ハイスクールD×D ~ボンゴレファミリー来る!~   作:ムンメイ

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ありがとうございます!

ようやく一巻も終わり。

この後番外編として小話を挟んでから、二巻目にいきたいと思います!





Life.7 新たな仲間来る!

 

堕天使を殴り飛ばし、完全に力を使い果たした俺はその場に倒れ込みそうに……。

 

とん。

 

俺の肩を抱き、木場が支えてくれる。

 

 

「まさか、本当に堕天使を倒すなんてね」

 

 

ま、何が何でもってやつだったからな。

 

これくらいはやるさ。

 

 

「実は部長に、手を出すなって言われていたんだ」

 

 

「部長?」

 

 

「その通りよ。あなたなら、あの堕天使を倒せると信じていたもの」

 

 

声のする方へ振り向けば、なんと部長がいる!

 

朱乃さんとツナも一緒だ。

 

 

「部長……な、なんで……」

 

 

「私はあなたの主なのよ?当たり前じゃない」

 

 

優しい笑顔を向けてくれる部長。

 

俺は部室であんなに失礼なことを言ったのに……。

 

後悔の念にかられる俺だが、壁から小猫ちゃんがズルズルと何かを引きずりながら持ってきた。

 

 

「……持ってきました」

 

 

も、持ってきたって……小さな体に似合わずなんて豪快な……。

 

 

「ありがとう、小猫。……さて、朱乃」

 

 

「はい」

 

 

朱乃さんが宙に水を発生させ、それをそのまま倒れているレイナーレへぶっかける。

 

朱乃さんも随分と思いきりのいい……。

 

 

「ゴホッゴホッ!」

 

 

「ごきげんよう、堕天使レイナーレ」

 

 

「……グレモリー家の娘か……」

 

 

「初めまして、リアス・グレモリーよ。短い間でしょうけど、お見知りおきを」

 

 

笑顔で返す部長だが、レイナーレは部長を睨みつける。

 

 

「突然で申し訳ないのだけれど、これに見覚えはあるかしら?」

 

 

そう言うと、部長は懐から三枚の黒い羽を取り出した。

 

あれは……堕天使の羽、か?

 

それを見た途端、レイナーレは一気に顔を曇らせる。

 

 

「あなたならわかるはずよね。これはあなたの仲間の羽よ」

 

 

「嘘よ!」

 

 

信じられないと言う顔で叫ぶレイナーレ。

 

……もしかしたら、レイナーレの仲間は……。

 

 

「以前、イッセーを襲った堕天使に出会った時から、あなた達堕天使が何かを企んでいるのは察していたわ。けれど私は無視した。いくら私でも、堕天使全体を敵に回すことなんてできないもの。でも、何やら突然裏でこそこそと動き始めたと聞いたものだから、朱乃とツナを連れて少しだけお話をしてきたの。最初は私と朱乃だけでね」

 

 

そうか、部長が「用事がある」と言っていたのはこのことだったのか。

 

裏で他の堕天使を始末していた……。

 

 

「女二人が近づいてきただけだから、甘く見たのでしょうね。あなた達の計画のことを色々と教えてくれたわ」

 

 

レイナーレは悔しそうに歯噛みをしていた。

 

 

「どんな者でも一撃で消し飛ぶ。それが消滅の力を持つ部長の魔力さ。若い悪魔の中でも天才と称されるお方だからね」

 

 

「別名『紅髪の滅殺姫(べにがみ ルイン・プリンセス)』とも呼ばれていますのよ?」

 

 

木場と朱乃さんが主を褒め称えるように教えてくれる。

 

滅殺姫ですか……なんとも物騒なお名前で……。

 

あれ、俺……その人の眷属だよね……?

 

お、恐ろしい……。

 

ふと部長が俺の籠手を見る。

 

驚いているようにも見えるが……。

 

 

「赤い龍……そう、そういうことなのね。堕天使レイナーレ。この子の神器(セイクリッド・ギア)はただの神器じゃないわ」

 

 

部長の言葉に、怪訝そうに眉をつり上げるレイナーレ。

 

 

「ーーー赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)、神器の中でもレア中のレア。極めれば神や魔王すら滅ぼせる『神滅具(ロンギヌス)』と呼ばれるものよ」

 

 

「赤龍帝の籠手……!あの忌まわしき力がこんな子どもに……!」

 

 

「言い伝え通りなら、十秒毎に持ち主の力を倍にしていくのが赤龍帝の籠手の能力。たとえ最初の力が一でも、その力があればあなたに勝つなんて造作もないことよ」

 

 

なるほど、それが俺の神器の能力。

 

ブーストブーストと神器が言い続けていたのは、俺の力がどんどん倍になっていったからか。

 

しかも神様や魔王まで倒せるなんて……俺の神器、とてつもない代物だぞ、これ。

 

 

「とは言っても、わざわざ倍加する時間を与えてくれる敵なんていないわ。今回はあなたの慢心が勝敗を決めたようなものね」

 

 

うっ……たしかに、そんな敵そういないよな。

 

強さも弱点も丸わかり、か。

 

 

「さて、最後のお勤めをしようかしらね」

 

 

部長は、話は終わりとばかりにレイナーレへ近づく。

 

 

「消えてもらうわ、堕天使さん。もちろん、その神器も回収させてもらうけれど」

 

 

その言葉にひどく怯える堕天使。

 

 

「じょ、冗談じゃないわ!こ、この癒しの力はアザゼル様とシェムハザ様のためにーーー」

 

 

「愛に生きるのもいいわ。でも、そのためにあなたは色々なものを傷つけすぎた。そういうの、私は許せない」

 

 

その口調に一切の同情も感じられない。

 

部長がレイナーレへ手をかざす。

 

……少しだけ可哀想と思ってしまったのは、『夕麻ちゃん』という俺の彼女だったからだろうか。

 

ま、それも罠だったんだけどな。

 

そのレイナーレが俺に視線を向けると、途端に媚びたような目をしてきた。

 

 

「イッセーくん!私を助けて!」

 

 

……。

 

 

「この悪魔が私を殺そうとしてるの!私、あなたのことを愛してる!大好きよ!だからこの悪魔を一緒に倒しましょう!?」

 

 

レイナーレは、再び夕麻ちゃんを演じて俺に助けを求めた。

 

涙まで浮かべて懇願している。

 

……少しでも可哀想だなんて思った自分がバカだったよ。

 

 

「部長、もう限界っす……頼みます……」

 

 

俺の言葉に、堕天使は表情を凍らせた。

 

 

「……私のかわいい下僕に言い寄るな。消し飛べ」

 

 

 

部長の手から放たれた魔力の一撃は、堕天使を跡形もなくふき飛ばし ……後に残ったのは、なんとも言えない感情と寂しげに舞う黒い羽だけだった。

 

 

 

~○~

 

 

 

「さて、これをアーシア・アルジェントさんに返しましょうか」

 

 

地下から上がってきた俺達。

 

部長は堕天使から解放されたアーシアの神器を持ってそう言った。

 

 

「で、でも……アーシアはもう……」

 

 

どんなことがあっても友だちだって、何があっても守ってやるって、そう約束したのに。

 

守れなかった……救えなかった!

 

悔しくて悔しくて、どうにかなってしまいそうになるのをグッと堪えて仲間達に礼を言う。

 

 

「……部長、皆。俺とアーシアのために、ありがとうございました。でも……でも、アーシアは……」

 

 

「イッセー、これなんだと思う?」

 

 

俺の言葉を遮り、部長がポケットから何かを取り出す。

 

紅いーーー部長の髪と同じ色をしたチェスの駒だった。

 

 

「それは?」

 

 

「これはね、『僧侶(ビショップ)』の駒よ」

 

 

ーーーっ!

 

部長は、眠るように死んでいるアーシアの胸に紅い『僧侶』の駒を置いた。

 

 

「『僧侶』の力は眷属のフォローをすること。この子の回復能力は『僧侶』として使えるわ。……前代未聞だけど、このシスターを悪魔へ転生させてみる」

 

 

じゃあ……じゃあ、アーシアは……!

 

部長の体を紅い魔力が覆う。

 

 

「我、リアス・グレモリーの名において命ず。汝、アーシア・アルジェントよ。我の下僕となるため、今再びこの地に魂を帰還させ、悪魔と成れ。汝、我が『僧侶』として、新たな生に歓喜せよ!」

 

 

紅い光を発して、駒がアーシアの胸へ沈んでいく。

 

同時にアーシアの神器も彼女の体へ入り込んでいった。

 

俺は固唾を飲んで見守っている。

 

すると……

 

 

「うぅん……」

 

 

俺は……溢れる涙を止められなかった。

 

もう二度と聞けないと思った彼女の声。

 

 

「悪魔をも回復させる彼女の力が欲しかったからこそ、転生させたの。イッセー、後はあなたが守っておあげなさい。先輩悪魔なのだから」

 

 

ふふふ、と優しい笑みを向けてくれる部長。

 

アーシアは体を起こし、きょろきょろと辺りを見回す。

 

 

「……イッセーさん?」

 

 

怪訝そうに首を傾げた彼女を、俺は優しく抱きしめた。

 

 

 

「帰ろう、アーシア」

 

 

 

ー○◎●◎○ー

 

 

 

「あら、ちゃんと来たわね」

 

 

翌日。

 

今日は朝から集まりがあると言われて、俺は学校が始まる前から部室に来ていた。

 

いるのは部長と俺の二人だけ。

 

部長はソファーに座り、お茶を飲んでいるところだった。

 

 

「おはようございます、部長」

 

 

「ええ、おはよう。もう傷はいいのね?」

 

 

「はい、例の治療パワーで完治です」

 

 

「そう、あの子の能力は無視できないもののようね。もう一つの僧侶の駒で眷属にしてよかった。それに、堕天使が上に黙ってまで欲するのも頷けるわね」

 

 

俺も部長にいくつか訊きたいことがあったので対面へ座った。

 

というか、今の発言でもう一個増えたぞ。

 

 

「あの部長。あの時なぜ雲雀先輩がいたんですか?先輩は、誰かに言われて来たというようなことを言ってましたけど」

 

まず一つ目はこれだ。

 

だって俺達より先に奇襲をかけて、しかもあの数の敵をあんなに短い時間で倒すなんて……驚きしかなかったぜ。

 

 

「彼はツナが連絡を入れて駆けつけてくれたのよ」

 

 

ツナが?

 

 

「どうやら彼、かなりの戦闘狂(バトルマニア)らしいの。普段は飄々としていて誰とも馴染まないそうだけど、一度目的が一致したときはこれ以上ないほど強力な助っ人だそうよ」

 

 

た、たしかに。

 

あの後解散する前に、あの扉の前で感じた強い気配は、雲雀先輩のものだったと木場が言っていたな。

 

 

「ツナから連絡を受けた雲雀くんは、魔方陣で教会までジャンプ。そのまま突っ込んでいったの」

 

 

訂正。

 

奇襲じゃなくて殴り込みの間違いでした。

 

 

「その魔方陣……ツナも使っていましたけど、いつ教えたんですか?魔力がなければ使えなかったはずですよね?」

 

 

二つ目。

 

タイミングが悪くて訊きそびれていたんだけど、それも気になったいた。

 

 

「ああ、それは死ぬ気の炎の講義をしてくれた日から後よ。あなたが悪魔の仕事でいない時に教えてあげていたの。有事の際にすぐ駆けつけられるようにね」

 

 

そんなの教えてたんですか!?

 

 

「たしかに魔方陣は魔力、または魔法力がなければ発動しない。けどある時、死ぬ気の炎に魔法力と極めて近い波動を感じたの。それもあって教えてあげることにしたのよ」

 

 

ちくしょう!俺だってまだ自分一人でジャンプできないってのに!

 

ま、まあ部長がそれを教えてくれていたお陰で助かっている部分もあるが。

 

それは置いておいて、最後の質問だ。

 

 

「さっき部長は『もう一つの僧侶の駒』って言いましたよね?もう一つってことは、既にもう一人僧侶がいるんですか?」

 

 

そう、それがもう一つ増えた質問。

 

さっきの部長の発言からすると、アーシア以外の僧侶が既にいるはずなんだ。

 

だけど俺は見たことがないし、他の部員からも聞いたことがなかった。

 

 

「ごめんなさい、その説明はしていなかったわね」

 

 

部長は「あっ」と気づいたようで、俺に教えてくれる。

 

 

悪魔の駒(イーヴィル・ピース)は全部で十五個存在するの。女王が一つ、騎士、戦車、僧侶が二つずつ、そして兵士が八つよ。そして、イッセーの言う通り。実は私には既に僧侶の子が一人いるの。今はとある事情で姿を見せられないのだけれど……それはともかく、私は持っていた最後の僧侶の駒でアーシアを転生させたの。だから私には、二人の僧侶がいることになるわね」

 

 

なるほど、俺はてっきり各駒は一つずつしかないのだと思っていたが、どうやら違ったようだ。

 

ん?となると……

 

 

「ってことは、俺の他にも兵士があと七人存在できるんですよね?」

 

 

駒の数がそれだけあれば、いずれ同じ兵士の仲間もできると思ったんだ。

 

だが、部長は首を横に振った。

 

 

「いいえ、私の兵士はイッセーだけよ」

 

 

えーと、それはつまり……「私にはイッセーしかいないの!」みたいな?

 

 

「悪魔の駒で転生をさせる時、その転生者の能力次第で消費する駒が増えることがあるの」

 

 

あ、違いましたか。

 

って、駒の消費?

 

 

「兵士の駒の価値を一とした時、女王の価値は兵士九個分。戦車は五個分。騎士と僧侶は三個分になるの。これは人間のチェスと同じね。そして、悪魔の駒も同様。騎士の駒を二つ消費しないといけない者もいれば、戦車の駒を二つ消費しないといけない者もいる。二つ以上の役割を与えることはできないし、一度消費したら二度と駒を持たせてはくれないのよ」

 

 

「それと俺がどんな関係にあるんですか?」

 

 

「イッセーは兵士の駒を全て消費しないと転生させられなかったの」

 

 

全部!?

 

じゃあ、俺には兵士八個分の価値があるってこと?

 

 

「それがわかった時、絶対にあなたを眷属にしたいって思ったの。今ならその理由もわかるわ。神滅具の一つ、赤龍帝の籠手を持っているイッセーだからこそ、というわけね」

 

 

俺は左腕に目を落とす。

 

神をも滅ぼせる力。

 

俺には過ぎたものだけど、宿ってしまったものは仕方がない。

 

 

「それに、あなたを眷属にするには兵士の駒しかなかったの。他の駒ではあなたを転生させるには力が足りなかったのよ。でも、元々兵士の価値は未知数。私はその可能性にかけた。結果、あなたは最高だったわ」

 

 

嬉しそうに頬笑む部長。

 

 

「イッセー、どうせなら最強の兵士を目指しなさい。あなたならそれができるはずよ。だって私のかわいい下僕なんだもの」

 

 

そう言うと部長は俺に近寄り……

 

 

 

 

チュ……

 

 

 

キ、キスゥゥゥゥゥゥぅ!?!?

 

額だったけど、額だったけども!

 

生涯初めての女の子とのキス!

 

しかも憧れのお姉さまから!

 

俺!俺、頑張ります!このキスに誓って、絶対に!

 

 

「と、ここまでね。これ以上はあの子に嫉妬されてしまうもの」

 

 

ん?それはどういう……?

 

 

「イ、イッセーさん……?」

 

 

……この声。

 

振り返ると……いつの間にかいたらしいアーシアが、笑顔を引きつらせていた。

 

 

「や、やあ、アーシア……」

 

 

とりあえず挨拶をする俺。

 

が、何やら怒ってらっしゃる様子で。

 

 

「そうですよね……。部長さんは綺麗ですから、そ、それはイッセーさんも好きになってしまいますよね……。いえ、ダメダメ。こんなことを思ってはいけません!ああ、主よ。罪深い私の心をお許しください……あう!」

 

 

手を合わせてお祈りのポーズをするアーシアだが、途端に頭痛を訴える。

 

 

「それはそうよ。あなたは悪魔になったのだから」

 

 

「うう、そうでした。私悪魔になっちゃったんでした……」

 

 

「後悔してる?」

 

 

部長がアーシアに訊く。

 

 

「いいえ、ありがとうございます。イッセーさんとこうして一緒にいられるだけで幸せですから」

 

 

こ、これは恥ずかしいぞ……。

 

でも同時に、嬉しさも感じる。

 

 

「そう、それならいいわ」

 

 

部長も微笑んでそう返す。

 

うん、やっぱり助けに行ってよかった。

 

と、俺はアーシアがある服を来ていることに気づいた!

 

それは……

 

 

「アーシアにもこの学園に通ってもらうことにしたの。あなたと同い年だし、クラスもあなたと一緒にしたわ。今日は転校初日ということになっているから、彼女のフォローをよろしくね」

 

 

部長が俺の様子に気づいて、説明をしてくれる。

 

アーシアが着ているのは駒王学園の制服。

 

ヤバい、めちゃくちゃかわいい!

 

金髪の美少女が着ると、普段見慣れた制服もまた一味違って見えるぜ!

 

 

「よろしくお願いします、イッセーさん」

 

 

ペコリと頭を下げるアーシア。

 

 

「おう、後でクラスの皆を紹介するからな」

 

 

「はい、楽しみです!」

 

 

話が一段落したところで、部員の皆が挨拶と共に入室してくる。

 

 

 

イッセーくん。

 

 

 

皆が俺を「イッセー」と呼び、アーシアも一員として認めてくれた。

 

最高だ。

 

こんなに最高なことはない。

 

 

「さて、全員が揃ったところでささやかなパーティーを始めましょうか」

 

 

部長が指を鳴らすと、テーブルに大きなケーキが出現した。

 

おお、これも魔力ですか。

 

 

「た、たまにはこういうのもいいでしょう?新しい部員もできたことだし……ケ、ケーキを作ってみたから、皆で食べましょう」

 

 

部長が照れくさそうに言った。

 

手作りケーキ!

 

これはありがたくいただかないとな!

 

 

 

 

部長、俺、最強の兵士を目指します。

 

部長とアーシア、木場、小猫ちゃんに朱乃さん、それからボンゴレファミリーの皆……。

 

俺のために、皆のために、頑張ります。

 

 

 

 

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