さて、遂にハウンド・ラビット最初の試運転。勇ましい決め言葉と共に飛び立ったジェリドだったが、
「これは始末書じゃ済まんかね」
今は海の上にプカプカと浮いていた。
⬛
「どーいうことかな~?ジェリドく~ん?」
束に回収され、研究所に帰還したジェリドを待っていたのは、とびきりの笑顔を浮かべた束だった。だが、何故だろう。ジェリドには束の笑顔がとても恐ろしいものに感じた。
「いや、その……」
「途中まで上手くいってたのにねぇ?なんでかな~?」
「すみません。調子に乗りました」
なぜこうなったのか。時は少し前に遡る。
⬛
『じゃあ、まずは地面を歩いてみて』
「了解だ」
通信機越しに聞こえる束の指令に従い、脚を動かすと、
「すげぇ!こいつ、動くぞ!」
一歩一歩、自分の脚の動きにあわせてISが動く。MSでは味わえない感覚だった。
『当たり前さ。この束様が作ったんだからね。何も問題はないかい?』
「俺の動きとのタイムラグは無い。今のところは問題はなさそうだ」
自分の脚で歩くのとも、MSで歩くのとも違う。どちらかと言えば前者に近いが、しかしやはり、同じ感覚では到底無い。とても新鮮な感覚だった。
『そう。じゃあ次は空を飛んでみよう』
「それなんだが、一体どうすればいいんだ?何かを操作するにしても両手は塞がっているぞ?」
『自分が飛ぶ姿をイメージすればいい。それだけで飛べるはずだよ』
「そいつはすげえ。このヘルメットはそのためだったのか」
『そうだね。主な目的は脳波を感じて動きに反映させることさ』
「主な?」
『後は正体を隠す目的だね。本来のISは女性しか操縦できないのに、男が操縦していたら社会が混乱してしまうよ』
「さっきから俺の声が変なのはそのせいか!」
ジェリドの声は、やたらと高い声になって自分の耳に届いていて、ヘルメットがあるにせよ何かおかしいと思っていたのだ。
『そうだよ。声を自動的に女性の声音にして外に出している』
「いくら声を変えても口調は駄目なんじゃないか?」
『その程度の話し方の女の子は一杯いるよ。なんたって女尊男卑の世界だ。男勝りの女傑みたいのもたくさんいるさ』
「女傑か…」
ジェリドの頭には赤毛の女が浮かぶ。あれはまさしく女傑だった。
同時にいつかのプレッシャーが思い起こされ、身震いをしたジェリドは頭を振ってそれを払いのける。
「とりあえず飛ぶぞ!イメージ、イメージ………こうか!」
ジェリドが宇宙でMSを操っていた時のイメージを思い浮かべると、ISは宙へと浮かんだ。
『よし、成功だ!』
「すげぇ、すげぇぜ!こいつはすげぇ!」
『よし、そのまま少しずつスピードを上げて……ちょ!いきなり飛ばしすぎ、危険だよ!』
束の慌てた声。しかし、
「ひゃっはぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!この程度なら問題ないぜ!」
ジェリドはいつかのガンダムMk-Ⅱのテストの時のように調子に乗っていた。
『……しょうがないなぁ』
暫くジェリドは空を縦横無尽に飛ぶ。束が想定したよりずっと速くISに馴れたようで、もう既に限界に近いスピードを出している。だがそれでもジェリドは旋回や回転等、かなりの高度な事をやってのけている。
しかし、暫くして……
「……ん?あれ?コントロールが効かない!?まずい!?」
止まれとジェリドは思うが、ISのスピードは一向に落ちない。
『いきなり無茶するから‼』
「不時着する!!…くっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ここで冒頭に至るのだ。
⬛
「まぁ元々は機体の不備、こちらのミスだし…」
束がウサミミを垂らしながら、反省したように呟く。
「お互い、認めたくねぇものだな。自分の若さゆえの過ちってやつは………」
たいしてジェリドは束を慰めようと、おどけた調子で言うが、
「あ゛!?」
束は余計に不機嫌になってしまった。
「すんませんっした!……ただな、あまりにも気持ちが良かったんでな、つい……。自分が空と一つになったような感覚…あんな感覚はMSでも味わえない」
「……そう…まぁいいや。今日は勘弁してあげるよ。ところで乗ってみて何か意見はあるかい?」
ジェリドが土下座をするかのような勢いで謝って、その後、素直な感想を言うと、束は自分のISが誉められて嬉しいのか、満更でもない様子であった。
「そうだな……。ハイパーセンサーつったか?あれがコイツ、ハウンド・ラビットのスピードに追いついてない。高速で移動中、直進はまだいいが、カーブやターンの時に少し違和感がある」
「それは問題だね……ハイパーセンサーの性能を上げるべきかな。いや、それとも範囲を広げて…いやいっそのこと演算で…………ありがとう、とても参考になったよ。他にはあるかい?」
「いや、後は無いな」
「OK。わかった。今回の不備を含めて今日中に修正しておくよ。また明日、同じ時刻にテストをしよう」
「了解だ。最高の機体を待ってるぜ」
ジェリドがそう言うと、
「勿論だよ。束様にお任せなさい‼」
いつも通り、束はエヘンと胸を張って答えた。
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~お知らせ~
「これからお知らせを担当する、シャア・アズナブルと…」
「アムロ・レイだ。よろしく」
シャア「なんでも、作者はアンケートをとりたいらしい。ハウンド・ラビットの機体カラーと二つ名を決めたい、とのことだ。全く坊やだな…。機体カラーは赤以外有り得ないだろう」
アムロ「それだけは無いな。機体は白さ。主人公機は白に決まっている」
シャア「甘いな、アムロ。この私が主役を努める物語もあるのだぞ。いつまでも貴様が主役だと思うなよ」
アムロ「それがどうしたシャア。元祖主人公はこの僕だ!」
シャア「主人公としての年代の差が知名度の絶対的差だと思うなよ、アムロ!」
アムロ・シャア「「……………」」
アムロ「いくぞ、シャアぁぁぁぁぁぁ!」
シャア「こい、アムロぉぉぉぉぉぉぉ!」
はい、というわけで、活動報告欄にてアンケートを取ります。詳しくは活動報告欄を確認してください。
期限は3/20までです。
日刊ルーキーランキング23位!?
やべぇ!ジェリドめっちゃ人気ある!ジェリド好きとしは本当に嬉しい限りです!
総合評価も50pt越えましたし、これからも連載していきます。他の作品もありますし、現実も忙しいので投稿ペースは遅いと思いますが、何卒ご理解の程をお願いいたします。
日間ランキング(加点式・透明)で一位になってた……