空を見上げるとそこには雲一つない晴天が広がり、あたりを見渡せば桜が満開に咲き誇っている。……たった数週間通らなかっただけでいつもの通学路がひどく懐かしく感じてしまう。
夏のように暑すぎず冬のように寒すぎない春ならではのポカポカとした気候、こんな日には外なんかには出ず一日中ゲームをするに限る、ましてや今日は始業式……当然のことながら授業はないためサボったところで問題はないしクラスについても明日職員室に行けばいいだろうし。……あれ?むしろ今日学校に行く要素が見当たらない……うん。サボろう
……この考えに至って約10分私はまだ家(明久宅)に着かずあろうことか通学路をあろうことか学校に向けて歩き続けていた。なぜこのような状況に陥ったかというと現在私は1人ではないからだ。私の右の手首を握り逃亡を防ぎつつ校舎えと連行している人物とは、私の1番の親友でもある殿(木下秀吉)だった。
「ねぇ殿逃げないから話してよ」
「放したらお主は逃げてしまうじゃろう」
さきほどからこのやり取りを少なくとも5回はしている。それもそのはず、先ほど家に帰ろうと来た道を振り返った私の目に映ったのは殿だった。その直後体を180度回転させ走り出そうとする私は一瞬のうちに殿につかまってしまった。私が殿を確認してから逃げ出すまで約1、2秒、距離にして約30mはあっただろうかその差を一瞬で詰めてきた。きっと優ちゃん(優子)あたりに春休み中こき使われてたんだろうなぁ……とそう考えると涙が止まらなかった。
「殿苦労したんだね」
「お主は何泣いとるんじゃ」
私の反応に驚いたようだったがそれでも殿は掴んだ右手を放してくれなかった。
「今年はそなたと別のクラスになってしまうんじゃろうなぁ」
坂道も終わりにさしかかり校舎の一部が見え始めたところで唐突にそんなことを言ってきた。
「まだ決まってないよ」
「まぁそうじゃが」
迷子の子供のように不安そうな顔つきの殿こんな殿は初めて見る。
「……ねぇ殿知ってる。スポーツの世界では強い人が勝つんじゃなくて勝った人が強いんだよ……えーと、つまり何事も終わってみるまで結果はわからないってこと。今年も一緒になれるといいね」
「そ、そうじゃな」
心からの笑顔というわけでもないがだいぶ不安はきえたようにみえる。あれ?でもさっきより顔色が……。
「殿、顔赤いけど熱でもあるの?」
「な、な、なんでもないのじゃ」
そういってそっぽを向く殿、その顔はなんだか今朝の明久によく似ていた気がした。
すいません。とりあえず書いた所まで載せます。後編も大体はできていますので近日中に乗せたいと思います。