ハイスクールD×D ~ボンゴレファミリー来る!~   作:ムンメイ

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ようやく二章です!

あまり時間が取れず、遅くなってしまってすみません。

なんとか頑張ります。





第2章 戦闘校舎のフェニックス
Life.8 急展開来る!


 

「なかなか『奴』の情報は集まらんな……」

 

 

「まだ一月かそこらだろうが、そんな簡単に行くか!」

 

 

「それはわかっている!だが、一刻も早く見つけねば、襲われた奴らに顔向けできんではないか!」

 

 

「んなこたーテメーに言われなくてもわかってんだよ!」

 

 

「なんだとタコ頭!」

 

 

「やんのか芝生!」

 

 

「ちょっとちょっと、二人とも落ち着いて……!話し合いなのにケンカしちゃダメだよ!」

 

 

「……うむ、すまなかった」

 

 

「……すみません」

 

 

「まあまあ、でもたしかに早いとこ見つけたいよな」

 

 

「……私も彼に粘写を頼んで見たけど、見つからないみたい」

 

 

「奴の粘写で見つからないとなると、やはり俺達の力が及ばない場所にいるのかもな」

 

 

「ってことは……やっぱり今まで通り地道にやるしかないね」

 

 

「苦しいが、今は我慢の時だな」

 

 

「そうだね……よし、それじゃ今日はこの辺にしておこうか」

 

 

「ああ、それじゃお前達もゆっくり休めよ」

 

 

 

ー○◎●◎○ー

 

 

 

『よう、よく寝てるみたいだな、クソガキ』

 

 

……んあ?なんだ?

 

俺ーーー兵藤一誠の頭の中に声が響く。

 

知らない声だ。

 

だけど、全く知らないってわけでもないような気がする。

 

いつも身近にいるような……。

 

 

『そうだ。俺はいつでもお前の側にいる』

 

 

周囲を見渡すと、何もない闇。

 

全ての感覚を遮断され、今どこにいるのかすらわからない。

 

というか、お前は誰だ?どこなんだよここ!

 

 

『俺だ』

 

 

うわっ!

 

声は出ないが、俺は心底驚いた。

 

当然だ、突然目の前にドデカイ怪物が現れたんだから!

 

でもこれは……実際に見たことはないが、俺でも知っている。

 

ーーードラゴン?

 

声に出していないはずなのに、ドラゴンは俺の言葉がわかったようだ。

 

デカイ口で器用にニヤッと笑って見せる。

 

 

『そうだ、その認識でいい。俺はお前にずーっと話しかけていたんだが、いかんせんお前が弱すぎたせいか、今まで届いていなかったんだ。だが、ようやく姿を現せた』

 

 

声をかけていた……?

 

お前は俺に何を伝えたいんだ?

 

 

『なに、これから共に戦う相棒に挨拶をな』

 

 

相棒……俺は左腕に視線を落とす。

 

そこにはいつもの自分の腕ではなく、赤い鱗に覆われ、鋭い爪の生えた異形の『モノ』があった。

 

 

『わかっているんだろう?そう、その通りだ。いずれまた話そう。なあ、相棒』

 

 

 

ー○●○ー

 

 

目を開けると、いつもの見慣れた天井だった。

 

あー……夢か……なんつー夢だよ、まったく。

 

ふと自分の左腕を見る。

 

いつもと変わらない、俺の腕だ。

 

だけど、そこに宿るものを俺は知っている。

 

すぅー……はぁー……

 

深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。

 

時間は朝の四時半くらい。

 

よし、そろそろ行きますか。

 

 

 

~○~

 

 

 

「はぁー……はぁー……」

 

 

絶賛腕立て伏せ中の俺。

 

何でかって言うとだな……。

 

 

「ほら、またペースが落ちてきてるわよ」

 

 

「おら、気張りやがれ兵藤」

 

部長と獄寺からトレーニングを課されているからです。

 

 

「あなたの力は素の状態が強ければ強いほどいいの。だから基礎体力から徹底的に鍛えるわよ」

 

 

とのことで。

 

獄寺は部長とツナが結んだ契約を履行中だ。

 

つまり、俺の家庭教師ってことだな。

 

本人はやりたくなさそうだったが、ツナの鶴の一声でこうして一緒になって鍛えてくれてるんだ。

 

トレーニングは、まあ、基本的なやつ。

 

さっきまでランニングをしていて、その後すぐ腕立て伏せ。

 

今までも部長考案のトレーニングメニューをこなしてきたけど、俺が赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を発現させてからは更にキツくなったんだ。

 

 

「んっ……ぐぅっ!ぶはぁっはあっはあっ……!」

 

 

やっと終わった……!

 

よし、これで朝は終わりーーー

 

 

「そんじゃ、最後にこれいくか」

 

 

そう言って獄寺が取り出したのは……ダ、ダイナマイト!?

 

 

「ま、待て待て待て、お前はそれをどうするつもりだ」

 

 

「どうって、お前に向かって投げるに決まってんだろ」

 

 

「火は……着けない、よな?」

 

 

「着けなきゃダイナマイトの意味がねーだろ。早く構えろ。俺が投げるダイナマイトを全部避けろよ」

 

 

……リボーンが部長のトレーニングメニューに何か手を加えていたのは知っている。

 

知っているけど……これはないだろぉぉぉぉぉぉぉ!?

 

 

「果てろ」

 

 

あぁぁぁぁぁぁぁ!!投げてきたぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

 

 

拝見、天国のじいちゃん。

 

もうすぐ会えるから、待っててね。

 

 

 

ー○●○ー

 

 

 

数日後。

 

俺、元気だぜ。

 

びっくりだろ?

 

あの後黒コゲの俺を応援に来てくれたアーシアが治療してくれたんだ。

 

アーシアの回復がなかったら死んでたね、あれは。

 

そうそう、アーシアといえば……なんと、俺の家にホームステイすることになったんだ!

 

部長の立ち会いもあり、俺の予想を大きく外れてスムーズに事は進んだ。

 

悪魔のような交渉術で巧みに俺の両親を説得していたよ。

 

あ、俺達悪魔か。

 

とまあ、そんな事情があり、現在俺はアーシアと登校してきたところだ。

 

 

「アーシア、学校で何か困ったことはないか?そ、その、女子とも仲良くやってるか?」

 

 

俺の心配。

 

アーシアは今まで大半の時間を教会で過ごしてきたために、学校生活はもちろんだけど、日常生活でも初体験のことが多い。

 

俺だって助けるけど、それよりも同性のフォローが大切な時も大いにある。

 

慣れない学校生活でイジメられてやしないか、クラスの女子と仲良くできているか……。

 

でも、そんな俺の思いとは裏腹に、アーシアは朗らかに笑った。

 

 

「皆さん、とても仲良くしてくれますよ。まだ日本に慣れていない私に色々なことを教えてくれて、お友達もできました。今度一緒にお買い物に行こうって誘ってくれているんです」

 

 

そっか、どうやらクラスメートとは仲良くやっているようだ……よかった。

 

 

「おはよう、イッセー」

 

 

「うぃーっす」

 

 

「……おはよう」

 

 

後ろから声をかけられた。

 

お、ツナ達も今来たみたいだな。

 

と、隣のアーシアがある人物を見つめている。

 

 

「…………」

 

 

「…………」

 

 

ジーッと穴が空く勢いで獄寺を見つめているアーシア。

 

たぶん、アーシアとしては睨んでいるのかも知れないけど……うん、かわいいからいいや。

 

 

「ほら、アーシア。あれはトレーニングだったからさ、獄寺も悪気があったわけじゃないんだ」

 

 

小声でアーシアにそう言うけど、どうにもアーシアは機嫌がよろしくない。

 

 

「……ちっ」

 

 

いつもは威勢のいい獄寺だけど、アーシアが相手だとどうも調子が狂うようで、特に何も言わずじまいだ。

 

ちなみに、アーシアもツナ達のことは全部知ってるぜ。

 

部長の眷属になったし、ボンゴレを襲った奴の新しい情報が手に入るかもってことで、ツナ達からまた説明をしてもらったんだ。

 

まあ、それは何も進展しなかったんだけどさ。

 

 

「……あんなかわいい子どもが、そんな恐ろしいことを考えるはずがありません」

 

 

うーん、リボーンのことも説明したんだけど……アーシアはただの子どもだと思っているようで、あのめちゃくちゃなトレーニングも、ただ単に獄寺が俺を襲ったと思っているんだ。

 

いや、アーシアちゃん。

 

あのお子さまはとんでもないお子さまですよ。

 

 

「あはは……そ、それじゃ俺達は先に行ってるね」

 

 

ツナ!

 

そこはボスとして誤解を解いてくれよ!

 

だけど俺の気持ちは伝わらず、ツナ達は先に校舎へと消えてしまった。

 

 

「……まあ、俺達も行くか」

 

 

「はい。後であの方にはきちんと言っておきます」

 

 

ふんすっ、と気合いを入れるアーシア。

 

 

 

この子、案外肝が座っているかも。

 

天然だけど。

 

 

 

ー○●○ー

 

 

 

その日の夜。

 

俺はアーシアを後ろに乗せて、チラシ配りのためにチャリを漕いでいた。

 

悪魔の仕事は、願いを持った人間の召喚に応じ、願いを叶える代わりに代価をもらう。

 

ただ、今では自分で魔方陣を描いて召喚する人はほとんどいない。

 

だからこうして一軒一軒、魔方陣付きのチラシをポストに投函する。

 

といっても、俺は既にその段階は終わっているんだけど。

 

今日はアーシアのアシスタントとして付き合っているんだ。

 

だが、彼女はそれを申し訳ないと思っているらしい。

 

 

「すみません、イッセーさん。私の仕事なのに……」

 

 

「いいっていいって。そんなこと気にするなよ」

 

 

「ですが……」

 

 

「アーシアは自転車に乗れないだろ?それに、まだ日本に来て日が浅いんだ。ここら辺の道もわからないだろうし」

 

 

最初は歩いて行くと言った彼女だけど、俺が部長にお願いしてアーシアに同行させてもらったんだ。

 

まだ日本に来て間もないアーシアは、悪魔の特典で日本語がわかるようになったとはいえ、文化や生活まではそうはいかない。

 

一つずつ教えてはいるけれど、まだまだ不安な部分も多い。

 

しかもアーシアはお人好しで、長い教会暮らしもあって世間に疎い。

 

どんな悪いことが襲うか心配で仕方がなかったんだ。

 

ってなわけで、部長のお許しをいただいた俺はこうして夜のサイクリングをしているというわけ。

 

 

「イッセーさん、『ローマの休日』を観たことはありますか?」

 

 

ふいにアーシアが訊ねてくる。

 

 

「昔の映画だろ?いや、ごめん。観たことないな」

 

 

「そうですか……」

 

 

アーシアの声音は少し残念そうだった。

 

 

「でも……私、ずっと憧れだったんです。こうして後ろに乗って……あれはバイクでしたけど。それでも私は……うふふ」

 

 

なんだ?

 

今度は嬉しそうに笑っているぞ。

 

腰に回していた腕に少しだけ力が込められる。

 

よくわからないけど……アーシアが嬉しいなら、俺も嬉しいよ。

 

こうして俺達は、静かな夜の町を駆けていった。

 

 

 

ー○●○ー

 

 

 

「部長、ただいま戻りました!」

 

 

部室に戻ってきた俺達。

 

帰還を報告するために部長へ声をかけたんだが……ボーッとしたまま、あらぬ方向を見つめていた。

 

何か物思いに耽ってらっしゃる?

 

深いため息までついているし。

 

 

「部長!俺達戻ってきました!」

 

 

今度は少し声を大きくしてみる。

 

それに気づいたのか、部長はハッと我に返ったようだ。

 

 

「ご、ごめんなさい。少しボーッとしていたわ。二人とも、ご苦労様」

 

 

最近部長はこうやって考え込むことが多くなった。普段はいつも通りに俺達へ命令を下すのに、ふと気がつくとボーッとしていたりする。

 

ため息も多くなったような気がするし。

 

うーん、俺には想像もつかない高度なお悩みでもあるんだろうか?

 

 

「さて、今夜からアーシアにもデビューしてもらいましょうか」

 

 

お、マジか!

 

当のアーシアはきょとんとしているが。

 

 

「アーシア、今日から本格デビューだ。魔方陣で契約者の元にジャンプして契約をしてくるんだよ!」

 

 

「わ、私がですか?」

 

 

「ええ、チラシ配りは今日でおしまい。アーシアにも契約をとってきてもらうわ」

 

 

そう言うと、部長はアーシアの手のひらにグレモリー印の魔方陣を記していく。

 

あれがあればアーシアもグレモリーの魔方陣を使うことができるようになるんだ。

 

……一応、魔力量も一緒に調べる。

 

俺みたいに魔力の欠片もなければジャンプできないからね、念には念だ。

 

が、どうやら問題はなさそうだ。

 

と、いうより……

 

 

「大丈夫みたいね、むしろ私と朱乃に次いで魔力量が多いわ。潜在力はなかなかのものね」

 

 

「それはよかったですわ。僧侶にぴったりでしたわね」

 

 

部長と朱乃さんが言うとおり、僧侶の力を存分に発揮できそうだ。

 

 

「これでいいわね。後は依頼が入ってきたら、アーシアはイッセーを連れてジャンプしてね。イッセーはアーシアのサポートをすること」

 

 

よっしゃ、先輩悪魔として腕の見せ所だぜ!

 

……まあ、俺に入ってくる変な依頼はアーシアには来ないだろうな。

 

もしそんなことになったら全力でアーシアを守らねば!

 

 

「あらあら、早速アーシアちゃんがこなせそうな依頼が入ってきましたわ」

 

 

朱乃さんの報告を受け、部長が頬笑む。

 

 

「それは都合がいいわ。アーシア、イッセーがジャンプする分の魔力をフォローしてあげてちょうだい」

 

 

うん、俺がフォローするはずなのに、早速アーシアから逆フォローをしてもらいます。

 

魔力がなくてごめんね!

 

ま、まあいい……とにかく、アーシアの初仕事をちゃんと見守らないとな。

 

 

「行くぞ、アーシア」

 

 

「はい、イッセーさん!」

 

 

 

俺とアーシアは気合いを入れて魔方陣へ向かった。

 

 

 

ー○●○ー

 

 

 

はぁ、なんとか今日も終わったな。

 

今は家に帰ってきて一息ついたところだ。

 

あの後、アーシアの初仕事は難なく終わったよ。

 

俺の時とはえらい違いだったよ……うん、うん……。

 

って、いかんいかん!

 

こんなことでしょげてどうする!

 

俺がしっかりしないと、またアーシアに悲しい思いをさせちまう。

 

もう、俺もアーシアも……あんな思いをするのはごめんだからな。

 

あ、アーシアは風呂にいってるよ。

 

風呂……アーシアはスレンダーだけど、それでも女の子って体をしてるよな。

 

もちろん直接見たわけじゃない。

 

それでも、ほら、服の上からでもわかるものもあるじゃん!

 

はっ!

 

いやいや、守るべきアーシアにそんな感情を持っちゃダメだ!

 

クソッ、エロい俺を抑えなければ。

 

今だけは仙人のような精神が欲しい!

 

そうだ、座禅を組もう。

 

このいけない雑念を振り払うんだ!

 

目を閉じて精神を集中させようとした矢先、部屋の床に光が走る。

 

あれ、これ……グレモリーの紋章?

 

誰だ?というか、何故に俺の部屋へ?

 

光がある人物のシルエットを浮かび上がらせる。

 

長い紅の髪をした女性。

 

 

「部長?」

 

 

俺の部屋に現れた部長。

 

だが、すぐに様子がおかしいことに気づいた。

 

難しい、何か思い詰めたような顔で俺を見ている。

 

そしてズカズカと俺に歩み寄るとーーー。

 

 

「イッセー、私を抱きなさい」

 

 

……はい?

 

今、なんとおっしゃいましたか?

 

部長は怪訝な顔をしている俺にダメ押しの一言をくれる。

 

 

「私の処女をもらってちょうだい。至急頼むわ」

 

 

 

……部長の言葉はいつだって刺激と驚きでいっぱいさ。

 

 

 

~○~

 

 

 

「ほら、早くなさい。私も準備をするから」

 

 

と、部長は俺を急かしながら服を脱ぎ出した!

 

ちょちょちょ、ちょっと!

 

いきなりのことすぎて頭が追いついてません!

 

 

「ぶ、部長!これはいったい……」

 

 

俺はなんとか頭を総動員させて訊ねる。

 

 

「色々と考えたけれどもうこれしかないの。既成事実ができてしまえば、誰も文句は言えないはず」

 

 

「え、えーと、それはどういう……というか何で俺に……?」

 

 

ダメだ、訊きたいことがありすぎて俺も何を口走っているのかわからなくなってきた。

 

 

「……祐斗ではダメ。彼は根っからのナイト、絶対に拒否するわ。だからこそあなたしかいないの」

 

 

そう言うと部長は、俺の手を取り……お、おっぱいへ!

 

 

 

ブバッ!

 

 

 

あまりの出来事に理解を越えた俺の脳みそは、考えることを止めたようだ。

 

ただただ鼻血を垂れ流すしかない俺。

 

もう、何も考えるまい。

 

今はこの極上の感触に浸っていよう。

 

へへっ、もっと興奮するものかと思っていたけど、一周回って何かを悟れそうだぜ。

 

 

「わかる……?私も緊張しているの。胸の鼓動が伝わるでしょう?」

 

 

そう言われれば、この手に伝わる感触は極上の触り心地だけじゃなく、ドクンドクンと部長の高鳴りも感じていた。

 

 

「……は、早くして。それとも……私に恥をかかせたいの?」

 

 

ーーーもう、いいよね?

 

俺は勢いよく部長をベッドへ押し倒す!

 

ゴクリと生唾を飲み込んで、いざーーー。

 

 

 

カッ!

 

 

 

部屋の床が再び光りだした。

 

な、何事?

 

 

「……一足遅かったわけね」

 

 

忌々しそうに床を見つめる部長。

 

輝きは……グレモリーの紋様?

 

現れたのは銀の髪をした若い女性だった。

 

メイドっぽい格好していて……って、メイド?

 

 

「こんなことをして破談へ持ち込もうというおつもりですか?」

 

 

「こんなことでもしないと、お父さまもお兄さまも私の意見を聞いてくれないでしょう?」

 

 

ふぅ……と、ため息をつくメイドさん。

 

それは明らかに、「呆れた」と言っているようなため息だ。

 

 

「あなたはグレモリーの次期当主なのですから、無闇に殿方へ肌を晒すのはお止めください。たださえ、事の前なのですから」

 

 

と、メイドさんは俺の方を見た。

 

 

「はじめまして。私はグレモリー家に仕えるグレイフィアと申します。以後、お見知りおきを」

 

 

なんともご丁寧な挨拶をいただいた。

 

それにしても、この人も相当な美人だな。

 

クールな印象だが、長く伸びた銀髪を一本の三つ編みにしており、銀色の瞳と合わさって知的な雰囲気を醸し出している。

 

クールビューティー、というのが一番合うかな。

 

 

「ごめんなさい、イッセー。さっきまでの事はなかった事にしてちょうだい。私も冷静ではなかったわ」

 

 

俺がグレイフィアさんに見惚れている間に、部長は服を着ており、何やらお二人で話をしていたようだ。

 

……あー、もう終わりですか?

 

 

「イッセー」

 

 

部長が俺を呼ぶ。

 

そして俺の方へ歩み寄るとーーー。

 

 

 

チュッ。

 

 

 

俺の頬へ触れるようなキスをしてくれた。

 

……うわ。うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!

 

突然のことで驚いたよ!

 

 

「今夜は迷惑をかけたわね。本当にごめんなさい、これで許してちょうだい。また明日、部室で会いましょう」

 

 

そう別れを告げて、部長はグレイフィアさんとともに魔方陣の中へ消えていった。

 

……急に静けさが戻ってきた部屋。

 

俺は頬をさすりながらしばらくボーッとしてしまった。

 

 

「イッセーさーん、お風呂上がりましたー!」

 

 

 

アーシアの声が聞こえたのはそのすぐ後だった。

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