Liberated Flameを起動した私は、広津さんに芥川先輩を任せることにする。
「広津さんは黒蜥蜴を連れて、芥川先輩の奪還を」
「それは構わないが……君はどうするのかね?」
広津さんの前に進み出て、スノウドロップと視線を合わせた。
「少しアレの相手を、ね」
広津さんにそう告げて彼女目掛けて駆け出し、いや
次の瞬間には顔を驚愕に染めるスノウドロップの姿が、私の視界に広がる。
「速い!?」
そう言いながら身を翻し、少しでも私から離れようとするスノウドロップだが。
「遅い」
彼女の右手首を掴んで、片脚で胴体を蹴り飛ばす。それもLiberated Flameで上げた、人間離れした身体能力で。ベキバキッと嫌な音を残して、スノウドロップは倉庫の入り口まで吹き飛んだ。
(あれ絶対受け身できてないよね?スッゴく痛そう)
とはいえ、敵に容赦なんてしないが。
それに痛そうというも、彼女が人間だった場合なのだけど。
手に残ったスノウドロップの右手(肘から先)を見る。
断面からは何本もの引きちぎれたコードと、何かよく分からん液体がポタポタと落ちている。筋肉も血管も骨もない。
間違いなく機械のそれだ。
「速いのね」
「そういうアナタは思ったより弱いのね」
「うん。でも今度はこっちの番」
「させると思う?」
明確な構えなんてものはせず、しかしいつでも動けるよう脚部に力を込める。
すると何を思ったのかスノウドロップは、残った左手をまるで指揮棒のように振った。
一瞬だけ彼女の全身が輝き、胸部と肩周りのデバイスが一際強く輝く。
スノウドロップが何をしたのかを把握するのは、私よりもメトーデの方が速かった。
『オーナー死体を!速くっ!!』
しかしメトーデの反応が異常なまでに速くとも、私がそれに反応するのは少しばかり遅かった。
「広津さん!」
スノウドロップだけに注意を向けていたせいで、芥川先輩を連れ出す彼にそう言うことしかできなかった。
(カルマドラムチプトと傭兵の死体が……全部動いてる!?一体どうして。いやそんなことよりも数が多い。引き金に指を掛けてるから銃は使える?だとしたら、流石にこの数はマズい。急いで止めないと)
しかし止めるにしてもどうすれば……。スノウドロップを破壊すれば止まるのだろうか?否、そんな確証はどこにもない。それよりも芥川先輩や広津さん達を守った方がいい?
一体何をすればいいのか、どうするのが正しいのか分からず、頭の中でグルグルと思考だけが巡る。
不気味に動く死体が、芥川先輩と広津さん達黒蜥蜴に銃口を向けた。その瞬間に芥川先輩の周囲にいる黒蜥蜴の前に移動して、Liberated Flameの炎で銃弾を防ごうとデバイスを起動する。
そうしようとした次の瞬間に、死体は全て
僅かな沈黙が倉庫に流れ、直後に若い男性の声がそれを破る。
「
小柄な青年だ。紳士的な黒が基調の服装で、黒いコートを羽織っている。オレンジ色の髪の上に洒落た帽子を乗せていた。
彼は指をスノウドロップに向ける。
「で、手前が敵だな?そこの緑の奴」
ポートマフィアが誇る五大幹部、其の一人。
中原中也がそこに居た。
………タイミング図ってたわけじゃないよね、この人。
実は中原中也の展開は、今皆さんから頂いた感想を読ませて貰っているときに、唐突に閃いたものなのです。
今後も感想や誤字報告して頂けると、大変嬉しいです。
黒の時代編を書く?書かない?(マジで何も考えてません)
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書く(幕間終了後、黒の時代)
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書かない(幕間終了後、三社鼎立)