Fate/MugenOrder   作:ゴミ君

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L霊夢のランク、『論外』について解説します。

論外とは、倒されないことをコンセプトにしているキャラを指す言葉です。

隔離技術と呼ばれる絶対に敵を倒す手段を用いるキャラを攻撃論外(鬼巫女・零等)、その隔離技術以外では撃破することができないキャラを防御論外(MCS11P等)と呼びます。最初の論外はオメガトムハンクスというキャラクターでした。


■■、相手は死ぬ

 俺は今、訓練室の隅っこで倒れている。起き上がる事も出来ず、かろうじて顔を上げると、MCSとL霊夢さんが消えかかっていた。

 

 

『うぅ、だから嫌だったのに…』

「あらら…心臓が痛いですね」

 

 どうして、こんな事になったんだっけ?確か、L霊夢さんと話してるときにMCSが来て…

 

 

 

 

 

 

 ふよふよしているMCSを呼び止める。MCSはこっちに気付くとすぐに近寄ってきたけど、L霊夢さんを見ると急に固まった。

 

 

『り、立夏さん?その人は、まさか…』

 

 声を震わせながら聞いてくる。きっと、MUGENの人同士知り合いで、久しぶりに会えて喜んでるんだ。多分。

 だったら、教えてあげないとね。

 

 

「うん、知り合いだと思うけど、この人はL霊夢さん。MCSと同じMUGENのひと『あー!申し訳ないですが急用を思い出しました!!失礼します!』

 

 俺がの言葉に割り込むようにそう言うと、MCSは来た道を引き返していってしまった。そこまで速くないのがご愛嬌…っと、

 

 L霊夢さんに不思議そうな目で見られてる。まあ、そりゃそうだよね。事情を知らない人から見たら、俺はいきなり立方体に話しかけた変人だ。MCSは喋れる相手がいなかったって言ってたし、このままじゃL霊夢さんに変な人と思われてしまう。

 

「あー、L霊夢さん、違うんです。念話っていうテレパシーみたいなのがありまして、それでMCSと話せるんです。俺以外は話せないので、いつもはMCSの通訳をしてるんですよ」

 

 流石に変人扱いは傷付くので、慌てて事情を話す。そうしたら、L霊夢さんは合点がいったというように手を叩いた。

 

「なるほど。MCSさんはお話しできるようになったのね」

 

「そうですね、よく話し相手になってます。ひいきしすぎだ!って英霊の人達からは言われちゃってますが」

 

 笑いながら言葉を返して、ついでにMCSとはどんな仲だったのかを聞いた。遊び友達ではあるけど、遊ぶときに所在が分からないことが多くて大変だったらしい。

 

 

 

「あっそうだ。

 

せっかくお話できるなら、MCSさんに私が戦ってほしいって言ってた、って伝えてもらってもいいですか?」

 

 

 唐突にそんな事を言ってきた。戦いは苦手だと言っていたのに、なんで、と聞くより早く、続けてこう言った。

 

 

「立夏さんに私の戦い方を見てほしいんです。まだ話さなくてもいいって言ってくれたけど、あらかじめ知っておかないと、後悔しますから」

 

 寂しく笑うL霊夢さんに返す言葉を見つけられなかった俺は、なんで闘う相手がMCSなのかぐらいしか聞けなかった。

 

 

「MCSさんの能力は知っていますよね?それなら、わたしの力がどれくらい異端のものなのかを知っていただけると思って」

 

 そう言われて、俺にはもうMCSに戦ってくれるように頼むぐらいしか出来なかった。

 

 MCSは頼みの内容を聞いて、『え゛っ』と濁った声を漏らしたが、珍しく本当に嫌そうにしながらも引き受けてくれた。後で埋め合わせしておいた方がいいと思いつつ、30分後に訓練室で待っているという伝言をL霊夢さんに伝える。

 

 

 …これでL霊夢さんの何を知ろうとも、俺はL霊夢さんと別れたくはない。反英霊と呼ばれる人達だって根っからの悪人じゃないんだ。少し話した程度で何が分かるのかとは思うが、いい人そうなL霊夢さんに特異な能力を持ってるってだけで嫌な目を向けたりはしたくない。

 

 訓練室に向かって歩き出したはいいが、道が分からないせいで恥ずかしそうに道を訪ねているL霊夢さんの背中を見つめながら、そんな事を考えていた。

 

 

 

「では、早速始めましょうか。

 

どうぞ、構えてください」

 

 訓練室の真ん中で、そう言っているL霊夢は正座したまま立ち上がろうとしない。それに対して警戒すらしない、というよりは諦めているような感じがするMCSの様子も相まって、隅っこで見守っている立夏はやる気がないのかと困惑している。

 

 

『構えろ、と言われても…どうせすぐに終わりますし』

 

 MCSは少し不貞腐れながら返事をした。言葉をL霊夢さんに伝えると、申し訳なさそうに苦笑いした。

 

 自分だけ蚊帳の外にいる気分だ。

 

 何が起こるんだ?なんで戦うって言っておいて二人とも構えないんだ?MCSは何を諦めてるんだ?

 何一つ分からないまま状況が進んでいることを、少しだけ悔しく思う。

 

 

「ごめんなさいね…でも、これが終われば私はきっとここからいなくなるので、一度だけのワガママだと思って受けてください」

 

『え?それって、どういう「じゃあ、行きますよ?

立夏さん。短い間でしたが、ありがとうございました」

 

 聞こえていないハズなのに、MCSの問いを拒むように喋った。そして俺に別れを告げる。そんなこと言わないでくれ。まだ会ったばかりで、全然L霊夢さんと仲良くなれてないのに、別れるつもりなんてな

 

 

 

 

 強く、目を見開いた。L霊夢さんのしたことはただそれだけで、他には何も起こらなかった。

 なのに、MCSの輪郭はぼやけて、今にも消えそうになっている。

 

 

 ちょっと待て。一応戦闘の宣言はしていたし、確かに反転は効いていたかもしれない。でも、こんなに早かったか?まだ10分も経っていないハズだ。驚きを隠せないでいると、L霊夢さんが俺の疑問に答えた。

 

 

「…これが、私の力です。殺すだけの力。相手の事情を無視して死を付する呪い。

 

___“直死”。そう呼ばれています」

 

 L霊夢さんが力について語ってくれていたみたいだけど、俺は少しも聞けていなかった。何故なら、

 

 

______ぐぎゅるぐおぐごげぐぐ〜

 

 

…自分の腹の音がうるさくて聞こえなかったのと、空腹感で意識がもうろうとしているからだ。思わず倒れこんで腹を抱える。こんなタイミングに申し訳ないけど、いきなり腹が空いたんだ。本当に申し訳…

 

 

 あれ?これヤバくない?人生で初めて、腹ペコで死にそうだと思ってるんだけど。あ、涙出てきた。鼻水も出てきた。歯が震えてるし腹もまだ鳴ってる。どうしよう、L霊夢さんに助けを呼んできてもらわなきゃ…ってえぇ!?

 

 

 立夏が見たのは、MCSと同じく何故か消えそうになっているL霊夢の姿だった。

 

 ここで冒頭に戻り、立夏は擦り切れそうな意識の中で、自分の人生を振り返り、特異点で出会った人たちの顔を思い出した。これって、死ぬ前に見る走馬灯ってやつなのか。

 

 そんな感想とともに、意識を手放した。

 

 

 

 土下座しているL霊夢さんの灰色の背中が、目を覚まして栄養剤をガブ飲みしてから見た最初の光景だった。

 

 

 訓練室の映像を見たロマニに、説明を得るために再召喚されたL霊夢さんは、自分の能力のすべてを話した。

 

 自分が死んだ理由については、

 

 

「何て言うか、こう…手元がおかしくなっちゃったんですよ…」

 

 と、自分でもよく分かっていないらしい。ロマニが色々調べた結果、二重召喚というスキルを保有していることが判明した。このスキルでバーサーカーの持つ狂化を取得していたようだ。その割りにはステータスが全部Eだけど。

 

 

 MCSはどうやら即死だったらしく、L霊夢さんと一緒に再召喚されていた。直死とかいう謎パワーについても知っていたみたいで、無理矢理引き合わせて悪いことをしたと思う。今度磨いてあげないとな。

 

 

 それで、なんで俺が空腹でぶっ倒れたのかというと、その原因はL霊夢さんの直死にあるとのことだ。

 

 元々L霊夢さんは直死を使うと腹が空くらしいのだが、L霊夢さんが死んでいなくなっているので、マスターの俺がその空腹感を肩代わりすることになったのかもしれないとのことだ。よくわからない。

 

 

 L霊夢さんは自分を退去させるように言ったけど、別に問題ないと思う。命やら何やらの危機なんて結局特異点でよく感じるし、直死を自分から使おうとも思ってないみたいだし大丈夫だろう。

 

 軽はずみだと言われたけど、直死を使う気なのかと聞いたら黙りこんだ。反論も無いみたいだしカルデアにいてもいいと思う。

 

 

 といっても、もうあんな空腹感は味わいたくないから、基本的に戦闘はさせられないけどね。




誤字・脱字報告よろしくお願いします

逆論外とは、基本的に勝利することがないキャラを指す言葉です。体力が1で攻撃力が0だったり(コイキング)、何もせずに自殺したりします(しんのゆうしゃ)。

ちなみに、スペランカーのような攻撃手段はあっても死にやすいキャラはかみキャラ、弱キャラと呼ばれます。

さすがに無条件で攻撃論外を出すわけにもいかないので、逆論外的な要素を足しました。ご了承ください。
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