ハイスクールD×D ~ボンゴレファミリー来る!~ 作:ムンメイ
まだ感覚が戻りません……。
場面転換多すぎですね、これは読みづらい……その他にもおかしいところがあれば感想にて是非。
あと原作と違う展開、戦闘シーンの書き込みをしてたらだいぶ長くなりそう……。
生徒会室でのんびりと紅茶を嗜んでいる男ーーーライザー・フェニックスは、体育館での戦闘と自身の
下僕の数、経験の差……それもあるだろう。
だが、何よりライザーは相手を見下していた。
あんな格下相手に負けるはずがない、所詮は助っ人ありきの寄せ集めだと……。
カップを片手に窓辺へと歩み寄る。
生徒会室からは校庭が一望できる造りになっており、ここへ襲撃する者が来ようとも、すぐに発見できるだろう。
まあ、そんなバカはいないだろうがな……と独りごちるライザー。
さて、これからどうしてやろうかと思案し始めた時だ。
ふと視界の隅に影が写りこんだ。
……いやいや、冗談だろ?
我が目を疑いつつ、影が見えた方へと目を凝らす。
そこには……いた、やはり見間違いではない!
ボサボサとしたブラウンの髪に、額に灯るオレンジの炎。
間違いない、先日の部室での一件でライザーの眷属を一撃のもとに伏した男だ。
ライザーは己の中に沸々と怒りがこみ上げてくるのを感じた。
あいつ……!どこまでも俺を愚弄する気か……!
その時、ライザーの怒りを助長するかのように生徒会室の扉が勢いよく開かれる。
「ライザーさま!」
「なんだ騒々しい!」
「校庭に敵が一人現れました!」
「そんなことはわかっている!早く迎撃してこい!」
鬱憤を晴らすかのように眷属へ指示を飛ばすライザー。
だが、何故か彼女は指示を聞いても動こうとしない。
「どうした?早く行け!」
「いえ、それが……」
煮え切らない様子の下僕に、ライザーはますます怒りをつのらせる。
「言いたいことがあるならハッキリ言え!」
「は、はっ!それが……その敵ーーー沢田綱吉は、自分から仕掛けるつもりはないと、校庭の中央で待機するつもりのようです!」
その一言は、ライザーを完全に怒らせるには十分すぎる一言だった。
「……お前達は先に行け。仕掛けてこないというのなら、こちらから仕掛けるまでだ。レイヴェルとカーラマイン、イザベラ以外の全ての者を向かわせろ。ユーベルーナは戦車二人を倒したら俺と合流するよう伝えておけ。俺も準備が出来次第向かう」
「はいっ!」
一つ返事をし、弾かれたように生徒会室をあとにするライザーの眷属。
それを見送ったライザーは、改めて窓から校庭を見下ろす。
一人静かに佇む沢田綱吉の姿は、やはり自分をバカにしているようにしか見えなかった。
ー○●○ー
さて、俺ーーー沢田綱吉の役割は……ライザーを煽り、できるだけこちらに敵を向けさせること。
あの部室での一件は、ライザーからしてみれば許しがたいことだったはずだ。ただの人間と思っていた相手に眷属をやられ、あまつさえ喧嘩まで売ってきたのだから。
まあ、俺としてはそんなつもりは微塵もなかったのだが……相手がそう受け取ってくれるのであれば、それもこちらの手として利用できる。
あえてライザーを挑発し、あわよくば引きずり出そうということだ。
幸い俺は……自分で言うのもなんだが、今の仲間の中では戦闘経験もあり、たとえ複数人が相手でもそこそこ戦えるだろう。なるべく多く倒し、皆が合流できるまでに少しでも相手の戦力を削がなければ。
とーーー。
「なんとも舐めた真似をしてくれるものだな」
新校舎から複数の
数は……七人、他に隠れているような気配もない。
まずいな、向かってくるとしてもせいぜい四人程度だと思っていたのだが……予想よりも多い。
「そんなつもりはない。これも作戦だからだ」
話しかけてきたのは幅の広い大剣を背負った女性だ。剣……ということは
「ほう、ということは、リアス姫は随分とお前を買っているとみえる。そうでなければこんな大胆なことはできまい」
「……どうだろうな」
「ふっ、この人数を前にその落ち着きよう……あながち全くのハッタリということでもなさそうだ。だが……」
騎士風の女性は背中に背負った大剣を抜き放ち、勢いよく俺に向かって突きつける。
「このシーリス、そう易々とやられはせんぞっ!」
女性ーーーシーリスに倣うかのように、他の六人もこちらへ構えをとる。
来るっ……!
「ライザー様が騎士、シーリス!いざ参る!」
その言葉を合図に、ライザーの眷属達が一斉に襲いかかってくる!
俺だってやられるわけにはいかない。この試合での役割、きっちりと果たさせてもらうぞ……!
~○●○~
ツナとライザーの眷属達が戦い始めてから少し後、ライザーは一人旧校舎の近くまで来ていた。
体育館方面ではライザーの女王とリアスの戦車二人が戦いをくり広げていたのだが、ライザーはそこをなるべく遠回りし、敷地のギリギリを通ってここまでやって来た。お陰で誰かに気付かれることもなかったのだが……。
「ちっ。厄介な結界を張ってくれたな」
本来そこにあるはずの旧校舎は全く姿形が見えない。しかもある一定の範囲を捜索すると、いつの間にか同じ地点に戻されてしまうである。
「こういう手合いは俺の得意とするところではないのだが……強引にでも突破するか?」
突破出来たとして、そこに更なる罠が仕掛けられている可能性は十分考えられる。しかしこのままこの周辺を彷徨っているわけにもいかない。
どうするかと思案を始めた時だ。
「ライザー様!」
体育館の方からライザーの女王、ユーベルーナが姿を現した。
「おお!ユーベルーナか、待っていたぞ!」
「お待たせして申し訳ございません」
「気にするな。それより、そちらはどうなった?」
「ありがとうございます。戦車の一人、塔城小猫はリタイア。もう一人の助っ人は
「そうか、戦車一人のリタイアアナウンスは俺も聞いていた。できればもう一人も、といきたいところだったが、そういうことならそれでいいだろう」
「もったいないお言葉、感謝致します」
ライザーはユーベルーナの報告に概ねの満足を示した。
「さて、お前はこの結界をどう見る?」
「は……見たこともない結界です。悪魔のものとも、人間の魔法とも違う力で作られたものと考えます」
やはりな……と、ライザーは得心する。
沢田綱吉の部下、助っ人である
「どうにか解析はできるか?」
「未知のもの故、多少お時間がかかってしまうとは思いますが……」
「構わん、こういうことも想定してお前に合流しろと命じたのだからな」
「わかりました、では早速……」
おそらくこの結界に触れた時点でライザーの接近はばれている。が、そんなことはライザーは微塵も気にしていない。
今やツナに対する憤りも、その怒りをぶつけることすらもどうでもいい。この俺を一度ならず二度までも虚仮にしてくれたあいつらに現実というものを教えてやる……ライザーの腹はその思いで煮えくり返っていた。
~○●○~
新校舎の前まで来た俺、兵藤一誠と朱乃さんは、途中で合流を果たした木場と共にライザーの眷属三人と相対していた。
「僕達はまだまだ余力を残している。あの三人相手でも一人ずつ当たれば簡単にはやられはしないと思うけど……イッセーくん、大丈夫かい?」
木場が相手を警戒しながらも俺に声をかけてくる。
先程聞こえてきたアナウンス、こちらの戦車が一人リタイアさせられた。
笹川先輩は俺達の中でも高い実力を持っている、そう簡単にやられはしないだろう。と、いうことは……。
ダメだ、今は考えるな!
俺はあの二人を信じたんだ。今更後悔なんかしていいわけがない!
「ああ……正直、ショックはデカイさ。仲間がやられる経験なんてほぼないしな。けど、ここで俺が立ち止まってちゃ、俺達を送り出してくれたあの二人に申し訳がたたねえ」
そうさ、まだゲームは終わっちゃいない。ここで俺が折れたら、二人の思いを無下にすることになってしまう。
「なにより、負けたら部長があいつのところへ行っちまう……それだけはなんとしてでも許すわけにはいかねえんだ!」
自分を奮い立たせるように宣言する!
それを聞いた木場と朱乃さんは、力強く頷いてくれた。
「そうですわね。そのためにも、まずはあちらの方々を倒しませんと」
朱乃さんは体からオーラを迸らせながら相手に向き直る。
それにしてもあの人達、随分と余裕な感じだな。俺達が会話している間も全然仕掛けてくる様子がなかった。
なんだろう、まるで何かを待っているような……。
「もういいだろうか?」
相手の一人、顔の半分にだけ仮面をつけた女性が一歩前に出る。たしかあの人は戦車だったはずだ。
「お互いににらめっこしかしないというのもどうかと思うからな、そろそろ始めようか」
そうだよな。平和的に話し合いで解決、なんてのはありはしない。あちら側もようやくやる気になったってとこか。
「私はライザーさまに仕える騎士、カーラマイン!こそこそ腹の探り合いをするのも飽きた!リアス・グレモリーの騎士よ、いざ尋常に剣を交えようではないか!」
戦車の女性より更に一歩前に立ち、高らかに名乗りを上げる女性騎士!な、なんつー豪胆な
これを受け、木場は小さく笑いこぼした。
お、お前もやる気だな?
「僕はリアス・グレモリーの眷属、騎士木場祐斗」
「俺は兵士の兵藤一誠だ!」
別に俺は騎士じゃないが、ついでに名乗ってやったぜ!
それを聞いたカーラマインは、嬉しそうに口の端を吊り上げた。
「お前達のような戦士に出会えたこと、嬉しく思うぞ」
剣を抜き放つカーラマイン。木場も一振の魔剣を創り構える。
「騎士同士の戦い……僕も待ち望んでいたよ。個人的には尋常じゃない斬り合いを演じたいものだね」
「よく言った!リアス・グレモリーの騎士よっ!」
カーラマインは木場の挑発的な物言いにも怯まず、踊るように斬撃をくり出した!そこから一瞬にして高速の剣戟を展開していく!
すげえ、俺の目には火花が散っている様子しか見えねえ!
「はあ……まったく、相変わらずですのね、カーラマインは。
「いや、いい加減限界だろうと思ってね……あの状態の彼女を説得しようなんて、私には荷が勝ちすぎている」
「せっかくかわいい殿方を見つけたと思ったのに、カーラマインと同類だなんて……ついてませんわね」
今度は西欧のお嬢様然とした美少女がいらっしゃった。こちらはたしかライザーの僧侶だ。金の髪にドリルみたいな縦ロール。俺のイメージするお嬢様そのものって感じだ。
「すまないな。彼女は特別参加みたいなもので、今回は観戦しているようなものなんだ。……さて、私達もやろうか。お相手はどちらかな?それとも二人がかりか?」
う、うーん、こんな大事な試合に特別参加?しかも観戦だけ?
訳がわからん、訳がわからんが……戦わないって言うならそれでいい!一人だけに集中できるってもんだ!
「俺が相手になる。朱乃さんは見ていてください」
「あらあら、これはチーム戦ですわ。なにも一対一の戦闘にこだわる必要はないのではなくて?」
朱乃さんに、暗に注意されてしまう。
たしかにその通りだと思う。これはチーム戦、個人の勝負よりもチームが勝つことを優先させなければならない。
だけど、だけど俺は……。
「すみません、でも俺一人で戦わせてください。ここで引いたら、俺はこの
俺は自分の胸元をドンと叩く。
「ツナが託してくれた思いも、無駄にしちまう……。男が一度決めたことを曲げる訳にはいかないんです!ツナにも、そして部長にも申し訳が立ちません!」
それは、ゲームが始まる前の約束……。
~~~
「イッセー、これを受け取って欲しいんだ」
「これは、指輪?」
それはゲームまであと十数分の頃。
ツナに呼ばれた俺は、アーシアをソファに残して部室の隅に向かった。
ツナが「渡したいものがある」と言ってポケットから取り出したのは、オレンジ色の石がはめ込められた指輪だった。
「これ、オレンジ色の……ってことは、大空のリングか?」
「そうだよ。それをイッセーに持っていてほしいんだ」
「でも、なんで俺に?」
「なんでだろう、自分でもよくわからないんだけど……なんとなく、そのリングがイッセーの助けになるような気がしてさ」
助け、か。
俺はもちろん、まだ眷属の誰もリングを持っていないし、炎の出し方すら教えてもらっていない。
そんな俺がリングをもらっても、役に立たせることはできないと思うんだけど……。
「大丈夫。助けと言っても、すぐに使いこなしてほしいわけじゃないんだ。お守りのようなものだと思ってくれればいいよ」
聞けばこのリングは、ツナがボンゴレギアを使っていない時のスペアのようなものらしい。
「スペアって言っても、ボンゴレギアと同じで俺のピンチを何度か救ってくれたことがあるんだ。だからイッセーのお守りになればいいなって思ったんだけど……ご、ごめんねいきなり!なんか押し付けるような感じになっちゃって!いらなかったら全然いいから!」
俺の反応をありがた迷惑だと思っていると勘違いしたのか、わたわたと焦るツナ。
俺も慌てて訂正を入れる。
「いやいや、そういうことじゃなくてさ!俺なんかにそんな大事なものを預けちゃっていいのかなって……」
語尾がだんだん小さくなって、最後は消え入りそうな声しか出せなくなる俺。
だって仕方ないじゃん!まともな戦闘なんてまだ数えるほどしかやったことないんだぞ!?不安でたまらないよ!
そんな俺の心情を察したのか、ツナは優しい笑みを浮かべてこう言ってくれた。
「イッセーだからこそだよ。なんて言うか……俺の直感が、このリングをイッセーに渡した方がいいって言ってるような気がするんだ。たしかに戦闘経験はほとんどないかもしれないけど、だからこそ、このリングと一緒に戦ってほしいんだ」
リングと一緒に……。
俺は、ツナの一言に妙な暖かさを覚えた。
まるで俺の弱さを全て包み込んでくれたような、そんな感覚だ。
でも、ただツナの好意に甘えるだけじゃないぜ?
「……わかった。ツナがそこまで言うなら、受け取っておく。ただし!やるからには全員倒してライザーをぶん殴る!あいつに部長を取られてたまるか!」
俺は改めて自分の決意を表明する!
そうさ、あんな焼き鳥野郎に大事な部長をくれてなんかやらないぜ!
「頼もしいわね。それでこそ私の兵士だわ」
声がした方を見れば、いつの間にか部長がこちらに近づいて来ていた!
うわー、俺の決意表明聞かれちゃったか?なんか恥ずかしい!
「ありがとう、イッセー。私も改めて誓うわ。絶対にこのゲームに勝つ。勝って自由を手に入れてみせる」
部長の目、本気で
それなら俺だって覚悟を決めないとな。
「はい!必ず勝ちましょう!」
「俺も頑張ります。こんな間違いだらけの勝負、絶対負けません!」
「約束よ、二人とも」
~~~
「さあ、始めようぜ、イザベラさん。俺はこんなところで負けてなんかいられないんだ!」
「……わかりました。ただし、少しでも危なくなったらすぐに加勢させていただきますわ」
すみません、朱乃さん。ありがとうございます!
「私をこんなところ扱い、か。いいだろう、ならば全力でかかってこい!」
俺の初めてとなるレーティングゲーム、その初戦が幕を開ける!