Fate/stay night ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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その12

 

 

夜になって少しすると、少年君がふらふらとどこかに歩いていこうとしていたのに気が付いたので、とりあえず簀巻きにして布団に転がしておいた。

それからなんとなく少年君を操っていた奴の拠点を目指して歩き(直感スキル発動中)、気が付いたら円蔵山とかいう山の前に来ていた。どうやらここに少年君を操っていた相手がいるらしい。

 

まあ、死ぬようなことは無いだろうと思って階段を登っていくと、門の前でなんだかかっこいい侍を見付けた。それより先に進みたいから、とりあえず真っ正面から行くことにしてみた。

 

「こんばんは。良い夜ですね」

「ふむ。その通りだな」

 

その侍はどうやら俺を通す気は無いようで、長い長い刀を右手に持って俺を見ている。

まあ、俺はシルバースキンを着てるから大体の攻撃は防げるんだが……もしあれがどこかの退魔の剣士たちみたいに自分の狙ったものだけを斬る刀だったり、そういう技術を身に付けていたりしたら厄介だよなぁ………と一瞬考えたが、なんとなくそれは無いと思ったのでそのまま歩いて近付いていく。

 

「そこを通してもらうわけには……いかないよな?」

「うむ。これでも門番を命じられているのでな。お主のような珍妙な格好の者を通すわけにはいかん」

「だよねぇ。……それじゃあ一応名乗っとこうか」

 

俺はシルバースキンの背中に手を回し、目の前の侍に見えないように剣を取り出す。

正確には千の顔を持つ英雄で作ってるんだが、細かいことは別に良いだろう。

 

「夢見るサーヴァント、ドリーマー。本名は織斑一夏だ。短い間だろうけど、よろしく」

「ほう? わざわざ名乗る者がいるとはな。……私はアサシンのサーヴァント。佐々木小次郎だ」

「わかった。よろしく小十郎」

「小次郎だ」

 

それはすまない。覚えられなくってな。

 

 

 

三十秒後。シルバースキン・リバースを射出して着せて攻撃を封じて小舅《こじゅうと》の横を普通に歩いて抜ける。燕返しも全部止められているため危険は皆無だ。

 

ただ、俺が着ているのがシルバースキンのアナザータイプの方になってるのが少し嫌。これ体にぴっちりくっつくからあんまり好きじゃないんだよね。

まあ、仕方がないから使うけど。

 

そんなわけでシルバースキンのアナザータイプを着たまま少年君を呼んでいた誰かの前に行く。そうしたら突然攻撃されてちょっと驚いた。

どうやら相手はキャスターらしく、ふわふわと宙に浮かびながら憎々しげに俺の事を睨み付けている。

怖いなぁ。

 

「……アサシンはどうしたの? 門番に置いておいたはずなんだけど」

「縛り上げて放置した横を歩いて抜けてきたけど?」

「……チッ。使えない……」

 

思いっきり舌打ちされた。ああ怖い。こんなのに使えている小太郎も大変そうだな。

俺の知ったことじゃないけど。

 

とりあえず反撃してみる。気を使った瞬動で近付いて両腕を掴み、そしてすぐさまシルバースキンを射出。リバースにして着せてやれば、それで行動を封じることができた。

それに気付いたキャスターは驚愕の視線を俺に向け……直後に驚愕から呆然とした顔に変わった。

 

「…………なに?」

「…………あなた、家の子供にならないかしら? と言うか、なりなさい」

 

いきなりそんなことを言われた。昔に同じようなことを言われた事があるけど、その時の相手と同じ、なんとなく気を許したらヤバいことになりそうな目をしている。

 

「やだ」

 

ぱっ、と手を離して地面に降りる。

 

「子供になってちょうだい」

「やだ」

 

断ったら少し降りてきた。

 

「子供になってちょうだい」

「やだ」

 

また断ったらまた少し降りてきた。

 

「子供になってちょうだい」

「やだ」

 

またまた断ったらまたまた少し降りてきた。

 

「子供になってちょうだい」

「やだ」

 

次も断ったら同じように少し降りてきた。足が地面につきそうだ。

 

「子供になってちょうだい」

「やだ」

 

さらに断ったらさらに少し降りてきた。体は横向きになって頭が俺の肩くらいの高さにきた。

 

「子供になってちょうだい」

「やだ」

 

今度も断ったらやっぱり少し降りた。もう鼻が地面に付きそうだ。

 

「子供になってちょうだい」

「やだ」

 

これも断ったら今度はなんと上下が逆転した。ゴリゴリと頭が地面に擦り付けられている。

 

「お願いします。私の子供になって下さい」

 

しかも今回は超低姿勢だった。

まあ、それでも断るんだけど。

 

「やだ」

「こんなに頭を下げても駄目なの!?」

「うん。だめ」

 

頭の下げ方が違うとかそんなツッコミはしないよ? 普通に下げられても断るし。

……とりあえず、無害化しておこうか。俺と腹ペコさんと全身青タイツのお兄さんとバーサーカーと蛇さんは相手から襲ってこない限りは戦う気はないし、小四郎《こしろう》はキャスターを無害にすれば大丈夫だし……………あれ、聖杯戦争これで終わりじゃね?

 

……あ、ギルさんが居たっけな。時々子供になってるらしいけど、戦う意思は…………ないか。

 

……………………あっれぇ? 本格的に聖杯戦争終わってね?

 

そう思いながらキャスターの頭にルリヲヘッドを被せて軽く洗脳。これで聖杯戦争終了だ。

さてと。少年君の家に戻って寝るか。

 

 

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