ハイスクールD×D ~ボンゴレファミリー来る!~ 作:ムンメイ
やっぱり収まりきらなかった……!
死ぬ気の炎の説明なんかもいれたかったのですが、あまり長いのもあれかと思い、次回に持ち越しです。
自分なりにわかりやすくしたつもりですが……もしわからないところがあればどんどん質問してください。
また、「これ矛盾してね?」っていうところがあれば、それもどんどんご指摘くださいね。
あ、アーシアいつ出せるかなぁ……
「実は……俺達マフィアなんです!」
…………。
……え、無反応?
皆の様子を窺ってみれば……やはり、というか、リアス先輩以外はポカーンとしている。
部員の人達はあらかじめ聞いていたようだが、それでもこの反応は……半信半疑だったのかな。
「あ、あの……」
「わ、悪いツナ、もう一度言ってくれないか?」
イッセーが固まってしまっている皆を代表するように、俺ーーー沢田綱吉に聞き返す。
「えっと……その、だから、俺達マフィアなんだ」
「……マフィア」
「そうだぞ、俺達は『ボンゴレ』というマフィアなんだ」
リボーンが代わりに答える。
「それは……よく映画とかで出てくる、あの……?」
「そうだ」
木場君の質問に再度肯定をするリボーン。
その答えを聞いた皆は、どこか落ち着かない様子だ。
まるでマズイ人達と関わってしまったような、なんとも言えない空気が漂っている。
「で、でも!マフィアといっても皆が思うような、誰かを襲ったり殺しをするような奴らとは違うんだ!」
慌ててフォローを入れる俺!
考えてみればそうだ、いきなり「マフィアです」なんて言われても困っちゃうよね!
俺だって昔はそうだったし!
「疑うようで申し訳ないのですけれど……何か、証拠のようなものはありませんの?」
姫島先輩がおそるおそる聞いてくる。
やっぱりマフィアだなんて、怖がられるよなぁ……。
「ごめんなさい、今は証明できるようなものは持っていないんです……」
「そうですか……」
この状況を見かねたのか、リアス先輩もフォローを入れてくれる。
「皆、俄には信じがたいかも知れないけれど、彼らの言うことは本当よ」
リアス先輩の言葉に、皆は顔を見合わせている。
「イッセーが天野夕麻に襲われた日に、私が彼らと会っていたことはさっきも話したわよね?」
あの日、あの公園でのことだ。
俺達は赤い光と共に現れたリアス先輩と出会っている。
「実は彼らと会う前に、彼らの上司から手紙を貰っていたの。『そちらに私の後継者ファミリーを送る』とね」
ーーーっ!
それは俺も初耳だ。
あの日、家に帰って行われた話し合いでは、9代目からの勅命が俺達に下ったことと、その内容しか聞いていなかった。
「最初は私も信じられなかったわ。だって、見ず知らずの人間がいきなりそんな話を持ちかけてきたんだもの」
上司……おそらく9代目か、その守護者の人だろうな。
「でも、とある話を聞いて考えが変わったわ。この人達の話を聞いてみてもいいと思ったの」
そうか、それで9代目の勅命に繋がるんだ。
「それに、私達の存在だって、一般の人間からすれば信じられないもののはずよ。さっきのイッセーのようにね」
それは……そうだよね、俺達も本当に悪魔がいるなんて思いもしなかったし。
「皆すぐには彼らの言うことを信じられないかもしれないでしょうけど、今は私の言うことを信じてくれないかしら?」
その言葉で、完全にとはいかないまでも、一応の納得はしてくれたようだ。
「……何が何だかよくわからん。よくわからんが……わかった!俺は信じるぜ!」
イッセーは先程の『悪魔宣言』があったせいか、どこかやけくそ気味だったのが……もうこの際、難しく考えるのは止めたようだ。
「それで、改めて聞くわ。あなた達がこの町に来たのはどういう目的かしら?」
俺は意を決して言う。
「実は、ボンゴレ本部があるイタリアで、とある事件が発生したんです」
「……イタリア?」
小猫ちゃんが問う。
他の人も思案顔だ。「ここは日本なのに、何故イタリアの話が出てくるのか?」と。
「うん。その事件というのは、俺達ボンゴレファミリーの構成員が襲われたっていうものなんだ。幸いにも、死者は出ていないんだけど……襲われた人の話だと、どうやら普通の人間にやられた訳じゃないみたいなんだ」
「普通の人間、ねぇ……」
イッセーが独りごちる。
「ボンゴレの9代目ボスは、すぐに襲ってきた奴の特定を始めたんだ。ところが……ボンゴレの総力をあげても、そいつがどんな人物なのか、どこから来たのか、何が目的だったのか。何一つわからなかったんだ」
ボンゴレの総力……つまり、ボンゴレファミリーだけでなく、その傘下にある全てのファミリーの協力をもってしても、全く手がかりが掴めなかった。
イッセーが問う。
「そのボンゴレの総力って、どれくらいの規模なんだ?」
「大体だけど、一万くらいのファミリーが傘下にいるんだ。それぞれの構成人数は把握していないんだけど……それでも、かなりの人数がいるよ」
「全マフィア界でもトップのファミリーだからな、これくらいは当たり前だ」
リボーンが補足してくれる。
「そ、それはすごいな……」
予想外の数だったのか、皆引き気味だ…… 。
「ま、まあとにかく!俺達だけじゃなにもわからなかったんだけど、ある人に協力を求めたんだ」
「ある人?」
「タルボっていうお爺さんなんだけど、噂では初代ボンゴレボスの時代からファミリーに仕えてくれているらしいんだ」
これにリアス先輩が反応する。
「ちょ、ちょっと待って。確かあなた達は9代目の命でここへ来たのよね。たしか9代目はご高齢のはずなんだけど……初代から仕えているって……その人は何者なの?」
うん、もっともな質問です!
俺達も最初に会った時は同じことを思いました!
「しょ、正体まではわからないんですけど……とにかく、昔から生きているタルボ爺さんに聞いてみれば、何かわかるかもって思ったんです」
すると、タルボ爺さんは驚きの言葉を口にしたという。
襲われた者の中に、これと似たようなものを見た者はおらんかね?
と……。
「9代目達はすぐにタルボ爺さんから渡されたものーーー魔方陣の描かれた紙をもって、見た人がいないか聞き込みを開始しました」
そして遂に、「見た」という人物を探し当てる。
「その人が言うには、襲撃者達はその魔方陣のようなものから突然現れ、襲ってきたと言っていたそうです。そして、来たときと同じように、突然帰っていったと」
顔をしかめ、何かを考え込むオカルト研究部の一同。
「それを聞いた9代目は、すぐにタルボ爺さんに報告をしました。すると、襲撃者に心当たりはないが、その人物の正体ならわかるかもしれないと教えてくれたんです」
他に手がかりがない以上、頼みの綱はタルボ爺さんだけだ。
9代目が教えを請うと、タルボ爺さんは懐から一枚の古ぼけた紙を取り出した。
そして、何やら儀式のようなものを始める。
訝しげに見守っているとーーー突然その紙が輝きだし、光の中から一人の男性が姿を現した!
「タルボ爺さんが取り出したのは、9代目に渡した紙とは別の魔方陣が描かれた紙だったそうです。儀式が終わって現れた男性は、『アガレス』と名乗りました」
リアス先輩はハッとしたように顔をあげた!
「アガレス!そう、確かにアガレスなら、逃亡した者を探すのにうってつけね!」
「ど、どういうことですか……?」
イッセーがリアス先輩に訊ねる。
「アガレスというのは古い悪魔の一角で、由緒正しい名家の一つよ。あらゆる言語を教えることができ、その力は地震として表されることが多いの」
俺達も詳しくは知らなかった情報に、耳を傾ける。
……獄寺君、メモはまた後でにしようよ……。
「はあ……で、そのアガレスがどうしてうってつけなんですか?」
「言い伝えによれば、アガレスは逃亡した者を呼び戻す力があると言われているわ」
「な、なるほど……確かにそれはうってつけですね」
俺は話を続ける。
「残念ながら、その襲撃者を呼び戻すことはできなかったんですが……アガレスさんは、9代目の話と襲撃者が使ったと思われる魔方陣を見て、一つ確信したことがあったようなんです」
「確信?」
「はい。もしその襲撃者が使ったという魔方陣がそれと同じ、もしくは似たものならば、旧魔王に連なるものではないかと」
旧魔王、と聞いた途端、勢いよく立ち上がるリアス先輩!
ど、とうしたのかな……?
「旧魔王!まさか、人間界にまで手を出すだなんて……!」
憎々しげにそう漏らすリアス先輩。
他の部員達も緊張した面持ちで居住まいを正す。
「は、はい。そして、こうも言ったそうです。『その者を呼び戻すことはできないが、どこへ向かったのかはわかる』と」
「なるほど……その襲撃者は日本に向かったというわけね。それであなた達に白羽の矢が立った」
リアス先輩は合点がいったように相づちを打つ。
「そうなんです。9代目は日本に住む俺達に、その者を探し出して捕らえるよう勅命を出しました」
「これがその勅命だぞ」
リボーンが9代目の勅命を開いて皆に見せる。
相変わらずイタリア語はわからないが……死炎印から伝わる温かさは、たしかに9代目の炎だ。
「うお、紙から火が出てる!危ねえ!」
イッセーが慌てて火を消そうとする!
「大丈夫だよイッセー。これは『死炎印』といって、『死ぬ気の炎』で出来た署名のようなものなんだ」
落ち着かせるように説明をする俺。
「死ぬ気の炎?」
「うん、後でまたちゃんと説明するね」
「お、おう。わかった」
またソファーに戻るイッセー。
それでも視線は死炎印に釘付けだ。
リアス先輩達も不思議そうに、そして興味深そうに眺めている。
「えーと……そう!そういう訳で、俺達はこの学園に転校してきたんです」
「あー、一ついいか?」
勅命から視線を戻し、イッセーは質問をする。
「どうしてこの学園に来たんだ?日本に住んでいるなら、ツナ達が前に住んでいたところでも良かったと思うんだが……」
「実はね、アガレスさんが駒王町を薦めてくれたみたいなんだ」
駒王町。この町の名前だ。
「アガレス家に、私と同じ年頃の顔馴染みがいるの。私も幼い頃はお呼ばれをしてお茶会などを楽しんでいたのだけれど……魔方陣で現れたというその方は、私がこの学園に通っていることを知っていたのよ。あなた達と同じ年頃で、悪魔である私がいるこの学園がちょうどよかったのでしょう」
同じく視線を戻したリアス先輩が答えてくれる。
イッセーは「なるほど!」と納得したようだった。
「アガレスさんからこの町の事と、リアス先輩のことを聞いた9代目は、この勅命と一通の手紙を書いて俺達に渡しました。受け取ったのはリボーンなのですが……」
「ツナに渡しちまったら絶対に渋ると思ったからな。大半のことは伏せておいて、俺だけ先に悪魔側と接触したんだ」
うぐっ!たしかにそうだったかもしれないけどさ……!
「それであなた……リボーンといったかしら?あなたと会談をした悪魔が私に事情を説明しにきたの。最初は『私の管轄区域なのに、何故直接私のところへ来ないのかしら』って不満だったわ。でも、旧魔王が絡んでいるなら話は別ね。悔しいけれど……これは私だけの手に負える問題ではないもの」
リアス先輩、悔しそうだな……。
「それはアガレスの方でも言っていたことみたいだな。自分のパイプを使って上へ連絡を取ると言っていたみたいだし、そのパイプってのでやって来たのが俺と話をした悪魔だったんだ」
「その悪魔って、どんな……人?だったんだ?」
リボーンにそう聞く俺。
「ああ、魔王の眷属って言ってたな」
ま、魔王!?
それって悪魔の王ってこと!?
ま、まあ「旧魔王」なんていうのがいるくらいだし、魔王がいたとしても不思議じゃないけど……!
オカルト研究部の皆も驚いている!
まさかそんなにすごい人が出てくるとは思っていなかったって顔だ!
「そうなの。その後……つまり、昨日の放課後に、私と沢田くん達とで改めて会談の場を設けたの。ところが、急に遠くで危険な気配を感じて、会談は急遽中止。私は眷属達への連絡もあったから、先に沢田くん達に向かってもらったの」
「そ、そんなことがあったんですね……」
リアス先輩の発言に、いくらか疑問が解消されたような顔のイッセー。
「一応、俺達からはこのくらいですかね」
今までの話をまとめるとこうだ。
まず、イタリアで起きた事件。
犯人が悪魔で、しかも日本にいるらしいということを突き止めた9代目は、俺達に勅命を出した。
リボーンはそれを受け、先だって協力してくれる悪魔と接触。
そして俺達が転校してきた当日、イッセーが殺されてしまった。
リボーンと会談をした悪魔から事情を聞いていたリアス先輩は、イッセーからの召喚であの公園にやって来たんだ。
それ自体は只の偶然だったみたいだけど……。
昨日。
この町に住む悪魔と改めて話を、ということで、リアス先輩と会談。
こちらの事情を大まか説明しているときに、遠くから殺気を感じたんだ。
現場に到着してみればイッセーが襲われていたので、俺達が介入。
更に眷属達への連絡を終えたリアス先輩も合流し、今日の会談に繋がるんだ。
……ふー。色々と省いちゃったけど、こんな感じかな。
一息つく俺だったが……
「まだ終わってねーぞ」
「え?」
「昨日中止になっちまった話の続きがあるだろ」
リボーンに注意されて思い出した!
そうだった!
すっかり忘れていたよ……
「えっと……リアス先輩、改めてお願いがあります」
「ええ、もう一度聞かせてちょうだい」
「俺達が日本に逃げてきた悪魔を捕らえるのに、どうか力を貸してもらえないでしょうか」
これに再び部員の人達が驚く!
しかし、皆リアス先輩の様子を窺って、どう答えるのかを見守っているようだ。
たしか、皆はリアス先輩の眷属……ということは、主の決定を待っているって感じなのかな。
「そうね……」
しばし考え込むリアス先輩。
だが、すぐに答えを出した。
「いいわ。協力してあげる」
ーーーっ!
やった!OKをもらえた!
「ただし」
え?
「私も悪魔。タダで、というわけにはいかないわ」
えぇぇぇぇ!?
ま、まさかお金!?
給料を支払わないとダメですか!?
お、俺そんなお金なんて持っていないぞ……!
「ふふっ。別にお金なんていらないわよ」
こちらの心情を察したのか、やんわりと否定してくれるリアス先輩。
な、なんだ……よかった……。
「そうね……その代わりに、この子達を鍛えてくれないかしら」
……ん?鍛える?
誰が?誰を?
「あなた達が、この子達を」
念を押してくるリアス先輩。
「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」
今度は俺が驚く!
だってそうだよ!
俺達がこの人達を鍛えるなんて!
「あなた達も知っての通り、私達には何かと敵が多いの。その敵に対抗する術を教えてくれないかしら」
うーん、たしかにそれは俺も知っている!
実際にその現場にもいたし……!
俺が答えに詰まっていると、なんとリボーンが勝手に答えてしまう!
「いいぞ、ならこれで契約成立だな」
「な、なに勝手なこと言ってるんだよ、リボーン!」
「別にいいじゃねーか、要はお前達がこいつらの家庭教師になってやればいいんだろ?」
家庭教師って……!
「お前達はどうなんだ?」
リボーンは獄寺君達にも話を振る!
「やりましょう10代目!まさか悪魔に会えるだけでなく、俺が家庭教師になれるなんて……光栄の限りです!」
そりゃ獄寺君はそう言うだろう!
不思議大好きなんだし!
「俺もいいぜ。野球部が休みの時でいいなら、練習相手になってやるよ」
「ボス、私も大丈夫」
「俺もだ、沢田!極限に鍛えてやる!」
山本にクローム、お兄さんまで!
……雲雀さん!雲雀さんは!?
「……あまり群れないなら、好きな時に噛み殺しにいくさ」
一番安全だと思っていた雲雀さんまでもが賛成する!
くっ……たぶん、悪魔と戦ってみたいんだろうな……
そう言えば珍しく雲雀さんがここにいるのも、リボーンから誘われたからって言っていたし……
ランボは……寝てるー!?
長くて難しい話についてこられずに寝ちゃったよ!
でも、流石にランボに家庭教師は無理か。っていうか俺が止める!
「ほら、お前のファミリーは賛成みたいだぞ。後はお前が決めろ」
うっ!
こういう時はいっつも俺なんだよな!
ボスなんだからお前が決めろって……。
っていうか、ここまできたら断れないよね、これ……。
「……はい、わかりました。それでよろしくお願いします……」
「はい、これで契約成立ね。改めて、よろしくお願いするわ」
手をこちらに差し出し、握手を求めるリアス先輩。
ほらね、やっぱり嫌な予感がしたんだよ……。
俺は……観念して、握手に応じるしかなかった。