もしもベルとアイズの子が未来から来たら。   作:棒人間EX

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前回も言った通り、視点が変わります。
前回の続きのお話は、また別の時に。


1話 出会い

僕ーベル・クラネルは今、ダンジョン16階層にいる。

パーティを組んでいる、リリルカ・アーデとヴェルフ・クロッゾは気を失っているため、2人を両手で抱え、必要最低限の物しか持っていないという、絶望的な状況である。

「ここから降りるのか」

目の前には、17階層へ続くであろう縦穴。

僕は覚悟を決めて、そこに入った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「痛っ、ここが17階層。」

 

それから僕は、17階層最奥の大広間に向かって、歩き続けた。

そして、一度もモンスターと出会わずにたどり着いた。

広大で、本当に長大な、大広間。

まるで、屋敷の入り口のようだ。

中は整った長方形となっており、入り口から奥まで200Mはあるだろうか。

壁も、天井も、ごつごつとした岩石の塊で形成される大広間は、その左側の壁面だけ作りが異なっていた。

「『嘆きの大壁』・・・」

幸い、そこから唯一生まれるモンスターはいない。

(よし。まだ間に合う)

そう思った瞬間だった。

バキッ、と。

不穏な音がした。

僕はその瞬間、走り出していた。

音の発生源の大壁からは、巨大な何かが出てくる。

僕は、足を止めて振り返ってしまった。

そこには、灰褐色の巨人、迷宮の孤王ー『ゴライアス』がいた。

僕は、再び駆け出す。

全力でその場を離れる。

後ろからはゴライアスが追いかけてきている。

「はしれ!走れ!走れ!」

ただひたすらに走って、僕は、洞窟へと飛び込んだ。

その時、後ろから来たゴライアスの拳圧によって、僕達は洞窟の奥へと吹き飛ばされた。

 

少し経つと、僕達は洞窟の出口から放り出された。

僕は地面に倒れていて、立つ事も出来ない。

すると、近くから人が来る音がした。

僕は最後の力を振り絞って言った。

「僕の、なかまを...助けて、ください...」

そして僕は意識を失った。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「っ、ここは?」

目を覚ますと僕は、簡易的な布団に寝かされていた。

そんな僕に、なんとなくアイズさんに似ている女の子が、駆け寄ってきた。

「お母さん、兎さん起きたよ!」

と言いながら女の子は、僕の隣へ視線を向ける。

「大丈夫?」

僕は、横を向いた。

そこには、僕を心配そうに見ているアイズさんがいた。

「え?あ、アイズさん⁈どうしてここに、それに今その子がお母さんって」

アイズさんは少し困った顔をしていたが、すぐに答えてくれた。

「私は今、遠征の帰り。その子は私の娘?だよ」

「えーーーーーーーーーーーーーーーーーー、痛っ」

頭がまだ痛かった。

 




更新ペースはなるべく早くしていきたいですが、遅くなることが多いと思いますので、ご了承下さい。
感想お待ちしております。

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