『ユニバース』の先の新たな世界に   作:エルデスト

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冒頭と設定しかありませんが読んでくれるとありがたいです。
一体何番煎じかはわかりませんが、とりあえず気分転換にちょくちょく書いていた奴です。


fate/persona
メギドラオンはどこでも有効だよね


――――世界は救われた

 

 

 

 

 

誰に知られることもなく、ひっそりと

 

 

 

人の悪意に呼ばれし“死”から世界を、人々を守る為に、一人の少年はその身を散らした

 

 

 

その少年は唯、仲間とともに在りたかっただけで

 

 

 

その少年は二度と仲間の下に帰ってくることはなく

 

 

 

それを知りうるのは、少年と絆を育みあった仲間たちだけであった

 

 

 

誰も知らない、罪無き少年と、世界の悪意との、奇跡の結末(運命)――――

 

 

 

 

 

 

――――救われた世界の小さな出来事

 

 

 

いかなる願いをも叶える願望器を求め、七人の戦士が、魔術師が集う

 

 

 

その中に少年の姿はなかった

 

 

 

叶えるべき願いをその身に宿すと言うのに、魂だけの少年はその中(生者)に在れなかった

 

 

 

しかし、七人の戦士は求めた

 

 

 

人の理を超越せし、今は亡き(過去の)英雄、今を生きる(現在の)英雄、これから可能性のある(未来の)英雄たちを

 

 

 

少年の下にもその呼び声は届いた

 

 

 

しかし、彼の元に届いた言霊には狂化の二節があった

 

 

 

しかし少年はそれでも呼び声に応える

 

 

 

唯、己の願いの為に

 

 

 

唯、仲間とともに在りたいと思う心に従って

 

 

 

 

 

********************************

 

 

 

 

 

――――……・・「抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」

 

 悲鳴にも似た、しかし確りと意思が篭った力強い声。その声の主は呼んだ、己を勝利に導いてくれる存在を。一人の少女を救ってくれる存在を。その為になら、導いてくれる存在が狂っててもいいから。自分のことなどどうなってもいいから……!

 

「問います、貴方が僕のマスターですか」

 

 その呼び声に応え、導かれた存在があった。それは成人にもなっていない少年で。その背は前のめりになって曲がっており、その身に纏う雰囲気はとてもではないが英霊とは言えなかった。ましてやその瞳が狂気で曇るどころか、理知的な深い(あお)色を湛えていた。彼はバーサーカーであるはずなのに、狂えていないその意思。しかし、彼を呼んだ(マスター)はそのことを怪訝に思いながらも、彼を呼び出せたことの喜びの方が大きかった。この瞬間より、雁夜(マスター)は正式に(マスター)であることを認められたのだから。

 

「そ、そうだ。俺がマスターだ! やった、バーサーカーを召喚でき……ゴホッ、ガハッ!」

 

 しかし、その(マスター)は弱かった。本来であればこの戦争に参加できないほどに。しかし、今、こうしてサーヴァント(バーサーカー)を召喚できた以上は資格があるという事。確かに資格は得ていた。肉体と寿命を犠牲にすることで。弱い故に魔力が足りなかった。サーヴァントを最低限維持する程度にはあったが、その程度。一度過激な戦闘を行えば、瞬く間に無くなってしまうわずかな魔力。しかし、それでは聖杯戦争を勝ち残るどころか一勝を修めることさえ不可能。では、足りない魔力はどう手に入れるか? この(マスター)の場合、己の肉を、血を、骨を体内に巣食う蟲に喰らわせることで魔力を得ていたのだった。ならば、召喚の儀式を行えばどうなるのか。それは火を見るより明らかだろう。現にこうして血を吐いているのだから。

 

「マスター? どうした、血を吐いて。……蟲? なんで蟲が血の中、いや体内に寄生しマスターを喰らってるんだ?」

 

「お、前……本当に、バーサーカー、なのか? 何故、そんなに話せる!? ゴホッ、そうだ、ステータスを確認、すれば……なっ! 何で、何でお前……」

 

 (マスター)は気づいてしまった、見てしまった。彼の力の片鱗を。しかし、それに騙されてはならない。彼の能力の神髄を見極めなければそれはまやかしとなる。ただただ、それは彼の片鱗でしかないために。しかし、マスターは彼の能力を知らぬが故に驚き、戸惑うこととなった。

 

「何でステータスがオールE-なんだよ! ガッ、ゴフッ、ゴホッ!」

 

「マスター、それには理由がある。それに、僕はれっきとしたバーサーカーのサーヴァントだ。でも、説明は後にしよう。今は休んで……」

 

 驚愕の事実を知り、絶望する(マスター)。しかしそれに戸惑うこともなく、痛みで崩れ落ちたマスターに近寄り抱きかかえる。従者として自分のマスターを休めさせるために。だがそれに割り込む存在がいた。カッカッカと嗤いながら、嘲るような目でその主従を見て、近寄って行く。

 

「カッカッカ、のう、バーサーカーよ。その雁夜がいっていた事は本当かの? お主が最弱のサーヴァントという事は」

 

 その声はとても不快だった。例えるのならば、全身に虫が這われたような不快さ。その声、その姿、何もかもが生理的嫌悪を催すぐらいの物だった。彼はゆっくりとそのナニカに目を向ける。まるで何もかもがどうでもいいという目で。実際、彼にとっては、自分の願いと、マスター以外はどうでもよかった。

 

「……どうでもいい。その雁夜が誰かは知らないが、マスターは嘘を言っていない」

 

「ほう、そうかそうか。ふん、この出来損ない目が、こんなサーヴァントを呼び出しおって。これでは桜を助けることは出来ぬよなぁ? 英霊でもない唯のニンゲンが、他の英霊を殺すことはできなかろう。カッカッカ、どうするつもりだ雁夜よ」

 

「ぐっ、お、れは……それでも戦わなきゃ、いけない……」

 

 嘲るナニカと絶望してもなお諦めない雁夜。雁夜は弱弱しく彼の手の中で起き上がろうともがく。彼はそれを見て、蟲が模したナニカ――臓硯の言葉を聞いて、その会話の中に入っていく。それは始点。彼がマスターとともに勝利を飾っていく、始めの分岐点。彼はゆっくりと口を開いた。

 

「そんなことどうでもいい。……と本当は言いたいところだけど、僕のマスターを侮辱された以上黙っている訳にはいかない。しかもマスターに寄生している蟲……お前のものだな?」

 

「最弱のゴミサーヴァントが。口を挿むでない。お前は大人しく聖杯の魔力となっていればいいのだ。まあ、あってもないような程度、貰っても聖杯が困るだけか。カッカッカ、黙っておらぬと蟲を使って雁夜を殺すぞ」

 

「最弱、ゴミ……、僕を余り侮るなよ? これでも今回の聖杯戦争で最強を自負できるぐらいは強いつもりだけど。まあ、僕はともかくとしてお前がマスターを害しているのが分かった以上、僕には排除する義務がある」

 

「や、めろ! バーサーカーッ!」

 

 雁夜の制止は彼には届かない。ゆっくりとその手に抱えたマスターを地に下ろし、腰に巻いてあるホルスターから銀に輝く(召喚器)を取り出す。召喚器の側面には『S.E.E.S.』と掘り込まれており、しかもその文字はまるで誇らしげしているようにさえ見えた。その理由の一端はそれが醸し出す神聖な気配だろう。その気配はそれが宝具であると周囲に伝えている。

 

「まさか歯向かってくるなどとは思ってもいなかったわい。そうかバーサーカーよ、そんなにも死にたいのか。宝具を持っている以上、英霊ということは認めてやろう。しかし最強はちと言いすぎじゃ。宝具がいくら高性能だったところで使う本人がこんなにも弱くてはの! さてどのように雁夜をいたぶろうか。なに、令呪を使われたところでその程度の魔力では儂を殺すことはできないだろうしの」

 

「……降魔、タナトス」

 

チャキッ……

 

 彼は臓硯の言葉を無視し、代わりに誰にも聞こえぬようそう呟くと、静かにその右手に持つ召喚器を自らの米神にあてる。一般人から見れば悲鳴を上げ、心優しい人は無理やりにでも止めさせるような異様な光景。しかし、それを見るのは一般人から逸脱した存在の魔術師。いや、魔術師からも逸脱する外道。その外道はそれが魔術的意味を持つと容易に想像できた。

 

「これだけ脅しても動揺するどころか、一歩も引かぬとは。中々に肝の据わった奴じゃ。じゃがそれが命取りよの。なにせどのような強力な魔術でも使用者の実力が最底辺では、魔術が発動する前に雁夜は死んでしまうのだからな。さあ、蟲たちよ雁夜を……」

 

 臓硯が口元の嘲りの笑みを深くし、蟲たちに命じようとする。その瞬間、彼の指が動く。その手に持つ召喚器の引き金を引くために。同時に彼の口も動いた。

 

 

 

それは言霊

 

彼が彼である証

 

彼が英霊である理由

 

 

 

心の海の中から仮面を呼ぶ声が紡がれる

 

その手は切っ掛けを生み出す引き金を引く

 

 

 

「ペルソナ……! タナトス!」

 

 

 

パアァン……!

 

 

 

 澄んだ音と共に青い光が舞い散り、同時に彼の背後が歪む。時空が、世界が変わっているのではない。彼の心から生まれ出でし者。それが唯、この世界に姿を現そうとしているだけ。それだけというのになぜ心がこんなにも震えるのだろうか。本能が肉体と意識に語りかける。あの怪物には逆らってはいけない、と。そう感じるだけの気配が彼の背後の存在から感じた。それは全ての根源の恐怖。全ての生物がこの世に生まれ出た瞬間から恐れるモノ――それは“死”

 

 あれは死そのものだ。この場にいるすべての存在がその事実を直観的に気付いた。気づいてしまった。気付かなければ恐れることはなかったのに。しかしそれはできない。死とは逃れられない故に、目を背けることもできないから。

 

 

ヴォオオオオォォォォオオオ!!!

 

 

 鎖で繋がれた数多の棺桶を周囲に展開し、頭には獣の頭蓋骨を被り、その体には真っ黒いコートに白い手袋を纏った、異形()――――タナトスが吠えた。唖然とした表情で臓硯は一歩退く。意識して動いたわけではない、正に本能。なにせ、この臓硯が一番恐れていたのが皮肉にも死だったのだから。蟲に命じようとした口は、ぱくぱくと魚のように何も発することも無く、唯無意味に動いていただけだった。仮に、もし命令ができたとしても、蟲たちは怯えてその命令を聞くことはなかっただろう。

恐怖がこの場を支配する中、喜びの感情をもつ場違いな人がいた。それは間桐雁夜、彼のマスターその人だった。雁夜にとってはこれは好機。もう後戻りできない以上、雁夜はそれを選択した。

 

 雁夜は叫ぶ、己のサーヴァントに願いをすべて託して。

 

「バーサーカー! 頼む、ソイツを殺してくれ……ッ!」

 

 朦朧とした意識の中で精一杯叫ぶ。それでも小さな、か細い声。だが彼にとってはそれで十分だった。

 

「や、やめろ! わ、儂はまだ死ぬわけには……」

 

「タナトス、メギドラオン」

 

 この攻撃の前では如何なる防御も意味をなさない。頼りになるのは己の身体能力のみ。しかし、相性が悪いことに臓硯の肉体は蟲で出来ていた。取り得が数が多いことならば、その魔法は広範囲である以上その長所は相殺された。

 本来核熱魔法(メギドラオン)に晒されたこの部屋はその威力でバラバラに弾けとび、場所によっては原形を保てないほどドロドロに溶けるほどの熱量を保持しているが、この部屋は崩壊どころかこの場において圧倒的に脆い雁夜に傷一つ無かった。これは高威力広範囲の技でありながら、熱量は全て内側に向かっているということ。実際、部屋は少し煤けたり抉れているだけで被害という被害は無かった。それだけの威力をその身に受けた臓硯はやはりというべきか、跡形も無く消え去っていた。しかし、

 

「……駄目か。あの蟲の本体は別にいるのか、殺しきれなかったか。マスターは大丈夫か……?」

 

 臓硯の魂は蟲に埋め込まれていてあの場には存在しなかった。だが代わりに余波で魔力回路のラインをずたずたにしたので暫く動けないことには変わりは無い。最低でもこの聖杯戦争が終わるまでは一匹の蟲さえ動かせないだろう。とりあえず今のところの目的を果たした彼はマスターの元に向かう。

 

「申し訳ない、あの蟲人間を殺すことは出来なかった。しかし、聖杯戦争中は動けないから安心していい。今の僕は人間だから、一部の能力が制限されてるけど戦争が終わったら蟲を殺し行ける。その時まで待っててほしい」

 

「バーサーカー、お前はいったい何者だ。戦争が終わったらお前は還るんだぞ……?」

 

「詳しい話は後にしよう、今は休養を取るのが先。どこに向かえばいい?」

 

「そんなことより、桜ちゃんだ……。桜ちゃんを蟲蔵から助け、てく……」

 

「マスター? ……気絶してるだけか。取り合えずどこか適当な部屋で休ませるか。そして命令である以上、その桜という人を助け出す。でも“そんなこと”か、自分の安全より他人の心配だとはな。はあ、この先が

不安だ。僕と同じ未来を辿らないといいけど……」

 

 そう彼――死神の化身は呟き、ゆっくりと雁夜を抱き上げその場を去って行った。

 

 

 

 これが己の命を鑑みぬ、憎しみに狂ったマスターと、世界(ニュクス)に命を捧げし精神(ペルソナ)が狂った狂戦士(バーサーカー)の邂逅である。

 

 これがどのように未来へと影響を及ぼし、誰が聖杯(勝利)を納めるのか。それは神であっても知ることはできないであろう。それほどまでに、この地に集った神代の英雄は規格外なのだ。現代の英雄たる彼も、神の力をその身に宿すし古の英雄に劣らぬ、否、それさえも超える強者である以上与える影響力は計り知れない。訪れるは栄光か、はたまた破滅か。それとも死の絶望か。それはもうすぐ分かることであろう……。

 

 

 




ふと思いついた何か

雁「そんなことより、桜ちゃんだ……。桜ちゃんを蟲蔵から助けてくれ!!」チョウゲンキ
湊「今はマスターが先。ドルミナー」
雁「お……い……何か……違…… ガクッ
湊「ん? 僕は悪魔なんて持ってたっけ……ああ、そうだ。死んで前世の記憶が出てきたんだっけなあ! 実は僕は仲魔を持っていたのだ! これで僕は最強に! そのせいで人間やめたけどね」

湊は歪な笑みを浮かべ、体からはうっすらと青白い光のラインが発光し、首からは大きな棘が生えていたのだった。

湊「僕の望みはコトワリを得、トウキョウを理想の形に戻すことなのだから! ふははははは!」



桜「何それ怖い」
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