親類縁者に回させた10連ガチャで、伊吹童子を見事に引き当てた!肌の色を見て「ナニコレ………」とか言ってたけど、まぁ非オタだし仕方ない。けどマジで感謝しとります。
つい先程まで首領と幹部二人と先輩に囲まれていて、いざスノウドロップ対策を語ろうとしていた私は今、大急ぎで自宅へと舞い戻っていた。
その理由は、突如メトーデから送られた一枚の画像とたった一言。
『探偵社が直江津町に向かっている』
思わず説明も途中で放り出してしまったのだが、行き先を言っただけである程度は察してくれたのか首領は特に責めるようなことはしなかった。有り難い。今度エリちゃんにドレスを多く用意するとしよう。
(それは置いといて、今は急がないと)
メトーデ曰く、探偵社は既に直江津町に到着しているらしい。ただでさえあの虎が次に出てくるなら、羽川翼の故郷である直江津町の可能性が非常に高いというのに………そこへ情報屋としての関わりがある探偵社が訪れたりしたら、ほぼ確定で虎は姿を見せる………と思う。
実際に、情報屋として誰か(主に探偵社)と会うときに使用していたデパートは、もう虎によって燃やされていることだし。
「どうして彼らは、このタイミングで直江津町に」
『そんなの分かりきってることでしょう?』
「………組合は本当に、余計なことしかしませんね」
つい先日に探偵社が、組合から襲撃されたのは知っている。何ならマフィア(うち)の施設も幾つかやられた。だから彼らが戦力増強を兼ねて新しい人材………今回の場合は羽川翼を求めて動くのは分かる。
(だからって別に今じゃなくても………前みたいに拉致られた方がまだ)
って、いやいや。拉致されるのがマシな筈がない。普通に羽川翼に依頼を出すだけでもいいのに。
それはさておき、今回は羽川翼として行く必要があるのでデバイスは使えない。だけど、なるべく早く直江津町には行きたい。
「ーーーでも、それで」
直江津町に行って、それから虎と対峙したとして………その後は一体どうすればいいのだろう?
「考えても仕方ない、よね」
スーツを脱ぎ捨てて下着だけの姿になる。結んでいた髪を解くと、髪の色が金から白へと変わっていく。最低限の着換えなどを入れただけのリュックを背負い、窓を開けてそこから外へと飛び出した。
にゃあ
〈side中島敦〉
その家の中には、羽川さんが過去に使用していたと思われる教科書や制服があった。服の類は丁寧に置かれているし、使われていたであろう布団や食器も確認できた。
ぐるりと一周してからもう一度見て回る。さらに念の為にともう一度。家の中を一周する度に社長から怒気が溢れ出す。
「敦、鏡花。気づいたか」
社長からの静かな問い掛け。それに間髪入れずに僕らは答える。
「この家には、羽川さんの部屋がないです」
「ここに羽川翼の居場所はなかった」
「そうだ」
ーーーここは彼女にとって生活を送る場でこそあれど、断じて居場所などではなかった。
そう言って強く拳を握る社長から視線を外す。
(僕も同じだ)
住んでいた孤児院に居場所はなかった。理不尽な暴力に晒された。誰が助けてくれることもなかった。
生まれた場所や育った場所が、その人にとっての居場所であるとは限らない。
「ッ!………下がれ!!」
「ぐえっ!?」
社長の言葉に迅速に従った鏡花ちゃんによって、首根っこを掴まれたまま勢いよく後ろへと飛んだ。
直後に凄まじい熱気が辺りを覆う。思わず目を瞑り、両手で顔を庇った。
(何だ、これ)
目を開けると、炎が駆け巡っていた。そして羽織りの内側に持っていた刀を構える社長の前には、一匹の赤い虎がいる。
「敦、鏡花と共に周辺住民を避難させろッ!そして国木田と太宰を呼び、付近を警戒し不審な輩が居れば抑えるのだ!!この虎は異能力による産物………近くに異能力者がいる可能性もある」
「わ、分かりました!」
鏡花ちゃんを抱えて、両脚を異能力で変化させる。その強靭な脚力を以て、僕は一気に外へと飛び出した
黒の時代編を書く?書かない?(マジで何も考えてません)
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書く(幕間終了後、黒の時代)
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書かない(幕間終了後、三社鼎立)