呼吸器を付けて全身に包帯を巻かれた先輩は、見ていて痛々しい。
(てか広津さんはもっと簡単に言えばどうなのかなぁ?)
要するに彼(彼ら)は、「お前は俺たちより弱いので従いたくない」って言いたいのだろう。
(子供かよ
そう思う私は悪くない、きっと。
ま、彼らは私が次期幹部候補だと知らないので、仕方ないか。
(いや待てよ?知ってもあんまり態度変わらないかもね)
広津さんたち黒蜥蜴の面々が先輩に従うのは、芥川先輩を崇拝しているからだ。次期幹部候補だからって、その対象が私になるとはとても思えない。
持参した花瓶に花束を入れながらそんなことを考える。
念のためではないが、花束に小型カメラを仕込んでメトーデと繋いだ。これで先輩に何かあれば、すぐに私に伝わるだろう。
「ただいま」
帰宅と同時に少し寂しさを感じた。
ちょっと前までは鏡花ちゃんが「お帰りなさい」と言ってくれたものだが、彼女はもうここにはいないのだ。
むしろ今まで居てくれたことが驚くべきことであり、感謝するべきことなのだろう。
スーツを脱いで寝間着代わりのネグリジェに着替えてベッドに入った。
しかし眠れない。どうしてか胸騒ぎを覚えていた。
どことなく嫌な予感のしたそのとき。
『オーナー、緊急事態よ』
「えっ……?」
いつものメトーデらしくない、静かだがどこか焦りが感じられる声だった。
「一体何ですか………?」
『とりあえず、これを見なさい』
メトーデは壁際にあるテレビを起動して、先輩の病室に置いてきた小型カメラの映像を流す。
それにちょっとした違和感を覚え、すぐにその正体に気づいた。
(リアルタイムじゃなくて録画映像?何で?)
確かに録画機能も付けはしたけど。
そしてそこに映っているのは、特殊な装備で全身を覆った複数の人物。
「先輩が潰した組織の残党か、もしくはそれが雇った連中ですか……」
えっと、確か。かる、カルマ何たら?いやカルマドラム何たら?だっけか。まぁ、何でもいいけど。
しかしそれは
『それだけじゃないわよ』
「?それはどう…………」
言葉が出なかった。
そこに映るモノを信じたくなかった。
童女の楽しそうな、あるいは嬉しそうな笑い声が響く。薄く光っている緑色の髪が、そして真っ白なドレスが、彼女の笑い声と共に翻る。
鼓動が不自然に跳ね上がった。胸を両手で抑えていた。
まさか今更、
どうしてこのタイミングなのか。
一体何を狙っているというのか。
そもそも何故この世界に居るのか。
レイシア級humanoid Interface Elements Type-002 スノウドロップ。
ついに出ました。樋口(の中身)以外の文スト世界における異常、あるいは異物。
どのように樋口一葉は対処するのでしょうね?
それではまた。
黒の時代編を書く?書かない?(マジで何も考えてません)
-
書く(幕間終了後、黒の時代)
-
書かない(幕間終了後、三社鼎立)