメの二人に頼み込んでいた。
「何してるんだ?」
「おい、ミナト、こいつどうにかしてくれよ」
「キュアエールに会わせてほしいんだって」
「ミナトさん!?あんたもプリキュアと一緒になにかしてるんだろ!!
連絡先とか知らないのか?」
「いや……」
俺、ウェイブ、クロメははなの方を見た。キュアエールははなだと教えたいけど、やめといたほうがいいよな。
「緊急時以外は連絡しないでほしいって頼まれてるから無理だ」
「ほら、ふみと。諦めよう」
「そっか……悪かったな。ミナトさん」
ふみとは諦め、俺達にたこ焼きをおごってくれ、近くのベンチで座って食べていると……ひなせがことりにあることを聞いた。
「ことりちゃんはどうしてキュアエールに会いたいの?」
「えっと、おわびがしたくって……」
「おわび?」
「うちのお姉ちゃん、昔からおっちょこちょいだから、バナナの皮があれば滑って転ぶし、池があれば必ず落ちるし……最近お姉ちゃんの周りでプリキュアが現れるのって、ご迷惑をかけてるんじゃないかって思って……」
「なぁことり、お前って姉思いだな」
「ミナトお兄ちゃん、そういう訳じゃ……」
「でも僕は君のお姉さんってすごく素敵だと思う。いつも笑顔で、いつも元気で、それにいつも誰かのために頑張ってる。それが野乃さん、凄いことだと思う」
「………」
なんだろうか?ひなせははなの事が好きだって言うことだよな。俺はウェイブとクロメの方を見た。二人は俺の心を読んだのか頷いていた。
「要するにひなせは……」
「なんというか……」
「まぁ頑張れとしか言いようがないな」
はっきり答えることが出来ず、俺たち三人はそういうのであった。
すると突然風が吹き、ことりがかぶっていたキュアエールファンクラブの帽子が飛ばされ、ことりは急いで追いかけていく。
帽子は池に落ち、追いかけていったことりも池に落ちそうになったが、俺はギリギリの所でことりを助けたが……
「ことり~!」
物凄い速さでやってきたはながバナナの皮に滑り、池に落ちた。
「何してるの?お姉ちゃん、びしょ濡れだよ」
「あ、あはは……でも良かった」
「えっ?」
「ことりが無事だから」
はながそう言うとことりは顔を赤らめていた。なんというかこの姉妹は……
「本当に仲良いな……」