私は“樋口一葉”   作:紅ヶ霞 夢涯

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 少し視点を変えて探偵社側。これからは視点がコロコロ変わるかも(字数稼ぎのためか)。



七話

 

〈side中島敦〉

 

「国木田と太宰は街で聞き込みを行え。その間に私達は羽川翼がかつて住んでいた住居に行く」

 

「分かりました」

 

 国木田さんはそう言うと太宰さんを連れて行った。そして社長は僕と鏡花ちゃんに「行くぞ」と言って歩き出す。

 

「社長、羽川さんの今の拠点は横浜ですよね?いくら彼女の故郷でも、実家とかが残っていると思えないんですが」

 

 探偵社がこれまでに調べたところによれば、羽川さんには親類縁者はいないらしい。幼い頃に両親を失ってからは、誰に頼ることもなく情報屋として生計を立てていたようだ。

 

「詳細は分からんが、彼女が希望して残してあるそうだ。そしてそうである以上、何かしら意味もあるだろう」

 

 僕と鏡花ちゃんの前を歩く社長の足には迷いがない。それは羽川翼ならそうすると確信、あるいは信頼しているからだろうか。 

 

(それにしても………鏡花ちゃんはどうしたんだろう?)

 

 さっきから羽川さんの写真をじぃっと眺めては首を傾げるを繰り返している。気になりはしたけど、それを聞くよりも先に目的の場所に着いた。

 

 かなり大きい家だった。広い庭もある一軒家で、誰も住んではいないが手入れは定期的にされているのが見て分かる。

 

 しかしそれでも不気味な印象があった。

 

「何だか、嫌な雰囲気がありますね」

 

「………入るぞ」

 

「「はい」」

 

 

〈sideout〉

 

 

 

 

 

〈side国木田独歩〉

 

「それにしても良かったのかい、国木田君。敦君たちに隠したままで」

 

「………何のことだ」

 

「いや敦君に羽川翼の調査録を渡す時にね、君はその内から何枚か抜き取ってたじゃない?社長が何も言わなかったから、私も特に指摘はしなかったけど」

 この現状で社員に隠し事は、流石に良くないと思うよ。

 

「ーーーあぁ、そうだな」

 

 太宰の言う通りだ。羽川翼を本格的に探偵社に迎え入れる為に行動している今、彼女に関する事柄は共有すべきだ。

 

 だが。

 

「だが、敦も鏡花もまだまだ子供だ」

 

 だからこれは、俺の我が侭でしかない。悲惨という言葉では足りない羽川の境遇を、あの二人に伝えないままで調査を終わらせたい。

 

「横浜という土地で武装探偵社に所属している以上、人の心の闇とでも言えるものに触れることもあるだろう」

 だがそれは、少なくともあの時でなくても良かった筈だ。

 

「いつもの理想かな?」

 

「違うわ、馬鹿者。言った通り我が侭でしかなく、理想などとは程遠い。しかし必要となれば社長が自ら言うだろうし、そもそも羽川の実家まで見て違和感の一つも感じないのであれば、探偵としての腕を鍛えねばならん」

 

 そう言うと俺の発言に何か違和感を覚えたのか、太宰が首を傾げてこう言った。

 

「あれ、国木田君は彼女の自宅を見たことがあるの?確か探偵社がこうして直江津町に来るのは、初めてのことだったと思うけど」

 

(…………………………………………………………あ)

 

 口を滑らせてしまったようだ。

 

「………もしかしてだけど国木田君、いやまさかとは思うけどね国木田君」

 

「何だ太宰何か言いたいことでもあるのかあるなら言ってみろ」

 

「君、羽川翼から情報を買ったりしてないだろうね?」

 

 ーーーいやちょっと待って下さい国木田さん。確かに私それ禁止してませんけどえっ?本気ですか?まぁ江戸川さんの異能力を借りないこと以外は特にでも、うーん………今回だけですよ?

 

「………………………決してその内容を他言しない。そういう条件で、買った」

 

 それも一つではない。

 

「うわぁ」

 

 止めろ。そんな目で俺を見るな太宰。

 

黒の時代編を書く?書かない?(マジで何も考えてません)

  • 書く(幕間終了後、黒の時代)
  • 書かない(幕間終了後、三社鼎立)
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