Fate/stay night ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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その11

 

 

霊体化して一応の拠点としている少年君の家に戻った俺は、なんだか見てはいけないものを見てしまった気がする。

具体的に言うと、閉め切った部屋(道場のこと)の中で二人きり、室内でもできるが他人(特に少年君や少女A)に見られたら止められそうな運動(具体的には殺し合いに見えなくもない試合と言う名の手合わせ)をしていた、随分と仲良さげな男女を見てしまった。

まあ、どう見ても全身青タイツのお兄さんとセイバーなんだけど。

 

…………面白くなってきた。

 

俺はその二人に会わないように、できる範囲で気配を抑えながら騙せそうな二人、わかってて追従してくれそうな一人、そういったことに詳しくてとある相手のことを狙っているためそっち系統に敏感になっている一人を集めて話をすることにした。

いったいどんな反応を返してくれるのか、かなり楽しみだったりする。

 

ちなみに、騙せそうな二人は少年君と少女A。わかってて追従してくれそうなのが白少女。そっち系統に過敏になっているのが少女Bだ。バーサーカーは理性を失っているから除外する。

 

さあ、やってみようか。

 

 

 

そんなわけで、()の中の言葉を除いて話してみた。すると少年君は目を白黒させ、少女Aは頭を抱えて唸りだし、少女Bは顔を真っ赤にしてちらちらと少年君のことをチラ見し始め、白少女は少し考えたと思ったらニヤリと俺に笑顔を向け、それからそれが嘘だったかのようにビックリした表情を顔に張り付けていた。

どうやら白少女以外には気付かれていないようだが、白少女は言わないどころかむしろ乗り気ですらあるようだ。

 

「…………あ~……ドリーマー。それって………マジ?」

「嘘は一つたりともついていないと言わせてもらおう。俺が今口に出した言葉の全ては、事実としてそういうことが起きているように見えた」

 

実際嘘はついていない。間違ったことも言っていない。

確かに腹ペコさんと全身青タイツのお兄さんは道場という閉めきられた部屋の中で、庭でもできるだろうけどあえて道場の中で、一般人から見れば十分に殺し合いに見えるから少年君に見られたら止められるだろう手合わせという名の運動をしていたお陰で誰かに見られたら止められるだろうし。

そんで最後には刃を交わして意思疏通でもしたのかかなり仲が良くなっていたしな。

 

ほら、間違ってない。嘘も言っていない。正解ではないかもしれないけど、少なくとも嘘は言っていない。

 

「へぇ? サーヴァント同士でもそういう思いはあるのね。……いえ、サーヴァントだからかもしれないけど(戦って死んでいるサーヴァントでも、自分以外の強者と戦いたいという思いがある、という意味で)」

「ビックリだねぇ。俺はあんまりそういうこと(自分の力と相手の力を戦闘で競いあうこと)には興味がないし、ついでに言うと邪魔する気にもなれないけど」

 

そんなわけで、俺はさっさと少女Aの使ってる部屋で霊体化しながら寝るとしようか。これなら対霊攻撃されない限りは安全だし。

だから色々バレてもバックレられる。あっはっはっはっは。

 

………すか~…………。

 

 

 

『ドリーマーーーっ!!!』

 

どうやらバレたらしい。少女Aの怒鳴り声がよく聞こえる。

けどまあ、勝手に勘違いしてたのはそっちだし? だから俺は悪くない。

 

色々と言葉が足りなかったのは認めなくはないが、受け取り方を間違えたのはそっちだしね?

 

『やーいやーい』

『ドォォォリィィィィマァァァアァァァッ!!!』

『その調子で『ぶるぅあぁぁぁぁぁ!!』って言ってみてくれない?』

『誰がんなこと言うかぁぁぁぁっ!!』

『じゃあ『ドォーミノォー!!』でもいいけど?』

『言うわけ無いでしょうが!って言うかそのドミノって誰よ!?』

『俺の知り合いのマッドな教授の助手をやっている機械と自在式を組み合わせた我学っていうよくわからない技術で出来ている誰かさん。生物なのか無機物なのかも不明』

『あんたの知り合いはいったいどんなやつらよ!?』

 

変態だったり変人だったり狂人だったり頭が良すぎて逆に馬鹿だったり純粋すぎてよく俺にからかわれたり雌豚を自称したりするような人ばっかりだな。たまに人じゃないこともあるけど。

 

……どうでもいいよなそんなこと。とりあえずしばらくは霊体化したままでいよう。白少女のように頭から煙を出して倒れ伏すようなことにはなりたくないし。

と言うか俺の場合、白少女みたいに手加減されずに腹ペコさんとランサーにボコられる気がする。だからやだ。

 

痛いのは好きじゃない。寝るのは大好き。

弄られるのは嫌いじゃない。弄って遊ぶのは好き。

寝るのを邪魔されるのは大嫌い。好きな相手に撫でてもらうのは好き。

 

…………何て言うか、前にも似たようなことを言ったことがあるような気がするなぁ……。気のせいかもしれないけど。

 

そう思いながら俺はシルバースキンを音を防げるように組み替えて眠る。使い方次第で宇宙服にもなるんだから、防音くらい朝飯前だろう。

何て言ったって、形の無いエネルギードレインすら攻撃として完封されたんだから。

 

…………シルバースキンは便利だ。そして、シルバースキンを作れる千の顔を持つ英雄は超便利だ。

 

……そんなわけで、おやすみ。

 

 

 

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