Fate/stay night ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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その2

 

 

目が覚めたら、すぐ近くに見知らぬ顔があった。

一応魔力を送られてくる先がこの……そういや名前聞いてないな。少女Aでいいか。少女Aであるらしいので、なんか送られてきた知識からこの少女Aが俺のマスターなんだろうと認識した。

さて、それはそれとして、また寝るか。霊体化はちゃんとできるみたいだが、別に寝てれば必要ないし、これでいいだろ。

 

……それにしても、俺はなんで聖杯戦争なんかに参加することになったのやら。英霊って本当に平行世界の英雄まで呼べるんだな。しかも時間軸的には未来の。

ほんと、びっくりだよ。

 

……ああ、サーヴァント生活最高!学校とか食事とかそんなのを一切考えないでぶっ通しで寝れるし、しかもそれを正当化するためのスキルまでついてるし………聖杯ありがとう!ついでにその中に居る真由《マユ》ちゃんありがとう!

 

……真由ちゃん? 確か、【この世全ての悪】として名高い真由ちゃんだ。名字は………安慈だっけ? 二重の極み使えそうだ。怖い怖い。

【この世全ての悪】安慈 真由。

…………やだわーww。そんなのやだわーwww。

 

……すかー…………。

 

 

 

 

 

side 遠坂 凛

 

目を覚ますと、目の前に見慣れない顔があった。……そう言えば、昨日サーヴァントを召喚したんだっけ。

そう思いながら体を起こす。暖かい布団から起きたくなかったが、学校があるから仕方ない。

 

『学校なんて休んで寝てようよ。布団暖かいよ? 柔らかくて気持ちいいよ?』……なーんて声が聞こえたような気がしなくもないけど、きっとそれは幻聴ね。

顔を洗って歯を磨き、着替えをしていなかったせいで皺がよってしまった服を学校の制服に着替え、呼び出したサーヴァントを起こす。

 

「起きなさい。いつまで寝てるのよ」

「……んぅ………あと……十年……」

「長すぎるわよ」

 

すぺしっ、とサーヴァントを叩こうとすると、いきなりこいつの被っていた帽子が解け、金属製の壁になって私の手を弾いた。

それに驚いていると、壁はすぐに元の帽子の形を取り戻してサーヴァントの頭に乗っかった。

 

「……ああもう。あんたが起きてくれないと、話が進まないじゃないの!」

 

きぃぃ……と腕の令呪が輝き、サーヴァントの行動を強制させる力を発揮する。

 

「さっさと起きなさい!」

 

令呪の一画が消え、私の目の前のサーヴァントが可愛いモゾモゾと動いて目を覚ます可愛い。

……ん? 今なにか妙な思考が混じらなかった? 可愛いけど。

 

私のサーヴァントは眠たそうに目を擦って、そのままぼんやりとした目で私を見つめる。

そして見つめ合い、しばらくしてなにかを思い出したかのようにゆっくりと喋り始めた。

 

「……ふぁ……。サーヴァント、ドリーマー。召喚に応じて………参上……。それで………俺のご主人様は………?」

 

ご主人様。ご主人様。ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様ご主人様。ご主人様。

 

……あっ、やばいなんかこう小さい子供にご主人様って呼ばれる背徳感と可愛さがなんかやばい。

って、さっきからなにかがおかしい。いつもの私ならこんな風に悶えることなんて……。

 

「ねえ、もしかしてあなた、魅了とかそういう能力がある?」

「あるよ? 不随意能力だから常時発動の上老若男女どころか人外にまで無差別で効果があるやつが」

 

原因はそれね。

…………待て待て、いまなんて自己紹介した? 私の聞き間違いじゃなければ、『ドリーマー』って言わなかった?

 

「……ドリーマー?」

「ん? なんだいご主人様。夢見るサーヴァントである俺は、暇があれば寝たいのだけど。クラススキルの睡眠で魔力消費を抑えてかつ回復できるし」

「何よそれ? サーヴァントが独自に魔力を産み出せるってこと? 聖杯戦争のルールがひっくり返るわよ?」

「そうだね。たーいへん」

 

そう言ってドリーマーはまた布団の中に潜り込もうとする。まあまあ待ちなさい。

 

「……なに?」

「できることを全部教えてからよ」

「……まあ、色々。ちなみに宝具も色々。真名は……どうせ知らないだろうから秘密。寝るのが好き。起こされるのはあんまり好きじゃない。魅了とか催眠誘導とか微妙な能力くらいしか無い。直感はEX-、気配察知もEX-、アサシンが隠れててもわかるくらいだね。以上、大雑把な説明終わり。そしておやすみ」

 

それだけ言ったと思ったら、ドリーマーは霊体化していなくなってしまった。まったく、どうしろって言うのよ………。

頭を抱えつつ時計を見ると……あ、やばい。学校。

 

私は急いで家を出た。

 

『ドリーマー!霊体化してついてきなさい!』

『いいよー……ふぁ………』

『……学校ならいくらでも寝てていいから』

『……仕方無いな………』

 

ドリーマーはそう言って、私の後をすいーとついてきた。このコートを脱げば可愛いのにねぇ……。

 

 

 

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