サトシに憑依したので冒険してみようと思う(改題)   作:エキバン

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早速オリキャラ、オリヒロインが登場します


ライバルたちとの出会い

朝食を終えて、パジャマから着替えてリュックを背負い。玄関で新品のスニーカーを履く。

ママは俺の後ろで見送りをしてくれている。

 

「よし」

 

「忘れ物はない?」

 

「うーんと……ないない。大丈夫」

 

「そう、それじゃあ研究所まで気をつけてね。ママもあとで研究所まで行くから」

 

マサラタウンから出る時にも見送ってくれるのか。

こんな素敵なママとのお別れは寂しいけど、冒険のためだ。

 

「うん、じゃあ行ってきます」

 

「いってらっしゃい」

 

研究所までの道のりは先ほどしっかり確認していたため、迷うことなく研究所に到着した。

 

「……誰もいないのか?」

 

まさか、早く出発したと思ったのに原作通りサトシは四番目なのか?

 

「すいませーん」

 

研究所の入り口の前で人を呼んでみる。

 

すると、扉が開いた。

現れたのは白髪頭の白衣の老人だった。

この人がオーキド博士か。

 

「む?もしやサトシ君か?」

 

「はい、おはようございますオーキド博士。ポケモンをいただきにきました」

 

90度のお辞儀とともに挨拶をする。

顔を上げるとオーキド博士は驚いた顔でこちらを見ていた。

 

「……博士?」

 

「ん、ああ、いやいやすまんすまん。君はてっきり遅刻すると思っていたのじゃが、まさか一番に来るとはの」

 

「……はあ」

 

サトシはあわてんぼうでおっちょこちょいなのは何となく覚えていたが、そこまで信用が無かったのか。

 

「まあ、せっかくの旅立ちの日ですからね」

 

「ふむ、そうか感心感心。よし、さっそくポケモンを渡そう。ついてきたまえ」

 

俺はそのまま研究所の中に案内される。

中は知らない機械や本でいっぱいだった。

しかし、人は博士と俺以外いない。

俺が一番乗りなのは本当のようだ。

 

連れてきてもらった部屋には3つのモンスターボールがあった。

それぞれに、フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメと書いてある。

初めて見る本物のモンスターボール、それも俺の世界にある玩具ではなく、本物のポケモンが入った正真正銘本物のモンスターボール。

俺は自分でもわかるくらいに興奮していた。

 

「さあ、好きなポケモンを選びなさい」

 

「はい」

 

きっと俺の目はキラキラと輝いているだろう。

本物のポケモンが今、俺のものになるんだ。

 

俺は最初から決めていたボールに手を伸ばす。

そして、ふとあることに気が付いた。

 

「博士、他の人たちは来てませんけどいいんですか?」

 

「む?『いい』とは?」

 

博士は怪訝な顔で俺に尋ねる。

 

「いえ、あの、まだ全員揃っていないのに俺が選んでもいいのかなって……」

 

「うむ、なるほどな。しかし、何事も早い者勝ちじゃ。君は誰よりも早くワシのところまで来た。好きなポケモンを選ぶことができるのは君に与えられた正当な権利と言える。遠慮はいらんぞ」

 

確かに博士の言うことももっともだ。けれど……

 

「俺、全員揃うまで待ちます」

 

「……なぜじゃ?」

 

「なんというか、フェアじゃないというか、今日みんなの旅立ちの日だから、俺がほしいポケモンを持って行って、後から来た人がそのポケモンを欲しがってたら、なんか悪いから……みんなが納得する形で旅にでたいんです」

 

上手く言えないけど

 

「ふぅむ、人生は他人のことよりも自分の気持ちを優先した方がいい時もあるのだがの。よかろう、そこまで言うなら全員が来るまで待つとしよう。こっちの部屋で茶とお菓子でもご馳走しようかの」

 

「ありがとうございます」

 

自分で言っておいてなんだけど、あとで後悔するかもな

 

ソファに座ってお茶を飲んでいるとドアが開く音がした。

 

「こんにちはー!」

 

そこにいたのは女の子だった。

白い帽子を被り、水色のノースリーブに赤いミニスカートとルーズソックスを着て、バッグを肩にかけたロングヘアで物凄く可愛い女の子だ。

 

「オーキド博士。リカです。ポケモンを貰いに来ました」

 

「おお、リカ君。よく来たな。君は2番目じゃ」

 

「え、早く来たつもりだったのに。1番は……ええっサトシ!?」

 

リカと名乗った少女は俺を見て驚いていた。

俺からしたら初対面だがどうやら面識はあるようだ。話を合わせて受け答えをしなければいかん。

 

「君も俺が遅刻すると思ってた?」

 

「え、ああ、いや……そうじゃ、なくって……」

 

目が泳いでますよお嬢さん。

 

「ええと、サトシ、1番なんてすごいじゃない。じゃあもうポケモンは貰ったんだ」

 

「それがサトシ君はまだ受け取ってなくての」

 

「え、どうして?」

 

「うむ、彼が言うには公平に全員が揃ったときに選んで受け取りたいとのことじゃ」

 

「そうなの、サトシ?」

 

「まあ、ね。おかしいかもしれないけど」

 

「ううん、そんなことないよ。そういう考え、その、すごいと思うよ」

 

「うむ、リカ君はどうじゃ?」

 

「はい、私もサトシに賛成です。ほかのみんなが来るまで待ちます」

 

「うむ、わかった。ではリカ君の分のお茶とお茶菓子も用意しよう」

 

「ありがとうございます」

 

俺とリカはソファでお茶を飲んでいる。

ふむ、リカは10歳だというのにすばらしい胸をお持ちだ。

最初に見たときのバッグの紐のスラッシュはたまらなかった。

それにミニスカートから伸びている脚、脚!

太腿が眩しいぜ!

やはりこの世界の10歳は子供らしくない。

この子は顔つきはサトシと同様にプラス2〜3歳だが、身体はプラス6は行くぞ。

もしかして、まだまだ成長するのか……ゴクリ

 

「どうしたの?」

 

「え、ああ、いやなんでもないぜ」

 

不躾な視線を送ったことがバレるところだったぜ。

 

「……なんかサトシ、いつもと雰囲気違う?」

 

「え、そ、そうか?」

 

この娘はサトシとはそれなりに付き合いがあるのかな?やはり見知った人には違和感があるのか?

 

「なーんかいつもと違って落ち着いてるっていうか。サトシがさっきみたいなこと言うなんてびっくりだよ」

 

「あ、あはは、旅に出るからな。心構えはキチンとね」

 

「そう、なんだ……なんか、かっこいいね」

 

「え?」

 

「あ、いや、変な意味はないよ!?ただ……その、心構えは見習わないとって思ったから!?」

 

あたふたと両手を振って慌てるリカ。

真っ赤な顔をして可愛いぜ。

 

「まあ、お互い、頑張ろうぜ」

 

「う、うん。そういえば、貰うポケモンは何にするか決めた?」

 

「うーん、まだかな」

 

「えー、もう決めた方がいいよ。私はフシギダネ!一目見て可愛いと思ったんだー」

 

やはり女の子は可愛いポケモンが好きなんだな。

けど、進化して姿が変わってショックを受けないか心配だな。

 

決まってないとは言ったが俺はヒトカゲが良いなとは思っている。

ゲームで最初に選んだのがヒトカゲだったからな。

 

そのまま雑談や博士に借りた本を読みながら時間をつぶすことにした。

しばらくすると、扉が開いた。

 

「おじい様ー!」

 

「オーキド博士、来たぜー!」

 

「おお、シゲルにナオキ君。よく来たな」

 

現れたのはツンツンと尖った髪の顔立ちの整った少年と彼よりも背が高く鋭い目つきの短髪の少年の2人だ。

 

「はい、おじい様。今日はよろしくお願いします」

 

「早くポケモンくれよ博士」

 

そういえば、シゲルはオーキド博士の孫だったな。

もう1人は初めて見た。リカもそうだけど。

 

「まあ、慌てるでない。これで全員揃ったからこちらに来なさい」

 

「は?全員揃ったとは?」

 

シゲルは素っ頓狂な声を上げる。

 

「言葉通りじゃぞシゲル。サトシ君とリカ君はもう来ておるぞ」

 

「な、そんな馬鹿な!?」

 

「リカはともかくサトシが俺たちより早く来てるだと!?」

 

この2人からもサトシという少年の評価は良くないようだな。

 

「うむ、それも一番乗りじゃ」

 

「あ、ありえない……」

 

「俺がサトシより遅いだと……」

 

おいおいお前ら。

 

「随分な言い様だな2人とも」

 

俺が現れると、シゲルとナオキは信じられないものを見る目で俺を見ていた。

 

「や、やあサートシくん。流石の君でも早起きくらいはできたんだね、ははは、感心じゃないか」

 

「ありがとう、俺より遅く来たシーゲルくん」

 

そう言うとシゲルは悔しそうに俺を見ていた。

 

「こ、こほん……おはようリカ君。新人トレーナーとしてお互いに頑張ろう」

 

「うん、頑張ろうね」

 

話を逸らしてリカに笑いかけるシゲル、滑稽。

すると、ナオキと呼ばれた少年が俺を睨みながら近づいてきた。

 

「てめぇサトシ!早く来たからって勝った気になるなよ。いやそれ以前にお前なんかまともなトレーナーになんかなれるわけねえんだよ、とっとと家に帰れよ!」

 

おいおい初対面で失礼な奴だな。あ、サトシにとっては知り合いなのか。

しかし、こんな如何にも偉そうなガキ大将みたいな男と知り合いなんてサトシも大変だな。

まあ、なんにしても言われっぱなしは趣味ではない。

 

「いやだね、君に指図される謂れはない。俺のことよりもお前みたいに平気で人をなじる奴なんか旅先でろくな目に遭わないぞ。旅は延期して、教育し直してもらったほうがいいんじゃないか?」

 

「てめぇ……サトシの分際でぇっ!!」

 

「やめんか!?」

 

俺の言葉に激高したナオキは博士の言葉も無視して腕を振りかぶって突進してきた。

俺はナオキの懐に潜り込み自分の脚でナオキの脚を引っかける。ナオキは勢いのまますっころんだ。

 

「こぉのぉ……」

 

起き上がったナオキは顔を真っ赤にして俺を睨む。

 

「もうやめてよ!?」

 

リカが俺の前に守るように出た。

 

「せっかくの旅立ちの日なのに、仲良くできないの!?」

 

「うっせぇどけ!」

 

「やめんかナオキ君。これ以上暴れるのなら君のポケモンはなしじゃぞ!」

 

博士がそう言うとナオキは舌打ちをして引き下がった。

 

場の空気がかなり悪くなったところで口を開いたのはシゲルだ。

 

「サトシ君。一番に来たというのに、なぜまだいるんだい?」

 

えーあーごめん。長い説明になるから面倒です。

 

「博士、説明よろしくお願いします」

 

ごめんなさい。丸投げします。

 

「うむ、実はの……」

 

かくかくしかじかと博士はシゲルとナオキに説明した。

 

「なんだよそれ、意味わかんね」

 

「変わったことを考えるんだね、君は」

 

ナオキは吐き捨てるように言い、シゲルは興味深いというような理解できないというような言い方だ。

 

おう、なんとでも言え。

 

「よし、では全員揃ったところでポケモンを渡そうかの」

 

全員、オーキド博士について行く。ようやくポケモンが貰えるな。喧嘩に……なりそうかな、あのナオキとか特にね。

 

あれ、ポケモン3体なのに、4人?

 




アニメで明かされなかった(映画では後ろ姿が映りましたが)もう2人のマサラタウンのトレーナーをオリジナルで登場させました。

リカちゃんはサトシのヒロインです。
リカちゃんはお察しの通りFRLGの女主人公のリーフちゃんがモデルです。
名前は松本梨香さんから頂きました。
けれどリカちゃんはCV松本梨香さんではございません。

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