Fate/stay night ~ほんとはただ寝たいだけ~   作:真暇 日間

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その4

 

 

 

全身青タイツの槍使いが現れた。なんと言うか、リアルで見るときっついのな。

筋肉の筋がピクピクするのを見せつけられたり、腹筋の形にタイツが張り付いていたりして……半ば露出だろこれ。

誰かこいつを逮捕しろ。猥褻物陳列罪の現行犯で。

それにしてもほんときっつい。青い全身タイツは本当に趣味が悪い。趣味が悪すぎると言ってもいいくらいに趣味が悪い。なんでこんなに趣味が悪いのを着てるんだろう? 好きな女からのプレゼントとか?

 

…………まあ、別になんでもいいけど。

 

……でも、戦いとか面倒臭いなぁ……みんな一緒に仲良く寝ようぜ?

 

「うぉっ!?」

 

そう思ったら、急に目の前の全身青タイツの膝がかくんと折れた。電車で立ったまま居眠りしてるとたまになるあれだろう。

つまり、俺の催眠誘導はサーヴァント相手でも効果があるってことだな。少しビックリだ。

 

「……てめえ……何者だ?」

「俺かい? 俺はドリーマー。夢見る英霊だよ全身青タイツのお兄さん」

「プッ」

 

俺がそう自己紹介したら少女Aが軽く吹き出し、全身青タイツのお兄さんの額に青筋が走った。

でも仕方無いよな? 名前知らないんだし。わからなかったから見た目の感じで呼んだんだから、間違ってはいないよな?

 

「……イレギュラークラスって訳か」

「まあ、そういうことだね。帰っていい?」

「駄目に決まってんだろ。サーヴァント同士が出会ったんだ。やることなんか一つだけだ!」

 

そう言いながら全身青タイツのお兄さんが飛びかかってくる。どう見ても変態です本当にありがとうございました。

 

とりあえず少女Aを拾って屋上から飛び降りる。エアライナーで空中に足場を作り、それをそこそこの速度で滑り降りて校庭に。

全身青タイツのお兄さんも飛び降りてきて、俺と向き合った。

 

しかし、ランサーにしては遅いな? 最速のサーヴァントだと聞いていたんだけど……。

……もしかして、これも催眠誘導の能力のせいか? 眠くなってると思考や動きは鈍るし、力も若干入りづらくなるし。

 

そんなわけで俺は適当に千の顔を持つ英雄で対英霊用に威力を上げた(宝具を宝具化してるため実際はそんなことは必要ない)スタングレネードを50000ほど全身青タイツのお兄さんの周りに放り出す。

俺はシルバースキンを着てるから大丈夫。少女Aにも今着せたから大丈夫。けど全身青タイツのお兄さんは…………どうなることやら?

 

轟音。閃光。周りの土が吹き飛んでいる所から、多分結構な衝撃。シルバースキンを着ておいて正解だった。衝撃はほぼ無効化したし、音も意識して抑えたから大丈夫。

ただし、帽子で視界を塞いでなかったら、しばらく目をやられていただろう。

 

「目がっ!目がぁぁぁっ!!」

 

後ろで転げ回っている少女Aのように。

ついでに、音を気にしていなかったら鼓膜がやばいことになっていただろうな。校舎の影でこっそり覗き見していたせいで閃光と爆音を同時に食らって心臓が止まってしまった赤毛の少年君とか、クレーターの真ん中でピクピクしている全身青タイツのお兄さんみたいに。

 

……さてと。それじゃあ全身青タイツのお兄さんが意識を取り戻す前に、シルバースキンのアナザータイプをリバースで着せて…………!?

 

全身青タイツのお兄さんの腹筋を押してみる。引き締まっていて弾力があり、いい筋肉だ。

同じように胸筋を押してみる。厚みがあっていい感触だ。

ちー姉さんも似たような感触なんだよな。腰回りとかはもう少し細いけど。

 

「……ねえご主人様。これ飼っていい?」

「…………え? ……な……なに………?」

 

……どうやらこの少女Aは復活したばかりでなにがなんだかよくわかっていないようだ。

 

「ああ、大したことじゃないけど……校舎のあそこの角の辺りに今ので気絶して心臓が止まってるやつがいるけど………もうすぐ脳が死ぬよ? あれ」

「ちょっ!?」

 

少女Aは体を強化してかなりの速さで走り、校舎の角に倒れている少年君を助けに行った。名前は知らないけど、気配察知で性別と身長と場所とおよその心身状態と体勢と体の悪いところくらいはわかる。便利な能力だ。

ののちゃんはこれに加えて何を考えているかが大雑把にわかるって言うんだから凄い。

 

……さてと。それじゃあシルバースキンのアナザータイプを裏返しにして着せて、意味は無いけど首輪をつけてみる。

ちなみに首輪は千の顔を持つ英雄で作った『呪われていて外れなくなる(かもしれない。実際は本当にそうかわからない)首輪』だったりする。猛犬用。

 

ちなみにこれ、霊体化してもそのままだったりするんだよね。首輪もシルバースキンも。

あっはっはっはっは。女相手にやるとすごい怒られそうだ。たまにシャルとかセシリーとか鈴とかが首輪に獣耳つけて俺が寝てるベッドに侵入してくることもあったけど、ちー姉さんにお仕置きされてたし。

具体的にどんなお仕置きをされていたかと言うと、正座した状態で石を抱かせて五時間とか、アイアンクローをしたまま夜の学園を引きずり回されたとか、お尻百叩きとからしい。シャルはガタガタと震えながら。鈴は遠い目をしながら。セシリーは恍惚とした表情で教えてくれた。

 

……セシリーは、もう取り返しがつかないな。確実に。きっかけを作ったのは俺だけど。

……さてと。それじゃあこの全身青タイツのお兄さんを拾って帰ろうか。リバース二枚重ねてその上から通常のを着せれば外からの干渉も内側からの干渉も防げるからな。令呪を防げるかどうかはわからないが、やってみる価値はあるかもな。

 

 

 

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