実力派エリートの弟   作:唯一無二の緑刀使い

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初めて感想を頂きました。

他にも感想、評価お待ちしてます。


三雲修②

キーンコーンカーンコーン

 

「先生、俺昼から防衛任務入ってるんで抜けます」

 

「迅君、分かったわ。頑張ってね」

 

午前の授業が終わると悠紀は防衛任務のために早退した。それを見た修は遊真を連れて屋上に向かった。

 

「いいか、昨日の事は誰にもしゃべるな。警戒区域でネイバーに襲われた事もお前がネイバーだって事も」

 

「ふむ」

 

「勿論、トリガーを使うのも禁止だ。それと同じクラスの迅はボーダーの中でもずば抜けた実力者だ。ボーダー隊員の中で多分1、2を争うぐらい強い。空閑でも戦えばただでは済まないと思う」

 

「ほうほう」

 

遊真がむこうの世界から来たネイバーだという事を受け入れた修と遊真は昼食をとっていた。

そして修の中で悠紀は尊敬すべきボーダー隊員から要注意人物に変換されていた。昨日、遊真が大型のトリオン兵バムスターを倒した場面と先日の悠紀の模擬戦の場面を比べるとどうしても遊真の方が部が悪いように思えてしまう。と言っても素早い斬り合いと一発のパンチを比べるとそう思えるのは当然だが。

 

「今迅はいないけど、近くにいる時は特に気を付けてくれ」

 

「なかなかきゅうくつな暮らしですな」

 

『私もオサムの意見に賛成だ。ボーダーの戦力が未知数な上にその中でも実力者という者とやり合うのは危険だ』

 

遊真の耳元に伸びてきた触手のようなものから黒い炊飯器ことレプリカも修の意見に賛同した。

 

「ま、気を付けます」

 

丁度食べ終わった遊真は顔を三з三にして立ち上がった。と、その時。

 

『緊急警報。緊急警報。市街地に門が発生します。市民の皆様は至急避難してください』

 

──ドゴォン!!

 

校内に轟音が響いた。

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

警戒区域内のとある場所。

悠紀はある民家の屋根に腰を下ろしていた。

 

「……暇だ」

 

まだシフトを代わったばかりなのだが、悠紀は嘆いていた。悠紀にはチームメートもいないし、オペレーターもついていない。自身のサイドエフェクトで敵の位置は知ることが出来るし、視界が悪くても相手の行動を文字通り読む事が出来るため、隊を立ち上げる時(もはや隊と呼べるか怪しいが)悠紀がオペレーターがいてもいなくても良いと上層部に言ったのだ。結果、当時オペレーターは人材不足だったためにオペレーターは無しという事になった。

そして現在、ごくたまにまだ隊に入っていないオペレーター志望の隊員の練習として悠紀にオペレーターがつく事はあるが、大抵の場合悠紀はボッチなのである。なので最近は割と真面目に誰かを誘おうかと考えている。

 

『門発生。門発生。座標誘導誤差1.27』

 

「やっと来た」

 

悠紀はゆっくりと弧月を引き抜く。そして門から現れたトリオン兵バムスターに向かって歩き出した。

 

「みじん切りにして───」

 

『聞こえるか悠紀君』

 

これから目の前のバムスターを料理しようというところで悠紀の耳に忍田の声が伝わった。

 

「どうしたの?忍田さん」

 

話す相手がいなかった悠紀にとって話し掛けてもらえるのは嬉しい事だが、いくら親しいと言っても本部長という肩書きがある以上用が無いのに話し掛けてくるとは考えにくい。悠紀の頭には嫌な予感が広がっていた。

 

『三門第三中学校に門が開いた。現在嵐山隊が向かっているが恐らく君の方が早く向かえる。すまないが急いで向かってほしい』

 

「まさかイレギュラー門……どうせなら午前中に開けば良かったのに。まあ、了解。すぐに向かうよ」

 

悠紀は目の前のバムスターを旋空で綺麗に真っ二つにすると、グラスホッパーを使って飛び出した。

 

◆◇◆◇◆◇

 

「なんで学校にネイバーが!?」

 

「モールモッドか」

 

こうしている間にも校舎の中からは多数の生徒が運動場へと逃げてきている。このままでは負傷者が出るのも時間の問題だろう。

そこまで考えて修は校舎の中へ向かって歩き出した。

 

「おい、何をするつもりだ?オサム」

 

「決まってるだろ!ネイバーを食い止める!」

 

「待てオサム。モールモッドは戦闘用のトリオン兵だ。捕獲用のバムスターとは違う。オサムの腕じゃ死ぬぞ」

 

「だからって放っておけるか!」

 

「……いや、もう一回言うけど死ぬぞ?オサム」

 

「っ……」

 

自分の何倍も戦いの経験があるであろう遊真の真剣な言葉に修は一瞬黙った。

 

「大人しく他のボーダーを待とうぜ、な?それにモールモッドを一匹殺すのに少なくともオサムが20人は必要だ。成功したとしても20人中18人のオサムは死ぬ」

 

本格的な数字まで出されると修も反論出来なくなる。が、修はまだ諦めていなかった。

 

「勝ち目が薄いからって逃げる訳にはいかない!トリガーオン!空閑は避難しろ。僕は助けに行く」

 

遊真の反対を押しきって修はトリガーを起動し、トリオン体に換装した。そしてそれっきり修は遊真を置いて走り去った。

 

「うーむ。大丈夫か?」

 

 

 

 

「やばい!速く行けよ!」

 

「馬鹿!前からも来てるんだよ!」

 

「挟まれた!?」

 

校舎の中では逃げ遅れた生徒がモールモッドに廊下の両側から挟まれた状態になっていた。このままでは逃げ場は窓くらいしかない。だが、ここは三階。窓から飛び出すのは現実的ではない。まさしく絶体絶命だった。

 

「おりゃああ!!」

 

防御に重きを置いたアタッカー用トリガーレイガストを携えた修が生徒達とモールモッドの間に割り込んだ。

 

「今のうちに逃げるんだ!早く!」

 

「三雲君?」

 

「ボーダー隊員だったのか!?」

 

修がボーダー隊員だった事に驚きながらも生徒達は即座に避難を始めた。

 

(狭い場所なら体の小さい方が自由に動けて有利なはず……)

 

常識的に考えれば、修の考えは妥当だと言える。一人の人間と廊下にギリギリ収まるような大きさよモールモッドでは一人の人間の方が動きやすいだろう。が、生憎モールモッドはただのデカブツではない。戦闘用に作られたトリオン兵には廊下の薄っぺらい壁など無いに等しいのだ。

 

モールモッドは一つの足についている鎌のようなブレードを振り下ろした。

 

「速っ……!?」

 

なんとかレイガストでブレードを防いだが、勢いまでは防ぎきれず修の体は壁を突き破ってどこかの教室に転がった。

 

「この……」

 

体勢を立て直してレイガストを正面に構えた瞬間、修の腕はモールモッドのブレードによって切り離された。切り口からはトリオンが噴き出す。

 

 

──モールモッドは戦闘用のトリオン兵だ。

 

──修の腕じゃ死ぬぞ?

 

 

修の頭の中では遊真の言葉が繰り返されていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほーら、やっぱりやられてるじゃん」

 

『オサムのトリオンも残り少ない。このままではまずい』

 

遊真は先程の場所から動かずに修の動向を探っていた。レプリカの言った通り、修はこのままではモールモッドにやられてしまう。

 

「助けに行った方が良いか?」

 

『それを決めるのは……いや、近くにボーダーの反応がある。遊真が行かなくても大丈夫だろう』

 

直後、一本の緑光が修の目の前にいるモールモッドに吸い込まれた。

 

 




今回のトリガーセットは前回から変更なしです。

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