私は“樋口一葉”   作:紅ヶ霞 夢涯

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 10話ですが、サブタイ詐欺もいいところですね。申し訳ありません。




第11話 虎

 傷口から右足が再生し、青い光を伴って彼は白い虎となる。

 

「右足が再生した!?」

 

(虎ってそうだっけ?)

 

「そうでなくては!」

 

 先輩は好戦的な笑みを浮かべて虎を見上げる。

 

 虎は壁を力強く蹴り先輩に襲いかかる。

 

「先輩任せます!」

 

「下がっていろ樋口!」

 

 ほぼ同時に私たちは叫んで、私はそこから飛び退き先輩は虎に『羅生門』を展開する。

 

「何っ」

 

 しかし虎は黒刃を踏みつけ(・・・・)先輩を前足で殴った。

 

「先輩!?」

 

(私今任せますって言ったよね!?何で初撃で壁に打ちつけられてんのさ勘弁して!てか先輩の体ってだいぶ弱いよね?大丈夫なの!?)

 

 虎から目を逸らさず拳銃を取り出し、弾がなくなるまで撃った。

 

 しかし。

 

(くそ、弾が通らない。ホント異能力っていうのは理不尽が過ぎる!)

 

 役に立たない拳銃を投げ捨て、全身に装着しているデバイスを起動させるため、サングラスに映る彼女を見る。

 

(メトーデ!!)

 

『分かっているわよ』

 

 Liberated Flameは、メトーデ(AI)が使うことを前提にして作られたものだ。

 

 そんなもの、いくら私が作った当人であるとはいえ、人間()が満足に扱うことができるわけない。

 

 故にデバイスを使うときは、彼女にデバイスの演算を担当させることにしている。

 

 ゴオッと音を上げ、両手のデバイスから虎に向けて炎が走り直撃した。

 

 ついでとばかりに全身のデバイスを起動させ、駆動音が上がると同時に赤い輝線を残しながら駆けた。

 

「ーーーせいっ!!」

 

 そして気合いを込めつつ、過剰に加速させた鉄の拳で虎を殴った。

 

 グオォォォ

 

(効いた!?)

 

『いえーーーダメみたいね』

 

 僅かに呻く虎を見て、もしかしたら効いたのではないか?と思ったのだが、そう上手くはいかないようだ。

 

 よく見ると火傷一つ負ってないし、しかも手の部分のデバイスに傷がある。

 

「馬鹿者下がれ!!」

 

 先輩の声にハッとして咄嗟に下がろうとするが、当然虎の動きの方が速い。

 

 虎は地面を蹴り飛びかかってきた。

 

 ヤバい。この距離なのだ。どう足掻いても確実に一撃は入る。

 

「『羅生門』、顎《あぎと》!!」

 

 だがそんなことはなく、先輩の黒刃が牙のようにして虎を両断したことで私は助かった。

 

「生け捕りの筈が…」

 

 先輩は口元を抑えてそう言った。

 

 しかし先輩が両断した筈の虎の姿は、まるで雪のように(・・・・・)消える。

 

 そして私はそれに見覚えがあった。

 

 潤一郎さんの異能力、『細雪』による虚像だ。

 

「…何?」

 

「先輩後ろです!」

 

 私の言葉に先輩は振り返り、己の視界に白い虎を入れ黒外套を翻す。

 

「『羅生門』、叢《むらくも》!」

 

 黒く大きな手と虎が交錯する、その瞬間だった。

 

「はぁ~~~い、そこまで~」

 

 虎と『羅生門』の間にその人はいた。

 

 

黒の時代編を書く?書かない?(マジで何も考えてません)

  • 書く(幕間終了後、黒の時代)
  • 書かない(幕間終了後、三社鼎立)
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