Fate/MugenOrder   作:ゴミ君

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すいません、幕間です。

sm23242827 (MCS 専用対策集)の3:19からを見て思い付いた話です。MUGENに詳しくない方は、先にそちらを見ておくことをオススメします。



幕間 専用悪夢

 召喚が終わってから、立夏は自分がめちゃくちゃ疲れていることに気付いた。特異点での戦いの連続や、人の死に直面したショックを考えれば無理もない。

 ロマニはそう思い、立夏に部屋でゆっくり休んでおいた方がいいと告げた。

 

 

「うわっ!

 

…何だこれ、でかい木だなぁ」

 

 部屋に戻って早々、カルデアに来たばかりの時に見ているハズの大きい木に驚いてしまった。どうやら自分が思ってるよりも疲れが溜まってるらしい。立夏はさっさとベッドに潜り込んで目を閉じた。

 

 

 一人になって色々な想いが浮き上がってくる。そのほとんどが所長の死に関わるもので、あの時所長を助けられていれば。そんな後悔が特に大きく立夏の胸中を占めた。それを誤魔化すように目を強くつぶった。起きたときには、この痛みを受け入れられるようにと祈りながら。

 

 

 

 

「Z z z ~…Z z z ~…んぐぁ?」

 

 眩しい。意識が覚醒してから、彼が最初に思ったのはそんなことだった。寝る前に電気は消しておいたんだから、それで眩しいと思うなら部屋に誰かが入ってきたってことだ。

 

 立夏は体を起こし、自分の部屋に入ってきた人物に用を聞こうとして…いつの間にか自分が、どことも知れない場所にいることに気付いた。

 

 

「…レイシフトしたのかな?」

 

 なんとなく冗談を言ってみるが、それに返事をする誰かはいない。ロマニなら通信で、

『あははは、寝てるから悪いとは思ったんだけどね…』 とか返してくるハズだからレイシフトではないらしい。第一、MCSもマシュもいないのにレイシフトはしないだろう。

 

 

 なら一体なんで…そう考えて、今のこの状況が“ただの夢”なんじゃないか、そんな結論に至った。それと同時に右ほっぺたをつねる。痛くない。ならばともっと強くつねってみたら、なんと物が破れる音と共にほっぺたが宙を舞った。

 

 あー…これは間違いなく夢だ、やっぱり痛くないし。

 

 立夏はよりにもよって、生まれて初めて見る自覚できる夢の中で、自分のほっぺたを破くという不名誉を得てしまった。

 

 

 

 夢の中だという事に安心した立夏は、回りの状況を確かめてみることにした。

 

 まず上を見る。青い空が広がっている。鳥とかは見当たらず、雲一つない快晴だ。

 

次に周りを見た。地面は土っぽい。地面は草も生えてない、いわば不毛の地で、建物やらは全くない。地平線が広がるばかりだ。はっきり言って更地だ。

 

 

 つまり、自分は今、空にも地面にも何もない、更地に立つだけの夢を見てるわけだ。

 

 

「ふざけんなよおおおおおおおおおお!!!」

 

 思わず叫んだのもしょうがないだろう。こんな夢だったら夢だと気付けない方が嬉しかったと思う。曖昧な意識でうろうろして、しばらくしたら目が覚めて、それで終わりだったろう。立夏は自分の不運を嘆いたが、それでも夢からは覚めてくれない。

 

 やがて独りで延々とぼやくのも空しくなり、かといって他にできることもなかったので、仕方なく適当に歩き出した。

 

 

 

 

 原理不明の修復をされたほっぺたに気付いた頃、ようやく変化に出会えた。人だかりを見付けたのだ。独り言を繰り返してなんとか間を繋いだ立夏は嬉しさに涙すら流しかけてその集まりに向かって走る。

 

 近付いていって、人だかりの中心にリングがあることが分かった。更地にリングだけがぽつんとあることに立夏はおかしく思いつつ、人だかりの中の一人に声をかけた。

 

 

「すいません、このリングはどういう…」

 

「あぁー!負けちゃったかぁ、やっぱ■■■強えなあ…」

 

 

 聞こえなかったのか無視したのか、その人は何かについての感想のような独り言を漏らすだけで、立夏になんの反応も示さない。立夏はめげずに別の人に話しかけていったが、他の人も同様に立夏に無関心だった。

 

 ガン無視されたことに内心ヘコんだが、独り言の内容から先の展開が読めた。

 

 まず、このリングは試合をするためのものだろう。それ以外に用途ないし。強いとか負けたとかは、試合で戦う選手のことを言っていて

 周りの人が話している試合はもう終わってるけど、しばらく待てばまた始まるだろう。そう思い、興味を惹かれた立夏は、試合を見物することにした。

 

 

 

「お待たせしました!只今より、MCS対ア■■■ゼ■の試合を始めます!」

 

 どこからか聞こえた実況風の声を合図にリング上に何かが二つ現れた。片方は宙に浮いた立方体、もう一つは大きな看板だった。更に唐突に雨が降りだし、立夏は急に色々起こって困惑しつつもリングを見た。

 

 立方体はMCSだろう。実況もそう言っているし間違いない。問題は看板だ。まさか看板が戦う訳ではないだろうが、リング上には他に何もない。

 

 まさか本当に看板が戦うのか…。そう思ったとき、看板に書かれている言葉が見えた。

 

 

     本日の試合は

     悪天候の為

    中止となりました

 

 

 目を擦り、もう一度見てみる。

 

 

     本日の試合は

     悪天候の為

    中止となりました

 

 何度見直してみても変わらずに、それだけが書かれていた。

 MCSは既にどこかに消えてるし、周りの人は何故か大爆笑している。いいかげん訳が分からなくなった立夏は、遂に思考を放棄した。

 

 

 目覚めは最悪だった。長々と歩き続けていたような気もするし、意味不明な経験をしたような気もする。何か夢を見ていたようだが、思い出そうとしたら頭が痛くなった。

 

 夢のことなんか忘れよう。そう思ったとき、部屋の扉が勢いよく開かれた。

 

 

「大変だ立夏君!MCSの出自が分かった!」

 

 滅入っていた気持ちに追い打ちをかけるように張り上げられたその声に、立夏はただただ耳を塞ぐことしかできなかった。




誤字・脱字報告よろしくお願いします。

今度こそ次回からオルレアンです。
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