ハイスクールD×D ~ボンゴレファミリー来る!~   作:ムンメイ

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徐々に体調は戻ってきました。

後は仕事ですが、まだまだ忙しいです。

頑張りますよ!





Life.9 不死鳥来る!

 

翌日の放課後。

 

俺は木場、ツナ達と一緒に部室に向かっていた。

 

そこで俺は最近の部長の様子について聞いてみたんだが、木場も詳しくは知らないようだ。

 

 

「部長のお悩みか。たぶん、グレモリー家に関わることじゃないかな」

 

 

「朱乃さんなら知っているよな?」

 

 

「朱乃さんは部長の懐刀だから、もちろん知っていると思うよ」

 

 

うーん、あまり個人の問題に首を突っ込むのもどうかとは思うけど、昨日のことを考えるとなぁ。

 

やっぱり気になってしまうよ。

 

 

「……なんか、嫌な予感がする」

 

 

ポソっとツナが呟く。

 

おいおい、そんな不吉なこと言うなよ、今まさに部室の扉を開けようってのに。

 

そこで木場が何かに気づいた。

 

 

「……僕がここまで来て初めて気配に気づくなんて……」

 

 

顔を強張らせる木場。

 

なんだ?まさかツナの予感的中なのか?

 

俺は若干緊張しつつ扉を開けた。

 

室内には部長、朱乃さん、小猫ちゃん、そしてーーー。

 

あ、グレイフィアさん!?

 

何でここに?

 

というか、部室の雰囲気がいつもと違う。

 

部長はいかにも「不機嫌だ」と言わんばかりの顔をしているし、朱乃さんもいつものニコニコ顔がどことなく怖い。

 

小猫ちゃんは部屋の隅で、できるだけ他の人と関わらないようにしている感じだし……。

 

後ろでツナがソワソワしている。

 

あー、嫌な予感ってこれのことか?

 

 

「全員揃ったわね。では、部活をする前に話があるの」

 

 

覚悟を決めるように一つ息をつく部長。

 

 

「実はねーーー」

 

 

部長が話を始めた瞬間だった。

 

突然、部室の魔方陣が輝きだす。

 

え?誰かここにくるのか?

 

でもグレモリー眷属は皆ここにいるし……グレイフィアさんみたいにグレモリー家の誰かか?

 

しかし、俺の予想は外れた。

 

床に描かれているグレモリーの紋章が形を変え、見たこともない魔方陣ができあがる。

 

 

「ーーーフェニックス」

 

 

近くにいた木場がそう呟いた。

 

フェニックス……?

 

じゃ、じゃあ、やっぱりグレモリーじゃないのか!

 

魔方陣から光が溢れ……炎が巻き起こる!

 

あちっ!

 

なんつー熱だよ、火の粉がこっちまで飛んできてるんですけど!

 

炎の中に人影が見える。

 

その人影が腕を横に薙ぐと、周囲の炎が振り払われた。

 

そこにいたのは、赤いスーツを着た男性だった。

 

ネクタイはせずにシャツのボタンを大胆に開けた格好で、どこかホストっぽい印象を受ける。

 

二十代前半くらいか?

 

ワル系のイケメンだな。

 

男は部屋を見渡し、部長を捉えると口元をにやけさせた。

 

 

「愛しのリアス、会いに来たぜ」

 

 

……はい?

 

このホスト悪魔はいきなり何を口走っているんでしょうか?

 

チラリと部長を見ると、半眼で男を見ていた。

 

うーん、歓迎しているようには見えないよな。

 

そんな部長の様子にも構わず、男は部長に近づく。

 

 

「さて、早速だが式場を見に行こう、リアス。もう日取りも決まっていることだし、早め早めがいい」

 

 

……図々しい奴だな。

 

たしかフェニックスって言ったか?

 

あ!こいつ部長の腕を掴んで立たせようとしやがった!

 

 

「……放してちょうだい、ライザー」

 

 

うわ、部長本気で怒ってる。

 

迫力のある声で男の手を振り払ったよ。

 

というか、さっきから失礼な奴だな。

 

だんだん腹が立ってきた俺は、思わず男に物申していた。

 

 

「おい、あんた。さっきから聞いてりゃ随分と失礼じゃねえか。女の子にそういう態度はいただけないぜ。そもそもあんた誰だよ?」

 

 

俺の文句に男は少し驚いたように俺を見る。

 

 

「……あん?なんだお前は。見たところ、リアスの下僕か?おいおい、リアス。俺のことを話していないのか?どうやら転生者みたいだが、それにしたってな」

 

 

って、俺の文句はスルーかよ!

 

ますます腹が立ってくるぜ……。

 

 

「話す必要がないから話していないだけよ」

 

 

「あらら、相変わらず手厳しいねぇ……」

 

 

男はそう言うが、大して気にしていないみたいだ。

 

ハハハ、なんて笑ってやがる。

 

そこへグレイフィアさんが介入する。

 

 

「兵藤一誠さま、この方はライザー・フェニックスさま。純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせられます」

 

 

上級悪魔、ねぇ。

 

こんなチャラい男が?

 

 

「そして、グレモリー家次期当主の婿殿でもあらせられます」

 

 

……ん?

 

今、なんと?

 

 

「リアスお嬢様とご婚約されておられるのです」

 

 

へ?

 

……ご、ご婚約!?

 

 

「ええええええええええええええええええ!?!?」

 

 

 

俺の絶叫が部室中に木霊した。

 

 

 

~○~

 

 

 

とりあえず、本当にとりあえずだが、ライザーは曲がりなりにも客だ。

 

今はソファーへ座ってお茶を飲んでいるライザー。

 

クソッ、朱乃さんにまでイヤらしい目を向けやがって……。

 

しかも部長の肩を抱いたり、太ももまでなでまわしたりしている!

 

見ているだけでも腹が立って仕方ないぜ……!

 

俺と並んで立っている木場と小猫ちゃんは表には出していないが、やはり俺と同じ事を思っているのだろう、普段通りにしているように見えて、その表情は厳しいものだ。

 

そしてツナ達。

 

あからさまに不満を顔に出している。

 

特にツナは今にもライザーに向かわんばかりの様子だ。

 

ツナは仲間をすごく大事にしており、仲間が危険な目にあったりピンチになるのをすごく嫌う。

 

だが、一度そうなったら普段の少しオドオドした姿は鳴りを潜め、人一倍頼りになるやつだ。

 

ツナはそんな自分の気持ちと戦っているんだろう。

 

部長に恥をかかせないように、迷惑をかけないようにと。

 

ツナ、お前の気持ちは痛いほどわかるぜ。

 

俺がツナの気持ちに同調していた時だ。

 

 

「いい加減にしてちょうだい!」

 

 

激昂した部長の声が響き渡る。

 

ソファーから立ち上がった部長は、ライザーを鋭く睨みつけていた。

 

だが、ライザーの方はニヤニヤと嫌な笑みを浮かべたままだ。

 

 

「ライザー!私はあなたと結婚なんてしないと、以前にも言ったはずよ!」

 

 

「ああ、聞いたよ。だが、そういうわけにもいかないだろう?」

 

 

その言葉に部長はぐっ、と押し黙った。

 

急に真面目な表情になり、ライザーは続ける。

 

 

「先の大戦で多くの純血悪魔を失った。七十二柱(ななじゅうふたはしら)も半数以上が御家断絶という状態で、悪魔は種の存続に努めなければならない。その重要性はキミとて理解しているだろう?」

 

 

「特に悪魔は出生率が低い。純血の悪魔同士なら尚の事だろう。だからこそ、この縁談はとても大事なものになる。悪魔の未来がかかっているんだ」

 

 

……純血の悪魔が少なくなっているから、その純血同士の結婚は大事だ、ということか。

 

急に真面目な話になったので多少面食らってしまった。

 

こいつはこいつなりに背負うものがあるってことかな。

 

だが、奴は途端に嫌な笑みを浮かべてこう続けた。

 

 

「それにキミの家は、意外にも切羽詰まっていると思うがね」

 

 

……我慢だ、我慢だぞ、俺。

 

 

「私は家を潰さないわ。婿養子だって迎え入れるつもりよ」

 

 

「おおっ、じゃあ……」

 

 

「でも、あなたじゃないわ。私は自分で決めた人と結婚する。古い家柄の悪魔にだって、それくらいの権利はあるはずよ」

 

 

流石部長、おかげで俺も少しスカッとしたぜ。

 

が、ライザーはそれが癇に触ったようだ。

 

途端に不機嫌になり、舌打ちまでする始末だ。

 

 

「……俺もな、フェニックス家の看板を背負った悪魔なんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかないんだ」

 

 

奴の周りに炎が舞い始める。

 

 

「俺はキミの下僕を全部燃やし尽くしてでもキミを冥界に連れ帰るぞ」

 

 

 

ザワッ。

 

 

 

殺意と敵意が室内に広がる。

 

背中を冷たいものが駆け巡り、体中の毛穴がザワつく。

 

……怖い!これが上級悪魔からの敵意!

 

隣にいたアーシアが震える手で俺の腕にしがみついてきた。

 

そうだよな、アーシアにはこの殺意と敵意は耐え難いものだろう。

 

木場と小猫ちゃんは震えてはいないものの、いつでも飛び出せる格好をとっていた。

 

ふとツナを見れば、懐から何やら錠剤のようなものと、毛糸の手袋を出していた。

 

こんな時に何やってるんだよ!

 

 

 

ガタタッ!

 

 

 

大きな音がしたので慌てて視線をライザーと部長に戻すと、部長が体から紅いオーラを迸らせ、その影響で机が震えていた。

 

まさに一触即発。

 

今まで静かに様子を見守っていたグレイフィアさんが、これは流石にと止めに入ろうとした時だった。

 

視界の端でオレンジの光が一瞬輝いたかと思った瞬間ーーー。

 

額に炎を灯し、金属製のグローブをしたツナが部長とライザーの間に割って入る!

 

す、すげぇ、全く目で追えなかった!

 

本当に一瞬で、瞬間移動をしたのかと思うくらい速かった。

 

ツナは左腕を横に出し、まるで部長を守るような、はたまたライザーをこれ以上部長に近づけさせないというようなポーズをとった。

 

 

「部長に近づくな。例えお前が何者であろうと、手を上げるようなら容赦はしない」

 

 

ツナの乱入に全員が驚いた。

 

目にも止まらぬ速さもそうだが、何よりも上級悪魔相手に一歩も引かないその姿に俺達は驚きを隠せなかった。

 

ライザーは目を細め、ツナをジッと見つめる。

 

 

「……貴様、何故一介の人間風情がここにいるのかと思っていたが、どうやら普通の人間ではないらしいな」

 

 

「俺のことはいい。それより、今すぐ引いてくれ」

 

 

堂々と言い放つツナ。

 

だが、ライザーはそれをさもおかしそうに笑い飛ばしやがった。

 

 

「プッ、アッハハハハハハ!!引く?この俺が、たかが人間相手にか?たしかにお前は普通の人間ではないだろう。だがな、それでもお前なんぞ、俺が直接手を下すにも値しない!」

 

 

そう言うとライザーは指を鳴らす。

 

な、何をする気だ、あいつ?

 

俺が訝しんでいると、部室の魔方陣が再び輝きだし、十数人の集団が現れた。

 

しかもよく見れば……全員女の子!?

 

まさか……まさかこいつ、ハーレムを作りやがったのか!?

 

とと、今はそんなことを言っている場合じゃねえ!

 

 

「俺の眷属達だ。そうだな……ミラ、お前がやれ」

 

 

ミラと呼ばれた少女が、細長い武器を手にツナに襲いかかる!

 

ツナは……な、何で構えないんだ!そのままじゃやられちまうぞ!

 

マズイ、ミラの武器がツナを捉えーーー。

 

 

 

サァァ……。

 

 

 

っ!

 

構えもとらず、ツナはミラの攻撃をモロに喰らったように見えた。

 

が、ツナに当たったと思った瞬間、ツナの姿は霧のようにその場から消え去った!

 

な、なんだ!?

 

今のどうやったんだ!?

 

 

「……ボスに手を出すなら、私も許さない」

 

 

藍色の炎を纏わせた三叉槍を構えているクロームちゃんが、キッとライザー達を見据えていた。

 

じゃあ、今のはクロームちゃんが?

 

そうこうしているうちに、先ほど消えたツナがミラの背後に現れる。

 

そしてーーー。

 

 

 

トン。

 

 

 

ミラの首筋を手刀で軽く叩き、静かに意識を刈り取った。

 

 

「……すまない」

 

 

気を失ったミラをそっと床に寝かせる。

 

……一瞬で倒しちまった。

 

 

「おのれ、よくもミラを……!」

 

 

今まで余裕の表情をしていたライザーも、この結果は予想外だったのだろう。

 

更に炎を巻き上げ、怒りに震えている。

 

へっ、俺もこの流れで言いたいことを言ってやるぜ!

 

 

「何がよくも、だ。自分で勝負もしないくせによくそんなことが言えるな!そもそも、お前なんかと部長じゃ不釣り合いだ。このまま大人しく帰れ!」

 

 

ちょっと卑怯かもしれないけど、それはこの際なしだ。

 

卑怯って言うならライザーの方が先に仕掛けてきたんだし、これくらいの文句は許されるだろう。

 

 

「……なんだと?」

 

 

さっきはスルーされたけど、今度は反応した。

 

いいぜ、もう一度言ってやるよ。

 

 

「あんたと部長じゃ不釣り合いだって言ったんだ。この人に手を出すなら、今度は俺もやるぞ」

 

 

左腕に赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を出現させ、俺はもう一度、ハッキリとライザーに言ってやった。

 

 

Boost!!(ブースト)

 

 

よし、とりあえずこのまま力を溜めていくぜ。

 

 

「どいつもこいつも……調子に乗るなよ、この下級どもがぁ!」

 

 

うぅ、やっぱり上級悪魔の力ってのは見てるだけでも怖いぜ。

 

でも、俺だって引くつもりはない。

 

こうなったら……!

 

と、ライザーは俺に手をかざし、炎を集中させ始めた!

 

あれをまともに喰らったら火傷どころじゃ済まないぞ……!

 

体勢を低くし、ライザーが俺に向かってーーー。

 

 

「お止めください」

 

 

低く、そして心まで底冷えしそうな声音が部室に響く。

 

俺を含めた全員が動きを止めた。

 

いや、止めざるを得なかった。

 

 

「これ以上やるのでしたら、私も黙って見ているわけにはまいりません。サーゼクスさまの名誉のためにも遠慮はしないつもりです」

 

 

グレイフィアさん!

 

た、助かった……ちょっと情けないけど、グレイフィアさんが止めてくれなかったら危なかった……。

 

彼女の制止にピタリと動きを止めたライザーだが、纏わせた炎を落ち着かせ、息を深く吐いた。

 

 

「……最強の女王(クイーン)と称されるあなたに言われたら、俺も引くしかないな」

 

 

グレイフィアさんって、そんなにすごい悪魔(ひと)なのか。

 

今のやり取りを見ていても、全然殺気とか感じなかったのに。

 

部長も紅い魔力を止め、臨戦態勢を解いていた。

 

なんとか最悪の事態にはならずに済んだな……。

 

 

「こうなることはご両家の方々も重々承知でした。正直申し上げますと、これが最後の話し合いだったのです。ですが、ご両家はこれで決着がつかない場合を予測し、最終手段を取り入れることとしました」

 

 

最終手段?

 

ってか、決着がつかないのは想定済みだったのか。

 

これは……何か怪しい気がするな。

 

部長が訊ねる。

 

 

「どういうこと、グレイフィア?」

 

 

「『レーティングゲーム』にて決着をつけるのはいかがでしょうか?」

 

 

「ーーーっ!?」

 

 

ん?レーティングゲーム?

 

どこかで聞いたような気が……。

 

あ、あれだ。

 

爵位持ちの悪魔がお互いの下僕を戦わせるってやつだ。

 

でも、そのゲームって成人していないとできないんじゃなかったか?

 

 

「あくまでもこれは非公式のゲームです。故にお嬢様が成人なさっていないとはいえ、ゲーム自体は参加可能ですが……いかがなさいますか?」

 

 

なるほど、非公式なのか。

 

だから未成年である部長でも、ゲームをすることができるってわけね。

 

 

「もちろんやるわ!どうせお父さま方は、私が拒否することも見越してこのゲームを提案してきたのでしょう?冗談じゃないわ……勝手に私の生き方をいじるなんて……!」

 

 

かなりイラついている部長。

 

そりゃ勝手にあれこれ決められたらたまったもんじゃないよな。

 

 

「そういうことよ、ライザー。ゲームで決着をつけましょう」

 

 

挑発的な部長の物言いに、ライザーは口元をニヤけさせる。

 

 

「ほー、受けちゃうのか。いいぜ、俺は構わないよ。ただ、俺は既に成熟しているし、公式のゲームも経験済みだ。それでもやるのか?」

 

 

「やるわ。あなたを消し飛ばしてあげる!」

 

 

「いいだろう。そちらが勝てば好きにするといい。だが、俺が勝てばリアスは俺と即結婚してもらう」

 

 

互いに向かい合ってバチバチと火花を散らしている部長とライザー。

 

 

「承知いたしました。お二人のご意志は私グレイフィアが確認させていただきました。ご両家の立会人として、私がゲームの指揮を執らせてもらいます。よろしいですね?」

 

 

「ええ」

 

 

「ああ」

 

 

「わかりました。ご両家には私からお伝えします」

 

 

おおっ、なんかすごいことになってきたぞ!

 

レーティングゲームか……いつかは参加するだろうと思っていたが、まさかこんなに早く経験することになるとは思わなかったぜ。

 

俺が考え事をしていると、ふと視線を感じた。

 

ライザーだ。

 

 

「さっき文句を垂れやがったお前、その左腕のものは神器(セイクリッド・ギア)だな。……もしかして、赤龍帝の籠手か?」

 

 

っ!

 

まさか一目でわかるとは思わなかった。

 

 

「だったらなんだよ?」

 

 

「威勢よく啖呵を切ったはいいが、ハッキリ言って弱いだろ、お前。手合わせなんかしなくてもわかる。いくら『神滅具(ロンギヌス)』である赤龍帝の籠手を持っていても、肝心のお前自身が弱いんじゃてんで話にならんな」

 

 

……その一言は俺に深く突き刺さった。

 

それは自分が一番わかっている。

 

 

「神や魔王すら滅ぼせる凶悪な力。だが、今までそんなことができた奴は一人としていない。何故だかわかるか?」

 

 

そんなこと知るかよ、そもそも俺にはそんな願望なんてない。

 

答えない俺を「反論できない」と思ったのか、ライザーは嘲笑った。

 

 

「この神器が不完全であり、今までの所有者も使いこなせない弱者だったってことだ!もちろんお前も例外じゃない!」

 

 

愉快そうに笑い続けるライザー。

 

ちくしょう……!

 

言い返してやりたいが、俺が弱いのは事実だ。

 

せめて、せめてほんのちょっとだけでも戦える力があれば……!

 

 

「だが、少しでも使いこなせるようになれば面白い戦いができそうだな」

 

 

ライザーは顎に手をやり、何かを思いついたようだ。

 

 

「リアス、ゲームは十日後でどうだ?今すぐゲームをしても面白くなさそうだからな」

 

 

「……私にハンデをくれると言うの?」

 

 

「屈辱か?自分の感情だけで勝てるほどレーティングゲームは甘くないぞ。いくら才能があろうと、いくら強かろうと、(キング)が下僕の力を存分に発揮させてやれなければ即敗北だ。初めてゲームに挑むキミが、下僕との修行を行ってもなんらおかしくはないと思うが?」

 

 

部長は何も言わず黙って聞いていた。

 

 

「それから、キミはまだ眷属が足りていないんだろう?」

 

 

そう、グレモリー眷属はまだフルメンバーじゃない。

 

ライザーはその事を知っていたようだ。

 

 

「今回のゲームできっちりと決着を着けるためにも、まだいない眷属の穴を埋める助っ人を呼ぶといい」

 

 

な、なんだって!?

 

まさかそんなことを言われるとは予想外にもほどがある!

 

これには部長も思わず反論をする。

 

 

「待ちなさい!私は自分の眷属だけでーーー」

 

 

「言っただろう、きっちりと決着を着けるとな。それに……そこの奴には礼もしたいしな」

 

 

そう言うとライザーはツナに視線を向ける。

 

 

「そこのお前、ゲームに来い。今度は俺が直々に相手をしてやる。他の助っ人は誰でもいい。だがお前は必ず参加しろ」

 

 

「わかった、必ず行く」

 

 

ツナは静かに、だけど力強くライザーの言葉に応えた。

 

それを確認したライザーは手を魔方陣にかざし、光を発生させる。

 

 

「リアスに恥をかかせるなよ、お前達の一撃がリアスの一撃なんだ」

 

 

その言葉は俺とツナに向けられたものだった。

 

そして、部長を想っての言葉だとも理解できた。

 

 

「リアス、次はゲームで会おう」

 

 

そう言い残し、ライザーは下僕の女の子達とともに魔方陣の中へ消えていった。

 

 

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