私は“樋口一葉”   作:紅ヶ霞 夢涯

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四話

 そもそも前提として、私と芥川先輩や中也さん達では、一口に功績と言ってもその方向性がまるで違う。

 

 彼らは基本的に積み重ねた死体の数と、組織に出した利益で今の立場に存在している。だがそれと比べると、私が人を殺してきた数は決して多くない。

 

 そんな私が幹部候補であるのは、情報面・技術面で………自分で言うのも何だが、エキスパートだから。その点で私はマフィア内で鴎外さんから、全く有り難いことに高い評価を得ている。

 

 人類未踏産物(レッドボックス)の技術の一部を鴎外さんに渡したり、時にマフィアの情報部で働いたりもした。というか情報部で働いていた時には、そこの指揮を取らされたこともある。

 

(いやまぁ、それは置いくとして)

 

 一番分かりやすい私の功績はやはりコレだろう。

 

 鴎外さんが壁に映し出した映像に視線を移す。

 

 宇宙(そら)に浮かび地球の軌道上を廻る人工衛星。銘を『黒闇天』。レイシア級hIEのデバイスを生み出す過程の技術を詰め込んだ、紛れもなく私の集大成の一つだと言える。

 

 凡百(あらゆる)レーダーから察知されないステルス機能と光学迷彩。さらには国が使うレベルのスーパーコンピューター複数台分を搭載した代物。

 

 主な用途はポートマフィアが抱える情報の防衛や独自の通信手段の確立で、必要になれば地上にある凡百電子機器を介しての情報収集なども可能だ。

 

(というか、マフィアの抱えてる情報の量がちょっとおかしいと思うんだよね)

 

 マフィアが保護する企業や商店、麻薬売買等の取引相手、闇カジノの開催場所、武器や金の保管位置、構成員の情報などなど。いざ数え出したら切りがない。

 

 情報部に勤めていた時期にあまりの忙しさから、「やってられるか!」と『黒闇天』の設計図を首領に叩きつけた出来事がもはや懐かしい。

 

 最終的に『黒闇天』を操作する端末を渡したときは珍しく声を上げて笑っていたなぁ。そんなに嬉しかったのだろうか?

 

 にしても、さっきから突き刺さる視線が痛い。けど芥川先輩はあまり興味がないのか、何というか凄い退屈そうにしている。

 

首領(ボス)。樋口が情報戦に特化している、故に貴方から幹部候補という扱いを受けるのは理解した。話を進めては如何か」

 

「ふむ、そうだね。樋口君を呼んだのは少しばかり聞きたいことがあったからだ。そしてそれをこの場にいる全員で共有するためでもある」

 

 先輩の言葉にそう言って鴎外さんは一度喋るのを止めたかと思うと、すぐに私に視線を合わせて再び口を開いた。

 

「スノウドロップという緑色の少女について、君が知っていることを教えて貰おうか」

 

(やっぱり、そのことは聞かれますか)

黒の時代編を書く?書かない?(マジで何も考えてません)

  • 書く(幕間終了後、黒の時代)
  • 書かない(幕間終了後、三社鼎立)
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